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2008年04月15日

【頭脳的仕事術】「脳と気持ちの整理術」築山 節




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨年、「脳が冴える15の習慣」がベストセラーとなった、築山 節さんの最新作。

築山さんによると、前作「フリーズする脳」は、実は「脳が冴える15の習慣」の「前編」で、本書が「続編」なのだとか。

今回、読んでみて思ったのが、「ライフハック」「仕事術」との深い関連性

「なぜそうするべきなのか」「脳の仕組み」として理解できました。

まさに「目からウロコ」の1冊です!


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【目次】

はじめに

第1章 前向きな自分をつくる
 1 意欲を高めるための基本原則
 2 「やる気」が出ないときの対処法
 3 脳をリフレッシュさせる技術
 4 「脳のエネルギーの投資先」を明確にしよう
 5 まず「誰のために」を考えよう

第2章 思考の整理術──計画・実行力を高める
 1 「見えない敵」が脳を混乱させる
 2 「気になっていることリスト」をつくろう
 3 時間的整理──仕事と「私」を多次元的に捉えよう
 4 空間的整理──仕事の効率に差をつける物の整理
 5 仕事を溜め込まないようにするコツ

第3章 記憶を強化する技術
 1 情報を覚えるためには努力が要る
 2 「脳の中の小さな机」を意識しよう
 3 記憶を引き出す手がかりをつくろう(キーワード化)
 4 風景やイメージとして記憶しよう
 5 出力の機会にバリエーションを持たせよう

第4章 アイデアを生み出す技術
 1 想像力を高める生き方、考え方
 2 「ひらめきの連鎖」を生み出そう
 3 脳を休めなければ、大きな思考はできない
 4 社会の「必要」に気づくために大切なこと
 5 考えるほど、問題が複雑化してしまうとき

第5章 気持ちの整理術
 1 脳を安定させる「感情のリスク・コントロール」
 2 解釈を変え、不安をやわらげる方法
 3 目標を持っている人はなぜ強いのか

あとがきに代えて


【ポイント】

■意欲を高めるための基本原則
⇒健康がベースでその上で大事なのが「欲」「好き・嫌い」「ほどよい興奮」

「五歩先に解決がある問題」1歩目を見つける


■「やる気が出ない」ときの対処法
⇒感情系を司る側坐核を刺激するために「体を動かして作業」する(作業興奮)

⇒さらに、「短時間の集中で済む作業を連続させる」とより効果が大きくなる


■集中力を高めるには
⇒脳は自らに「集中力を高めよ」という指令を出すことができない

⇒私たちが意志的にできるのは、「いつまでに」「どれだけの」といった、時間と距離(仕事量)の関係を認識すること

「時間の制約」を設ける効果を大きくするには、「必ず結果を出す」こと(脳から出力して残しておく)


■「脳のエネルギー投資先」を明確にする
「仕事を意欲的にできていないな」と思ったときに「次に何をするのか」を書き出す

⇒書くのは職場に来れば自然と意識が向かうようなルーティンワークではなく、次の2点

・「イレギュラーな予定」

・「自分の意志で進めなければ誰も命令してくれないような予定」


■「気になっていることリスト」をつくる
解決しなければならない問題があるとき、それにまつわる情報は、脳に感情的な反応を引きおこさせる

⇒問題を「言語化」すると、それ自体が思考系の働きなので、その作業をしている段階で、感情的に反応しているだけだった問題がそうではなくなり、冷静になりやすくなる


■思考の整理は引き算で考える
⇒問題を「重要度」「緊急性」で分類し、どちらかが低いものはとりあえずリストから消す

⇒すぐに解決する必要はないものの、消すわけにもいかない問題は「後で解決したいことリスト」に移し、「何となく気になっている」という感情に対して、「今は何も考えなくていい」という明確な思考を加える

⇒今すぐ解決できる問題は、解決して消す

最重要な課題は赤ペンで囲んで視覚的に区別し、それを他と切り分けることによって、小さな問題を過大評価しないようにする


■仕事の効率を上げるには物の整理が大切
⇒今は考えなくてもいい仕事の資料などは、できるだけ目につかない場所に保管する

⇒要らなくなったものは、できるだけ早く処分する

⇒物の整理を毎日まめに行っていると、初歩的な思考の整理はいつの間にかできているもの


■情報を覚えるための努力
出力してはじめて、情報を自分の脳に入力できているかどうかがわかる以上、記憶は入力ではなく、出力をベースとして考えた方がいい

⇒入力はただの「入力」だが、出力は、「出力+再入力」(目や耳から再度入力される)


■記憶の有効期限
⇒記憶の有効期限を引き延ばす唯一の方法は、一度でも思い出すこと


■「アイデアが突然ひらめく」理由
⇒必死でアイデアを出そうとしているときには、思考が感情に影響されすぎているから

まったく制約がない状態だと、脳はかえって上手く使えない


■「ひらめきの連鎖」を生み出す
⇒脳の中にある情報には必ず個人の感情がついているので、思いついたらすぐに出力して、感情を切り離すようにする

⇒他の人のアイデアや言葉を見ることにより、脳に良質な刺激を与えて、「ひらめきの連鎖」を生む


【感想】

◆この本、新書なんですが、新書にしては久しぶりに(笑)、付箋貼りまくりました。

新書の場合、単行本や文庫本に比べてそもそも文字数が少ないので、それほど「貼りまくり」ということにはならないハズが、本書は別

結果、上記でポイントを挙げる際にも、小見出しの数をできるだけ減らしたくなかったので、一つ一つを若干少なめにしてしまったという(汗)。


◆ちなみに、本書内で勧められていることの多くが、今まで読んだ本の中で一度は目にしていたりします。

ただ、「なぜそうすると良いのか」という点については、知らずに「そういうモンでしょ?」的に取り入れている方も多いのでは?

その点、本書における「脳のしくみ」からの解説は、非常に強力(汗)。

今まで取り入れていた習慣について、改めて理解が深まったり、やろうとしてできなかったことも、素直に取り入れられそうな・・・ってそれは私ですがなー(汗)。


◆私が特にピンと来たのが、「問題を紙に書き出して感情と切り離す」というテクニック。

「可視化」的な観点から考えたことはありましたが、「感情」という切り口は考えてなかったです(私だけ(汗)?)。

その部分でこんな一節が。

 たとえば、「同僚に批判的なことを言われた。メールで反論しておきたい」などという問題は、言語化した時点で、自分でも馬鹿馬鹿しくなってしまうと思います。
 ところが、脳の中だけで考えているときには、そういう問題が大きく感じられてしまうのです。

な、なるほど(汗)。


◆また、ポイントでは挙げ損ねましたが、「時間をかけてでも解決しなければいけない問題」があるときに、「まとまった時間」ができるのをまつのではなく、細切れの時間を見つけて、手をつける、なんてお話も。

これなども「時間術」的な視点だけでなく、「脳のしくみ」から考えてもそうすべきなのだとか。

何故か、については、本書をお読み下さい(笑)。


◆他にも、「仕事術」「記憶」(=勉強法)に関連するお話が多く、どうもこの本、自己投資欲の強いビジネスパーソンを狙い撃ちしてるんじゃないか、と思っているワタクシ。

新書じゃなく、図やイラスト、画像をある程度多くして、単行本にして、売れっ子の装丁の方にやってもらえば、結構売れると思われ。

もっとも、既に「脳を鍛える〜」の読者さんがしっかり付いてますから、新書でもそこそこ行けちゃうかも(笑)。←余計なお世話(笑)


本書だけでもオススメですが、他の「仕事術」系の本と併せれば最強!



【関連記事】

【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!(2008年04月02日)

【脳的仕事術】「快ペース仕事術」佐々木正悟(2007年12月05日)

【HACKS】「【超】WORK HACKS!」小山龍介(2007年09月12日)

「24時間ですっきり! ぐちゃぐちゃデスクのシンプル整理術」ズザンネ・ロート(2007年05月09日)

「脳が冴える15の習慣」築山 節(2006年11月18日)

「ストレスフリーの仕事術」デビッド・アレン(著) 田口 元(訳)(2006年07月01日)


【編集後記】

◆昨日のお買い物。


「御社の営業がダメな理由」の藤本篤志さんの新刊。

最近のアマゾンは、やたら新刊の画像がないので困ります(汗)。


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「脳と気持ちの整理術??意欲・実行・解決力を高める」は 鬱々としていた私の心を晴れ
「脳と気持ちの整理術」は私の「働きマンスイッチ」【☆充実ライフ??最強の働くママへの道☆】at 2008年04月18日 08:20
                               
この記事へのコメント
               
こんにちは。
本書、わかりやすいですよね。
書き出すのは、重要だなと思います。
Posted by 独立起業家:こばやし at 2008年04月15日 10:41
               
smoothさん、こんにちは!

最近、企画系の仕事が多く。
ひらめきが降ってくるのをひたすら待っているという・・(苦笑)、というかサボっています。

ちょっと、研究してみます。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2008年04月15日 12:27
               
smoothさん、こんばんわ。

確かに脳がさえる15の習慣読んで方法論は学んだものの、「なぜそうすると効くのか?」は分かってなかったですね・・・

今度読んでみます( ´∀`)
Posted by ジコプリ at 2008年04月15日 18:59
               
smoothさん、こんばんは。

『今は考えなくてもいい仕事の資料などは、できるだけ目につかない場所に保管する』
というのは有効ですね。
目に付く場所に置いておくと、それを
見たときにどうしてもその資料のことを
考えてしまいますから。

あとは、脇に置いたことを忘れなければ。。。
Posted by 長谷川佳之@読書による経験価値 at 2008年04月16日 00:15
               
>こばやしさん

あら〜読まれてたんですか(汗)。
こんなことならタイミング合わせて(笑)。

>ニタさん

企画系やってるなら読んだ方がいいかも。
というか、それ関係ナシにこの本は久々に当たりました(笑)。

>ジコプリさん

ぜひぜひお読み下さいマセ。
マジでオススメ。
ある意味前作よりも効きます。

>長谷川さん

私の場合散らかりすぎていて、どれも目に入らないという話も(汗)。
まずはそこからだと、本書を読んで思いました(汗)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年04月16日 01:31
               
smoothさん、こんにちは。

smoothさんの、こちらのブログ、夫が読んでいるのを垣間見て以来、楽しく拝読しております。

そして、以前こちらの本がきっかけで、この本を実際に読んだ者です。

先日、夫の借りてきた本を手に取り、ふとブログを立ち上げた主婦です。

「管理人の自己紹介」のところには、「リンクフリーなんで、連絡しなくてもOKです」とありましたが、一応、お耳に入れておきます。

ブログのつぶやきで、こちらの本の内容をつぶやいており、
smooth様のこちらのブログのリンクも貼り付けさせていただいております。
(って言うか、これから、貼らさせていただきます。)
Posted by kyo1968uk at 2009年03月05日 09:59
               
>kyo1968ukさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

旦那様も、当ブログをご覧頂いてるんですね!
ありがとうございます。

この本は、出たときは地味だなーと思ってたのですが、スルスルと売れちゃいましたね〜。
築山先生も今じゃ売れっ子ですし。

ブログも、毎日続けていると、休むのが怖くなりますよ、きっと(笑)。
ですから楽しんで続けてくださいね。
・・・私のように家族との時間を削ってまで、やる必要はないですから(汗)。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年03月06日 03:05