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2008年06月07日

【知的仕事術?】「知的生産のためのすごい!仕事術」晴山陽一




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、晴山陽一先生の仕事術のご本。

最近出された、「英語ベストセラー本の研究」は早くも増刷が決まったそう。

コチラの本については、聖幸さんの記事をご覧下さいマセ。

「英語ベストセラー本の研究 」英語学習法の黄金律とは:俺と100冊の成功本


◆さて本書は、単なる「仕事術」の本ではありません。

タイトルの最初にある「知識生産のための」

実はこの部分が結構ミソだったりします。

晴山先生の独創的な仕事術をご覧アレ。


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【目次】

アイディアなしでは生き残れない!
ユーザーはわがままでリーズナブルである
自分を透明化する
ストレスフリーの仕事術
仕事のコンディションを整える
仕事は「していない時」に進む
インプットとアウトプット
仕事は「問う」ことから始めよ!
本は逆に読め!
言葉の感覚を磨く
人はヴィジョンのないことは絶対できない!
果報は仕組んで待て!


【ポイント】

■ユーザーはわがままでリーズナブル
⇒本で言うなら、著者にとっては締め切りまでに書き上げることが目標となりやすく、「読み手の要求」よりも「書き手の事情」が優先されやすい

⇒しかし、ひとたび書店に並べば、その苦労とは無関係に類書の間に置かれて相対化されてしまう

⇒とにかく読者はよい本絶妙のタイミングで安く手に入れたい

⇒アイディアを思いつくことは重要だが、それらは「何が求められているか」という問いに答えるものでなければならない


■「仕事」と「作業」を分ける
「仕事」とは、自分のクリエーティブな部分で、能動的だが、計算できない

「作業」とは、自分のクリエーティブでない部分で、受動的だが、計算できる


■枠組みを作る
「作業」のひとつである「フレーム作り」とは、具体例を挙げると、同じ形式のページ原稿を200ページ分繰り返す執筆の場合、先にページごとのタイトル部分を打ってフレームを作るような作業を言う

⇒フレームができてしまうと、執筆がスムーズに進むことが多いのは、枠組みを作ると中身を埋めようとする本能が自動的に働くためでは?

「仕事が終わったイメージを作る」というのは、ストレスを減らす上で著しい効果がある


■進む仕事から片付ける
⇒(晴山先生の経験だと)まずやりやすい仕事、進む仕事からどんどん片付ける

⇒容易な部分から進めるひとは、20%の時間で、80%の仕事を終えることができる

⇒すると、仕事の全容が、始める前よりずっと見えており、当初困難だと思われていた残りの20%に対処するためのヒントが、すでに得られている場合も多い

⇒常にスピードを楽しみ、仕事を詰まらせないようにする

⇒本も書き出しから書く必要はない


■肩や背中の凝りにオススメの体操
「ホッピング(かかと落とし)」

まっすぐに立ち、背伸びをする時のようにかかとを上げてストンと下ろす。この動作を2〜30回繰り返すとふくらはぎが痛くなってくるので、片足ずつブラブラさせて痛みを取る。この体操には何も道具はいらない。どこでも1分くらいでできて効果は絶大である。


■無意識の世界
⇒我々はたまたま「意識のピント」に合ったものだけを認識しており、世界のほとんどは「無意識の世界」で成り立っている

「アイディアが浮かぶ」という時、普通は心の中に浮かぶと思っているが、実際は、アイディアは我々を取り囲んでそこら中を漂っており、ただ我々がそれに気づかないだけ

⇒たくさんの「ひらめき体験」を得ようとするなら、自分の方から意識的に動き回ること

不ある目的を持って動いていると、その目的に合致したものが無意識の世界からフラグを立ててくる。われわれはそのフラグの立ったものをすばやくキャッチすればいいのである。


■「知的生産」のコツ
インプットは速く、多く

アウトプットはじっくり、手堅く

例えば、「2000個も単語を覚えたのに、いざ書こうとすると何も出てこない」とか、「大量の"英語聞き流し"をしているのに、ちっとも話せるようにならない」というような人は、インプットばかりに時間をかけ、ためこんだ英語をどのようにアウトプットするか、という意識(工夫)が足りないと思うのだ。


■アウトプットの5原則(抜粋)
●材料をきっちりそろえておく

ろくに材料が揃っていないのに、書き始めてはいけない


●本丸(いちばん書きたいこと)から攻めよ!

⇒とにかく核になる部分を形にすると、その導入、肉付け等、次第に全体像が現れてくる


●批判力を自分に向けて推敲する

⇒極論すれば、批判眼が一流なら、二流の書き手でも、最後は一流の作品になる


■本をメモ帳と割り切る
⇒本は白い紙の上に、私より先に人の考えたことが印刷してある資料集

⇒大事な部分は、線を引くのではなく、鉛筆で丸囲みする


■ポストイット「超」活用法
⇒例として、「10章立てのレポートを書くために30冊の本を資料とする」場合、まず書きたいものの構成を明確にする

⇒本を順に読んで、レポートに使える部分があったらポストイットを貼るが、その際、第1章用のアイディアなら一番上、第二章用のアイディアならそのすぐ下、というようにポストイットの位置をずらして貼りなおしていく

⇒一度使用したポストイットは見えない位置に引っ込めると、第一章を書き終わった時には、第二章のポストイットが一番上になっている


■肯定・否定の形を変える
⇒ひとつのアイディアを思いついたら、それを逆の方向から言ってみると、ぐっと視野が広がり、表現能力(説得力)もアップする

⇒例(抜粋):

●「学習の抵抗感をなくす」

「英語に抵抗感を持っていたら、学習は続かない」


●「継続が不可欠」

「一朝一夕いに英語力がつくというのは幻想に過ぎない」


【感想】

◆本書の場合、まず「タイトル」に惹かれてしまいました。

「知的生産」「すごい!」「仕事術」

思いっきり「このブログ的にツボ」ではないでしょうか(笑)?


◆そして、今までかなり「仕事術系」の本を読んできたワタクシですから、読む前に、内容をある程度想像していたんですよ。

ところが、これが結構想定外(汗)。

ひとつには、通常「仕事術」と言った場合、メインで考えるのは、上記のポイントでいうところの「作業」の効率化だと思うんですが、本書のメインは、まさにそこで言うところの「仕事」のやり方だったという。

それがゆえの、タイトルにある一節、「知的生産のための」なんでしょうね。


◆変なバイアスをかけたくないので省略してしまったのですが、通常の仕事術の本とは異なり、「哲学チック」な表現もちらほら。

さすがにポイントとして抜き出すのは難しかったので、機会があれば実際にお読みいただきたいところです。

例えば、本の後半に、実際に使われている「キラーワーズ」「キラーフレーズ」が掲載されており、ここから少しご紹介すると・・・。

1.本書のためのキラーワード例(抜粋)

・「自分を透明化する」

・「自分の相対性」と「世界の連続性」


こんな感じです。

自分としては納得したんですが、まとめるのは難しくて・・・(汗)。


◆もちろん、「10年で80冊近い本を書かれた」晴山さんだけあって、一般的な「仕事術系」のネタも豊富に収録。

泣く泣くカットしたところでも

「自分に対する課題をたくさん見つける」
「疑問帳をつける」
「ベターを尽くせ」


なんて興味深いところが(汗)。


◆個人的にツボだったのは、やはり「アウトプット」に関する部分。

「本に対する意識」「ポストイットの使い方」等も、アウトプットあってのこと。

「ポストイットの貼る位置に意味を持たせる」、というのは私も実践していますが、晴山さんのやり方の方がよりシステマティックでした(笑)。

日頃「インプット過多」と思われている方は、この辺りもぜひ参考にしてみてください。


クリエーティブなアウトプットを目指す方に!




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【編集後記】

◆昨日の記事でサッカー好きであることを名言した以上、今日のオマーン戦は、正座してテレビ観戦させていただきます!

何やらとんでもなく暑いようなので、選手はきっとヘロヘロになっちゃうんでしょうけど、勝ち点キボン!


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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは。

かかと落とし、良いですね。
僕は凝らないんですが、身の回りには
肩が、背中が、という人もいるので
是非教えてあげようと思います。

それにしても本の使い方も、ほんと
いろいろとありますね。
Posted by LuckUS@フォトリーダー at 2008年06月07日 19:04
               
smoothさん、こんにちは。
いつもよい本をご紹介ありがとうございます。早速、アタックさせていただきました。smoothさんのアウトプットのお薦め本は、本当に役に立って助かります。本業が繁忙期にはいってくると効率的にブログも更新できないとお仕事の時に、
 _| ̄|○ になります(笑)(絵文字とても気に入ったので、smoothさんのパクリました!)
連日更新されるsmoothさんの凄さをひしひし感じます。しっかり、勉強させてもらいベターなアウトプットができるように頑張ります!
Posted by hoshi-zora at 2008年06月08日 12:46
               
>LuckyUSさん

私もあまり肩とか凝らない方なんですよ。
以前、チャットとかやってたころは結構大変でしたが(汗)。
ただ、「かかと落とし」に関しては、この本だけでは、詳細まではわからないので、気になる方は、お名前でググると良いかも。

>hoshi-zoraさん

アタックありがとうございます。
この本、仕事術としては、ちょっと毛色が変わっていますので、従前の本に慣れていると戸惑ってしまうかもしれません(汗)。
あと、この絵文字、2ちゃんねるでは、結構有名なんですよー。
少なくとも私が考えたのではございません(笑)。
あ、ビジネス書とか読まれる方は、あんまり2ちゃんとか行かないか(汗)。


Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年06月08日 12:52
               
smoothさま、こんにちは。以前に「カリスマ税理士(吉澤さま)のオススメ英語書籍」の記事で初コメントを入れさせていただいた Rach です。
今日、拙ブログで、「知的生産のためのすごい!仕事術」に関する記事を書きましたので、思い切ってトラバさせていただきました。

smoothさんのご感想にある、
本のタイトルが、思いっきり「このブログ的にツボ」、ところが、これが結構想定外、
という部分が、とても面白いなと思いました。
確かに、この晴山さんの本は、従来の仕事術の本とはちょっと違っているのかもしれませんね。聖幸さんが取り上げておられた「英語ベストセラー本の研究」も同時期に書かれた本でありながら、かなりカラーが違います。扱う分野ごとに、違ったアイディアを浮かべ、それを適切な形でアウトプットする、というのが、晴山さんの「仕事」のやり方なのでしょうね?

貴ブログ、いつも楽しく拝読させていただいております。
これからも頑張って下さいね!
Posted by Rach at 2008年09月05日 12:01
               
>Rachさん

ご無沙汰しております。
記事でのご紹介ありがとうございました。
春山先生のこのご本、結構仕事術としては変わった部類に入ると思うんですよ。
でも、着実にお買い上げいただけたのは、やはり「英語勉強好き」の方にしてみたら、春山先生がどのように仕事をなさっているのかは、かなり気になっていたのではないか、と。
私自身は英語はヘタレなんですけど、ウチの読者さんは勉強熱心な方が多いので(笑)。
それと応援ありがとうございます!
今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年09月06日 02:34