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2008年02月20日

【備忘録】「フリーペーパーの衝撃」稲垣太郎




【本の概要】

はてブ人気エントリーで、興味深い記事を見つけたので、脊髄反射的に投稿。

地方の雑誌メディアの終焉が近い件について:はてな匿名ダイアリー

実はこのエントリー、「追記」が続いておりまして(実はまだ終わっていません)、厳密には全文読まないといけないんですが(汗)。

地方の雑誌メディアの終焉が近い件について 追記1
地方の雑誌メディアの終焉が近い件について 追記2
地方の雑誌メディアの終焉が近い件について 追記3
地方の雑誌メディアの終焉が近い件について 追記4


◆これらを読んで、私がふと思い出したのが、掲題の本。

アマゾンで在庫切れかかってるので、どうしようか迷ってたんですが(笑)。

これは神が「備忘録程度でいいから記事にせよ」と言ってるのか(汗)?


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【目次】

第1章 異業種出身の成功者たち
第2章 フリーマガジン大国・日本
第3章 問われる広告効果
第4章 海外に浸透する日刊無料紙
第5章 日本に『メトロ』が登場する日
第6章 だれでも出せる「紙のブログ」
第7章 有料と無料の違いって何だ?―吉良俊彦氏との対談



【感想などなど】

■異業種からの転身
◆本書では、リクルート以外の下記の3つの「独立資本系・全戸宅配型」フリーペーパーについて紹介がありました。

『ぱど』

『地域新聞』

『月刊プラザ』


◆ここで注目したいのがこの部分。

 共通しているのは、新聞や雑誌など、いわゆるジャーナリズム界の出身ではないことだ。筆者は他にも多くのフリーペーパー経営者に取材したが、そのほとんどが異業種からの参入者だった。
 彼らはフリーペーパーをビジネスと考えており、読者へのサービスは意識しこそすれ、ジャーナリズムを標榜(ひょうぼう)するなど、社会を動かすメッセージを込める使命感は、ほとんどないと言ってよい。

そう、これらはメディアというよりも、むしろ「地域密着型の広告(誌)」と言った方が近いのかも。

・・・ちなみに「ビジネスとして」考えた場合、フリーペーパー事業を立ち上げるのに肝要なのは、「地域広告やターゲット広告の確保」と、「読者の手に届ける搬送・配布手段」なのだとか。


■休刊する地方の有料誌
◆上記、「地方の雑誌メディアの終焉が近い件について」には、地方で壊滅させられたタウン誌について特に名前は出てきませんでしたが、本書では、具体的な誌名とその休刊までの経緯等がかなり詳しく載っています。

●北海道の『イエローページ』の代表取締役さんのお話。

「休刊の直接の原因は『ホットペッパー』に広告を取られたことだが、情報に対する読者のお金の使い方が変わったからかもしれない」


●広島の月刊誌『ぴーぷる』の代表取締役さんのお話。

「うちも広告収入アップのために飲食店向けの別冊を1部360円で毎年発行し、3000万円稼いだ年もあった。だがリクルートのような資本投下をすることはできなかった」


いずれも、有料タウン誌は、無料のクーポン誌(というか、『ホットペッパー』)に駆逐されてしまったわけです。


◆なお、具体的な営業活動については、上記「地方の雑誌メディアの終焉が近い件について 追記3 」に詳しいです。

リクルートはホットペッパー進出にあたって、各都市に支社を置き、現地採用した契約社員(上限3年)を、営業部隊として市場に投入しました。彼ら営業部員は、リクルートが首都圏で培ったノウハウにより、驚くほど短期間で「広告が売れる営業マン」への教育を施され、営業活動を開始します。インセンティブ契約による彼らの営業活動は、月給制で働く多くのタウン誌の営業部員よりも熱心で、さらにリクルートお得意のマーケティング理論と、実際の数値を例示しながらの「成果までの道筋を明確に描く」分かりやすい営業スタイルもあり、ホットペッパーは地方都市でも急速にクライアントに受け入れられていったのです。

何と言うシステマチックさ(汗)。


■その他読みどころなど
◆本書はもちろん、地方メディア関係のお話だけでなく、フリーペーパー全般について言及されています。

個人的には「想定読者層を絞った無料誌がいまなお手をつけてない分野がある」という、フィールドメディアネットワークの松下社長のお話が興味深かったですね。

他にも、「高校生がフリーペーパー発行に挑戦するお話」ですとか、「ターゲットメディア主義」をこのブログでご紹介したこともある、吉良俊彦氏との対談なども、付箋貼りまくりました(笑)。


(このブログでの記事:「ターゲット・メディア主義―雑誌礼讃」 吉良俊彦


◆また、諸外国のフリーペーパーや、それを取り巻く環境等についても触れられており、多角的に知識を得ることも可能。

外国では有名(らしい)なフリーペーパー『メトロ』や、それを参考に同じビジネスモデルを追求しながらも、創刊から4ヶ月で、日刊から週刊に転じた、日本の『ヘッドライン・トゥデイ』の存在は、私は全然知りませんでしたし(汗)。

フリーペーパーという存在を基礎から学べる、という意味では、興味のある方にはオススメ!

080220追記:出版社のサイトで本の紹介がありました。

フリーペーパーの衝撃





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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは!

ちょうど、オーバーチュアでも始めようかと。
キーワードなど考えていたので、ちょっと、気になりますね。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2008年02月21日 09:21
               
>ニタさん

キーワード広告考えてるなら、他にもいい本いっぱいあると思われ。
ところで、引越し本決まりですか?
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年02月21日 23:17