2008年02月22日
【スゴ本!】「理系のための口頭発表術」はかなりキテます!
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、超強力なプレゼンテーションガイド。文系のワタクシとしましては、タイトルで一瞬ひるんだものの、中をパラパラ見たところ、「何、この充実振り(汗)」。
まだセミナー講師やプレゼンテーション等を人前でやったことがない私でさえ、「買ってよかった」と思ったくらい至れり尽くせりの内容ですよ(汗)!
理系じゃなくとも、「買い」だと思われ!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
はしがき
訳者まえがき
序論 どんなにすばらしい研究も、ダメ発表がダメ研究にする
第1章 いかに準備すべきか
1 発表は聴衆との対話
2 時間配分の原則とは
3 確認とリハーサル
4 当日に準備すること
重要ポイント 準備における10の原則
第2章 「面白い話」の構造
1 まず「展望」を示せ
2 「本筋」と「ノリ」
3 「論理的」に話すには
4 結論の述べ方
重要ポイント 話を面白くする4つの原則
第3章 視覚素材はこう使え(使うな)
1 パソコンを使うなら
2 そのほかの素材(ビデオから黒板まで)
3 ポスター発表の心得
重要ポイント 視覚素材で効果をあげる3つの原則
第4章 「話し方」の技術
1 声で魅せろ
2 視線で魅せろ
3 情熱こそ武器だ
重要ポイント 「話し方」で魅せる3つの原則
付録A 発表のチェックリスト
付録B 評価シート
【ポイント】
■時間配分の原則
●絶対に超過しない⇒あらゆる発表者は、発表の準備に取りかかる前に、その内容を2つか3つ以内のきちんとした文章にまとめることができなければならない
<理由>
→主要点が2,3の文章で明瞭に説明できないのなら、発表自体も、漠然として一貫性のないものになる可能性がある
→欠席した主催者側の重要メンバーに会う機会があった場合に、発表の内容を短時間で簡潔に説明する必要がある
●3分割の原則
・導入部・・・<背景と展望>、発表の内容を理解するのに必要な予備知識
・本題・・・聴衆にあらたな情報を提供する核心部分であり、ふつうは最も長い
・結論・・・発表内容を一言でまとめあげる(聴衆の心に残る「お土産(お持ち帰り)メッセージ」を放つ)
●スライドの数
⇒目安は「1枚につき1分」
■あがりやすい場合
⇒始めの二言三言を紙に書いておき、発表の最初に(最初のスライドを見せるときまで)、できるだけ自然に、抑えた声で、一語一句そのまま読み上げる⇒あがり性を治す最良の薬は、経験
■ふさわしい服装
⇒科学発表できちんとした服装をすることには、「聴衆への敬意」と、「順応への意志」という、2つの重要なメッセージが込められている⇒聴衆の中には、発表者の服装など気にも留めぬ人が多いが、中にはカチンとくる人もおり、そういう人こそ、往々にして、年長者で、重要な決定を下す人々
■展望を示す
⇒<ズーム・イン>は、発表をしかるべき展望に組み入れるために役立つ、唯一の方法⇒ズーム・インの効果で、オープニング・クレジットの短い間に、手際よく映画の舞台設定を済ませている例
■本筋を外さない
⇒基本テーマを「大きな問い」とし、それを階層的に並べた「副次的な小問題」へと分割し、徐々に答えに迫っていく⇒「脇道」は最小限にとどめ、絶対に必要なものに限定する
■論理的であれ
⇒言葉と論証は明確にし、専門用語を避ける⇒不正確でだらしない言い回しは、自分から「とっちめてくれ」というようなもの
例:「そういう意味で言ったんじゃなくて、ですね・・・」
■結論の述べ方
⇒ズーム・アウトする⇒結論は、常に簡単な一言にまとめる(文章か簡単な図で、スライドやOHPシートに示すのがよい)初めに出てきた、大きな科学原理へと立ち返り、話してきたデータがそれと関連することを、聴衆に再度思い起こさせる。これで再び、聴衆は、この研究の意義を、広い文脈中で捉えなおすことができる。
■表・グラフ・図の使い方
●表⇒表は避けて、代わりにデータをグラフ(棒グラフ、折れ線グラフ等)にする
●グラフ
⇒グラフには、明瞭にラベルをつけ、短く単純にするためなら、精確さは多少なりとも犠牲にしてよい
●図
⇒複合図は避けて、個々の図を分けて見せる
⇒複雑な図は先に結論を示し、なぜそうなるか図で説明する
■非英語圏の人が英語に挑むときの苦肉の策
⇒何度でもリハーサルをし、できれば、英語圏の友達に聞いてもらう⇒たとえ話す言葉が聞き取りにくくとも、スライドだけで物語の大半を伝えるように構成する
■大声を出すコツ
40人ほどの部屋で本番を行うときでも、リハーサルを数百人レベルのホールで行い、チェックする人はその最後尾に座る⇒声を遠くに届かせるためのポイントは「はっきり発音すること」と「聴衆と目を合わせること」
■単調さを避ける3つの方法
⇒声の大きさを変える⇒語句を繰り返す
⇒<間>を置く
【感想】
◆本書もまたまた、付箋貼りまくってしまいました。最近、付箋を貼った本の画像を連発してたので、今回は自重しましたが、マジで、お腹一杯。
人前で話す機会がある人なら、絶対に読んで損はないと思います。
◆自分が理系じゃないせいか、この本は初見だったんですけど、少なくとも、アメリカでは「大学生・研究者のバイブル」だそう(本書の帯より(笑))。
「訳者まえがき」に、こんな一節があります。
もちろん、関係者の方の発言ではあるんですけど、私も概ね同意です。本書との出会いは、10年以上前に遡る。米国留学中、イリノイ大学の書店で、本書の初版がFreemanから出ているのを見つけた。目立つところにペーパーバックが山積みで、この手の本としては異例のベストセラーだったと記憶している。大学院生がびしばし買っていくので、すかさず自分も1冊買い求めた。一読して感銘。理系の学会発表に的を絞り、ユーモア漂う豊富な具体例と絶妙な語り口で、てきぱきとツボを突いてくる。身に覚えのある失敗談の数々も、爆笑を誘う。文章はじつに読みやすく、ノウハウもてんこ盛り、読んだだけで発表がめきめき上達する気がしてくるほどだ。
唯一難点(?)を挙げるとすれば、発表の具体例が、ホントに学会ネタだったりするので、一般人にはワケワカメなところがあるくらい(笑)。
ただ、それにしてもポイントポイントは上記で挙げたように普遍的なことなので、ノウハウ自体は問題ないです。
◆数少ない私の体験から言わせていただくと、単調さを避けるための「声の大きさを変える」というのは、結構効果的でした。
こんな私でも、サラリーマン時代には、新入社員教育の講師の一人だったことがあって、先輩が講師を務めていた講義で、爆睡者続出するのを見て、「これは何とかしないと」と思って工夫したんですが(笑)。
決め手は、声の大小と、話すスピードですかね。
もちろん、一番大事なのは話す内容なのは当然として(笑)。
◆ただ、いくら内容が良くとも、発表がマズければ、結局は評価されない、ということは、本書を読んでよくわかりました。
そしてそのための、「スライドの作り方」だったり、「話の構成の仕方」だったり、「話し方・振る舞い方」だったりするわけで。
特に言及はしませんでしたが、新書にしてはかなり写真や図が多く、この辺りも個人的には評価が高いところ(笑)。
◆ちなみに細かいお話では、「スクリーンが自分の右にあるときは、指し棒を右手に持て」(聴衆に背をむけないため)なんてのもありました。
確かに、片手がふさがってなければ持ち替えられますが、ハンドマイクを使っている場合、イチイチ両手に持っているものを持ち替えてますか(汗)?
この辺の気配りにも正直脱帽(汗)。
いつか自分が壇上に立つ日が来たら、本書を正座して熟読するツモリです。
◆なお、各章の終わりに「重要ポイント」として
『準備における10の原則』
『話を面白くする4つの原則』
『視覚素材で効果をあげる3つの原則』
『「話し方」で魅せる3つの原則』
の各内容が簡潔にまとめられていて、最初はこれを丸写ししようと思いました(ヲイ(笑)!)。
実際、この部分だけでもコピーとって、生徒に配りたいくらい(生徒いないけど(笑))。
さらに目次にもある「付録A 発表のチェックリスト」は、発表の「1ヶ月前」「3週間前」・・・「2日前」「当日」と、時系列できめ細かいチェック項目が列挙されており、これまた実際にプレゼン等される方にはありがたい限り(涙)。
もう一つの「付録B 評価シート」の方も、「発表の構成」「視覚素材の使用」「話し方」「質問への対応」「その他のコメント」と合計30の項目が並んでいて、実用性大。
これだけ詰め込んで、1000円しないなんて(涙)!!
【関連記事】
「絶妙な話し方の技術」橋川硬児【マインドマップ付き】(2005年10月06日)「でかいプレゼン 高橋メソッドの本」高橋征義(2006年04月03日)
「東大式絶対情報学」伊東 乾(2006年04月07日)
続『「物語力」で人を動かせ!』 平野日出木(2006年03月19日)
【編集後記】
◆最近、アマゾンで毎日のように予約しているので、買ったつもりの割には本が届いていないワタクシ。そこで今日は、いつの間にか出ていた(笑)この本にアマゾンアタック!
人を出し抜く 超・仕事術 「レバレッジ思考」を20代でマスターせよ! (凄ビジ・シリーズ)
本田さ〜ん、教えてくださいよ〜!
ご声援ありがとうございました!
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人前でのプレゼンの機会が多いのです。
そして私は誉めるのがとても苦手です。誉められるのはもっと苦手です。
到着が楽しみです。これからもたくさんの良書を教えてください。
理系じゃなくともかなり役に立つと思いますよ、コレ。
自分が壇上に立つ機会がないので、当分読むだけになりそうなんですが(笑)。
>二代目さん
あらー、さっそくのお買い上げ感謝です!
なるほど、誉められるのが苦手とは、私と同じですね(汗)。
きっと「心の壁」みたいなものがあるからだと思うんですけど、お互い、何とか乗り越えましょう。
目指せ、「ほめ達人」!
そして、この本、プレゼンなさる方なら絶対ハマると思います。
お楽しみに!
>川田先生
お買い上げありがとうございます!!
先生、これ新書なので、ウォーキングマシーンのところのブックスタンドに立てかけられますかねー(汗)。
でも、先生なら学会等での発表もおありでしょうから、ドンピシャだと思いますよ!
数件まとめて拝見しました。
川田先生のご本は気になりますー。…ご参考になるかわかりませんが私事を少々…。私がひと回り若く見られていた原因は
【お客様の喜びを増やす事を明るく楽しく考え続けた年月の長さ】と【心からの感謝と笑顔】のような気がするんです。
こちらの記事では
「聴衆に背を向けない」とありましたが【背中でありがとうございますは言わない】事を20年も商人魂が断固させナイので共感シマス^ ^;
おもしろそうな本を見つけますね〜
これは参考になりそう。
自己チェックしてみます!
「聴衆に背を向けない」というのは、まぁ、プレゼンの講師のお話ですから(笑)。
それにしても、そんなにお若く見えるんですか〜。
うらやましいです(笑)。
>まちすけさん
まちすけさんはマストでおながいします。
人前に立つ人なら損はしないですよ!!
スゴ本!ご紹介ありがとうございました。
まさに私が読むべき一冊でしたので、即購入しました。
間に挟まってる写真がなんとも・・良いですね。
これからも楽しみにブログ読ませていただきます。
お買い上げありがとうございました!
気に入って頂けて何よりです。
この本、個人的にも大好きで、ヨメにも読ませているくらいです(笑)。
そして、そちらのブログでもご紹介もありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。