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2008年05月21日

【未来予測】「マインドセット ものを考える力」ジョン・ネスビッツ (著), 本田 直之(監修), 門田 美鈴(翻訳)


マインドセット ものを考える力
ダイヤモンド社
本田 直之(監修)門田 美鈴(翻訳)
発売日:2008-05-16


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「監訳 本田直之」という部分に惹かれて(笑)、購入した1冊。

すでに、ケイエムさんのところではご紹介済みだったりするので、本業がテンパってる中、何とか278ページ読みきりましたよ(ゼーゼー)。

アマゾンの内容紹介から。

シリーズ1400万部のベストセラー『メガトレンド』の著者、未来学者ジョン・ネスビッツが、社会のうねりを読み解くための11のマインドセットを披露。この考え方を身につければ、未来を予測することができる!

なるほど、本田さんが携わるだけの内容かと(汗)。


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【目次】

第一部 マインドセット ものの考え方
マインドセット1 変わらないもののほうが多い
マインドセット2 未来は現在に組み込まれている
マインドセット3 ゲームのスコアに注目せよ
マインドセット4 正しくある必要はないことを理解せよ
マインドセット5 未来はジグソーパズルだ
マインドセット6 パレードの先を行きすぎるな
マインドセット7 変わるか否かは利益次第である
マインドセット8 物事は、常に予想より遅く起きる
マインドセット9 結果を得るには、問題解決よりもチャンスを生かすべし
マインドセット10 足し算は引き算の後で
マインドセット11 テクノロジーの生態を考える

第二部 未来図
第1章 文化―視覚文化による世界の掌握
第2章 経済―国民国家から経済圏へ
第3章 中国―外縁部が中心である
第4章 ヨーロッパ―互いに保証しあった衰退への道
第5章 現代―漸進的変化の時代 イノベーションの宝庫


【ポイント】

■マインドセット1 変わらないもののほうが多い
⇒物事の「やり方」は変わることは合っても、「本質」が変わることはあまりない

⇒『ビジョナリーカンパニー』より

「ビジョナリーカンパニーは宗教的なまでに核となるイデオロギーを保持しており、変化はあったとしてもまれである」


⇒結論:「ビジネスで唯一、確かなことは、変化することである」は事実ではない


■マインドセット3 ゲームのスコアに注目せよ
⇒マッキンゼーや他のコンサルタントは、企業の数字事実統計を分析し、各チームや労働者の能力を分析し、当該マーケットを分析し、それから事実に基づいたアドバイスを行う

⇒あなたもゲームのスコアを分析することで、同じことをすることができる

⇒事例:「ココナッツの落下による死者は世界中で1年に150人で、サメによる死者の15倍である」


■マインドセット5 未来はジグソーパズルだ
⇒未来のジグソーパズルも、個々のパーツはすべておさまるべき場所におさまる

⇒問題は、何をもぎ取り、どこに置くかであり、それを手助けするのが本書の目的である

トレンドやアイデアは、タンパやデンバー、シアトルといった地方都市で生まれる。ニューヨークやワシントンのような大都市の中心地ではない。こうした地方色の強いデータをモニターして、私は新しい社会の出現パターンがゆっくりと形づくられているのに気づいた。情報の各ピース、つまりパズルの各ピースが、それからその置くべき場所が、わかったのだ。


■マインドセット6 パレードの先を行きすぎるな
⇒ビジネスでも政治でも、カギとなるのはリーダーシップの基礎的なスキルのみならず、先導したい人人の視野の内にとどまらねばならないということ

⇒パレードのどのくらい先にいるべきか、という点については、結局市場が決めるだろう(政治では有権者が、ビジネステクノロジーでは消費者が)


■マインドセット9 結果を得るには、問題解決よりもチャンスを生かすべし
⇒未来の姿を求めるなら、問題を解決する者ではなく、チャンスを生かす者を探し、その人に賭ける

 1970年、日本経済は上向きはじめ、日本人は豊かになりつつあった。1970年の万博博覧会は大阪で開かれたが、アメリカの保険会社、アフラックの創業者の1人、ジョン・エイモスも訪れていた。彼は、人々の意外な豊かさと、多くの人々がインフルエンザや風邪を防ごうとマスクをつけていることに気づいた。彼は「果実」を見て取り、結びつけた――日本人は豊かだが、リスクをひどく嫌う。保険会社としてこれ以上望むことがあろうか?
 免許を得るのに4年かかったが、ジョン・エイモスのチャンスへの嗅覚は期待の成果をあげた。今日、日本はアフラックの140億ドルの収益の3分の2以上を占めている。


■マインドセット10 足し算は引き算の後で
⇒本書の執筆に際しては、当初27の考え方を取り上げ、その中から最も役立った10項目を選んで書き出し、途中重要でないものを棄て、いくつかを足し、最終的に11項目になった

⇒スリーエムは、製品を引き算して足し算する方針をとっており、毎年、売上の30%は、4年以内に売り出した新製品によるもの


■未来図:「文化」
●新聞

カメラ業界はアナログからデジタルへ移るとき手をこまねいていたが、新聞業界も似たようなことをやっている。カメラにフィルムやアルバムをおまけにつけたからとて、問題は解決しなかっただろう。


●音楽・ビデオ・映画

⇒MTVは、デザインの文化を前進させたことと、視聴者の関心が持続する期間を短くしたことに責任がある


■未来図:「経済」
●ビジネスの分権化

⇒大企業が分権化しているのは、それが時代の趨勢だからではなく、より効率をよくして、新しいグローバル・ゲームにほとんど誰もが参加することで生じる新たな競争にうまく対応する必要があるため


●アウトソーシング

⇒製造業の大量の海外調達は、何十年にもわたって行われてきたが、いま起こり始めているのは、さまざまなスキルと知識を得るために、一段と高いレベル人材を海外調達していること


●国外に安い労働力を追い求めるのが終わりに近づいている理由

⇒新興経済国では、給料が著しく上昇傾向にあり、また賃金は生産性を反映する(メキシコの生産性はアメリカの1/5)

加工品における労働価値は、急激に落ちている


【感想】

◆実は本書の内容は、上記のケイエムさんの記事でも触れられているように、「監訳者まえがき」と銘打った本田直之さんのパートで、端的にまとめられています。

ぶっちゃけ、立ち読みして買うか買わないか決めるのであれば、まずここを読むべきでしょう(笑)。

本文部分では出てこない日本の事例や、本田さんご自身のフィルターを通しての分析等、かなりの読み応え

ここだけ目を通しておけば、本書を「読んだフリ」することも可能です。←ヲイ


◆内容的には、前半の「11のマインドセット」でフレームを学んで、後半の「未来図」でそれを応用する、というスタイル。

本田さんも触れられているように、欧州について意外なほど低評価しているのは気になりますが、「中国の分析」や、「中国とインドの比較」等々、興味深い分析内容が目白押しです。

ただ、結局予想が当たっているか(今後当たるか)否か、というよりも、どのように考えるべきかという、文字通り「マインドセット」が本書のテーマですから、その結論に至るまでの部分を重視すべきかと。

・・・世界情勢にとんと疎いワタクシには、結構キツイんですが(汗)。


◆なお、本書を読んでいてふと思い出した本がいくつか。

「ココナッツの落下による〜」というお話は、この本にあった「家にある銃よりも、家のプールの方が死ぬ割合が100倍高い」というお話を。



◆また、「足し算は引き算の後で」というお話は、こちらのご本を(まだ画像がない(汗)!)。



◆ついでに、未来予測といえば、某氏に教えてもらって、アマゾンアタックかけときながら、積読状態になっているこの本がありましたね(汗)。

2001―3000―浜田和幸と100人の未来学者
イーストプレス
浜田 和幸(著)
発売日:2000-12


◆自分に経営者視点が乏しいせいもあり、ついつい目先のことだけ考えて日々暮らしておりますが、たまにはこういった物事を俯瞰するようなご本も良いのではないか、と。

即、日々の仕事に活かしたりとかは無理ですが、節目節目で大事な決断をする時には、きっと役立つハズ。

ものの考え方を学ぶために!


マインドセット ものを考える力
ダイヤモンド社
本田 直之(監修)門田 美鈴(翻訳)
発売日:2008-05-16


【関連記事】

【脱常識】「33人の否常識」セス・ゴーディン他(2008年02月07日)

【ティッピング・ポイント】「急に売れ始めるにはワケがある」マルコム・グラッドウェル(2007年07月18日)

「ビジネス力の磨き方」大前研一(2007年04月26日)

「プロフェッショナル原論」波頭 亮(2006年12月15日)

「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)(2006年05月25日)

『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 マルコム・グラッドウェル (著)(2006年03月01日)

『トム・ピーターズのマニフェスト (4) トレンド魂。』(2006年01月26日)


【おしらせ】

◆私も密かに注目していた、ランディ・パウシュ教授の「最後の授業」の動画に、とうとう日本語字幕が付きました!

たつをさんの記事から。

ランディ・パウシュ教授の最終講義の日本語字幕入りビデオが登場!


◆たつをさんの最初の記事には、はてブが400超付いたので、ご存知の方も多いことかと。

ランディ・パウシュ教授の最終講義

英語動画なので

( ゚д゚)ポカーン

となっていた方は、この機会にぜひ!


【編集後記】

◆ご存知の方もいらっしゃると思いますが、巷で話題の「ホッテントリメーカー」

これ、マジで面白いですね〜。

今度コレ使って、記事書いてみようかと(笑)。


◆さっそく「書評ブログ」で作成。

こんな感じで。

書評ブログ01



もいっちょ、オマケに。

書評ブログ03




「推定ブックマーク数」があるのがステキです(笑)。

どうでしょう?

中身はさておき(?)、「読んでみたくなるタイトル」ではないでしょうか(笑)?

・・・出版社の方が、本のタイトル決めのヒントに使われても宜しいかと。


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この記事へのコメント
               
未来予測系好きなんです。本田さんが監修なら読み応えありそうですね。
分厚いかしら??
本屋で見てから買おうかな。

ランディ・パウシュ教授は知らなかったので、この機会に学んでおきます。
ホッテントリメーカーもおもろいですね。
今日も楽しませていただきました。ありがとうございます。


Posted by ビルダーナース at 2008年05月21日 20:29
               
こんばんは!smoothさん
ご紹介有難うございました。

>本業がテンパってる中、何とか278ページ読みきりましたよ(ゼーゼー)。

凄い粘着力ですねぇ〜。
これ読むのかなり辛かったです。
なぜか?は

>ここだけ目を通しておけば、本書を「読んだフリ」することも可能です。←ヲイ

まさに、ズバリです!
はじめに、ここを読むと、本文読むのは、空しくなりました。(笑)
3章ぐらいまで読んだあたりで、そう思いだしましたから。

最後にもってきてほしかったですね。
または、章単位の末にですね。(笑)


今日は、仕事の合間に、
アクセス解析みていてると、???でした。
少なくても、平均の1.5倍から、
2倍ぐらいになりそうです。
有難うございます。

ちなみに、このコメントは2回目です。
またやってしましました。(笑)
別件も書いたのですが、それは又別の機会に

Posted by ケイエム at 2008年05月21日 21:11
               
>ビルダーナースさん

ランディ・パウシュ教授は必見ですよ!
ちょっと長いですけど、私は全部動画観ました!
そして、ホッテントリメーカーは、意外と使えそうです(爆)。

>ケイエムさん

私は過去の本を読んでませんし、結構面白く読めましたよ。
もちろん、かなり時間食いましたが(汗)。
それと、アクセスが流れてよかったです。
常連サンが増えるといいですね!
ちなみに、コメントは、私も長文でレスする時は、「ctl+A & ctl+C」で一旦キープしてから書込ボタン押してます(笑)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年05月22日 01:56