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2007年03月04日

「数に強くなる」畑村洋太郎


数に強くなる
岩波書店
畑村 洋太郎(著)
発売日:2007-02
おすすめ度:5.0



【はじめに】

◆おはようございます、smoothデス。

今日お届けするのは、「失敗学」で有名な、畑村 洋太郎さんの最新作。

「岩波文庫」ということでちょっとビビってたのですが、中を開けたら可愛らしい(?)イラストで説明がなされていて、ついゲット(笑)。

アマゾンの著者からのコメントにはこうあります。
この本を読んでほしい人
・「数字なんて大ッキライ」という人
・ 数字を見ると、ジンマシンが出てくる人
・ ビジネスマンの人(できるなら逃げたいが、仕事で数と向き合わざるをえない人)
・ 家庭の主婦(数学は苦手だったけど、数の世界には少し気がひかれる人)
・ 中学生、高校生、大学生(本当の「わかる勉強」がしてみたいと思う人)
・ 学校で算数や数学を教えている先生
・ 数や数学に、すっかり自信を失ってしまった人
当てはまるアナタは書店にGO(笑)!


【目次】
はじめに----数(かず)とはどんなものか
1 数に強くなる
 前口上/数がイヤな理由/数はくたびれる/数に強い人とは/数に強い人の頭の中/頭の中で全体を作る/全体の中でとらえる/なんでも数にする
2 数の感覚をみがく
 気色が良い数・気色が悪い数/ゼロの個数を丸覚えする/その場で数を作る/体感基準をインプットする/数の認識回路を持つ/ザックリのすすめ/ドンブリのすすめ/ドンガラのすすめ/数を立体的に表わす
3 数の声を聞く
 ぜんぶ「1人当たり」にする/水呑百姓はどれほど苦しいか/「変わる」を基軸にする/ソロバン頭を育てる/1000を聞いて1で知る/音と光と数の不思議
4 数を使う
 1日1000歩1キロの法則/1駅2分の法則/自己評価は2割増しの法則/6%の原理と7‐10の法則/大入り満員7掛けの法則/ニッパチの法則/2‐6‐2の法則
おわりに


【気になった点など】

■数に強い人とは?

●物事を数量的によく考えることができて、しかも覚えておくことができる人

●物事から数を引き出して、自分の実現したいことの道筋にその数を乗せ、加工し、発展させるできることができる人「数に強い人」

⇒計算が速いとか、記憶力が良いというのは、数に強くなるための必要条件ではない

⇒大事なことは上記のような頭の動かし方ができるかどうか


■その場で数を作る

⇒著者の畑村さんが、原 安三郎氏に初めて会った時に言われた言葉

「あなたはこの部屋に来るまで、階段を何段登ってきましたか?」

(参考:畑村さんのアプローチ)

部屋・・・2階
天井の高さ・・・3メートルくらい?
階段1段・・・20センチくらい?

⇒「300センチ÷20センチ=15段」


★「たとえ知らなくても、作る努力をしなくてはいけない。必要な数は、見たその場で作れなくてはいけない」


■量的変化が質的変化をもたらす

⇒『失敗学のすすめ』を出して気が付いたこと・・・『本にとって「10万冊」という数は臨界点』

失敗学のすすめ
講談社
畑村 洋太郎(著)
発売日:2005-04
おすすめ度:4.5

⇒10万冊を越えると社会的な影響度・状況がガラリと変わる

⇒数を見るときには「その数を表出させている基本条件はこれまでと同じか否か」に注意すること!

真のリーダーが「先を読む」「予測する」という行為をするときも同じ点を吟味している


■企業文化を変えるには

「2-6-2の法則」「ニッパチの法則」を上手に使えば、物事を急速かつ抜本的に変えることができる

⇒民主主義の社会では、物事を大きく変えるには「過半数」が条件になっているが、実際には「全体の1割」が変わるだけでよい

⇒その1割とは、会社の牽引車の中にいる影響力のある人間、すなわち、「2割の半分」である


【読後の感想など】

◆本書は数学を扱った本にしては大変めずらしく、何と縦書き

これは畑村さんのたっての願いだったようで、おかげでかなり読みやすかったのは事実です(笑)。

要は、数式だらけの本ではない、ということかと(もちろん図解部分等は横書きですが)。


◆大昔にこの本を読んだ時から、「数を作る」ことの必要性は感じていました。

ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?
青土社
ウィリアム パウンドストーン(著)William Poundstore(原著)松浦 俊輔(翻訳)
発売日:2003-06
おすすめ度:3.5

「合ってる間違っている」という点ではなく、与えられた問題にどうアプローチするか。

これはこの本だけでなく、コンサルタントさんが書かれたいくつかの本でも目にした記憶があります。

もっと言うと、某高額セミナーでは、実際にやらされました(笑)。


◆もちろん、合っているのに越したことは無いので、実際に検証できるものはして、すりあわせを繰り返すことにより、感覚を養わなければいけません。

畑村先生は、本書の中で「いつでもどこでも、愚直に、徹底的に訓練しつづけよ」と言われています。

例えば「地下鉄に乗るときにもエスカレータを使わず、階段で段数を数え、駅の深さを割り出す」

こういう作業を繰り返していくと、徐々に数の感覚が磨かれていきます。

すると結果的に、「必要なときに必要な数が、即座に、しかも的確に出てくるようになる」のだとか。


◆また、畑村先生の「直感でわかる数学」が、どのようにヒットしたか、の舞台裏の部分は、ブックマーケティングに興味のある方は興味があるかと。

直観でわかる数学
岩波書店
畑村 洋太郎(著)
発売日:2004-09
おすすめ度:3.5

・・・私達にとっては、マスコミ出演とかはちょっと難しいと思いますが(汗)。


【編集後記】

◆昨日はひな祭りということで、ムスメが保育園で作ったお雛様を(笑)。



お内裏様が白目でちょっと怖い(笑)。


お詫び

本日はこれから家族でお出かけします。

それゆえ、皆様のブログへのご訪問が大変おそくなるかと思われますが、ご了承下さいマセ・・・。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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この記事へのコメント
               
おはようございます!
我々の場合だと、一人当たりや
一時間当たり、あるいは一平方メートル
当たりという「単位当たりの基準値」を
頭に入れておくととっさの
比較や分析に役立ちますね。

大したことでないのに
「なんでわかるんだ!」と
驚かれたり(^O^)/


Posted by ヨシザワ at 2007年03月04日 08:01
               
smoothさん、おはようございます。
もともとイメージ派の私はこの仕事をするにあたって簿記から勉強をはじめました。(笑)
>地下鉄に乗るときにもエスカレータを使わず、階段で段数を数え、駅の深さを割り出す
数の感覚を磨くトレーニング法面白そうですね。
Posted by マチスケ at 2007年03月04日 09:58
               
smoothさん、こんにちは。

数字と聞くと今ひとつ弱気になってしまうのですが、「このお米は1合あたりいくら」とか、つい計算してしまいます。
大阪人の気質でしょうか(^-^;

ヨメは私よりハクション大魔王で数字をみると痒くなるらしいです。
彼女の脳は縮小をしつづけているのではないか?と多少心配になったりするときも(^-^;

Posted by たなか@心レベル at 2007年03月04日 11:49
               
じんましんは出ませんがめまいはします(笑
Posted by ITおやじ at 2007年03月04日 12:57
               
タイトルだけで避けたくなる本ですね(笑)
でも記事を読ませて頂いたら興味が出ました。
最近は新書がホント元気がいいなぁ。
値段も手ごろだし、また本屋へGO!
いつも秋葉原の書店に行きますが、この新書ならアキバにもいっぱい置いてありそう。
Posted by ビルダーナース at 2007年03月04日 13:11
               
ぱっと見は避けちゃうような本ですよね^^;
でも中身にそんなかわいらしいイラストがあったんですね。

数字は割と好きなほうかも。

応援クリック!ぽちっ
Posted by 笑顔整体 健康の知恵袋:院長 at 2007年03月04日 16:32
               
一応理系のはしくれなので、今回はスルーでOKかと・・・
またおでかけレビュー楽しみにしております!
Posted by 週末起業サラリーマン・・・hikaru at 2007年03月04日 21:20
               
こんにちは。

先日、東工大に営業にいったときに、畑村さんの弟子筋の先生に会いました。

それをネタに商談を振りました(笑)

本好きの余禄ですね。
Posted by タツ at 2007年03月04日 22:03
               
smoothさん、こんばんは!
> この本を読んでほしい人
この対象者は面白いですね。

> 大事なことは上記のような頭の動かし方ができるかどうか
なるほど!数字に強いかどうかは結果なんですね。
Posted by 手文庫 at 2007年03月04日 22:31
               
smoothさん、こんばんは!

この本、まったく知りませんでした…
というか、畑村さん=失敗学という図式が頭の中にあったので、盲点だったのかも。

数字をどうにか作り出す考え方は大事ですよね〜。
Posted by 淺田 義和@創造マラソン at 2007年03月04日 23:17
               
smoothさん、こんにちは!

ほとんどの人があてはまりそうな、対象ですね。
「ザ・プロフィット」でも、同じような表現があり、参考文献に手を出そうとして、やってません(苦笑)。

Posted by ニタ@教えて会計 at 2007年03月05日 07:59
               
smooth様おはようございます。
数学ができるのと数字に強いのって違う気がするんですよね。自分で振り返ると、数学の成績は良かったほうですが、数字に強い自信が全然ありません。むしろコンプレックスかも?
受験終了と同時にきれいさっぱり脳がリセットされた?のと、あとは数字の持つドラマを理解していないからかと言う気がします。
*作品かわいい♪お内裏様の黒目を入れる時間がなかったのかも?うちの娘はよく保育園時代はタイムアップで、時間内に描けないことが多かったようです。

Posted by meg at 2007年03月05日 10:36