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2007年07月31日

【Webライティング】「だから御社のWebは二度と読む気がしない」戸田 覚




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、久々のライティング関係のご本。

著者の戸田 覚さんは、「戸田覚塾」なる、プロのライターを養成する塾まで運営されてらっしゃいます。

要は、「ライティングのプロ」ということで。


◆ライティングの中でも、本書で対象としているのは、「Webサイト」

戸田さんによると、「読む気がしない」サイトが大変多いとか。

アナタもこの本を読めば、ご自身のサイトやセールスページの問題がわかるかも!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!



【目次】

1 読まれないWebサイトはビジネスにならない
2 勝つためのコンテンツ戦略の立て方
3 読みたくなるWebはまず構成から
4 ユーザーが求めている文章を知る
5 ハズさないコンテンツを作成するポイント
6 文を書く人・チェックする人の基礎知識



【ポイント】

■現状のWebの問題点
⇒Webページのドキュメントを読んでもらう行為は、営業のセールストークを聞いてもらうのと変わらない

⇒それなのに、通常、会社のWebページ制作チームには、確かな文章力のある人間はほとんどいない

⇒広告を打ったり、SEO対策をして人を集めても、仕組みやデザインに力を入れているばかりで、ドキュメントは軽視されていることが多い


■コンテンツ戦略
⇒よいコンテンツ作りのためには、「何のためにWebページを作り」「どんなユーザーに読んでいただいて」「最終的に何を求めるのか」の3点(「目的」「目標」「ターゲット」)が明確でなければならない

⇒無料でユーザーを呼び込むサービスを作ろうと考えるなら、一切の見返り(メールアドレスや個人情報)を求めるべきではない

⇒情報提示の戦略は「スゴイ」と思わせること

⇒決め手は「量」「質」「鮮度」の3つ


■「わかりやすい」ということ
⇒世の中の多くのWebページは、「見る気がする」けれども「読む気がしない」

「見やすさ」「わかりやすさ」は違う!

文字数を少なくするということは、わかりやすくしているのではなく、単に見やすくしているだけ


■売上につながらないコンテンツ
「ボルボ・トレジャーハント」は、コストに見合うだけの売上は立っている?

⇒インタラクティブで楽しいコンテンツを作ったとしても、そのコンテンツを見るユーザーしか来ない

⇒単に商品名・会社名を認知させたいだけなら、テレビCMでいいのでは?


■構成
⇒大企業のWebサイトは、規模が大きく、つぎはぎだらけで、構成がぐちゃぐちゃなところが多い

⇒一人で意思決定するのは無理でも、共通の目的や理念があればそうはならないハズ

⇒大企業で構成がよくできてわかりやすいサイトの筆頭は、アップル

⇒構成を考える上で大事なのは、ユーザーに無駄な時間を使わせないことではなく、無駄な時間を無駄と思わせない工夫

⇒ユーザーはどのページからやってくるかわからないので、徹底して読む側の気持ちになって構成を考えること

⇒大切なのは、「目標を達成するための意識を持った構成を、コンテンツ全体の流れを把握できるプロデューサーが明確に作っているか否か」


■ユーザー視点
⇒まず、ユーザーが知りたいことを提示し、その上で、御社が知ってもらいたいこと、言いたいことを魅力的なコンテンツで提供すれば、ユーザーは絶対読んでくれる

⇒ユーザー視点に立った客観的な情報が満載のサイト例・・・「ラスベガス大全」

「見た目を引くのはデザインの役目」「行動を起こさせるのは文字の役目」

⇒よりよいWebサイトにしたいなら、コンテンツを企画し、ドキュメントを書く際に、ユーザーの気持ちを先回りする


■コンテンツ作成ポイント
⇒Webサイトの階層は、最大でも3つまで

⇒リストは最大7つ、できれば3つまで

⇒わかりにくい例・・・「経済産業省」

 →ページ下の「政策別に調べる」のボタンは16個も!

 →なぜ「原子力安全」が「資源エネルギー」の下にないのか?etc...


■上級者とビギナー
⇒特殊なケースを除いて、ターゲットは中級者以上に絞った方がいい

⇒ただし、ビギナーは購買層としては一番魅力的なので、専用のコンテンツ(「初めての方へ」「○×入門」等)を用意すること

わかりやすいWebサイトとは、ユーザーが自分の探している情報に早くたどりつけることであって、ビギナー向けの易しい情報にあふれているものとは別!


■文章に関する基礎知識(抜粋)
●主語を見失わない

⇒書いた文章がわかりづらいと思ったら、まず主語を略さないで書いてみる


●商品名は1度しか言わない

⇒通常のWebサイトであれば、どの商品を指しているのかは織り込み済み

⇒あらゆる単語をダブらせない


●無意味な受け身を使わない

⇒(例)「お客様のために開設されたサポートセンターをぜひご活用下さい」

「された」ではなく「した」


【感想】

◆今回も列挙しまくってしまいました。

というか、これでも投稿直前でバッサリ削除した結果なんですが(汗)。

自分で読んでいて、長くて、ちょっと「読む気がしない」(笑)感じがしたので、本書の内容を意識してみたという。


◆上記ポイントにあるように、「Webページのドキュメントを読んでもらう行為は、営業のセールストークを聞いてもらうのと変わらない」という点については、理解しておりました。

そしてもちろん、Webサイト自体が、営業時間も関係ナシで、24時間オープンであるということも。

つまり、Webサイトの文章こそが、セールスのために最も考えるべき項目の代表格なわけですよね。


◆その割には、本書で指摘されているように、デザインや仕掛けほどには、サイトの文章に注力していない企業は多いようです。

そういう点では、情報商材の超縦長のセールスページの文章の方が、まだマシなのかも。

私の場合は、アレが出てきた途端に、「Ctrl」+「Fn」+「→」キーでページの最後まで飛んで、まず値段を見ますが(笑)。


以前ご紹介した、「ウェブユーザビリティの法則」で、サイト作成のミーティングにおいて、「デザイナーと、プログラマーと、マーケッティング担当と責任者(確か)の意見が対立する」という風刺漫画がありました。

結局、ある1つの方向からしか考えないと、どうしても偏ったサイトになってしまうわけで。

例えば、バキバキにSEOのことしか考えないのなら、「単語をダブらせない」よりも、むしろ、「特定の単語を連呼」(限度はありますが)した方がその単語については有利ですから(かなり極端な例ですね(汗))。


◆同じように、本書では

病院のウェブページを作成するのに、『人間ドック』を『人間ドッグ』と書いてあるようでは、そのWebを作った人間の意識が疑われる。さらに、そのWebを放置し続けている病院のブランディングにもかかわるのではないだろうか?

とありますが、これも、こちらにあるようにSEO狙いの可能性も捨てきれません。

ググって見た感じでは、あきらかにソレっぽい所が多いような。

これなども、SEO的には正解でも、見る人が見れば「信用できない」となったりするわけですよね。

・・・危ない危ない。


◆最後に挙げた「基礎知識」については、3年近くブログをやっているのにヤバい項目がありました。

特に「受け身」は全然意識してなかったかも。

受け身で書いたほうが、何となく丁寧っぽく感じるときがあったら、おそらく受け身にしていた可能性が高いです。

もし過去の記事で見つけたら、生温かい目で見てやってください(汗)。


サイト運営者には必携!



【編集後記】

◆お友達の「南の島のたったひとりの会計士」こと、屋宮久光さんが、新しい本を出されました!


新書とは思えない装丁(笑)が目にまぶしいです。

ていうか、阪急コミュニケーションズさんが新書を出されていたなんて知りませんでした。


◆タイトル的には、サブの方が「新書チック」でステキ(笑)。

「食い逃げの山田」に、「トイレのカギの屋宮」って、お二人とも会計士とは思えないようなキャッチですね(汗)。

本が出せない私の分まで(笑)よろしくお願いします


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戸田覚さんの「だから御社のWebは二度と読む気がしない」。タイトル通り、Webサイト作成のコツが書かれた1冊。ただしサイト作成といっても、「読む」ことに重点を置いたものになって...
読んでもらえなければ意味がない(だから御社のWebは二度と読む気がしない)【創造マラソン】at 2008年01月11日 09:24
                               
この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは!

屋宮さんの本、確かに、キャッチーですね。
わたしも、宣伝せねば。

うちのHPもそろそろ、改善しないと。
Posted by ニタ@「教えて会計」 at 2007年07月31日 08:25
               
個人的な理由で「読みやすい文章」「惹きつける文章」を書けるようになりたいなぁ、と思っております。

その中で「無駄な時間を無駄と思わせない」というのは目から鱗でした。そうか、無駄と思わせない、有用なものを探し求め続けるのもいいけど、そういった考えもあるのか〜、って感じです。
Posted by a_aji at 2007年07月31日 16:14
               
ぶっちゃけ、私は余り興味のないテーマですが、
web制作部門用に買って帰ります。
Posted by ヨシザワ@手ガネ経営 at 2007年07月31日 19:38
               
これから会社のサイトを新設&管理するので、これは買いですね。
良い方法を共有化して、いかにレベルを保ちつつコンテンツの精度を上げるのか、が課題となりそうです。。。

>>本が出せない私の分まで(笑)

そんなこと言わずに、何か書いてほしいですぅ。
Posted by ビルダーナース at 2007年07月31日 23:16
               
わかりやすさってサイトにかかわらず大事なことですよね。

下手にえらくなっていくと、
難しい言葉ばかりを並べて
わかりにくく説明したりする人もいますしねぇ^^;

応援くりっく!ぽちっ
Posted by 笑顔整体 健康の知恵袋:院長 at 2007年07月31日 23:28
               
確かに受身的な文章って無意識的に書いてる時がありますね。
僕も気をつけないと。
経済産業省のページ、確かにヒドイ。

Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2007年07月31日 23:38
               
>ニタさん

ニタさんのところも、HPを一度ちゃんとお考えになってもいいかもしれませんね。
ある意味、会社の「名刺」なんで。
あと、電気ケトルはイギリスいる時にガンガンに使ってました。
ただ、向こうは電圧が日本の倍近かったような。

>a_ajiさん

指摘されて思い出しました(汗)。
iPhoneも実はレスポンスが速くないのに、「エンターテイメント性」で、そう思わせない作りになってるんですって。
さすがアップル。

>ヨシザワさん

お!お買い上げありがとうございます!
でも丸投げじゃなくて、リーダーがちゃんと統率してくださいね(笑)!


Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年08月01日 01:44
               
>ビルダーナースさん

サイト新設されるんですか?
もしかしてリーダー任命とか?
それより、そちらの記事の男前っぷりに感動しました。
私なんか有料どころか、金払って、PPC広告でも打とうかというのに(爆)。
そして、本はたとえ書けても後につながるものもないですし、マッタリブログで続けていきたいです(笑)。

>院長サマ

「見やすくて」「わかりやすい」サイトを目指すツモリが、私の場合、迷走しまくっております(汗)。

>LuckyUSさん

書いた先から「受け身」を使っていそうな自分です(汗)。
あ、明日トラバ行きますので、よろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年08月01日 01:46
               
smoothさんこんにちは。ライティングは重要ですよね。近ごろきなしにかいているので不安です。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2007年08月01日 07:03
               
>hikaruさん

言ってるさきから、文章ヘンです(爆)。
単なるケータイ入力ミスですよね?
個人的にはコンバージョンを高めたいな、と。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年08月01日 09:50