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2007年10月21日

【これも一種のlifehack?】「偶然のチカラ」植島啓司


偶然のチカラ (集英社新書 412C)
偶然のチカラ (集英社新書 412C)



【本の概要】

◆今日お届けするのは、リアル書店で目にして、つい買ってしまった(笑)一冊。

著書の植島啓司先生は、すごい略歴の持ち主でいらっしゃいます。

1947年東京生まれ。1972年、東京大学卒。東京大学人文科学研究科大学院(宗教学専攻)博士課程修了。その後、シカゴ大学大学院に留学、M・エリアーデらのもとで研究を続ける。1980〜2002年、関西大学専任講師・助教授・教授を歴任。1990〜91年、NYのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ(人類学)客員教授。1974年より現在まで、ネパール、タイ、インドネシア・バリ島、スペインなどで宗教人類学調査を続けている。

本書も哲学チックな部分と、「偶然」を扱った本らしく「確率」「ギャンブル」が混在する内容。

ところが帯には大きく「やり過ごして幸せに!!」の文字が。

こりはいったいどんな本??




【目次】

1.自分で選択するべからず
2.世の中にはどうにもならないことがある
3.自分の身に起こったことはすべて必然と考える
4.たかが確率、されど確率
5.思いは全部どこかでつながっている
6.いい流れには黙って従う
7.すべてはなるようになる



【ポイント】

■「自分で選択するべからず

⇒しゃにむに自分の意志をつらぬこうとしないことが肝心

⇒ギャンブルでは、先にコールした方が負けであり、何かを選択するということはそれだけ大きな負荷がかかる行為

⇒うまく生きる秘訣はなるべく選択しないですますこと

 人は自分自身が下した決断からはなかなか自由になれない。だから、いいセールスマンはこちらから説得するのではなく、相手が自分で決断を下せるように導いていくのである。


■運が「いい」「悪い」

⇒ギャンブルにおいても、単純に勝ったら運がいい、負けたら運が悪いということではなく、運の悪い勝ちもあれば、運のいい負けもある

⇒なんでもいいからとにかく勝ちさえすればいい、という考えでいると、いつしか必ず負け組のほうになってしまう

桜井章一さん

「振り込んで点棒を取られるとツキが落ちると一般には信じられているが、そうではなく、点棒を差し上げたと思いなさい」


⇒突然の事故で大惨事が起き、そこに自分も居合わせるはずがちょっとした手違いで助かった場合、これを「偶然と考える」か、「何かが守ってくれたんだ」と考えるかでは大きな違いがある


■悪い連鎖を断ち切る

⇒いいことも悪いことも、身の回りには実は同じくらい起こっている

⇒ただし、いいことは見えにくく、悪いことはどうしてもつながりやすいので、つい余計なことまで考えてしまう

⇒解決するには、まず自分が抱えるやっかいな事柄を、比較的やりやすいものから順番に片付けていくこと

⇒連鎖を断ち切るためには、一番つながりの弱いところから攻めていくことが肝心


■いい流れには黙って従う

⇒幸運が続くと、次は不幸がやってきそうで不安になり、別の流れに乗るべきか迷うことがしばしばあるが、いかなるときでも、好ましい流れは自分から放棄してはならない

⇒もし流れが悪くなったら、そのとき初めてどうすればいいのか考えればいいことで、自分から動いてはいけない

⇒われわれが運命を引っ張るのではなく、運命がわれわれを導いてくれるように、さりげなく振る舞うことが肝心


■なるようになる

⇒日本人が、身の回りの他人の過ち(電車が遅れたり、レストランで順番がまわってこない等)に神経質(「不寛容」)なのに、社会の巨悪には目をつぶるのは、他人と組んで何かをすることが億劫で、自分の神経に障ることの方が許せないから

⇒本来、この世の中のたいていのことは「どうでもいい」ことで、どうでもいいことは適当にやればいいだけの話

⇒過去の植木 等、現在の所ジョージや高田純次に人気があるのも、そういういいかげんさによるところが大きいのでは?

よく雑誌の特集などで「いくらあったら海外で生活できるか?」というのがあるが、そう考えた時点でもうすでにアウトなのだ。お金のことではない。いくらお金があったって、海外で楽しく暮らすのはむずかしい。人生をいかに楽しく生きるかということは、まずはお金を抜きに考えなければならない。「お金さえあったらなんでもできる」と考える連中は、すでにそれだけで負けているのである。


■人生の座標軸

⇒われわれは人生の座標軸を次の3極で考えるべきではないか

1.幸運 2.普通(つつがなく) 3.不運

⇒するとその比率は5%、90%、5%くらいになるはずだが、普通(つつがなく)の90%は見えにくくなっている

⇒普通(つつがなく)は本来感謝すべきことなのに、誰もがそれを忘れてしまっており、そのありがたみに気が付くのは、病気をしたり、監獄に入れられたり、死が近づいているのを実感したときだけ

⇒好ましい生き方とは、普通(つつがなく)を不運に入れてしまう(「自分には何もいいことがない」)のではなく、幸運の陣営に入れ込んであげることではないか?


【感想】

◆私にしては(笑)、比較的簡潔にまとめてみました。

本書は扱っている内容的にはもっと幅広く(確率論の話ですとか)、翻訳本なみにバシバシ引用元が明記されていて、著者の植島さんの幅広いフィールドが感じられます。

「パチョーリのバッラをめぐる問題」や、このブログでも何度か出てきた「モンティ・ホール問題」といった辺りは、私ならずとも興味深い方もいらっしゃるかと。

むしろ、本書のタイトルから言ったら、そちらのお話かと思いますよね(笑)。


◆ただ、本書の内容は、どちらかというと、「自己啓発的」というか、むしろ「スピリチュアル」チックな部分も結構あって。

「いかに幸せに生きるか」というような「生き方指南」の部分を抜き出してみた次第です。

なお、本書の最終章では、内容の「おさらい」があるので、リアルで読むことができる方は、「はじめに」よりもむしろこちらをお読み頂くと、本書のエッセンスがわかるかと。

もちろん、この記事でも「ある程度」カバーしておりますが(笑)。


◆ちょっと心配なのが、今回の【ポイント】は、本当に「背骨の部分」のみを抜き出しているので、本書においては多くの事例や引用によって説得力あるべき部分が、必ずしもそうなっていないこと。

特に、日頃扱っている本のコンテンツとはちょっと毛色が違うので、読まれて腑に落ちない方もいらっしゃるかもしれません。

もっとも自分としては、こうしてブログに書いておけば、何かの機会に見直して、自分の生き方を修整できるということもあり、これはこれで非常に有意義な記事なんです。

・・・高田純次さんの部分については、特に見直したかったわけではないですが(汗)。

適当教典 (河出文庫)
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個人的にはツボでした!

偶然のチカラ (集英社新書 412C)
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【関連記事】

【お金の心理】「人はこうしてみすみす損をする」(2007年07月21日)

「行動経済学」友野典男(著)(2006年07月20日)

「幸せ成功力を日増しに高めるEQノート」 野口嘉則(2006年02月23日)


【編集後記】

◆昨日はヨメに土下座して(大げさ)、平川理恵さんの出版記念パーティに参加。

色々な方にお会いして、お名刺を頂いて参りました。

涙あり、笑いあり、感動ありのステキなパーティでしたね〜。

近日中に記事に致しますので、お楽しみに!


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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは。

自分で決めないとか、流れに従う、なるようになるというのも確かにLifehackのひとつかもしれませんね。

Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2007年10月21日 11:56
               
smoothサンこんにちはー。
ぢつわ私も中学時代からですが「流れに逆らわない」事によって、かなりの確率でトラブル回避してるみたいデス♪…やはり科学では説明出来ないデス^ ^;
土下座といえばその中学時代、いじめられっ子をかばってたらいじめっ子達に「お前が土下座したらイジメるのをやめてやる」と言われ“流れに沿って”やったらイジメが少しおさまったので良かったデス。
Posted by 瑠璃 at 2007年10月21日 12:54
               
昨日はありがとうございました。

いやいや、いろいろな方が
お見えで。

私は、ニ連投で燃え尽きました。

Posted by ヨシザワ at 2007年10月21日 14:44
               
smoothさんこんばんは。

平川理恵さんの本なかなか届かないです(汗)もうずいぶん前にご紹介されてましたよね?どうなっちゃんたんでしょうかね(汗)
Posted by 週末起業サラリーマン・・・hikaru at 2007年10月21日 19:49
               
>>本来、この世の中のたいていのことは「どうでもいい」ことで、どうでもいいことは適当にやればいいだけの話

私も本当にそう思います。
須藤元気くんも言ってますが「人生はギャグ」ですから、あまり力まず、ゆるく楽しくありたいですね。

Posted by ビルダーナース at 2007年10月21日 23:14
               
>LuckyUSさん

書かれていることは結構深いです。
私はあまり読まないスピリチュアル系に近い感じも。

>瑠璃さん

なるほど、科学では説明できない、と。
私も実践してみます。
それにしても他の人のために「土下座」なさるとは、スゴイです!

>ヨシザワさん

お疲れ様でした。
明日の記事をお楽しみ(?)に!

>hikaruさん

何やらアマゾンからメール来ませんでしたか?
アマゾンの発売が27日とかに伸びてると言う(汗)。

>ビルダーナースさん

ビジネス書なんぞをガンガンに読んでいると、なかなか力が抜けないんですよね(涙)。
私にも実践できるかなぁ・・・。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年10月22日 01:39
               
お久しぶりです。
考え方というのは、大いに行動や未来を左右するものなのでしょうね。
何となく共感度高そうな一冊です。
Posted by meg at 2007年10月22日 17:23