2007年03月16日
「やまだ眼」山田一成 佐藤雅彦

【はじめに】
◆おはようございます、smoothデス。
今日お届けするのはみんな大好き(笑)佐藤雅彦さんの最新作。
「いつもここから」の山田一成さんとのコラボレーションです。
手抜きじゃないですが(笑)、アマゾンから引用。
「天才は天才を知る」のか(汗)?この微妙な真実を、見逃すか、否か。
世の中の、そこかしこに隠れ、点在する微妙な真実を独特なまなざしで見抜き、するどく切り取る。
天賦の才・山田一成の着眼を、天賦の考者・佐藤雅彦が読み解き、ひとつの解とした。それが本書「やまだ眼」である。
抗いようのない現実を受け入れ、噛み合わない歯車を確かめ、日常を見据える。日々の厄介も、不具合も「やまだ眼」は看過しない。
毎日新聞夕刊で、じわり人気を博した月2連載。書き貯め・書き下ろしネタも一挙収録
【目次】
第1章 人の心理とリアリティ
第2章 抗えない現実
第3章 日常のひっかかり
第4章 頭上の渦巻きらせん
第5章 日常の厄介
第6章 日常の不具合
【気になった点など】
◆本書は最初に、佐藤雅彦さんの「まえがき」と山田一成さんの「あとがき」から読むのをオススメします。
「まえがき」より
「あとがき」より山田さんの眼は、僕たちが「意識下」という、自分なのに自分でもきづかない層の中でも、さらに一番下にある底層に働きかける。その層のことは、表面上の自分は気づいていないのだが、実は本当の自分は気づいているのだ。
その本当の自分を、山田さんの眼によって、自分が知ることとなる。僕たちがそのように真実を、自分に隠すにはなにか理由があるのだろう。その方が楽に生きられるからだろう。
僕達は、山田さんのネタを見ることによって、自分の奥にある自分を確かめる。この「やまだ眼」は、自分の奥に沈んでいる本当の自分を表に出すトレーニングツールなのだ。
それまでは、僕が作った言葉に対するえらい人達の評価は表面上だけのものであった。「ウケそう」「ウケない」「テレビ向きじゃない」等々である。しかし、そんな評価の連続に落胆していた訳でもなければ、特に不満だった訳でもない。それが当たり前だったし、それ以上を求めてもムダな事はわかっていたからだ。
しかし佐藤さんは、僕の言葉の本質をズバズバ突いてきた。「何だ、この人は」と思う間もなく、とことん掘り下げてくる。口調も穏やかで、テンポもゆっくりなのだが、凄まじい勢いだった。僕が意図してる、その言葉に込めた想いを、全て丁寧に言ってくれた。何の説明もしていないのに、そこまで理解してくれた人は、もちろんはじめてだった。
◆収録されている「言葉」たち
エレベーターまで送ってくれた
親切な人が、ドアが閉まる瞬間、
真顔にもどるのを見た。
組み立て式家具の予備ネジ、
どうせ使わないだろうけど
何か捨てられない。
海やプールで遊ぶって、
どうやってあそんだらいいか
わからない時がある。
動物病院の先生がベンツに乗っていた。
美人なんだけど、どこか昭和っぽい女性を見た。
「有名ブランドだからじゃなくて、
この形が気に入ったから」って
別にそんな事聞いてない。
外でお母さんが
自転車に乗っているのを見ると
せつなくなる。
【読後の感想など】
◆最初この本の記事を書くとき、抜粋ではなく感想だけにしようと思っていました。
ただ、書き始めてやはりこの「ちょっとだけ異質な世界」を私の言葉だけで表現するのはムリだと気がつき、結局断念。
もっとも上記の様に列挙したとしても、佐藤雅彦さんの解説がないと、やはり単に「あるある!」で終わっちゃいそうな気もしますが(汗)。
かといって、佐藤さんの解説を載せるにしても、いつものように要約したのでは、おそらく意図が伝わらないんですよね・・・。
◆例えば、一番最後の「お母さんが自転車に〜」の部分の、佐藤さんの解説にはこうあります。
・・・実際、自分も母親が外で自転車に乗っているのをかつて見て、そういう気持ちになったことがあったのですが、掘り下げて考えたことはありませんでした。学校から帰るとお母さんが台所で夕飯の支度を始めている。そして、振り返って「おかえり」と声をかけてくれる。(中略)
それが、たとえ外で働くお母さんであっても、子供にとって母親とは、あくまで家庭という柔らかな粘性のある空気をまとっている存在である。(中略)
お母さん元来のひたむきさがペダルを漕ぐことで増幅され否応なしに伝わってくる。そして自分たちの大切なものが、あまりに無防備に外に剥き出しになっている様子に胸がしめつけられる。
というか、言われるまでそういう気持ちになったことすら忘れていましたし。
◆記事の最初の部分で、佐藤さんの「まえがき」を引用しましたが、まさにそこで言われていた「意識下のさらに一番下の底層」。
ここに働きかける「キー」があるのなら、それはきっとビジネスに役立つのではないか、と。
いや、マジで(笑)。
◆流し読むと、ホントにあっという間に終わるかもしれません。
でもそれだと多分、「自分の奥に沈んでいる本当の自分を表に出すトレーニングツール」にはならないでしょう。
この本をどう扱うか。
まずは立ち読みされることをオススメします・・・。
【編集後記】

・・・えー、画像が縦長でスイマセン(汗)。
◆画像にあるバナナの着ぐるみ(ボビー君)を見て、泣き出した子もいる中、ムスメは「バナナね!大好きなの!」としっかりアピールしたそう(先生談)。
そのアピールが、着ぐるみのバナナに好かれたかったからのか、それともバナナが食べたかったからなのかは不明デス(笑)。

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どんな人にも、臆せず、自己主張ができることは素敵です。
私も、ムスメの立居振舞いに、思わず「勉強させられる」ことが、よくあります(笑)。
「あるある」で終わってしまうところでした(汗)。
意識下のさらに一番下の底層でどういう風に事象を捉えているのか、ちょっと興味がわいてきました。
奥さん、体調が良くなった良かったですね。
こんどはウチのがやられました(汗)
最初、何か眼医者さんの本かと
思ってしまい、失礼しました。(笑)
世の中の仕組みがこの本を読みいろいろと
解けてきそうですね。
着ぐるみにアピール、素晴らしい。
我が家では息子はアンパンマンでもちょっとひいてましたが、娘は着ぐるみ大好きです。
どこにいっても、必ず一緒に写真におさまるまではその場から動いてくれません。
バナナですか。ドールもそんな活動をしているとは知りませんでした。
今日紹介されていたような、よくありそうな話についての、ブログかサイトをつくるとおもしろいかもと、ちょっと思っていたことがあります。
どれくらい受けるかわからないので、つくっていませんが。
これはまた面白い表紙とタイトルの本ですね。
きっと見かけたら立ち読みしてるはずです。
ということで今度書店で見かけたら
立ち読みしてみたいと思います(^-^)
私も佐藤雅彦さん、大好きなんですけど、
今回の本は、ピラミッドの頂点の
人たちの理解のようですね。
私には、
なかなか理解出来ないようです。(^^;
タイトルだけ見たら
どんな内容なのか
ぜんぜん想像がつかないですよね^^;
さりげなく、
『このブログはリンクフリーです』
右サイドバーに付け加えましたね^^
応援クリック!ぽちっ
いつここは毎朝見ております。(笑)
書評を見ると読んでみたくなりますね。
いつここの笑いは結構好きなんですよ。
力をぬきつつの切り口がスルドイなと。
本当のその人の底で感じている事とは限らないと、よく思います。。
だから、人を一概にきめつけず、そこから
その人の真の声を感じようと、いつも接しています。。
本人さえもその真に気付かずいる人もいます。。
でも、私は上辺だけを拾うのではなく、
真の所を受け止めようと、思っています。。。
この本、とても興味深いですっ☆
家は、今日園で、2番目の娘ちゃんの
お別れパーティでしたっ☆
この子は、お姫様チックちゃんなので、
ずっと照れて、頭を傾かせ、
てへっ てへっ となっちゃっていましたっ☆
私まで、つられて、てへっ でしたっ☆
おお、これは私の好物らしき本ですね〜
こういう感性に訴える本の良さを伝えるのって、本当に難しいと思います。(私も今日自分の記事を書いていて痛感;汗)
前書きから読む、といったアプローチ面から紹介するというのも有効なんですね!smoothさんの紹介力にただ感服です。
ユーモアあり、考えさせられるところあり、で面白そうです。何気なく見ていた物を、普段と違う見方でとらえるのって大切ですよね。・・・なかなか実践できませんけど(汗)。
今日の記事を読んでいて、
頭の中では「アルゴリズム体操」が流れていましたよ(^-^;
掘り下げて考える。
この思考はすごいですね。
難しいですが、なんか面白そうなので訓練してみます。
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目次を見ると「深そう」という印象が。目次もそれぞれですね。
バナナはうちの娘も大好きです。皮から食べようとします(笑)。