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2008年06月13日

【時間術】「エンジニアのための時間管理術」Thomas A. Limoncelli


エンジニアのための時間管理術
オライリー・ジャパン
株式会社クイープ(翻訳)
発売日:2006-10-19
おすすめ度:4.5


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、理数系の方向けの時間管理術のご本。

タイトルは「エンジニアのための〜」となっていますが、の原題は「Time Management for System Administrators」ということで、システム管理者さん向けに書かれた内容です。

・・・って、どっちにしろ私は該当してませんが(汗)。


◆アマゾンの商品の説明から引用します。

OSのパッチ適用に技術調査、SOX法対応と、日々仕事に追われるITエンジニア。その限られた時間を有効活用するためのテクニックを解説する。手帳やPDAでスケジュールを管理する方法やタスクリストの書き方など、ビジネス全般に共通するトピックが多いものの、ITエンジニアの視点から、システムの開発・運用管理業務に即したノウハウも盛り込んでいる。面倒な管理作業をスクリプトで自動化する方法などを、サンプル・コード付きで紹介しているところもユニークだ。

確かに最後の自動化の部分は、ガチでコードが書いてあって、smooth涙目

ただしそれ以外は、超文系の私にも得るところは十分ありましたよっ!


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【目次】

第1章 タイムマネジメントの原則
第2章 集中と割り込み
第3章 ルーチン
第4章 サイクルシステム
第5章 サイクルシステム:作業リストとスケジュール
第6章 サイクルシステム:カレンダーの管理
第7章 サイクルシステム:人生の目標
第8章 優先順位
第9章 ストレスの管理
第10章 電子メールの管理
第11章 時間の浪費
第12章 文書化
第13章 自動化
おわりに


【ポイント】

■SAのタイムマネジメントの原則(抜粋)
●タイムマネジメント情報を1つの「データベース」にまとめる

⇒主なツールは、PDAもしくは、PAA(紙のPDA・・・バインダー、プランナー、手帳等)

⇒本書内では両者を意味するものとしてオーガナイザという言葉を使用する


●日課(ルーチン)を定め、それらに従う

日常的な作業日課にすれば、先の計画を立てる時間を削減することができる(「考える」時間を節約できる)

⇒毎日の最初の作業として、電子メールをチェックするよりも先に、作業リストを見直して、優先順位をつける


■マルチタスキングのヒント
⇒マルチタスクに適しているのは、「急いで行い、待つ作業」であり、そのほかの作業はマルチタスクすべきではない

疲れているときや、ストレスが溜まっているときは、マルチタスクを控える

⇒常に同じ方法でウインドウを配置する

同じドキュメントの2つのバージョンを比較するときは、常に、古いバージョンのウインドウを左、新しいバージョンのウインドウを右に配置する。


■最初の1時間ルール
平日の最初の1時間は、通常オフィスが最も静かで割り込みが少ない時間なので、この時間はプロジェクト等にあて、メールチェックは件名だけにして、後回しにする

「最初の1時間ルール」がうまくいったら、もう1時間早く出社して「最初の2時間ルール」に変える


■ルーチンについて(抜粋)

「ルーチンとは、一度だけ考え、何度も実行するための手段である」

毎日しなければならないこと1日の早い時間に行う

⇒ファイルを編集する前に常にバックアップをとる

筆者が採用している方式は、ファイルを今日の日付けが付いたファイルにコピーする、というものです。

⇒仕事の旅行かどうかにかかわらず、「荷造りリスト」を作成し、旅行に持っていくものを思いついたそばから、オーガナイザを開いて、リストに追加していく


■サイクルシステムとは
●構成

「365日分の作業リスト」
「今日のスケジュール」
「約束のカレンダー」
「メモ」


●手順

⇒今日のスケジュールを作成する

⇒今日の作業リストを作成する

優先順位をつけ、スケジュールを調整する

予定に取り組む

⇒1日の終わりに未完成の仕事をすべて翌日のリストに移動し、移動した項目には取り消し線を引く

(詳しい手順については、本書をご覧下さい)


■サイクルシステムにおけるカレンダーの使用法
●アポイントメント(約束)と会議

⇒出席を承諾した場合には、常にカレンダーに記録して、将来の責任を確保し、ダブルブッキングを防ぐ

⇒もっとも重要なのは、自分の記憶をあてにしないこと


●重要な期日

誕生日、記念日、その他重要な日を記録する


●将来の作業項目

⇒PAAを使用している場合、ずっと先の作業項目を記録しておける


■自分のリズムを知る
⇒会議への出席やアポイントを承諾するときは、自分のリズムを考慮するのも一案

⇒1日のうちで、自分の最も集中しやすい時間を見つける

 来週、少し時間をとって、1日のうちで最も集中しやすい時間を見つけてください。1時間に一度、コンピュータのビープ音が鳴るように設定するとよいでしょう。ビープ音が聞こえたら、自分の活力と集中力の度合いを0〜10の段階で書き留め、両方の数値の高い時間帯を見つけます。(中略)

著者の場合、若いときは午前2時ごろでしたが、今では午後2時あたりに変わっています。


■人生の目標
仕事プライベートの両面で、ひと月、1年、5年の目標をリストアップし、それらに優先順位を付け、それらを達成するために必要な手順をリストアップする

⇒各目標の次の手順作業リストに記入する

⇒月に1度、目標と手順を見直し、必要に応じて優先順位を入れ替え、「次の手順」を作業リストに記入する

⇒なお、目標は測定可能でなければならず、他人がチェックできるような目に見える結果、もしくは数値による測定が必要


■プロジェクトの優先順位
効果に基づいて判断すべきであり、「ほんのわずかな努力しか要しない」「効果の低い」プロジェクトよりも、「相当の努力を要する」「効果の高い」プロジェクトの方が価値がある


■ストレスの管理
ストレスの原因となるのは、自分の身におきたことではなく、自分の身におきたことをどう受け止めるか

誰か何かはっきり説明すると、問題を解決するのに役立つ


■自動化の考え方
⇒自動化すべき作業とは、「一度だけ行う」「難しい仕事」「頻繁に行う」「簡単な仕事」

「一度だけ行う」「簡単な仕事」なら手動で行い、「頻繁に行う」「難しい仕事」なら、ソフトウエアを購入するか開発する

⇒自動化するには、まず、手順を文書化する必要があり、それができないのなら、自動化することもできない


【感想】

◆なかなか歯ごたえがある一冊でした。

一つには、オライリーなのでしょうがないのですけど、横書きであること。

目の動かし方が違うのか(?)、横書きの本は、若干読むスピードが遅くなるのが私のデフォルトでございます。

ただ、これは13章にあるコードサンプルとの親和性が高く、逆に縦書きの本なら、この部分の記載はかなり難しいことになっていたかと。


◆また、SAというお仕事の中身もよく知らないので、本書の内容がどれほどSAに特化しているかも正直なところよくわからず(汗)。

とりあえず、システムのユーザーや社内の別の部門から、テンポラリーに電話がかかってきたりして、仕事が中断するラシイことだけはわかりました(笑)。

そのための「割り込みを別の方向へ向ける」ですとか「悪印象を与えずに追い払う」(汗)なんてハックもあるのですが、まぁその辺は実際にご覧頂くとして(汗)。


◆その代わり、本書のキモでもある「サイクルシステム」は、ある意味時間管理法の王道的なやり方だと思います。

7b243591.jpg











こんな「1日1ページ式」のリフィル(既製品であるんですかね(汗)?)にタスクを書き込んでいくという。

見にくくて申しわけないのですが、用紙の左半分は、左から「済」「優先順位」「所要時間」「項目」になっています。

本書では、記入の仕方から、タスクの消し方翌日への移し方等々、細かく事例付きで解説していますので、詳細をお知りになりたい方は、一度手に取ってみてください。

・・・リアル書店ですと、ある程度大きな店じゃないと在庫がないかもしれませんが。


◆また、本書と併読すべき本として勧められているのが、GTDのバイブルでもある、コレ。


そしてその翻訳本がコチラ。


中身うんぬんじゃなくて、翻訳についての言及が多いので、ここで勧めていいものやら(汗)。


◆なお、超文系(しつこい(笑))の私としては、たとえ「やることは同じ」であっても、考え方というか、そこへの持っていき方に、ロジカルというか、理系的なものを感じました。

「身も蓋もない言い方」とか、「文章構成」とか、こういうスタイルって、私は結構好きなんですよ(笑)。

これが翻訳本だからなのか、そもそもがSA向けだからなのかはわかりませんが、いずれにせよ、好きな方ならハマるフォーマットだと思います。


◆その一方で、メンタル面に言及していたり、また本書の内容を実践した結果、新たにできた時間どのように使うか(多分読まれたらビックリすると思います(笑))等の、心理面に対する配慮も抜かりなし。

サンプルコードが私には「ネコに小判」状態だったことを除けば、余裕でオススメ

理系的な時間管理を目指すアナタに!

エンジニアのための時間管理術
オライリー・ジャパン
株式会社クイープ(翻訳)
発売日:2006-10-19
おすすめ度:4.5


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【編集後記】

◆右サイドバーに追加したので、お気づきになった方もいらっしゃるかも。


1ページだけですが、私も登場しているこのムック。

やっとアマゾンに画像が付きました!

ちなみに見所の一つ(?)は、裏表紙を飾る全登場者の顔写真

自分で自分の部分を見て、思わず吹いたのはヒミツです(笑)。


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エンジニアのための時間管理術(2006/10/19)Thomas A. Limoncelli商品詳細を見る システムエンジニアが時間を管理する上でのポイントなどを知りたくて??..
エンジニアのための時間管理術【hobo-sickboy-】at 2008年07月03日 06:45
                               
この記事へのコメント
               
Smoothさん、おはようございます。
最近GTDにはまっている私がやって参りました(w

この本、システム管理者が読むと共感の嵐になること請け合いです。私も新刊の頃、おもわず店頭で即買いしてしまいました(^^;

一日一ページリフィルはフランクリンプランナーのリフィルにありますね。だいたい同じ形式だとおもいます。

たぶん、この著者の方はフランクリンのセミナーに出たことがあるのではないかと、本を読んでいてなんとなく思いました。(そういうニオイがしたというか…)

基本的な考え方は、理系やシステムアドミニストレータだけではなく、大量の仕事をさばかなくてはいけない文系ばりばりの方にもお勧めだと私も思います (^^)/"
Posted by Sio @ Sio's Gadget Blog at 2008年06月13日 08:39
               
 おもしろかったです。
 理系だったのはかなり昔ですが、時間管理は本当に重要なテーマではあるので。
 だからでしょうか、これに加えて、読みたかったけど買えなかった「マニャーナの法則」とか、「レバレッジ時間術」とか読みたくなりました。
 それでは。これからもがんばってください。
 他の記事も楽しみにしています。
Posted by 神楽坂奏 at 2008年06月13日 14:47
               
smoothさん、こんにちは。

バリバリ文系の僕ですが、今のところタスク管理はGoogleデスクトップを使っています。少々面倒なところもあるので、この本をリアル書店で見てみたいです!
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2008年06月13日 18:40
               
>Sioさん

ご説明ありがとうございます。
さすが!すでにお買い上げでしたか。
フランクリンのリフィルは多いかと思って、チェックしてなかったのですが、今度確認しておきます。
・・・いずれにせよ、私の場合、手帳自体使いこなせないのがデフォなんですけどね(涙)。

>神楽坂奏さん

神楽坂さんも理系でしたか。
いやー、私の周りに理系の方の多いこと。
「レバレッジ時間術」は私もオススメでございます。
ぜひご一読を。

>LuckyUSさん

逆にLuckyUSさんが文系というのは、にわかには信じがたく(笑)。
この本も、一度リアル書店でごらんあそばせ(笑)。
使えるところは使えます!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年06月14日 09:42