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2008年02月25日

【暴利多売?】「おみくじの原価は1円!」金子哲雄




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ちょっと面白いビジネスモデル本。

タイトルに「原価」とかあるので、コテコテの会計本かと思って、敬遠していたのですが、たまたまリアル書店で手に取って見たところ、むしろ「ビジネスのネタ」の話がメインだったので、思わず「パックンチョ」

果たして、これから「何かビジネスやろうか」と妄想する方には、良いヒントになりそうな内容です。


◆アマゾンの商品紹介から。

ビジネスで成功するためには、商品の原価をつねに気にしていること! 誰もがつい買ってしまう「おみくじ」の知られざる原価構造を筆頭に、「なぜ1杯390円のラーメン屋は儲かっているのか?」「サービス業の原価は?」「原価ゼロビジネスとは?」など、長続きするビジネスの儲けのからくりをあぶりだします。

読み終わって、今まで何気なく財布の紐を緩めていた色々な事に対しても、コストを意識するようになりました(笑)。


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【目次】

1章 なぜ、おみくじビジネスは1000年以上続いているのか?
 おみくじの100円はなにに対するものなのか?
 「原価グセ」をつければ、正しい選択力が身につく ほか

2章 なぜ、1杯390円のラーメン店は儲かっているのか?
 「集客商品」と「収益商品」
 ファミレスのドリンクバーの原価はいくら? ほか

3章 原価ゼロビジネスの舞台裏
 捨てるものを売って金持ちになる
 葉っぱを「つまもの」という商品にした農協職員の発想 ほか

4章 サービス業の原価をとことん探る
 「夢」はプライスレスという儲けのマジック
 現実的な金額を「体感」しろ ほか

5章 究極の原価ゼロビジネスは「代行業」
 ランニングプロフィットをつくり出せ
 原価を意識すれば儲かる企業体質になる ほか



【ポイント】

■小銭で買うもの
⇒高額商品と違い、100円ショップおみくじなど、小銭で買うものに対しては、消費者は深く考えない

⇒それはつまり、原価を気にしない価格ということ

⇒小銭感覚の商品は少しくらい不満足でも消費者は腹を立てない


■「集客商品」と「収益商品」
⇒1杯390円のラーメン屋は、「ラーメン」「集客商品」で、「収益商品」「●●」

⇒神社仏閣も、お正月、お盆、お祭り「集客商品」で、「おみくじ」「収益商品」

⇒ファミレスの「集客商品」は、「食事」で、「収益商品」は、「●●●●●●」

注:一部ネタバレ自重しました(汗)


■「儲けの地雷」
⇒スーパー銭湯は、お客さんは入浴料1000円で1日遊べる場所だと思っているが、実際は飲食やマッサージで軽く2000円くらい使っている

⇒そこにある、カキ氷マッサージ機も、小銭感覚の商品なので、消費者には「相手を儲けさせている」という感覚がない

⇒消費者に悟られないように「儲けの地雷」を踏ませることが、賢いビジネス


■「行使しないメリット」
食べ放題のポイントは、消費者が利用しきれないサービスを提供すること、すなわち「行使しないメリット」(よほどの事がない限り、消費者は元が取れない)

「行使しないメリット」を与えると、消費者は得した気分になり、リピーターとなって店を儲けさせてくれる

⇒消費者が買っているのは「食べること」ではなく、「食べてもいいよ」という権利


■原価ゼロビジネス
●中華料理

他の料理が捨てる部分を使って、きちんとした料理にするノウハウがある


●「つまもの」ビジネス

⇒徳島県上勝町の「株式会社いろどり」の「つまもの」ビジネス

⇒料亭のお料理に添えられるで、年商2億5000万円

そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生
ソフトバンククリエイティブ
横石 知二(著)
発売日:2007-08-23
おすすめ度:5.0

(参考記事:【葉っぱがお金に?】「そうだ、葉っぱを売ろう! 」横石知二


おからこんにゃく

⇒こんにゃくとおからを混ぜると肉そっくりの食感に


■償却済みのものを利用する
「壊れた家電」は外国へ輸出

葬儀社は、使いまわしできる部分が多い

子ども写真館の貸衣装も、平均で2回使えば元がとれる


■ランニングプロフィットを考える
⇒パソコンに付いてきたプリンター本体は4〜5,000円程度でも、それで年賀状を200枚印刷すると、インク代が2万円近くかかる

⇒浄水器のフィルターも、電動歯ブラシの替えブラシも同様

⇒ランニングプロフィットを生む商品を考えるときは、消費者が原価を気にせず情緒的に購入してしまうような商品を開発するのがポイント


■代行手数料のうまみ
⇒携帯会社は、「着うた」の料金回収通話料の回収と一緒に行っているので、原価ゼロで手数料収入が入る

⇒さらに、ダイレクトメールを電話料金の請求書と一緒に送付することにより、ダイレクトメール発送代行の収入を原価ゼロで手にしている

⇒他にもクレジットサービスも行うことにより、結果的に端末1台でいくつものおいしいビジネスになっている


【感想】

◆200ページない本(189ページ)なのですが、これまた結構付箋貼ってしまいました(汗)。

俗に「ビジネスのアイデア」というと、何か突拍子もないことを考えたがる人が多いのですが(私だけ(汗)?)、実は本書のような「ちょっとしたアイデア」の方が、よほど現実的ではないか、と思うワタクシ。

厳密には、アイデアというより、「モノの見方」

「人はどういう時にお金を出しやすいのだろう」「このモノの原価はいくらなんだろう」等々を意識していると、普通の人には見えないものが、見えてきたりするわけでして。


◆ちなみに著者にとっては、小学校2年の時に買った「おみくじ」がその発端。

その後小学校6年生になり、おみくじの100円は、「紙と印刷代」に対するものなのか、それとも「書かれている情報」に対するものなのかで友人と議論したそう(笑)。

そして本書執筆に際し、おみくじの原価を推定したところ、何と「1円」(汗)!

おみくじは「原価率1%」のスーパービジネスであったわけです。


◆おみくじ以外にも、身の回りの「儲かるビジネス」に関して、具体例が多々。

できれば、それらを読んで「なるほどねー」で終わらせないで、そういう「モノの見方」をマスターしたいところ

実際、上記「株式会社いろどり」を立ち上げた横石知二さんも、たまたまそのアイデアを思いついたのではなく、「どうしたら女性や高齢者が働けるか」というテーマを持って「常に考えて」いたそう。

「いい話だったー」で済ませるな、ということですね。←自分が一番怪しい(汗)


◆もし自分が起業するにしても、資本がないため、コモディティというか少額商品は今までハナから考えていなかったのですが、原価が恐ろしく低いビジネスモデルなら、可能性があるかも、と思わせてもらえたのも、本書を読んでの収穫の1つ。

そう言えば、今は「ちょっとアレ」な、折口雅博さんも大昔に、テーブルに置く「性格診断機」でかなり儲けた、という話を読んだ記憶が。

その決め手は「安い」「場所をとらない」「ただ置けば現金が入ってくる」だそう。

(参考:マインドマップ:「プロ経営者」の条件)。


◆ちなみにあとがきで、著者の金子さんが、泉田豊彦さんにお礼を述べられていて、なるほどね、と思いました。

以前記事にしたコチラの本も、ビジネスのアイデアという点では、なかなか良かったです。

ビジネスのIQが高まる泉田式10速発想法
東洋経済新報社
泉田 豊彦(著)鈴木 領一(著)
発売日:2005-12
おすすめ度:4.5

(参考記事:「ビジネスのIQが高まる泉田式10速発想法」泉田豊彦


◆それと、ポイントで「子ども写真館」が出てきましたけど、我が家でもまさに最近お金を落としてきたばかり。

e93b34c1.jpg











このキーホルダー1個で1500円であります(汗)。

もちろん、撮影料は別(笑)


◆なお、ポイントで取り上げなかった中では、「今、注目のビジネスは給与立替サービス」というのが面白かったです。

これは、依頼主の企業に代わって、「その日払い」のアルバイトの各人の口座に翌日にお金を振り込み、後で手数料を得るという仕組み。

このビジネスが秀逸なのは、実質的には利息なのに、あくまで「手数料」ということで、年利の上限を上回る利益が得られるというところ。

なるほどー(汗)!


起業やビジネスモデルに興味がある方にはオススメ!



【関連記事】

【起業センス】「なぜ、ベンチャーは失敗しやすいのか?」真田哲弥,東京大学起業サークルTNK(2008年02月04日)

【起業&仕事術】「なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?」ティモシー・フェリス(2007年09月27日)

【ザ・商人】「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」島田紳助(2007年06月08日)

「頭のいい人が儲からない理由」坂本桂一(2007年04月02日)

「リクルートのDNA」江副浩正(2007年03月22日)

「小さな飲食店 成功のバイブル」鬼頭宏昌(2007年02月06日)


【編集後記】

◆既に届いているので昨日の未読本紹介には含めなかったのですが、パラパラっと見た感じ、非常に面白そうな一冊。


幅広く読まれる本ではないものの、好きな人ならハマりそう(笑)。


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この記事へのコメント
               
SMOOTH先生、おはようございます。

まさしく、コレの検証をしていたところの私。
ジューススタンドの親会社がどこなのか?とか。

パソコンのプリンターって、本体は安くして、消耗品で利益を永続的に上げる方針にしているのですよ。
その方が儲かるからって。

まんまと、その戦略にひっかかった私。
毎月のアスクルの請求書がスゴイことに・・・・

Posted by 心月 at 2008年02月25日 09:00
               
smoothさん、こんにちは!

心月さんもおっしゃってますが、
まさしくDELLがやってたのが、
プリンターのオプション代、たしか、600円。とりあえず、チェックボックスつけちゃいましたが、
ほとんど使わずに、廃棄。
地球環境を考えると、???です。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2008年02月25日 14:54
               
まさしく、この本も購入してカバンに入ってます。
(まだ、読んでませんが・・(^-^; )

アイデアはタダですからね。(*^_^*)
勉強になります。
Posted by ☆サト at 2008年02月25日 15:33
               
smoothさん、こんにちは。

こういうものの見方が自然になれば
コンサルタントとして立派に
やっていけるようになりそうですね。
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2008年02月25日 17:57
               
>心月さん

まさに「ランニングプロフィット」!
記事がシンクロしてましたよね(笑)。
PCやプリンタなど、オフィス関連の機器だと、つい本体価格を見てしまいますが、そちらの「ランニングコスト」も要注意ですね。

>ニタさん

使わないなら、チェックしないで下さい(爆)!
「もらっといてインク交換しない」というのが、向こうにとっては一番いたいかも。

>☆サトさん

これもお持ちでしたか!
結構面白いと思いますので、ぜひお読み下さいマセ。

>LuckyUSさん

この著者さんの場合、年季はいってましたからねー(笑)。
私は、「なんちゃってコンサル」にはなれるかもしれませんが、この域にはまだまだです・・・。


Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年02月26日 00:35
               
ご無沙汰しています。
タイトルみて即買いしました(笑)

大好きですこういうの。。
Posted by まるるちゃん@【エンビジ】 at 2008年02月27日 00:59
               
>まるるちゃん

ご無沙汰っすー。
あーんど、お買い上げありがとうございます。
そういえば、いつかまるるちゃんが日記に書いた「銀行に小金を借りて車を抵当に入れる」話と似てるような(笑)。
こういう発想が大事だな、と
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年02月27日 20:25