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2008年04月08日

【名著!】「売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則」アル・ライ, ジャック・トラウト


売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則
東急エージェンシー出版部
Al Ries(原著)Jack Trout(原著)新井 喜美夫(翻訳)
発売日:1994-01
おすすめ度:4.5


【本の概要】

◆今日お送りするのは、名著の誉れ高い定番本。

昨日の記事で関連記事を選んでいて、「アル・ライズ&ジャック・トラウト」の名前を目にし、お恥ずかしながらこの本を紹介し損ねていたことを思い出しました(汗)。

アマゾンのレビューでもコンスタントに高評価を集めているこの本。

「事業戦略」を考える上でも必読デス(汗)!


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【目次】

一番手の法則
カテゴリーの法則
心の法則
知覚の法則
集中の法則
独占の法則
梯子の法則
二極分化の法則
対立の法則
分割の法則
遠近関係の法則
製品ライン拡張の法則
犠牲の法則
属性の法則
正直の法則
一撃の法則
予測不能の法則
成功の法則
失敗の法則
パブリシティの法則
成長促進の法則
財源の法則


【ポイント】

■一番手の法則

⇒マーケティングの基本的な課題は、あなたが先頭を切れる分野を創造すること

⇒最初のブランドが一般に先行的立場を維持する一つの理由は、そのブランド名がしばしば商品の総称になること


■カテゴリーの法則

⇒あるカテゴリーで一番手になれない時は、一番手になれるカテゴリーをこしらえよ

⇒ブランドのことになると顧客は保守的になり、だれもが自分のブランドがなぜ優れているかをしゃべりたてるが、カテゴリーの話になると、顧客は心を開く

⇒DEC社は顧客に対して、DECのミニコンピュータというよりも、そもそもなぜミニコンピュータがお勧め品であるのかを説いたのだった


■心の法則

⇒市場に最初に参入するよりも顧客の心の中に最初に入り込むほうがベター

⇒もしあなたがコンピュータのどこかを変えたいと思ったら、何かをつけ加えたり削除すればいいが、もし人の心の中にある何かを変えたいのであれば、それは諦めたほうがいい

あるマインドがすでに出来上がっている場合は、それが変わることはまずありえない。マーケティングにおいて最も無駄な行為は、人の心の中を変えようとする試みである。




■知覚の法則

⇒マーケティング上の過ちのほとんどが、自分たちは現実に根ざした商品戦争を戦っているのだという思い込みに端を発している

⇒>顧客の心の中で知覚がどのように形成されるかを研究し、マーケティング計画の焦点をこうした知覚に合わせることによってのみ、基本的に間違っている自分のマーケティング上の発想を正すことができる

見込客の心の中を変えるのは極めて難しく、ある商品カテゴリーに関してわずかな経験しか持ち合わせていないにもかかわらず、彼らは「自分が正しい」と思い込んでいる

⇒マーケティングとは知覚をめぐる戦いであって、商品をめぐる戦いではない

 ソフトドリンクメーカーの幹部の中には、マーケティングとは味の戦いだと信じている人たちもいる。では、言うが、味に関してはニューコークがナンバーワンである。(中略)
ところが、マーケティング戦争ではどれが勝ちを収めただろうか。調査で、ベストの味だとされたニューコークの売上はなんと第三位である。調査で一番まずいと判定されたコカコーラ・クラシックが一位なのだ。
 私たちは、信じたいと思うものを信じるのである。同様に味わってみたいと思うものを口にするのだ。



■集中の法則

⇒マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込客の心の中にただ一つの言葉を植えつけること

⇒もっとも効果的な言葉は、簡潔で、利点を伝える言葉

例):
フェデラル・エクスプレス・・・『翌日配送』

ハインツ・・・『どろりとしたケチャップ』


■梯子の法則

⇒顧客の心の中には、商品のカテゴリーごとに梯子が存在し、おのおのの梯子の段の上にブランド名が乗っかっている

⇒とるべきマーケティング戦略は、顧客の心の中に入っていったのは何番目だったのか、そしてその結果、梯子のどの段を占めているのかによって決まる

例):
エイビス

エイビスはレンタカー業界でナンバーツーに過ぎません。だからこそご利用いただきたいのです。わたしたちは一生懸命頑張ります」

⇒エイビスの事例が成功したのは、同社が一生懸命頑張ったからではなく、顧客の心の中で、ナンバーワンのハーツのポジションと関連づけたから

 
■対立の法則

⇒自分がナンバーワンでなく、梯子の2段目にしっかりとした足場を築きたいのであれば、まず自分の上段にいる会社を研究する

⇒しなくてはならないのは、ナンバーワンのエッセンスを見つけ出し、顧客にそれと反対のものを提供すること

⇒多くのナンバーツーを目指すブランドがナンバーワンを真似ようとするが、これは大抵間違っている


■遠近関係の法則

長期的なマーケティング効果は、短期的な効果の正反対である場合が多い

バーゲンセールは、短期的には売上を増やすが、同時に顧客に「正規の」価格では買わないよう教えこむことになる結果、長期的には売上を減らす、という事例がマスマス増えている


■犠牲の法則

⇒あなたがもし成功することを望むのであれば、何かを放棄しなくてはならない

●製品ライン

⇒成功を望むのであれば、製品ラインを拡げる代わりに、減らすべき

⇒フェデラル・エクスプレス社は小荷物の翌日配送というサービスに焦点を絞っていた


●ターゲット市場

⇒60年代、ペプシコーラはコカコーラに対抗すべく、ティーンエイジ市場を除くすべてのものを犠牲にしてギャップを縮めた

⇒ただし、ターゲットとは市場ではなく、マーケティング上想定するターゲットは、実際に購入する顧客というわけではない

⇒例えばペプシコーラのターゲットはティーンエイジャーだったが、その市場にはあらゆる人たちが含まれており、自分は29歳だと思いたい50歳の男性もペプシを買った


【感想】

◆本書の初版は、1994年(原書も同じくらいの時期)であり、今から14年も前の本ということになります。

しかし、その本質的な部分は、今現在でも十分応用可能。

というか、もはや原理原則になりつつあるような(汗)。

初っ端の「一番手の法則」を初め、他書でも多く目にする内容が丸ごと収録されています。


◆実は本書では、個々の法則ごとに多くの事例が掲載されているものの、やはり時代的にピンとこないものもあるので、今回は結構カットしてしまいました。

ほとんど法則だけ列挙している関係上、分かりにくいかもしれませんがご勘弁を(汗)。

キチンと本書を読めば、きっとすんなり理解できるかと(こ、この記事の存在意義は(汗)?)。


◆そして収録事例は、当然のように名の知れた大企業ばかりなんですけど、本書のノウハウを活用できるのは、むしろ中小企業個人事業主の方ではないか、と思ってみたり。

というのも、本書の終わりに「本書を終えるにあたっての警告」という章があり、そこにはこんな一節が。

 ここで心からなる忠告を述べておきたい。もしあなたが不変の法則(smooth注:本書の22の法則のこと)を犯せば、あなたは失敗の危険を冒すことになる。もしあなたが不変の法則を使えば、あなたは非難され、無視され、あるいは場合によると首になる危険さえ冒すことにもなるだろう。

つまり、本書の内容は、世間一般的な常識と相反するため、実行するにも社内でリスクを伴う可能性もある、というワケなんですよね。

その点、本書を読まれるアナタが、自分のコントロール下において事業戦略を決定できるのであれば、そのようなリスクが回避できて、かつ、事業も成功するのではないか、と。


◆そして今さらなんですが、この考え方って、ブログ運営にも応用できるんじゃないか、とか思ってみたり(笑)。

自分は意識してなかったのですけど、「結果的に本書の内容に沿っている部分がいくつかあるんですよ!」・・・とか言ってみるテスト(笑)。

どこがどう、とかって言うのは、恥ずかしくて書けませんがー(汗)。


◆残念ながら、マーケットプレイスでも安くなってないのものの、まだお読みでない方は、一読をオススメします。

多くの方にプッシュされていたのも納得できる内容でした。

やはり翻訳本には当たりが多いのか(汗)?


売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則
東急エージェンシー出版部
Al Ries(原著)Jack Trout(原著)新井 喜美夫(翻訳)
発売日:1994-01
おすすめ度:4.5


【関連記事】

「究極のマーケティングプラン」ダン・ケネディ(著)、神田昌典(監訳)(2007年04月16日)

「キミがこの本を買ったワケ」指南役(2007年03月14日)

「そんなマーケティングなら、やめてしまえ!」セルジオ・ジーマン(2006年11月08日)

「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(2006年07月12日)

「シュガーマンのマーケティング30の法則」 ジョセフ・シュガーマン(2006年03月20日)

『マーケティングは「嘘」を語れ!』 セス・ゴーディン(2006年03月06日)


【編集後記】

◆リアル書店で強力プッシュ中だった一冊。


たまたま見ていた某サイトでもオススメされていたので、つい購入。


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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは!

>翻訳本
やっぱり、良いもの。読み応えのあるもの。コストパフォーマンスが良いものが多いですね。
中身の濃さは、圧倒的ですね。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2008年04月08日 10:01
               
smoothさんこんにちは。翻訳本は良書であるからこそ翻訳されるのでしょうかね。久々のマーケ本登場ということでヒットの予感!ぱくっ。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2008年04月08日 11:18
               
こんばんは、smoothさん

今日、記事をひと目見て…(バク、ばく、爆笑)

実は、この本勝間さんのお勧め知ったのですが、
それ程興味もたなかったのです。
が、その後『極東ブログ』で紹介されていて、
「こ、これは、読まなくて」とで、チビチビ読んでいました。

記事ネタが無くなったので、トレンド本ばかりでなく、
温故知新でこの本をと思っていたら …
(ちなみに、まだ第10章にいったところでした)

読んでいる最中も、この法則は最近で言えば、これに該当するな … などと思いながら

とにかく、お二人の記事を読んで、改めて名著だと実感できましたんで、
最後まで読みます。(笑)
Posted by ケイエム at 2008年04月08日 20:30
               
翻訳本は私は大好きです。

日本人の書いたものは海外もののコピーの発想のものが多いような気がします・・・

まぁ文化的に日本にいるのでその辺はしっくりこない事がありますが。

これはとても勉強になる名著なんですね!
Posted by イヴォンヌ at 2008年04月08日 21:39
               
>ニタさん

中身が濃いだけに、数をこなせない、というジレンマもありますけどね(汗)。
この本は、比較的薄いからいいですけど(笑)。

>hikaruさん

これは古くからの名著らしいです。
私は土井英司氏の薦めで以前購入しましたが。
そしてお買い上げありがとうございます。

>ケイエムさん

まずは最後まで読んでください(笑)。
そっかー、最近どこかで見かけたと思ったら、『極東ブログ』さんところで紹介されてましたね(笑)。←健忘症

>イヴォンヌさん

イヴォンヌさんなら、原書そのままお読み頂いたほうが(笑)。
確かに外国の本の焼き直しっぽい本もありますよね。
これなんかは、完全な翻訳本ですけど。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年04月09日 00:46