2006年12月29日
「アイデアの生まれるところ―ideaedit」上條桂子(編)
今年も後3日頑張ります!
◆さてさて。
今日ご紹介するのは、昨日の記事じゃありませんが(笑)、アイデア本の掘り出し物を!
「目からウロコ」の発想法が目白押しです(汗)!
【目次】
◎アイデアインタビュー
八谷和彦(メディアアーチスト)
嶋 浩一郎(クリエイティブディレクター)
吉田 稔(クリエイティブディレクター)
三木 聡(映画監督)
中村光一(ゲームクリエイター)
織咲 誠(インターデザインアーチスト)
◆アイデア座談会
いがらしろみ(菓子研究家)
吉田照幸(NHKディレクター)
川又栄風(結桶師)
ヒラメキラボ(文具メーカー・コクヨ)
ドクター・中松(igノーベル賞受賞学者)
池谷裕二(脳科学者)
◎アイデアコラム
【気になった点など】
◆本書はインタビューがメインなので、発言を引用していきます。
★嶋 浩一郎さん
自分は情報にフォルダを作って整理することが嫌い。21世紀は整理整頓が出来ない人の時代が来ると思います。整理整頓っていうのは高度成長に向いている。システマチックに物事を動かしていく時は、整理が出来る人間の方がいいと思うんです。だけど、企画をする時は整理が出来ない人の方が活躍できると思います。というのは、新しいアイデアは、新しい組み合わせでなければ生まれないから。
★中村光一さん
僕がよくひらめくのは、運転中。あと、最近はそうでもないですが、テトリスをやっている時も同じような状態になります(笑)。脳って同時にいくつかのことが出来ると思うんですよ。そのうちの、どこかを奪われていることで考える脳だけが素直に動くような。運転もテトリスもそうですが、慣れているので何も考えないで操作できる。だけど、手は動いているし、眼も耳も塞がっている、考えるだけの脳が余っている状態。逆に言うと脳だけ暇なので、考えるしかやることがない(笑)。
★織咲 誠さん
参考:織咲さん考案のゼムクリップ(具ログさんの記事より)僕の一番根っこにあるのは、バックミンスター・フラーから提示されたことですが、『宇宙の利益を有効に用いる』こと。最近、気づいたのですが、フラーは『テコの"利益"』と敢えて言い換えて人びとに説法していた。野菜を作ることだって、宇宙の利益だし、魚だって海の利益。もっとそっちを大事にした方がいいんですよね。資本経済価値に評価を置き過ぎる、そんな目先の世界ではなく、もっともっと世界や宇宙は広いから、そっちにリンクできるモノ作りが必要なんです
★ドクター中松さん
■「創造学」の体系
⇒「1スジ」(筋が通っている、つまり理論が正しいということ)
⇒「2ピカ」(従来の延長線上にないひらめき)
⇒「3イキ」(世の中で使えるものでないと意味が無い)
■アイデアを生み出す創造の五重塔
「精神」・・・創造の22箇条(詳しくは本書で)で徹底的に鍛える
「肉体」・・・体だけでなく、食べ物、飲み物、睡眠等も含む
「勉強」・・・創造学を学ぶ
「経験」・・・新しいものを自ら体験する
「トリガー」・・・中松さんの場合、水に潜ったり(「死の0.5秒前に出てくるそう」(汗))するとか
池谷裕二さん
集中力のある人というのは、その場限りの事務処理においては素晴らしい能力を発揮するけれども、いざアイデアを生み出そうとする時にそれほどでもない。すごく創造力のある人は集中力がなく、落ち着かない人が案外多いですよね。何かアイデアを生み出すためには集中力ではなく、その反対の言葉・・・分散力があってもいいんじゃないかと思いますね。
(中略)
企画書を書かなきゃいけない時に煮詰まったら動く。本当は外に出て、見知らぬ所に行くのがいいのですが、歩き回りながら考えているだけでも出るんです。ダメなのは「思考を止めてしまうこと」。煮詰まったら居酒屋でストレス発散とかね。あれは本当にシータ波が止まってしまう。だから、場所を変えて考えようと努力を続ける。これがアイデアを出すコツです。
【読後の感想など】
◆好きなジャンルの本だったので、大して中身を確認しないで買いましたが、これはなかなかスゴイ本ですよ。
物凄く深い発言がイッパイ!
思わず付箋貼りまくり(笑)!
◆アイデアを生み出す方法は人それぞれとはいえ、恒常的にアイデアを生み出さねばならない方々のノウハウというのは、やはり非常に参考になります。
ただ、今まで読んできたこのジャンルの本の著者さんというのが、たいてい広告代理店の方かテレビ業界の方だったんですよね。
その点本書は、多種多様な業界(もちろん、上記2業種も含めて)の方が集められていて、その意味でも今までに無い気づきが多々ありました。
というか、引用したある部分だけでもワタクシ的には元とってます(笑)。
◆また、今回は取り上げませんでしたが、メーカーの商品企画の方々による「覆面座談会」というのも中々秀逸(笑)。
単なるアイデアだけでなく、「実際に商品化を前提としてアイデアを生み出す現場を垣間見れた」とでも言いましょうか。
◆例えば、「業界ごとに見据える先(何年後かなど)が違う」、というのも言われてみれば当たり前。
私はそんな事、考えたことすら無かったですけど(汗)。
企業にお勤めで、アイデアをひねり出さなければならない方は、是非この部分はお読み下さいマセ。
◆個人的に嬉しかった(?)のが、上記池谷裕二さんが言われていた「分散力」のお話。
同様なことを嶋浩一郎さんも言われていて、集中力欠如気味の私としては、意味も無く(笑)励まされた気分(笑)。
・・・本当は、ワタクシ、集中力も分散力も無いんですが(涙)。
とにかく、この手のジャンルの本としては激しくオススメ!

アイデアの生まれるところ―ideaedit
【編集後記】
◆今日はヨメは仕事があるので、ほぼ1日ムスメと二人きりです(笑)。
嬉しい反面、ちょっと不安な自分・・・。
事の顛末(?)は明日ご報告します(笑)!

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>お互いブログのために頑張って働きましょう(?)!
(-_-;)
一年間お仕事お疲れさまでした。
実家のwindows2000で拝読してますが
白文字と明るいグリーン文字いがいが
ほとんど判別できず・・・泣。
Macだとばっちり読めるのですけれどね。
ということで内容と関連しないコメントで失礼します。応援クリック★
すごい言葉かもしれません、ピキーン、ときました。
いろんな方の発想法を垣間見られて、おもしろいですよね。
本書も、分散系かもしれません。
個人的に好きなのは池谷先生ですね。
糸井重里との対談モノはとてもよかった。
空間を変えていくというのは確かにうなづける発想法です。
私はお休みしちゃうかも^^;
娘さんとのエピソードが楽しみです♪
ルールの中で動いているので、
そのままだとアイデアを出す能力
が磨かれないのかも。(≧▽≦)
逆に言えば努力をしたら・・・
激しくですか・・面白そうな本です。
個人的にはゼムクリップの話しがアイディア出しのトレーニングにはもってこいかと思われます。五重塔のトリガー スゴイですね。発明家はここまでやっているんですね。(笑)
面白そうです。それにしても皆さん、ご自分のアイデアルールをお持ちなんですね。ただぼーっと考えてもダメだということなんでしょうね。
発明家はやはり変わり者ですよね。
それぞれがそれぞれですし、
それがまた新たなものを生みそうですよね。ぽちっ
私も今日から仕事は、年末年始のお休みです。
ブログは年中無休、いっしょですね(笑)
妻が昨日から熱を出して寝込んでいます。。。
ゆっくり休んで、早く元気になってほしいものです。
毎年恒例の「年越し蕎麦」ツアーに行きたいので。。。
良かった!
一方で「集中力があれば、たった一つの音で全てを物がたる事が出来る」
これはピアノを弾くときの話ですが、
今日友人とこんな結論を出したばかりの私。
え〜!分散力が必要なの〜!深い・・・
この本、確か(財布の中身の関係で)スルーしてしまった記憶が(苦笑)。紹介文読んで、買わなかったことをちょっと後悔…。さっそく食いつかせて頂きます^^;
この本もチェック!
テクニックより発想から変えてくれそうですね。
お仕事お疲れ様でしたー。