2007年04月02日
「頭のいい人が儲からない理由」坂本桂一
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【はじめに】
◆おはようございます、smoothデス。
今日お届けするのは、珍しく(?)リアル書店で帯に惹かれてゲットした一冊(笑)。
著者の坂本桂一サンは、恥ずかしながら存じ上げなかったのですが、アマゾンの著者紹介によると、こんなお方のよう。
何でも、あの有名な葉書ソフト「筆王」躍進の立役者さんだとか。東大在学中の1982年にソフトウエア制作会社サムシンググッド設立。物怖じしない積極果敢な営業で大手企業に食い込むものの、借金を背負い、一から出直しチリ紙交換を始める。この経験がプロ経営者への道を開いた。
その後、ソフトウイング、アルファシステムズ、アドビシステムズ、ウェブマネーを設立、プレイステーション、Windows3.0J、ソニーSMC70、シャープX68000等の開発に深く関わってきた。
「まじめで勤勉だと成功が遠ざかる」「人脈なんかつくる必要はない」「新聞を読むのはムダ」といった帯にもある挑戦的なフレーズ(下記目次で確認できます)を含め、何かと気になります(汗)!
【目次】
第一章 動きを止めたら死ぬだけだ
●焼き鳥屋かラーメン屋かで迷うな
●閾値を超えるまで続けよ
●一本筋の通った人は失敗する
●見る前に跳ぶな ほか
第二章 常識はビジネスの敵だ
●まじめで勤勉だと成功が遠ざかる
●人脈なんかつくる必要はない
●新聞を読むのはムダ
●情報は仮説を検証するために利用せよ ほか
第三章 正しい戦略のみが勝つ
●十時間かけて仮説を出し切れ
●成功したければ戦略を立てる力を磨け
●販路を限定して高値で売りまくる
●バイヤーがウォッチしている店だけで売る ほか
第四章 儲けのメカニズムを見つけよ
●メカニズムを知ってシンプルに行動せよ
●陣地を取れ
●あなたもボーダフォンが買えた
●強い相手でも土俵の外に出れば勝つのは簡単 ほか
第五章 勉強できる人は起業できない
●調べるな、考えよ
●ビジネスの正解は『ドラゴン桜』の真逆にある
●マーケットがないところで大ヒットを飛ばす
●成功する創業社長の共通点は異常な執念深さ ほか
第六章 トップとリーダーは資質が違う
●優秀なリーダーに組織は任せられない
●メタリーダーは優秀である必要はない
●メタリーダーを育てる
●組織図が先か、人が先かでリーダーの資質がわかる ほか
【気になった点など】
◆完全に引用のみで。
「戦略と戦術とはまったく違う、戦術の延長上には戦略はない」
「成功か失敗かの鍵は、何をやるかのWHATではなく、どうやってやるかのHOWにかかっているに決まっている」
「物理学では、ある現象を起こすのに必要なエネルギー等の最小値を閾値(しきいち)という。営業が苦手だなどという前に、自分はこの閾値を超えるまで努力しているかどうか、自分に聞いてみることだ」
「この世界にはたくさんの価値観があるということを、その身をもって知っておくことだ。言い換えれば、変化への対応力を磨いておくべきだ。これをせず、なまじ成功したりすると、その成功体験を成り立たせた価値観が自分にとって絶対のものになり、そこから出られなくなってしまうのである。」
「私の知っている世に成功者と呼ばれる起業家たちは例外なく、もうこれ以上無理だというくらいギリギリのところまで考えに考えて、頭の中に完璧なイメージをつくりあげてから行動を起こしている」
「成功の確率を高めたかったら、最初に課題を明確にし、その課題はこうやって解決するという仮説を考えられるだけ挙げ、徹底的に比較検証し、そこからもっとも優れたひとつを選んで戦略とするという正しいやり方で戦略を立てることを学ぶべきだ」
「ソフトウェアのジャンルでベストセラーを狙うなら、今ならアンチウィルスソフトではないかと私は思う(2006年夏、現在)」
「いっておくが、考えると調べるはまったく違う行為だ。考えるはインサイドワーク、調べるはアウトサイドワーク。両者が連動して行われることはあっても、両者の間に共通項はない」
「社長がどうでもいいようなことにも徹底的にこだわる執念深さの持ち主だと、近くでみている社員にもそれが伝染し、やがて会社の風土になる。これこそが、執念深い社長が成功する理由なのである」
【読後の感想など】
◆なかなか刺激的な本でした。
小見出しの付け方は、何となく「千円札は拾うな。」に近い感じがしないでもないような。
段落に対して、「あえて」もっともセンセーショナルなものを選んでいるんじゃないか、と思ってしまった自分。
実際、上記でピックアップした部分を読まれても、それほど違和感は無いのではないでしょうか?
◆内容的にも、自己啓発的というよりは、ひたすらビジネス。
事例部分を引用すると長くなるので省略してしまいましたが、「ページメーカー」の「高値戦略」ですとか、「オーロラエース」(「Word」が広まる前に「一太郎」と張り合っていたワープロソフト)の「超安値戦略」などなど、舞台裏を知らない人から見たら、「目からウロコ」かと(汗)。
アマゾンの紹介にあった「悪の儲け学」という表現に思わずニヤリとしてしまいましたよ。
いえ、ワタクシ的にはこういう「企み系」って好きです(笑)。
◆また、当時「筆まめ」の一人勝ちだった市場に「筆王」で殴り込みをかけて、今ではほぼ並ぶところまで持っていった戦略も、非常に勉強になりました。
さらに、「筆王」がMacから撤退する時のお金の引っ張り方も見事。
これも何かに応用したいところです(笑)。←悪代官?
◆なお、ピックアップしたウィルスソフトの件は、言ったもの勝ちというか、ご承知の通り、既にコレが2006年7月に出ています。
ソースネクストの本当の参入理由はさておき、坂本さんが「なぜアンチウィルスソフトを選んだのか」という理由は、言われてみれば「なるほど(汗)」。
・・・もっとも、ソースネクストが凄いのは、坂本さんの予想をさらに下回る価格で出してきていることなんですが(汗)。
◆ネタ的に「千円札」よりは売れないと思いますが、個人的にはこちらの方がはるかに美味しいかと(笑)。
【トラックバックさせて頂いたブログ】
「5分で読むビジネス書」(考え抜かれた非常識──『頭のいい人が儲からない理由』)さん
【編集後記】
◆投稿自体出遅れましたが、近所の夜桜の画像を。
もう今週末には見ごろも過ぎているのかと思うと、ちょっと残念です・・・。
ご声援ありがとうございました!
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すごい挑戦的なタイトルですね。
「千円札は拾うな」の時も思いました。
「勝った奴は何をいってもいいんだな」
と。(^_^;)
そのためにはまずは勝たないと
いけないみたいですね。┐(´ー`)┌
私なんかがこういう本を出したら
絶対袋叩きですね。(//▽//)
おっ、カブリマシタ。
珍しいです。
私も、結構、楽しく読めました。
というか、
パクリたいです(笑)。
サムシンググッド。
実は、私の就職活動の際の候補でした(^-^;
当時(15.6年前)は明治通りに会社があったと思います
Windows3.1の頃、championというWORKSのソフトを試用したこともありましたので、すごい懐かしかったです
今はアイフォーになっていたんですね。
この本は読んでみたくなりました(^-^
刺激的なタイトルですね。
●調べるな、考えよ
ここは昨日TV出演していたキッシンジャーさんも似たようなことを言ってました。
調べることと、知的に考えることは全然違う。
検索は今や子供でもできるが、
彼らに良い文章はかけない、みたいなことを
言ってましたよ。
わたしも、これ読みました。
参考になりますね。
弱者の戦略なのでしょう。
実践するのは、簡単ではない気がしましたが。
筆王を昔よく使っていたので、興味がわきます。
企み系なんですか??
ちょっと本屋でチェックしてきまーす。
なにやら刺激的な内容ですね。
筆王は最近でも使っているので読んでみる
価値が十分ありそうです。
ぱっと印象に残らない感じですが、
内容は言いものって結構うもれてるものですよね。
応援クリック!ぽちっ
やはり、何度もチャレンジした末の結果なのでしょうね。
すぐに大成功はありえないということでしょうか。
ネバーギブアップでなくちゃね!
実体験から出た言葉なんでしょう。
目次だけを見ていても勢いが感じられますね。
>まじめで勤勉だと成功が遠ざかる
なるほど…。以前の「勝ち馬」とも似ている感じですね?!
私とはかなり違う考えの持ち主の著者っぽいので
逆に気にかなりなりますね。
本文の抜粋も興味深いのが多いですし^^
でもここだけみると
そんなに違わない気もしたりで。
なんか妙な感覚です。
「千円札」に類似しつつも
さらに表現がエキセントリックで、
挑戦的な感じがしますね。
表現ってほんとうに個性が出ますし
また、本というのは「その人そのもの」のように思われることがありますが、
実際はおだやか〜〜な方だったりして?
う〜ん、気になります☆
調べ上手だったり、人を使うのが上手だと確かに考えることが少ないかもと思いました。
考えるだけでもだめだし、調べるだけでもだめ。バランスが難しいですね。
私は株式会社フロイデの山口と申します。
この度は弊社坂本の書籍をご紹介いただき
誠にありがとうございます。
今回の書籍出版に伴い、社内でだけ配布して
おりました秘蔵の小冊子のエッセンス版を
無料でプレゼントしております。
(書籍の原案となった小冊子です。)
書籍をお読みいただいた方には、さらに気づき
を得ることができるお勧めできる内容と
なっておりますので、興味ございましたら
ぜひ、ご覧いただければと思います。
http://www.freude.bz/cam/cam0704/
何卒よろしくお願いいたします。
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場合はお手数をおかけしますが削除
いただきますようお願いいたします。