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2008年05月08日

【ビジネスチャンス】「気づいた人はうまくいく!」阪本啓一


気づいた人はうまくいく!―ビジネス・チャンスの見つけ方57
日本経済新聞出版社
阪本 啓一(著)
発売日:2008-05
おすすめ度:5.0


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で、何気に手に取って、読みやすそうだったので買ってみたという一冊(笑)。

いえ、本業がハードな時期は、ライトタッチな本が読みやすくて好きなんですよ(笑)。

さすがに「ケータイ小説」とかまでは、無理ですが(笑)。


◆身の回りのことから「気づく力」で、新しい発見をする、というコンセプトは、小宮一慶さんの『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』にも通じるもの。

アナタのビジネスチャンスのヒントになるかも!?


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【目次】

第1章 こんな店で買いたい・こんなサービス受けてみたい
 1 モノだけではなく、経験も売る万年筆屋さん----経験価値で売る!
 2 そもそもこの饅頭は...----物語で売れ!
 3 泣かせる暑中見舞い----WOW! は手書きから生まれる ほか

第2章 ビジネス・チャンスはここにある
 9 ビジネス・チャンスのつかみ方----何を買ってくれるか
 10 楽天に学ぶ1----凡事徹底とでっかい夢を!
 11 楽天に学ぶ 2----目標設定の技 ほか

第3章 マーケティングでビジネスの大波をサーフィンしよう
 21 「刺さるネーミング」で商売繁盛!----ネーミングの秘訣
 22 市場そのものを創り出す----カテゴリーを創るイノベーション
 23 香りを戦略的に活用しよう----においでとんがれ!  ほか
 
第4章 ビジネスの見方を変えよう
 30 笑顔をいただく----戦略と戦術を使用禁止に
 31 すべてはものの見方----困ったことは起こらない
 32 強みを活かす----だれにも強みはある! ほか

第5章 プロになるために身につけたいこと
 41 第一印象がすべて----「らしさ」が成功を呼ぶ
 42 日常生活すべてが教材----私の勉強法
 43 生活とビジネスを一体化する----マーケティング・センスを磨く ほか
 
第6章 商いのこころを忘れていないか
 48 愛こそすべて----All you need is love
 49 笑いと笑顔のパワー----笑う門には
 50 見えないものへの敬意----Hello! Aloha! こんにちは! ほか

(注)全ての目次がアマゾンにあります


【ポイント】

■「気づく」ためのレッスン
⇒新聞や電車の新商品広告に注目し、その商品が売れるかどうか、仮説を立てる

⇒大切なのは、仮説の正誤ではなく、「数ある新商品の中から選び取る、目のつけどころレッスン」「理由を考える思考実験」「結果との検証作業を通じて得る学び」という3つの思考プロセス


■経験価値で売れ!
⇒東京・青山にある万年筆店「書斎館」は、万年筆という単なる「モノ」だけを売っているのではなく、「万年筆とともに過ごす知的生活」を提案している

⇒店頭での万年筆選びから、購入に至るプロセス、購入後の「万年筆ライフのメンテナンス」までをひとつの総合的な「経験」として顧客に提供している


■物語で売れ!
⇒広島のもみじ饅頭のお店「藤い屋」が人気の理由は?

⇒保存料を一切使わず、もみじ饅頭本来のおいしさにこだわっていること(あえて日持ちを捨てている)

⇒もみじ饅頭の由来を書いた小さなカードを用意し、物語をつけて売っている(「そもそももみじ饅頭の由来は・・・」

⇒マーケティングのコツは、「カタチあるものはカタチないもので売る、カタチないものはカタチあるもので売る」


■「不」を探す
⇒「「何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買ってくれるか」を考えなければならない」

⇒顧客の「不平」「不安」「不便」に注目


■ビジネス・チャンスの発見方法(抜粋)
●組み合わせる

シネマコンプレックスは、「まとめた」ことによって、顧客の利便性が高まった


●時間を短縮する

⇒今現在世の中にあるサービスで何か時間を短縮できるものはないか考える


●まったく新しいコンセプトを創造する

⇒ダイソンの「サイクロン式掃除機」


■ラグジュアリー・マーケティング―最高品質の3つの条件(抜粋)
●あたり前のことを当たり前に実行できる

⇒高級ホテルのレストランで、提供する料理を確認するのに客に挙手させない

⇒ゲストの名前好みを覚えている


●お金からご贔屓へ

⇒商売人がお客さんから頂くべき最大の資産は、お金ではなく、「ありがとう、また来るよ。友達にも勧めておくね」というご贔屓


■ネーミングの秘訣
●ネーミング3原則

『ずばり』『●け』『●●れ』(ネタバレ自重中)


●魔法の言葉(抜粋)

「海鮮」「手造り」「こだわり」「特選」「極上」


●ネーミングのご法度(抜粋)

わけのわからないカタカナ

マイナスのイメージを呼ぶもの(病気、死、災害等)

発音しにくいもの


■非効率が利益の源泉
⇒効率の本質は、「定型化」「無個性化」

⇒それゆえ、誰がやっても同じになり、機械外国人に取って代わられる

⇒逆に人間の「暗黙知」「コツ」「勘どころ」「さじ加減」といったものは、定型化や無個性化が不可能なゆえに、それらを活かせば儲けることが可能


【感想】

◆本書の元となっているのは、著者である阪本さんが、全米に配布している日本語情報誌『Lighthouse(ライトハウス)』に連載中のビジネスコラム『マーケティングサーフィンUSA』からの原稿です。

この『ライトハウス』、日本語情報誌の中で全米ナンバーワンということで、阪本さんも、その読者6万人相手に全力投球で執筆されているそう。

ちなみに、セレクトの対象となった号は、2004年の連載開始時から2008年の最新原稿までということで、一部当時ならでは(?)の時事ネタも含まれています。

中には、私も当然のように接していても、気がつかなったポイントが含まれており、やはり身の回りのことにに対する「アンテナ」の高低が、その差を生んでいるのかと。


◆とにかく元がコラムなので、本書もとても読みやすかったです。

しかも、私が好きな「ビジネスチャンス系」ということで、個人的にもいくつかネタを仕入れさせて頂きました(笑)。

本当にヤバいところは、最初からネタバレ自重で書いてませんけど(笑)。

そういう意味では、記事としてはもどかしい部分もあるわけでして・・・。


◆なお、本書はカテゴリ的にはマーケティングに属すのですが、いわゆる裏ワザ系とは違って、極めて真っ当な内容です。

ポイントでは挙げませんでしたが、本書の中で登場する本も、こんな感じの真っ当な本ばかり。

いい会社をつくりましょう。
文屋
塚越 寛(著)
発売日:2004-09
おすすめ度:4.5

グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ]
英治出版
ニコラス サリバン(著)東方 雅美(翻訳)渡部 典子(翻訳)
発売日:2007-07-12
おすすめ度:4.5

発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方
河出書房新社
寺田 啓佐(著)
発売日:2007-08
おすすめ度:5.0

・・・最後の本は存在すら知りませんでしたが、なかなか面白そうですね(笑)。


◆結局のところ、「モノの見方」というのは、何か「きっかけ」がないとなかなか変えられないものではないでしょうか?

ちょっとしたことに「気づくか否か」も、「問題意識」「アンテナ」「好奇心」がないと、ちょっと難しいかと。

本書は、読む人に「気づく」ための「視点」を与えてくれる、良書だと思います。

これを実際にビジネスに活かせるかは、もちろん自分次第ですが(笑)。


気づいた人はうまくいく!―ビジネス・チャンスの見つけ方57
日本経済新聞出版社
阪本 啓一(著)
発売日:2008-05
おすすめ度:5.0


【関連記事】

【名著!】「売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則」アル・ライ, ジャック・トラウト(2008年04月08日)

【コンサルタントの視点】『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』小宮一慶(2007年10月24日)

【ネタの玉手箱やぁ〜!】「Value Seeds100―ワーキングマザーが見つけたバリューのタネ」前田めぐる(2007年07月03日)

「頭のいい人が儲からない理由」坂本桂一(2007年04月02日)

「売れる!伝わる!ネーミング」藤村正宏(2007年03月07日)

「五感マーケティング」高橋 朗(2007年02月17日)

あなたにもできる「惚れるしくみ」がお店を変える! 小阪裕司(2006年09月21日)

「ビジネスのIQが高まる泉田式10速発想法」泉田豊彦(2006年08月22日)


【編集後記】

◆実は今日ご紹介の本と、どっちを買うか迷っていた対抗馬がコレ。

戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット
河出書房新社
ネイル A.フィオーレ(著)菅 靖彦(翻訳)
発売日:2008-04-24

なさけないことに、荷物が重かったので、どちら1冊だけ買うツモリで検討したところ、「文字がびっしりあった」、という理由でスルーしました(笑)。←根性なし

でも面白そうなんですよね〜。

暇な時期だったら絶対読みたいところ(笑)。


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今回のフォトリーディングのターゲットは、阪本 啓一さんの『気づいた人はうまくいく!』です。 副題は、「ビジネス・チャンスの見つけ方57」です。 smoothさんところでamazonアタックさせていただきました。 なかなかamazonから送られてこなくてやきもちしたんですが、...
気づいた人はうまくいく!@阪本 啓一【フォトリーディング@Luckyになる読書道】at 2008年05月28日 06:10
                               
この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは!

なるほど、軽そうではありますが、

中身は、みっちりしてそうですね。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2008年05月08日 10:21
               
阪本さんの新刊読みたいなぁと思っていたところでした。
やはり面白そうですね。

>>「カタチあるものはカタチないもので売る、カタチないものはカタチあるもので売る」

これは確かに!カタチあるものをカタチあるものでアピールするから上手くいかないんですよね。これは私もお客さんに説明する時に使わせてもらおうっと。


Posted by ビルダーナース at 2008年05月08日 11:12
               
smoothさん、こんにちは。

僕もこの手のマーケティング系に目がないので早速ポチっといかせていただきます。
早速ビジネスに活かさねば。
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2008年05月08日 13:13
               
>ニタさん

コンサル系の本が好きな方なら楽しめるかも。
具体的なハックの本じゃないんで、即効性はないかもしれませんけど(笑)。

>ビルダーナースさん

本書を読んで頂ければ、ビルダーナースさんの記事に関連した内容もありますよ〜。
どれとはここでは言えませんが(笑)。

>LuckyUSさん

お買い上げありがとうございます〜。
お気に召すといいんですが(汗)。
上でも書いたように即効性があるタイプじゃないので、その旨ご了承下さいませ。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年05月09日 07:12