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2007年04月13日

「ヒット商品を最初に買う人たち」森 行生


ヒット商品を最初に買う人たち
ソフトバンク クリエイティブ
森 行生(著)
発売日:2007-03-16
おすすめ度:4.5


人気blogランキング順位に変動が(汗)!


【はじめに】

◆おはようございます、smoothデス。

今日お送りするのは、リアル書店で見かけてゲットした一冊。

著者の森 行生さんは、「プロダクトコーン理論」等を提唱されている切れ者マーケッターさん。

アマゾンの内容紹介から引用します。

最新ヒット現象の裏舞台!ゲームオタクには相手にされなかったニンテンドーDS。二流のオーディオ機器と思われていたiPodなど。最初は失敗作と思われていた商品がなぜヒットしたのか?そのカギは最初に手を出した人達が握っていた!気鋭のマーケターが解説する最新ヒット現象の裏舞台!

本は薄いですが、中身は濃いデス(汗)!


【目次】

第1章 最初に手を出す人たち

第2章 ヒットを作る「イノベータ」たち

第3章 ヒットの寿命もイノベータ次第

第4章 ヒットを狙う企業の戦略

第5章 ゲームのルールを変える革新的イノベータ


【気になった点など】

■イノベータ理論

⇒消費者を3つのグループに分ける

●イノベータ(人口の10〜12%)・・・「最初に買う」→「他人の評価は気にしない(主観的)」

●アーリーアダプタ(15〜35%)・・・「イノベータに続く」→「自慢できるか(客観的)」

●フォロワー(60〜70%)・・・「最後に買う」→「自分の価値観に自信が無い」

新しい商品やサービスは、まず一握りのイノベータに受け入れられ、アーリーアダプタがそれに続き、最終的に大多数のフォロワーに浸透すると言う過程を経て普及してゆくというわけです。


■マニアとイノベータの違い

●マニア

⇒マニアの世界だけで通用するような基準に従って商品を選ぶ

⇒自分たち以外の人たちに商品の良さを伝えることに熱心ではない

マズローの五段階欲求説で言うところの「尊厳の欲求」が強い


●イノベータ

⇒自分の価値観を他人に要求しない

⇒上記五段階欲求説でいうところの「自己実現の欲求」が強い


■プロダクトコーン理論に基づく訴求方法

⇒商品の特性を「規格」「ベネフィット」「エッセンス」に分ける

★具体例・・・「ヘルシア緑茶」の場合

「規格」・・・「急須で入れたお茶の2倍のカテキンを含むお茶」

「ベネフィット」・・・「飲むだけで楽に体脂肪を軽減する」

「エッセンス」・・・「緑茶飲料として、初めて厚生労働省の特定保健用食品の認可を受けたという"権威性"」


⇒このうち、「イノベータ」たちには商品の「規格」をアピールする

cf.「アーリーアダプタ」→ベネフィットを伝えないと商品の良し悪しを判断できない

cf.「フォロワー」→エッセンスから感じられるイメージによって買うかどうかを決める


■スキミング戦略

⇒イノベータに受け入れられた商品をアーリーアダプタやフォロワーにどう広げていくか?

⇒商品のアピールを規格を中心としたものから、ベネフィットやエッセンスを中心としたものに変更する

⇒成功例・・・SWATCH


■ペネトレーション戦略

⇒アーリーアダプタやフォロワーから商品を浸透させる戦略(ほとんど成功しない)

⇒巨大企業が流通を支配し、莫大な広告費を投入しない限り難しい

⇒コカコーラやポカリスエットの1品目あたりの年間広告費は30億円(=ケンタッキーフライドチキンや、カルピス食品工業1社分の年間広告費とほぼ同額)

●最近の成功例・・・「TSUBAKI」(広告費50億円)

⇒CMの内容もフォロワー向け(「商品情報なし・洗髪シーンなし」という「イメージ」や「雰囲気」(「エッセンス」)を前面に)


■ダブルイノベータ構造

⇒従来のイノベータとは違う人々(何もなければアーリーアダプタやフォロワーだった)が新しいルールを作り出す(革新的イノベータ)

どちらのイノベータ向けなのかを明確に意識した商品作りが大事

★例・・・携帯プレーヤー

・従来型イノベータ・・・「音質重視」、「機械に触っているだけで幸せ」

・革新型イノベータ・・・「どんな環境でも手軽に音楽が聴ける」

●ルールが変わる

「好きな曲は選んで良い音で持ち歩くものだ」(ウォークマン)⇒「持っている曲はすべて持ち歩くものだ」(iPod)

(実際、デジタルカメラを最初に買ったのは、画質にこだわらない写真の素人だった)


【読後の感想など】

◆本書は中を読んで、まず字が結構大きい(笑)のに、ちょっとビックリしました。

しかもページ数は160ページ。

新書の中でも厚い方ではありません。


◆それなのに、上で延々と書き連ねてしまいまったという(汗)。

言われて見れば当たり前の事なのに、目からウロコの連続でした。

自分も従来型イノベータのように、モノの見方が固まっちゃっているのかもしれません。

・・・それ以前に「そもそもイノベータじゃないじゃん!」というツッコミが来そうなヨカン(汗)。


◆本書の最後に「革新型イノベータの見つけ方」というパートがあったのですが、そこでは従来型のユーザー調査を批判されています。

例えば、ビール会社の行う「ビールを週に1回以上飲む人200人を対象としたアンケート調査」では、従来のルールに則った常識的な反応しか返ってきません。

逆に「ビールをのまないのはなぜなのか」という視点からしか、革新型イノベータを見つけることはできないわけで、この辺がまた難しいところ。


◆そういえば、携帯プレーヤーの音質の話で、思い出したことが。

自分はアナログ世代(汗)なため、同じアルバムでも、かつてレコードとCDの両方で持っているものがありました(今はレコードは処分済み)。

これをステレオの前で目をつぶって聴き比べると、音の良さが全然違うんですよ。

もちろん、アナログの方が上。

そのCDの音質をさらに圧縮(劣化)させたのが携帯プレーヤーで使われているMP3ファイルなわけで、これは確かに昔からのオーディオマニアからしたら、論外なんでしょうね。


◆同じようにYouTubeも画質にこだわってないからこそ、あそこまで成長できたわけで。

しかも音声モノラルっすよー(汗)!

先日も某家電量販店で、販売員さんが「コレの画質は論外ですよ!」と強調されていたのを、ふと思い出したのでした(笑)。

いい悪いは別にして、従来型のイノベータからは、革新的な商品が生まれないのも道理です(汗)。


マーケティング&商品開発に携わる人にオススメ!




【編集後記】

◆最近、ムスメと風呂に入るとせがまれるのが、「手で作るカエル?」(正式名称知らず)。

7e1ce87f.jpg






私の記憶では「アヒル」だったのですが(笑)。

声色を変えて「一緒に遊ぼうよ」とか言ってあげると、「ムスメ大喜び」(笑)

動物園のモルモットにするみたいに、優しくナデナデしてくれます。

まだまだ幼いのー(笑)


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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この記事へのコメント
               
こんにちは。

本書は、薄いですね。

でも、中身はおもしろいです。
『キャズム』やイノベーション関連の本と関係のある話ですね。
Posted by 独立起業家:こばやし at 2007年04月13日 10:38
               
こんにちは。
smoothさんが目から鱗とは。
新書ででかい文字となると
逆にちょっと欲しくなってしまいました(;´д`)
Posted by シン@偽哲学者 at 2007年04月13日 10:56
               
そーなんですね。
一般的なイノベータ理論しか知りませんでした。
基本概念がそうやって進化すればアンケート調査の取り方も変わる・・・
新書だしお買い得ですね。

アヒルでもドナルドの真似で「グァワグァワ」と言ってほしいです(笑)
smoothさんの声ならドナルドも似合う??


Posted by ビルダーナース at 2007年04月13日 16:13
               
音質は確かにですね。

昔の音質を今の人が聞くと
ぜんぜん違うと感じちゃうものなんでしょうね^^;

応援クリック!ぽちっ
Posted by 笑顔整体 健康の知恵袋:院長 at 2007年04月13日 16:39
               
smoothさん、こんにちは。

おお、順位に変動が!
思わずクリック。
って注目はそこかよ(汗)
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2007年04月13日 17:00
               
こんにちは。おもしろそうですね。アンケートからして、ほんっと、くだらない質問が100個くらい書かれているものがあります。「図書カード500円差し上げます」と言われたら、おもわずゴミ箱行きです。
それ以前も一度同様のものがきて「途中までこの設問で御社が目指す改善ができるとは思わないので、アンケート項目から考え直したほうがいいですよ」と送り返したら、ノーリアクションでした。某有名企業なのに???です。
Posted by meg at 2007年04月13日 18:03
               
こんばんは!

新書なのに160ページで字がデカイ。

そのスタイル自体が
イノベイティブですね。(^^;
Posted by ヨシザワ@手ガネ経営 at 2007年04月13日 20:08
               
smoothさん、こんばんは!
マーケティングで対象を絞るというのは聞きますが、商品のライフサイクルに合わせて変えていくものなのですね。
ものを売るって大変ですねぇ。
Posted by 手文庫 at 2007年04月13日 20:21
               
smoothさん、こんばんは
この分野ジェフリー・ムーアの著書にうまくまとめられています。
この本、タイトルの付け方が上手ですね。
Posted by マチスケ at 2007年04月13日 21:58
               
smoothさん、こんばんは!

> 商品の特性を「規格」「ベネフィット」「エッセンス」に分ける

個人的にはこれが結構ハッとさせられました。すべての人に同一の価値を与えていてはうまくいかないですよね…^^;

自分はベネフィットに飛びつきそうです(笑)
Posted by 淺田 義和@創造マラソン at 2007年04月14日 01:20
               
おおっ、順位に変動が。応援っ☆
Posted by meg at 2007年04月14日 07:34