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2007年06月27日

【アイデアワイズ】「アイデアをいただいてしまえ」


アイデアをいただいてしまえ!―模倣はこんなにクリエイティブだ
ダイヤモンド社
スチーブ リブキン(著)フレイザイー サイテル(著)Steve Rivkin(原著)Fraser Seitel(原著)ルディー 和子(翻訳)
発売日:2003-03
おすすめ度:3.0


【本の概要】

◆今日は久しぶりに私の好物であるアイデア系の本を(笑)。

一般的にアイデアというものは、限られた人の特権のように思われがちなところ、本書の著者二人は、真っ向からそれに反論。

要約してしまうと、

いつひらめくかわからないアイデアを探してむやみやたらと時間や労力の無駄をしないで(第2章)、既存のアイデアをシステマティックな方法で探し出し(第3章)、それを、本書が示す賢い方法で、自分の現実の問題に沿うように改良、改造して応用せよ(第5章〜第11章)

ということのよう(笑)。


◆実際、本書に収録されている事例のほとんどが、元からあるアイデアを借りてそれを応用しているという事実。

チョット前の本ですが、結構「気づき」がありましたよ!

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【目次】

「でも、私には想像力なんてありません」
アイデア産業の宣伝文句を信じてはいけない
アイデアはそこにある、あなたが探しさえすれば
既存のアイデアを借りることに、罪悪感を感じる必要はない
何かを代用することはできないか?
組み合わせることはできないか?
大きくできないか、あるいは、小さくできないか?
これ以外の何かになれないだろうか?
取り除くことができるものはないか?
逆にすることはできないか?
過去から呼び戻すことができるものはないか?
見つけたアイデアを具体化するのも、あなただ
著者からの言葉:○○タマ



【ポイント】

■「アイデアを拝借する」ということ
⇒トーマス・エジソンの言葉

「誰かほかの人が用いて成功した目新しくて興味深いアイデア、そういうアイデアを探すことを習慣としなさい。あなたのアイデアは、いまあなたが実際にかかえている問題への応用においてオリジナルで独創的であればよいのです。」


■用途を組み合わせる
⇒「空気入れの針」と「ボール」を組み合わせた、スポルディングのインフュージョン・バスケットボール


■無視されがちな客を金鉱にする
⇒小切手を現金化する業者は、かなりの金額を小切手の金額から差し引く

⇒ユナイテッド・コマーシャル銀行は、強大な銀行が無視するような中国からの新しい移民(そのうち75%はクレジット歴がない))をターゲットにしている


■建物の新しい利用方法
⇒スターバックスは古い銀行ガソリンスタンドをコーヒーショップに変えた(その町の雰囲気を損なわずに新しい市場に溶け込めた)

⇒ニューヨークの著名クラブ「ライムライト」の建物は、以前は教会だった


■顧客を排除する
●あまり歓迎しない顧客を排除するテクニック

「コーディング」・・・どのくらい利益性がある取引かによって、顧客をランク付けする

「ルーティング」・・・利益性に従い、顧客を組織の異なるランクにまわす(対応が「高いランクの社員」か「音声応答システム」か、など)

「ターゲティング」・・・優良顧客に対して「手数料ゼロ」などの「秘密の利益」を与える(その他の客は特典の存在自体知らない)


●あるフィットネスクラブでの事例

⇒クラブのターゲットである若い世代と、インドアトラックの回りで何時間もたむろしている老人世代との間で温度差があった

⇒クラブはトラックを取り除き、代わりに「一人でやるマシーン」(ボートこぎ、階段のぼり等)を設置

⇒怒った老人たちは、ほかのクラブへ行き、このクラブは新規の若いもっと裕福な顧客層を募り獲得した


■アイデアが浮かんだら?
●記録する

⇒哲学者フランシスコ・ベーコンの言葉

「探しているわけでもないのに思いついた考えというものは、一般的に、最も価値あるものだ。そして、それらはまた戻ってくるということは決してないので、しっかりと記録しておかなくてはいけない」


●過去に効果があった行動を見つけ、それを強化する

⇒「散歩」(ベルクロ・マジックテープのアイデアは、散歩途中に生まれた)

⇒「美術館や廃品置場を歩く」(刺激を得ることが鍵)

⇒「シャワーを浴びる・犬と散歩する」(楽しくても機械的にできる行動はヒラメキにいい)

⇒「ジョギング・運動」(脳を活性化するタンパク質エンドルフィンが増大する)


■「アイデア実践の是非」のための最初の質問
⇒そのアイデアは実際に存在する問題を解決してくれるか?

⇒そのアイデアはシンプルか(複雑すぎないか)?

⇒そのアイデアはタイムリーか?

⇒そのアイデアは実行可能か?


■6つの最終的チェックポイント
⇒それは、特定のニーズを満たすものか?

⇒それは、すでに存在しているものに比べて本当に改善されているか?

⇒それは、すでに存在しているものより使いやすいか?

⇒それは、すでに存在しているものより安全か?

⇒それは、競争優位に立てるような差別化された特徴を持っているか?

⇒それは、具体化させることができるか?


【感想】

◆なかなかに実践的な一冊でした。

私もたまに「目からウロコのアイデアがどこかに落ちてないかなー」なんて思ったりしてますが、そもそも、全くのゼロから生まれたアイデアというモノ自体が少ないわけで。

別に、私達皆が、画期的な新製品を発明して特許とって・・・なんて考えなくていいと思います。

ちょっとしたアイデアで従来のサービスやシステムが改善されれば、それで十分かと。


◆例えば。

たまたまこないだの日曜日、滅多に観ないテレビをつけたら『世界ウルルン滞在記ルネッサンス』とかやってて。

その日はこのブログでも、本を何度か紹介した事がある、飛び出す絵本のロバート・サブダさんの下で、タレントさんが絵本を制作するという回でした。


◆初めて(だと思います)の人でも、あそこまで作りこむ事が出来ると知り、興味シンシン

番組観ている時は、単純に「わー。作りてー!」とか思ってましたが、この本読んだ今は、むしろ「これって、DMとかに使えね?」とか思ってみたり。

あー、でもフツウにグリーンティングカードでポップアップってありますね。

もうひとヒネリ必要ですな。


◆個人的にもトリンプの吉越社長のTTP(徹底的にパクる)をモットーとしている私としては、納得しまくりだった本書。

効率的にアイデアを生み出したい方にはオススメ!


【関連記事】

「アイデアの生まれるところ―ideaedit」上條桂子(編)(2006年12月29日)

「シェイク・ブレイン」ジョエル・サルツマン(2006年11月30日)

「成功者の絶対法則 セレンディピティ」宮永博史(2006年09月17日)

「ビジネスのIQが高まる泉田式10速発想法」泉田豊彦(2006年08月22日)

「すばらしい思考法 誰も思いつかないアイデアを生む」マイケル・マハルコ(2006年05月16日)

「アイデアのつくり方」 ジェームス・W・ヤング(2006年04月14日)


【編集後記】

◆ムスメの水ぼうそうがやっと治りました。

もっとも、特に熱を出して唸ったりということもなかったので、毎日外で遊べず、体力をもてあましていたようですが(笑)。

今週末は2週間ぶりに家族揃って出かける予定。

それはそれで「パパはお疲れ」なんですけどね(汗)。


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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは!

アイデア系だけでなく、
マーケティングの本みたいですね。

週末は週末で、疲れますね。
もちろん、楽しくもありますが。
Posted by ニタ@「教えて会計」 at 2007年06月27日 07:52
               
smoothさんこんにちは。アイデア系ならばゲットせねば!ひかれまくりです。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2007年06月27日 10:12
               
smoothさん、こんにちは。

とあるセミナーでも聞きました>TTP
そこでは発展形?としてFTTP(複合TTP)なるものを紹介してましたよ。
一瞬FFFTPに見えたのは誰だ?(汗)
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2007年06月27日 10:55
               
アイデアは思い浮かんだら記録しておかないとですね。

ひらめいたものは結構簡単に忘れちゃいますしね。

応援クリック!ぽちっ

Posted by 笑顔整体 健康の知恵袋:院長 at 2007年06月27日 20:01
               
みんな言いますよね。徹底的にパクるって。

そのパクりかたの上手いヒトがいいアイデアマンなのかな?!
Posted by イヴォンヌ at 2007年06月27日 21:33
               
smoothさん、こんばんは!

アイデア出しとマーケティング…一石二鳥ですね〜。こうやって合わせ技で勝負することも、一つのテクニックなんでしょうね^^;
Posted by 淺田 義和@創造マラソン at 2007年06月27日 22:52
               
アイデアという言葉からは、何もないゼロから発想するみたいなイメージがあります。
でも実際はそんなことないんですよね。
私もいろんな本からエッセンスをいただいては、それを業界用に変換しているだけです。それでも需要があるから、まっいいか。

Posted by ビルダーナース at 2007年06月27日 23:23
               
>ニタさん

確かに単純なアイデア本というよりも、その後のビジネスのことまで考えていますね。
結構オススメです。

>hikaruさん

応用が利く、と言う意味でも使えますよ!

>LuckyUSさん

私も最初は某セミナーで聞きました(笑)。>TTP
実践していきたいところです(笑)。

>院長サマ

結構思いついたときに限って、記録するものがなかったりするんですよねー。
お風呂の中とか(涙)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年06月28日 07:37
               
>イヴォンヌさん

パクると言っても、ヒトサマのサイトをそのままパクったりすると、著作権の問題とかありますからねー(笑)。
ここでは「考え方」と言う風に解釈したいところです。

>淺田さん

何やら「べつやく系」になりつつありますね。
いい感じです(笑)。

>ビルダーナースさん

「0⇒1」という流れはとてつもない労力やら時間が必要な割には、リターンが少なかったりします。
それよりは『1⇒10』の方が実入りがいい、と。
ビルダーナースさんの場合、実践されていていいと思いますよ!

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年06月28日 07:41
               
具体的なノウハウを教えてくれる本なのですね。

こういう本だと下手をすると薀蓄を並べたり、概論を並べて終わりになってしまいがちなのですがそうでないのは読み手にとってとっても嬉しい事ですね!

Posted by ちはる&Orange at 2007年06月28日 15:49
               
お嬢様、無事幼少時に水ぼうそうにかかられて良かったですね。

あの、そのフィットネスクラブは優良企業として認められているのでしょうか…
今も、そしてこれからもその企業は長く生き残れるのかなぁ…。
Posted by 瑠璃 at 2007年06月28日 20:43
               
>ちはる&Orangeさん

この本もですが、結構洋書の翻訳本って、事例が多かったりしますよね。
実践したい人には有難いのではないか、と。

>瑠璃さん

水ぼうそうは、後が残らないと言いのですが(汗)。
あと、フィットネスクラブのその後は本には乗ってませんでした。
今だったらマイナスの口コミがネットで広まりそうですよね(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年06月29日 00:42