2007年09月16日
【予測】予測する力 養成講座〔セオリー〕vol.11
【本の概要】
◆今日お届けするのは、小飼 弾さんの記事で拝見したムック本。元々は小飼さんの対談が読みたくて購入したものの、思った以上に他の方々の記事が面白かったので、ご紹介することにしました。
登場されている多くの方々が、本を出版されていらっしゃる著者さんなのに、本書のテーマである「予測する力」に絞ってエッセンスを抽出されているという贅沢さ。
これまたお買い得な一冊です!

【目次】
見えるヤツには見えるらしい - インタビュー大特集・SUICAの原理を考えた男
・村上隆と奈良美智を発見した小山登美夫
・「マーケティングでヒットは打てません」人気空間プロデューサー・山本宇一
・「こうなるより、こうする」ユニクロ柳井正社長
・「突拍子もない仮説から未来は見えてくる」竹内薫
・「100手先まで読むだけじゃ勝てません」渡辺竜王
・「世界の10年後はすでに書かれている」 佐藤優
・「自分が先頭を切っているから、時代が読める」ピーチジョン野口美佳社長
その他、ラグビー東芝主将・富岡鉄平、など
特集 予測はなぜ外れるのか
特集 他人の気持ちを予測する
特集 時代の先、変化をどう読むか
特集 予感の研究ーあなたの予感・直感はなぜ当たる!?
沢木耕太郎 「予測できないことを予測する」
日垣隆×小飼弾×井口耕二「ウィキノミクスの時代」
【ポイント】
◆付箋は貼りまくったものの、今回は、私自身が特に気になった発言をなさった方を中心に抜粋します。(注1)ご紹介している本は、本書内で紹介されているものではなく、私がアマゾンで選んだものですので、発言内容とは直接関係ありません。
(注2)引用文の強調部分は、私が個人的に行ったものであり、本書内には強調部分はありません。
■「イチローも中田も、目が天才なんです」スポーツドクター:真下一策
優れたアスリートが行う次のプレーの『予測』とは、決してヤマ勘などではなく、視覚から入った情報をいかにして思考し、どう判断するか、といった体系的な一連の流れを経た上で決断される根拠のある動作なんです。
たとえば、中田さんが、現役時代、『視野が広い』と言われていましたが、視野というのは解剖学的には常に一定なんです。だから、医学的には中田さんだけが特別視野が広かったわけではない。視野が広いかどうかは、じつは意識の問題。つまり、情報をしっかりと収集できて、正確に分析できていると脳が判断していれば、視野は広く確保できるんです。
■「自分が先頭を切っているから、時代が読める」ピーチ・ジョン:野口美佳
「モノや情報がこれほど世の中に溢れていても、常に『足りないモノ』というのはあると思います。足りないモノは『売れる』わけですから、それが何かわかれば、ヒット商品を作ることができる。
私の場合は、普段の生活の中で、『ヒット』のアンテナを張っています。(中略)
また、消費者として、先頭を切って多くのことにお金を使ってきました。『買う』『買わない』の決断をするときは、なぜ『欲しい』か、『欲しくない』かを必ず考えます」
■「ヒット番組は6割の確率で作れます」日本テレビ執行役員:五味一男
「いわゆる普通のマーケティングというのは、あるリサーチ結果をもとに、そのヒットの理由を分析していくものでしょ。つまり、『後追いマーケティング』なんですね。でも、僕が提唱しているのは、まったく逆の『先取りマーケティング』というものなんです。(中略)
僕の番組にはさまざまな批判もあります。『テロップが多すぎる』とか『アイツは面白くないから、降ろせ』とかね(笑)。もちろん、参考にはしますが、そんな意見を言う人たちは、せいぜい全体の5%に過ぎない。あとの95%、つまりサイレント・マジョリティといわれる人たちの声なき声の中にこそ、真実が隠されていると、僕は考えているわけなんです。
■「幸せの『予感男』発見」カリスマカフェオーナー:佐藤裕久
その頃、東京タワーはまだリニューアル中で全面に白いシートが張ってあって、リリー・フランキーさんの小説もなく、夜になると人通りすらない寂れた場所だったんです。しかし、ハッキリ見えた。1階が東京タワーを見上げられるカフェになり、お客様が空を見上げながら人生を楽しんでいる姿が鮮明に浮かんできたんです。それどころか東京タワーの形に導かれて意識が天に昇っていくような感覚すらありました。今になると同業者に「いい場所を見つけたねぇ」と言われますが、そんなわけない。このビルの2〜4階は半年以上空いていたし、オープンしてしばらくは同じ業界の人間に「何で今さら東京タワーなんだよ」と言われていたくらいですし。
■「『捨てる』発想でターゲットを明確に」シストラットコーポレーション:森行生
まずは「買って欲しくない客層」をきっちりと決めることが大切。すなわち、マイナスの、「切る」という発想です。「切る」、「捨てる」発想によってターゲットを絞り込み、せいぜい3つまでに絞り込む。それがマーケットの基本であり、極意です。この作業によってユーザーがわかりにくい要素が商品からすっきり排除されます。そのルールを端的に言い表したのが「一目、一言、なるほど」というフレーズです。
最近のヒット商品だと、花王の「ヘルシア緑茶」がよい例です。一目で「お茶」とわかり、一言は「カテキンが脂肪を燃やす特定保険用食品」、そしてメタボリック症候群を気にしている肥満の人に「なるほど、身体にいいんだ」という共感をもたらす。「ヘルシア緑茶」はこうした「一目、一言、なるほど」がシンプルな形できちんと消費者に見えたからヒットしたのです。
■「女性の快感原則を知ることが大切」マーケティング・ハピネス:松本朋子
膨大な量の商品から、人は何を基準に、モノを手に取るのか。パッと見てから商品を手に取るまでの時間は、3秒だと言われています。3秒は、論理的な思考をめぐらす時間ではない。無意識のうちに、その人の持つ「快感の記憶」に響くかどうかが、手に取るか取らないかの分かれ目だと、私は考えています。
逆にいうと、過去に快感を記憶していないもの、まったくなじみのないものに対しては、人はまず手を伸ばしません。もちろん新商品ですから目新しさは絶対に必要です。「なじみ感」プラス「ちょっとした目新しさ」の兼ね合いが、売れるモノづくりには不可欠なのです。
■特別企画「ウィキノミクスの時代」より
小飼 弾さん:「いろいろうまくつながったと思いますね。僕のところに版元の日経BPが献本してきた。それは「踊ってよ」というリクエスト。で、想定どおりに踊る、つまり書評を書いた。すると想定どおり多くの人が僕のサイト経由で本を買ってくれた。それで日垣さんからこういう機会を得ることにもなった。そこで思うのは、ウィキノミクスの時代に大事なのは、リアクションなのかなと。自分の番できちんと答えられるかどうか。それが次につながる。
【感想】
◆とりあえず、引用ばかりでスイマセン。抜き出す人を絞って、さらにそこから、抜き出す部分を絞っているので、個別部分での私のコメントや感想は省略ということで。
他にも目次をご覧頂ければお分かりのように、ユニクロの柳井さんや、佐藤優さんといった大御所もいらっしゃったのに、ご紹介できず残念です。
◆自分自身が、アイデア系の本や、マーケティング本が好きなので、このムックは非常に楽しめました。
元々、ビジネス本を読む際にも、一冊をじっくり掘り下げて読むのではなく、ポイントポイントをスキミングしているので、こういった「ポイントだらけ」の本は、私にとってコストパフォーマンスが高いんですよね。
特に森行生さんの「一目、一言、なるほど」というのは、自分的には大ヒットでした。
・・・前読んだ森さんの本には、確かそんなこと書いてなかった記憶が(汗)。
◆とりあげた中にも本を拝読したことがなかった方が結構いらっしゃったんで、これも何かの縁(?)だと思って、アマゾンアタック決行(笑)。
とりあえず、上記の佐藤裕久さんの本は注文しますた。
抜粋したコメントにある、東京タワーそばのお店にも今度顔を出してみようかと。
【関連記事】
◆今回は、マーケティング系とアイデア系から選んでみました。【ベストセラーの作り方?】「騙される脳 ブームはこうして発生する」米山公啓(2007年09月10日)
【ティッピング・ポイント】「急に売れ始めるにはワケがある」マルコム・グラッドウェル(2007年07月18日)
【ネタの玉手箱やぁ〜!】「Value Seeds100―ワーキングマザーが見つけたバリューのタネ」前田めぐる(2007年07月03日)
「ヒット商品を最初に買う人たち」森 行生(2007年04月13日)
「アイデアの生まれるところ―ideaedit」上條桂子(編)(2006年12月29日)
『「視聴率男」の発想術』 五味一男 (著)(2006年05月22日)
【編集後記】
◆昨日は、地域のお祭りがあり、ムスメは山車を引いてきました。
結構暑かったこともあり、終わってからラムネを美味しそうにグビグビ飲むムスメ。
まるで大人が、一仕事した後にビール飲んでるようで、ちょっとおかしかったです(笑)。

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ちょっとふれてみると意外とってこと多いです。
応援くりっく!ぽちっ
本日ちょうどこの本を読み終えたところでした!紹介が終われば(いつだろうか)、トラックバックさせてくださいね。
結構「目からウロコ」が多かったです。
そういう意味では儲けた気分(笑)。
まずは書店で手に取ってみてください。
>手文庫さん
おぉ!奇遇ですね〜。
手文庫さんがムックってちょっと予想外(笑)。
トラバお待ちしております。
>hikaruさん
それってモロ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ですね。
まぁ、未来がわからないからこそ、色々工夫してるんですが(笑)。
それにしても子供のハッピ姿ってかわいいです。
ラムネぐびぐびも、いけてますね。大物です!
うちの下の子(小2)は小学生でやっと炭酸飲めるようになったのです。
町内会が子供用のハッピを用意してくれていて、子供たちみんながハッピ姿で山車を引くのは、見ていて微笑ましかったです。
炭酸は前からジュースの代わりに発砲水を飲ませていた(砂糖が入ってないので)ため、ラムネは全然OKでした(笑)。