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2008年01月15日

【スゴ本!】「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計


広告コピーってこう書くんだ!読本
宣伝会議
発売日:2007-09-15
おすすめ度:4.5


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、私の大好物であるアイデア本。

この本自体は、昨年9月の発売ということで、新しくはないのですが、たまたま、ニタさんの記事を拝見して、無性に欲しくなってしまいました。

いや、あまりこの手の本を紹介しないニタさんが、わざわざ記事にするなんて、よほどの本ではないか、と(笑)。

ちょっと高かったんですけど、結局アマゾンアタック敢行(笑)。


◆実際、ニタさんご自身も、ウチの記事へのコメント

『広告コピーってこう書くんだ!読本』
リアルでお会いしていたら、
お勧めしていた1冊ですね。残念。

と書かれているくらいですから、その惚れこみようもなかなかのもの。

そして・・・。

私も読んで唸りました

これ、ゲキヤバスです(汗)。←今頃(笑)


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【目次】

序章 
 はじめに「発想法ではなく、発想体質を」。
 「なんかいいよね」禁止。

第1章 生きたコピーの書き方。
 なぜ「たくさん」書かなければいけないか。
 一晩で100本コピーを書く方法。 他

第2章 もっと伝えるために。
 「原稿用紙」から世の中へ。
 みんなが言いたいことを言わせてあげる。 他

第3章 コピーを超えるコピー。
 正論こそサービス精神をもって語ろう。
 「1対1」と「1対100万」の違い。 他

第4章 広告的「アタマのよさ」。
 「くり返すことができる」が、プロ。
 エンジンとガソリン。


【ポイント】

◆今回も付箋貼りすぎたので、簡潔に参ります。

■発想法ではなく、発想体質を

⇒アイデアを量産するためには、アタマの中の"ブラックボックス"を明らかにしていく

ひらめきや直感といった偶然を待つのではなく、ふだんから発想ができるような体質にしておく


■「なんかいいよね」禁止

「なんかいいよね」ではなく「なぜいいのか。これこれこうだからじゃないのか」という思考を働かすことができなければ、「モノのつくり手」になることはできない


■書く対象との関係性を考える

⇒コピーを書くべき対象が「ビール」なら、「おじいちゃんとビール」「赤ん坊とビール」等、とにかく関係性を増やしていく

世の中のたくさんの人との関係を書かないと、広がりに限界が出てしまう


■広告は「流通力」である

⇒広告が短いと、会話の中で"まわし読み"され、大きな影響力が生まれる


■コピーの第一の目的は「描写」ではなく「解決」

⇒ × 「自分のペンの力で、いまある状況を美しく描こう

⇒ ○ 「自分のペンの力で、いまある状況を何とか変えてみせよう」 


■意味で書いて、生理でチェックする

⇒人間は、言葉を書くときには、"意味や論理で書く"が、読んだり聞いたりして受け取るときには、意味よりも先に"生理的な部分"で受け止める

⇒書くときには論理や意味で書いて、それをあとで自分自身で「生理的にどう感じるのか」とチェックする


■言いたいことを言わせてあげる

⇒広告が世の中で話題になるためには、「みんなが言いたいことを言わせてあげる」という考え方が大切

元から持っていた気持ちだから、広告のことを他人に話して聞かせるし、しかもずっと言いたいことだったから、ふだんよりも一所懸命に話して聞かせる


■カタチだけの納得。ホントウの納得。

 東京コピーライターズクラブのコピー年鑑に出ているような一定レベル以上と言われるようなコピーでも、カタチのうえでは納得できても、「それで商品を買う気になるのかな」と疑問をもつものがいくつかあったりもします。
(中略)
 でも、コピー本来の役割は、「商品を買いたい」というところまで受け手の気持ちをうながすことにあるのですから、めざすべきはあくまでも"ホントウの納得"でしょう。


■力ずくで説得しない

⇒1対1のコミュニケーションと1対100万のコミュニケーションは根本的に違う

⇒1対100万のコミュニケーションである広告では、相手を変えようとせずに、受け手の現状をまず肯定するところからはじめる

⇒その上で、彼らが興味をもっていることと自分が伝えようとしていることとの"接点"を探る

⇒つまり、相手の嗜好を変えようとするのではなく、相手に応じて自分の見せ方を変える


■「常識とコピーと芸術」の三分法

「そりゃそうだ」「そういえばそうだね」「そんなのわかんない」の3つ

⇒コピーとは「そういえばそうだね」であり、「知っているのだけれども、ふだんは意識の下に眠っているもの」言語化することによってよみがえらせてあげるもの


【感想】

◆本書を読了してまず感じたのは、ハードカバーで結構ぶ厚いのに、非常に読みやすかったこと

日頃、広告のコピーのような、凝縮した文章を書かれている方の本だからなのか、表現もわかりやすく、また、内容的にも「腑に落ちまくり」でした。

冒頭に書いたようにお値段はちょっと高め(税込み1,890円)なのですが、コンテンツの質のことを考えたら、むしろ激安

この手のアイデア系の本としては、出色の出来でしょう。


◆その「わかりやすさ」の一因であるのが、本書に収録されている豊富な実例

谷山さんの過去の作品のほか、著名コピーライターさんの話題作や、テレビコマーシャル、果ては、谷山さんが広告の学校で出した課題などさまざまです。

・・・って、今回の記事ではネタバレに配慮して、上記ポイントではバッサリとカットしているんですが(汗)。


◆ただ、さすがにそれだとちょっと味気ないので、ちょっとだけご紹介。

コピーやCMは皆さんご存知でしょうから、「課題」から。

どの【ポイント】と結びつくか(結びつかないのもあります)は、本書をお読みアレ。
「若者が、古本屋をもっと利用するようになるコピーを考えてください」

「朝6時東京発、8時30分新大阪着の新幹線のぞみ号を満席にしてください」

「コンビニエンスストアで、こんなサービスやイベントをしてくれたらすごくいい、と思えるアイデアを考えよう」

◆本書は、形式的にも内容的にもコピーライティングが中心となっています(それゆえ、私もタイトルだけみて、二の足を踏んでいたんですが)。

ただし、本書を単なるコピーの本として敬遠していたら、あまりにも勿体ない!

企画はもちろん、情報発信や、サービス業を含め、ぶっちゃけ、ビジネス全般に活かせると思います(マジで)。


◆なお、ガチで「企画書の書き方」に興味のある方には、本書には谷山さんが担当された、新潮文庫「Yonda?」企画書全部が収録されていますのでご参考まで。

   Yonda?CLUB
      ↓


この部分だけで「企画書ってこう書くんだ!読本」と言えるくらいのクオリティかと(笑)。


◆まだお読み頂いていない方には、ピンと来ないかもしれませんが、上記で挙げたポイントは、皆、かなり深い内容なので、今後も定期的に読み返すツモリです。

接続さえできれば、いつでも記事を読み返せる、というのはネットの醍醐味ですし、また、そういう形で活用したくなるこの本との出会いにも感謝。

新年初の「激オススメ!!」

広告コピーってこう書くんだ!読本
宣伝会議
発売日:2007-09-15
おすすめ度:4.5


【関連記事】

【アイデア】「企画術の教科書」古館プロジェクト「アングル」編(2007年08月31日)

【超・発想!】「プチ哲学」佐藤雅彦(2007年06月10日)

「クリエイター・スピリットとは何か?」杉山知之(2007年05月05日)

「考えないヒント」小山薫堂(2006年12月05日)

『「視聴率男」の発想術』五味一男(2006年05月22日)


【編集後記】

◆昨日、こんな記事を読んで、その元ネタ(?)となる本が欲しくなってしまいました。

明と暗、ふたつの顔を持つカリスマ「スティーブ・ジョブズ」の記録:ascii.jp


うーん、これ以上未読本が増えるのは〜(汗)


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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは!

確かに、良い本ですね。太鼓判です。

でも、私の系統からすると、ちょっと外れていて、たぶんアマゾンのプッシュで、ついで買いしたとか、です。

大きく、ご紹介いただき、ありがとうございます。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2008年01月15日 16:47
               
smoothさん、こんばんは
>ただし、本書を単なるコピーの本として敬遠していたら、あまりにも勿体ない!
そこまでお勧めだと読んでみたくなります。コピーの書き方を覚えるよりも発想法を覚えた方が持続性がありますからね。
Posted by まちすけ at 2008年01月15日 22:14
               
smoothさん、こんばんは

谷山雅計さんは、昨年のエリエス3周年記念パーティーでお話を伺いました。

本も確かにすごいですが、話している言葉もすごいです。日本語なのですが、世界が違うというか。土井さんもかなり喜んでました。

もし、CDになったら購入されることをお勧めします。土井さんが司会で、本田直之さんと、安田 佳生さん、谷山さんの3人でのパネルディスカッションです。
Posted by ten at 2008年01月18日 01:16
               
げげげ、この記事だけコメントが漏れてましたね(汗)。

>ニタさん

ニタさんが記事にされてなかったら、私は買わなかったと思います。
他の人ならまだしも(笑)、ニタさんが広告本?って違和感が良かったような(笑)。

>マチスケさん

マチスケさんはマスト。
ポジション的にも買って損なし。
コメント不要で(笑)。
間違いないです!

>tenさん

ご無沙汰しております。
そのパーティ、私、引越し当日だったんですよねー(涙)。
やはり谷山さん「キテ」ましたか。
本読んでても、違いましたよ、この方。
佐藤雅彦さんも天才肌でスゴいと思いましたが、この方の場合、再現性があるように言語化されていて、ある意味「仕組化」されている気がしました。
こんな本を放置してた自分が恥ずかしい・・・(涙)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年01月18日 13:16
               
こんばんは!Smoothさん

教えていただいた本書は十分読み応え有りました!

お名前を出してよいのかどうか、迷ったので…(汗)
(万が一、出してはいけなかったらと思って)

お許しがでましたので(笑)、明記させていただきました。

ちょっと、誤解をさせる表現ですいませんでした。(汗、汗、汗)
Posted by ケイエム at 2008年06月09日 21:28
               
>ケイエムさん

いえいえ、こちらこそ。
何やらいつもケイエムさんはかなりのインパクトを持って受け止めていただいているようなので、ちょっと淡白だったかなって(笑)。
押し付けてるようでスイマセン(笑)。
いや、でもこの本、私としてはかなり好きなんですよ〜。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年06月10日 00:21