2008年03月12日
【ソニー流】「急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め―ソニー元副社長・大曽根幸三の成功金言53 」石田修大
角川・エス・エス・コミュニケーションズ
発売日:2008-03
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、かつてソニーの開発畑で、ウォークマンをはじめとした数々の製品を世に送り出した、大曽根幸三氏に関するご本。ソニー内部では「井深大はソニーの行くべき方向を示し、大曽根幸三は現場でその方法を示した」と言われていたそう。
本書においても、思わず唸る名言がテンコ盛りです!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 逆風でも帆を上げろ―プロフェッショナル根性論失敗は闇から闇へ葬れ
新しいアイデアは上司に内緒で作れ ほか
第2章 市場は探るな、創造せよ―独創的商品開発論
絞った知恵だけ付加価値が生まれる
商品の操作ボタンは3つまで ほか
第3章 奇人、変人を活かせ―カリスマ的人心掌握術
急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め
小心者ほど言い訳がうまい ほか
第4章 選択する知恵、捨てる勇気、守る執念―攻撃的経営論
弱点を解決すれば新しい市場が生まれる
選択する知恵、捨てる勇気、守る執念 ほか
特別付録 ビジネス川柳
【ポイント】
■困難は可能のうち、不可能は割り切れ
⇒世の中には「可能」と「不可能」があり、どう工夫しても打開策がないことを不可能というのだから、不可能を何とかしようというのは無駄な話⇒できないことは割り切って諦め、可能な範囲でどうすべきか考えれば別の発想が出てくる
■夢は実現してこそ夢、見るだけなら妄想だ
⇒実現目標があるものこそ、本当の夢⇒寝ても覚めてもそのことを考え続けていると、ちょっとしたものを見ても、あれは使えないか、これが役に立つのではないか、と考えるようになり、そんなことの繰り返しの末に、やがて思いがけない抜け道を探し出すことができる
■石の上、3年たてば次の石
⇒ひとつのことに挑戦して、失敗にもめげず頑張ることは大事だが、世の中の状況も判断に入れて、この石はダメとなったら、すぐに次の石に座り直すことも必要■商品の操作ボタンは3つまで
⇒操作を簡単にすれば、今まで買ってくれなかった人が買ってくれるようになる■できない理由は、できることの証拠だ
⇒最初に担当者にできない理由をできる限り列挙させて、逆にそれらを「問題点」と定義し、解決させるよう導けば「できる」方へ向かう■お客の欲しいものではなく、ためになるものを作れ
⇒お客の欲しがっているものを追いかけていてはダメで、消費者が求めているもの、彼らのためになるものを先取りして、消費者の立場で形にするのが、技術者の仕事■プロは乾いたタオルからでも水を絞る
⇒どんなに乾燥していても、室内の湿度はゼロではない以上、タオルを遠心分離機にでも入れれば、多少の水分を絞り出すことができる⇒技術者でも事務職でも、必要なのは徹底的に考え抜き、工夫する努力
⇒乾いたタオルを見て、水なんか絞れっこないと初めから諦めていては新しいものは生み出せはしない
■宝の山はどこにでもある
⇒改善の余地のある事業所は宝の山である⇒人材においても、つまらないことで上司に嫌われ、腐っているような歩留まり30%くらいの社員の適正を見抜いて仕事をやらせれば、思いのほか活躍することもある
■信用は蟻の一穴から崩れていく
⇒信用という財産は、「100-1=99」ではなく、「100-1=0」なのである【感想】
◆私自身が完全な文系の人間なせいか、技術者さん寄りの「ビジネス書」というのは、いつも違った視点を与えてくれるような気がしております。本書も、ソニーの技術者であった大曽根さんの、ソニーでの語録を、著者である石田氏が「聞き書き」の形をとったもの。
本書のまえがきにはこうあります。
大曽根氏はカメラメーカーからソニーに転じ、テープレコーダーやCDなどさまざまなソニー製品の開発にあたり、ソニー副社長、そしてアイワ会長として事業の再建などにも尽力した。自らを"技術屋"と称し、ものづくりのプロである仲間に大きな信頼を置いている。大曽根語録は、ものづくりの現場で、一緒に苦労した技術者仲間との切磋琢磨のなかから生まれた言葉である。
◆上記で挙げたポイントの中では、特に「お客の欲しいものではなく、ためになるものを作れ」というものが印象深いです。
最近はどうしても、「まず消費者ありき」で、ニーズのくみ上げに注力してしまいがちですが、それではイカン、と。
実際、ウォークマンの開発時には、市場調査までして、「売れない」と社内で反対した人たちがいたそうです。
◆まぁ、ウォークマンについては、元々、井深大さんが、海外出張の際、ステレオ音楽を聴くために携帯していた教科書サイズのテープレコーダーが重かったので、手のひらサイズのモノラルテープレコーダー(「プレスマン」)に「再生だけでいいからステレオ回路を入れてくれないか」、と依頼したのが発端だそうですが。
当時の技術力としては、かなり無理難題だったらしいんですけど、それ以前に、「録音できないテープレコーダー」という発想自体が斬新過ぎると思うワタシは四十半ば(笑)。
出た当時は「マジありえない」と思ったし、私も初めて買ったウォークマンは、実は録音機能付きだったりします(笑)。
もっとも、英国への短期留学用に買ったため、現地でラジオを録音したり、友人のメッセージを残したり、とそれはそれで活躍しましたけど。
◆今の若い世代というか、当たり前のように物心付いた時からウォークマンがあった世代にしてみれば、この感覚はわかりえないと思います。
逆に、今の携帯MP3プレーヤーに至っては、録音と言う概念ではなくて、転送とか同期ということになるんですか。
レコード全盛期を知ってるモノにとっては、CDの音質ですら「アリエナイ」んですから、MP3なんて、「もはや論外」。
◆ただ、結局、その後のアップルの躍進ぶりを見るに付け、「性能や品質のもっと向こう側」を見ていないと、ヒット製品は作れないのかな、とか思ってみたり。
記事にするのが難しくて紹介してませんが、この本も非常に考えさせられましたね。
何というか、iPodは「製品」ではなく「機能」なんだな、とか(笑)。
・・・話が横にズレましたが(汗)。
◆他にも「プロは乾いたタオルからでも水を絞る」なんてのも、最初小見出しだけ見たときには「単なる精神論」かと思いました。
ところが読んでみたら、「遠心分離機」が例に出てきたと言う(笑)。
「何この説得力(笑)!」
◆と言うわけで。
本書に収録されている金言は53。
一つ一つが現場を知る方の含蓄に満ち溢れています。
もはやこれは「ライフハック」というか、「仕事術」と言ってもいいかと。
かなりオススメ!
角川・エス・エス・コミュニケーションズ
発売日:2008-03
【関連記事】
【ホワイトカラーの生産性向上】「デッドライン仕事術」吉越浩一郎(2007年12月20日)【仕事の品格】「いい仕事の仕方」江口克彦(2007年10月04日)
「あしたの発想学」岡野雅行(2006年10月25日)
「トヨタの口ぐせ」OJTソリューションズ(2006年10月24日)
「お金は宇宙から降ってくる」中村義一(著)(2006年09月11日)
【編集後記】
◆先日ご紹介したこのDVD、マジヤバイっす(汗)。島田紳助という人物の恐ろしさがよく分かりました(いい意味で(笑))。
記事にするにしても、そもそもDVDなんで本以上にネタバレできませんし・・・(汗)。
ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
「急ぐ仕事は忙しい奴に頼め」
これ勤務税理士時代に散々言われてこき使われ、
いや、大いに勉強させて頂いた記憶が。
でも実際その方が確かに早い。
というかドンドン速くなるんですよ。
これ勤務税理士時代に散々言われてこき使われ、
いや、大いに勉強させて頂いた記憶が。
でも実際その方が確かに早い。
というかドンドン速くなるんですよ。
Posted by ヨシザワ at 2008年03月13日 06:27
>ヨシザワさん
おぉ!頼まれまくった人がここに(爆)!
でもこの本では、もっと「深い」内容が満載でっせ(笑)。
こういう「新書チック」なタイトルも、本書は内容が正統派なだけに、いかがなものかと思うワタクシ。
おぉ!頼まれまくった人がここに(爆)!
でもこの本では、もっと「深い」内容が満載でっせ(笑)。
こういう「新書チック」なタイトルも、本書は内容が正統派なだけに、いかがなものかと思うワタクシ。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年03月13日 07:41
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