2007年01月18日
「野洲スタイル」山本佳司
【はじめに】
◆おはようございます。
「サッカー好き」と言いながら、実は昨年1度も生観戦していないsmoothデス(汗)。
◆そんな状況はさておき(笑)。
今日お届けするのは、昨年の冬の高校サッカー選手権で優勝した、滋賀県代表県立野洲(やす)高校サッカー部監督である、山本佳司サンのご本。
今大会はおしくも3回戦で八千代高校に敗れてしまいましたが、これからの「日本のサッカー」を考える上でも、野洲のその個性的でクリエイティブなスタイルは貴重です。
ちなみに、野洲高校のキャッチフレーズは「セクシー・フットボール」!
第1章 基本は、世界基準
高校サッカーを変える
結果重視のサッカー ほか
第2章 ドイツで、サッカー体験
意外なスポーツ歴
ドイツへ留学 ほか
第3章 野洲高校、日本一への道
無名校・野洲のサッカー部
部員12人からのスタート ほか
第4章 山本流プレーヤーズファースト
愛読書は「スラムダンク」
スポーツやるならバカになれ ほか
第5章 日本サッカーの課題
ワールドカップドイツ大会を見て
ボールを持ったら、慌てるな ほか
【気になった点など】
◆今回も山本さんの言葉を引用していきます。
■小さなプラスを積み重ねる
サッカーに限らず、何かひとつの物事に打ち込める子と打ち込めない子の違いは、自信があるかないか、だと思う。
(中略)
どうやって自信をつけさせたらいいか?そう聞かれたら、僕は「小さなプラスを積み重ねることしかない」と答える。
(中略)
プラスというのは、どんな小さなことでもいい。むしろ小さければ小さいほど積み重なったときに物を言う。
■ポジティブな言葉をかけ続ける
(昨年の選手権決勝の鹿児島実業戦で、いったんは先制したものの後半追いつかれ、その延長戦を前に)これはある程度予想していた展開だったので、選手たちの気持ちが折れるようなことはない。
とはいえ、多少はガックリきている。当然のことながら、
「守りきれば勝てたのに・・・」
という空気も流れている。ここで監督がかける言葉は重要になる。あの場面、僕はあえて明るくこう言った。
「よかったな。このメンバーであと20分戦えるぞ。だから、1分1分無駄にしないようにしようや」
選手たちの表情がパッと明るくなって、喜んでピッチに向かっていくのがわかった。
■方法論ではなく考え方を教える
(オシム日本)代表のスタイルを見て、そこに選手を送り込むために、どういう育成をしたらいいかを考える。そういう考え方は正しいと思う。だが、一番大切なのは、方法ではなく、考え方であるはずだ。それなのに、どうも方法論ばかり先走る傾向が強いように思えてならない。
(中略)
例えていうならば、ファーストフード店の店員さんは、短い時間で、マニュアルを徹底的に叩き込まれる。どんな初心者でも、マニュアルさえ覚えればすぐに働くことができる。
だが、一流旅館の仲居さんとなったら、そうはいかない。一従業員とはいえ、一流のもてなしが求められるのだ。ただマニュアルどおりに動いていればいいというわけにはいかない。
(中略)
つまり僕は、一流旅館の仲居さんのような、自分で考え、自分で行動できる選手を育てたいと思っているのだ。
■日本サッカーの課題
一番問題だと思ったのは、「日本の選手は、ボールを持つととたんに慌てる」ということ。
日本代表のパス回しを見ていると、どうしても爆弾ゲームを連想してしまった。
(中略)
日本の選手はテクニックがあると評されることが多い。だがその技術を、本番の試合になるとほとんど発揮できていない。日本選手のテクニックは、相手のプレッシャーがまったくかからないところでボールを持ったときにだけ、光るのではないだろうか。
■日本のスポーツ文化
日本のスポーツ文化はどこか歪んでいる。マスコミがスターを作って、まるで実力があるかのように煽って、視聴者もそれで盛り上がり、ガッカリする。その繰り返しだ。
しかも、日本人には「水に流す」という文化があるので、ガッカリしてもすぐ忘れて、原因を追究したり、敗因を深く掘り下げようとしない。本当のスポーツ文化は、もっとひとりひとりが考え、自分の見方を持たなければ生まれないと思う。
【読後の感想など】
◆野洲高校のことは、昨年の選手権以来注目していましたが、その監督の山本さんが、実はサッカー経験者ではなかったことは知りませんでした(汗)。
山本さんの大学時代の留学先であるドイツにいた日本人は、当時はスポーツ関係者(サッカーとハンドボール)かクラッシック関係者(「のだめ」の世界みたいですね(笑))ばかり。
結果、体育大学の学生だった山本さんは、現日本サッカー協会専務理事の田嶋幸三氏や、サッカー解説者の風間八宏氏らと親交を深めることになり、それが今のサッカーへの道につながることになります。
◆帰国後、県内でベスト4〜8くらいの水口東高校のサッカー部監督に就任し、3年後にはインターハイに出場したものの、その後の転勤先である野洲高校はサッカーではまったくの無名校で、しかも部員は12人(汗)。
しかし、その時から山本さんは、「クリエイティブなサッカーを実現させ、全国優勝するんだ、と信じていた」そう。
大きなビジョンを持って、それに到達するための方策を日夜模索する姿は、ある意味感動的です。
◆ちなみに、山本さんがドイツにいらした頃、私はイギリスのホームステイ先で、テレビでサッカー漬け(?)の日々を送っていました。
(「ヘイゼルの悲劇」は、テレビでリアルタイムで目撃しました(汗))
たまたまそこのご主人さん(といっても20代後半)が、イングランドの4部リーグの選手で、テレビを観るなら当然サッカー(笑)。
日本の「プロ野球ニュース」の「今日のホームラン」みたいな「ゴールシーン集」を見て、「あー、早く日本でもこういう番組ができないかなー」と密かに思っていた自分。
その8年後にJリーグもでき、夢は実現しましたが(笑)。
◆セルジオ越後さんほど毒舌ではないものの、結構言いたいこと言われている(?)山本さん。
上記にある、日本独自(?)の「スターシステム」については、オシム日本代表監督も問題視されていましたが、サッカー(特に日本代表)がここまで「金のなる木」になってしまうと、もはやメディアだけではなく、広告代理店をも巻き込んだ一大ムーブメントなんですよね。
ただ、現場の方がこうやって異を唱えて下さるのは、決してムダではないはず!
才能ある若者の未来をもて遊ぶのはやめてほしいものです・・・。
◆さて今般、このブログでも「サッカー」というカテゴリを設けて、先日の「敗因と」とともに入れてみました(笑)。
それなのに、どうしてもビジネス書を読む感覚で付箋を貼ってしまっているので、中途半端な内容になってしまった予感(汗)。
慣れるまでどうかご勘弁下さいマセ(汗)。
【昨日のお買い物】
◆最近私も、やっとGメールを活用しつつあります。
でも相変わらずよくわかってないので購入(笑)。
【編集後記】
◆青山のハンバーガーショップ、Kua ainaKUA AINAさんでのショット。
・・・正直、私にはデカすぎ(汗)。
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ややサッカー経験者の私としては、
ボールが来ると慌てるとか、
爆弾ゲームというのは、言えてると思いました(笑)。
なんだか、失敗が怖いんで、体が固くなっちゃうんですよね。
むしろ、ややミドルレンジの、そりゃ枠に行ったらラッキーみたいなシュートだと、気軽に振り切れ、入って喜ぶみたいな図。
サッカーから学ぶところは、多いです。
現代的なスポーツですね。
考え方などが、いろいろと応用ができるかなと思います。
いっぱい勉強になる本だと思いました。
特にこの部分は納得です。
方法は変わるでしょうが、根本の考え方、軸を定めることが大事ですよね。
読んでみたい本です!
写真のハンバーガーはお魚をイメージしてるんですか?
肉だけど、イメージは魚??
なんか面白くて笑ってしまいました。
スポーツから学ぶことは本当におおいですね。
本格的にスポーツをやったらさらに、
よくわかりますしね。ぽちっ
いつの時代も“育てる、育つ”を
左右するのは“考える力”のように思います。
考える力を育てるのに不可欠なのは
“安心”です。
安心→考える→自信・・・このサイクルが
教育には必要なんじゃないかと確信しています(^.^)
方法論ではなく考え方…一段上から見下ろす感じですよね。この見方自体、何事にも応用できる方法だと思います〜。
もっともっと日本人のチームが強くなってほしいですよね!
イギリスに留学されていたことがあるんですねー。
Jリーグの8年前。私は中学生だったかも?(^-^;)
方法ももちろん大切ですがまずは考え方というところなんでしょうね。
これって最終的にはハンバーガー
になるんですよね?
どうやって食べたんですか?(^ε^)♪
山本さんの言葉は、起業支援をしている私と同じスタンス・思考ですね。
サッカーは詳しくはわかりませんが、野洲のサッカーはクリエイティブですね。