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2006年11月09日

「南の島のたったひとりの会計士」屋宮久光


 南の島のたったひとりの会計士
南の島のたったひとりの会計士

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【はじめに】

◆おはようございます。

今日はこれから顧問先さんのところで1日中打ち合わせのsmoothデス。

メールやメッセのお返事はまとめて夕方以降になりますので、ご了承下さい。


◆ていうか、昨日もお返事等遅くなってスイマセンでした(汗)。

お医者さんでもらった風邪薬を飲んだら、恐ろしく眠くなり、帰りの電車の中で立って本読みながら一瞬寝てしまいましたよ(ガクン、となるヤツ)。

結局昨夜は、ガッツリ8時間近く眠ってしまったという・・・(汗)・


◆さてさて。

本日お届けするのは、「南の島のたった一人の会計士」こと、屋宮久光さんの処女作。

エンターテイメント作品かと思いきや、マーケティングや地域振興の面からもなかなか面白い一冊に仕上がっていますよ(汗)!!


【気になった点など】

★公認会計士って?

◆私もたまに聞かれることがあるのが、公認会計士と税理士の違い

細かい点でツッコまれると困るので、ちょっと引用させて頂きます。

公認会計士は、証券取引法と商法に基づく企業の「会計監査業務」を独占業務とするとともに、「会計業務」として企業の形態・業種・規模を問わず、決算書の作成のみならず会計や財務についての総合的な調査、立案、相談を行います。税理士も会計業務を行いますが、税理士の会計業務は税務に付随する「記帳代行」(税務申告書に添付する決算報告書の作成)や「記帳指導」で、事実上その対象は中小企業や個人が大半です。
(公認会計士資格を保有しない)税理士は、税理士の名称を用いて会計業務を単独で行うことはできません。税理士が税務とは無関係に行う会計業務は、税理士業務とは異なるため、「有限会社○○○計算センター」とか「○○○コンサルティング株式会社」等の組織を別に運営しています。(会計事務所 .NETさんより)

この中で特に顕著な違いが、「会計監査業務」

これは税理士にはできない業務なのです。


◆ただ、屋宮さんが帰郷された奄美大島には、会計士の独占業務である監査が必要な大きな法人はありません。

屋宮さんの苦闘が始まります・・・。


★「どんぶり勘定」と「島時間」

◆帳簿については、ほとんどいい加減(?)だった島の人に対して、屋宮さんは地道に指導していきます。

「公私のお金を分けること」
「帳簿をつけること」
「領収書を保存しておくこと」


通常の会計士の仕事としては、アリエナイほど基礎的な事から教える羽目になる屋宮さん。


◆さらには、島の人特有(?)のルーズな時間感覚が、屋宮さんを苦しめます。

それにしても、約束の時間に遅れる場合でも、「30分なら上出来、1時間遅れても誰も文句を言わない」とは(汗)。


・・・「オマエが言えた義理ではない(笑)!」、というツッコミが遠くから聞こえた気も(汗)。


★付加価値を与える

◆そんな中、放漫経営で倒産してしまった顧問先がありました。

屋宮さんは資金繰表を作成し、経理を指導しましたが、それだけではダメだったのか、と自問自答されるうち、ある結論に達します。

 これからは数字の問題点を指摘するだけでなく、その解決方法をちゃんと提案しなければならない。顧問先の業種を分析し、顧客を獲得するための方法を提案し、利益を上げるためのサービスにまで言及できるような能力も必要となってくるだろう。経営者の姿勢も、アドバイスできるようにならなくてはいけない。お客さんの懐に飛び込み、共に考える泥臭いスタイルこそ私の本分なのだ。


★加計呂麻島の宿泊施設

◆屋宮さんは、ある島の人が画策した「加計呂麻島宿泊施設運営の是非」について相談を受けます。

きれいな海、青い空、白い浜辺。

まさに都会人の憧れがつまった場所です。

加計呂麻島 嘉入周辺の海の写真

・・・このサイト、他の画像も見てみましたが、癒されました(笑)。


◆一方屋宮さんは、冷静な目で、そのビジネスプランを分析。

果たして宿泊施設はどうなるのか(汗)?←詳しくは本書で(笑)。


★台風の中での事業計画書作成

◆また、ある台風の日(笑)、屋宮さんは、資金融資を受けるための事業計画書を急遽作ることになります。

それもこれも、ビジネスをシリアスに捉えない島民気質のせいではあるのですが(汗)。


◆通常なら数日かけて、各部門ごとのスタッフを揃えて行うこの作業。

しかし、今回の期限は翌朝(汗)。

台風の中、その会社の社員でもないのに屋宮さんを手伝いにかけつける島の人たち。

果たして事業計画書はできあがるのか(汗)?←お約束(笑)。


【読後の感想など】

◆本書は、奄美大島で起こった出来事を横軸に、それに屋宮さんの会計士的視点、マーケッター的視点を縦軸に展開していきます。

出来事だけ追っても単純に面白い(というか、都会ではアリエナイ(笑))ですが、それに「じゃー、どうするか」という屋宮さんの意見・主張が加味されていて、色々な属性の人に楽しんでもらえるのではないか、と。


◆さらに、島の特産品ビジネスを何とか軌道に乗せようと努力したり、コミュニティラジオのためのNPO法人設立に協力したり、と、別に奄美大島に限らず、日本各地で当てはめられるであろう事例も多々ありました。

特に第10章においては、屋宮さんが考える、現在の奄美大島のビジネスの問題点(公共事業頼り)や、その打開策について、かなり積極的に発言されています。

(参考:奄美群島振興開発特別措置法)←要は、国から援助されるので、自立できないということ

実現したらどうなるのだろう、と思うだけでワクワクしました。

ていうか、ゆくゆくはコレをテーマに講演などやられても良いのではないかと。


◆なお、本書の終わりに12ページにも渡って、「さおだけ屋〜」でお馴染みの山田真哉さんが、あとがき(?)を書かれています。

ここでも屋宮さんの主張に合わせるように、奄美の振興のためには、人の移動(屋宮さんのような)が大切ではないか、と言われていて、私もそれには同意です。

何せ折角受注した工事のお金も、その規模ゆえ、半分近くが本土の業者に流れていると言う事実(汗)。

このままではいけません。


◆また、同じく山田さんがあとがきで書かれているように、屋宮さんと奄美大島の戦い(?)は、結果的には引き分け再試合でしょう。

屋宮さんが提言された形で、奄美大島が自立できるのか。

それとも今のままで、ある意味国に頼った暮らしを続けていくのか。

屋宮さんには、近い将来、この続きを書く義務があるのではないでしょうか?・・・と、プレッシャーをかけてみるテスト(笑)。

 南の島のたったひとりの会計士
南の島のたったひとりの会計士


【トラックバックさせて頂いたブログ】

教えて会計さん

追記
「税金まにあ」木村税務会計事務所通信さん


【編集後記】

◆引き続きディズニーランドでのスナップ。

4de2c13a.jpg






何の行列かと思いきや、キャラクターと一緒に写真をとるための列でした(汗)。

ちなみにこの列はミッキー

ビミョウに人気が無いキャラだと行列ができていないのが何とも・・・(汗)。


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 またまた、ブロガー仲間の著書を紹介いたします!  今週も、税理士・会計士が書いた本としては異色といえましょう!  文字通り、南の島のたったひとりの会計士である屋宮久光氏の著書です。  美しい装丁、牧歌的なタイトル。でもこの本もそんな先入観を持って読....
【書評】南の島のたったひとりの会計士 屋宮久光著(06年10冊目)【「税金まにあ」木村税務会計事務所通信】at 2006年11月20日 20:02
                               
この記事へのコメント
               
>顧問先さんのところで1日中打ち合わせの

おお。お仕事もしっかりされているんですね(笑)。情景が浮かぶようなナイスレビューでした。いつか機会があれば読んでみたいです。
Posted by ぼうや at 2006年11月09日 08:09
               
ご紹介ありがとうございます。
私の本の解説につけさせていただきたい
文章です。
これからも宜しくお願いします。
Posted by 屋宮久光 at 2006年11月09日 08:51
               
おはようございます!

私も読みましたよ。

なんだか、さわやかな読後感でしたね。

屋宮さんは、
「地域振興のスペシャリスト」という
紹介のされ方をしていくのでしょうかね。

「Dr.コトーの会計士版」として
テレビドラマ化を期待したいところです。
Posted by Yoshizawa Accounting Office at 2006年11月09日 10:03
               
こんにちは。

おもしろそうですね。

会計の話というよりは、何かの物語みたいです。


Posted by こばやし at 2006年11月09日 10:16
               
smoothさん、こんにちは!

本屋さんに並ぶのは、これからですね、楽しみです。

なかなか、力作の紹介文ですね。
確かに、このまま、で使い回しできそうな出来ですね。

Posted by ニタ@教えて会計 at 2006年11月09日 11:33
               
ストーリーからして面白いですね!
なにか、偉人伝に通じる所があります。

読んでみたいですね。

>おかげさまで、ストレートにこのブログに来れました(笑)。

  私も、おかげさまで、気づきました。


>ところで、このブログの特性から言ったら、1ヶ月かけてでもアームストロング砲について解説がされるかと(汗)。

  断腸の思いで、止めました。(^^;)

Posted by 齊藤 正明 at 2006年11月09日 12:31
               
今日はいっそう装丁写真が大きく、やる気マンマン??
プロジェクトX的な物語で面白そうですね。
映画になってもいいような。
田舎暮らしに憧れる一人として、都会と時間軸が違う環境で楽しく生活するコツを今から学んでおきたいです。
Posted by ビルダーナース at 2006年11月09日 15:05
               
1日中打ち合わせですか^^;

休みとった分がまわってきてるんですかね。ぽち
Posted by 笑顔整体の院長 at 2006年11月09日 15:20
               
いやー面白そうですね!わかりやすそうなのがいいですね。会計本は竿竹の横並びでないとつらいです。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2006年11月09日 18:40
               
smoothさん、
こんばんわ。

Drコトーみたいな感じですね(^-^)v
この本は読んでみます!

それと、税理士と公認会計士の違い。
普段税金に関わっていないと意識していませんでした。

私も今年は確定申告です。
あ〜。分からないことだらけでオツムが・・(^-^;)
Posted by たなか@心レベル at 2006年11月09日 19:05
               
なるほどそういう本だったんですね。

会計士というよりもコンサルタント的な要素の強いお話なんですね。

地方の活性化を考えているどんな立場の人も読むとためになりそうですね。

でもみなさんがんばってますよねぇ〜エライ!
Posted by イヴォンヌ at 2006年11月09日 19:28
               

いつも、楽しそうな本を見つけますね。

私も島出身ですが、都会にでてルーズな時間感覚を強制されました。

オンリーワン職業も楽しくも苦労という莞爾でしょうか。

この島のタウンページの職業紹介欄はこの人だけ?


Posted by タツ at 2006年11月09日 23:27
               
smoothさん、こんばんは!

会計とかあまり詳しくないですが、
逆に内容と併せて、
読みながら自分も勉強…
という事にも使えそうな気がします^^
Posted by 淺田 義和@創造マラソン at 2006年11月09日 23:59
               
smoothさん、お仕事お疲れさまです。

題名と内容の格差にビックリです!
これは面白そうですね。

次クールの月9ドラマ原作にも使えそう??

(原作をマンガに頼らざるを得ない今日この頃の脆弱なTVドラマ界を見ているとあながち夢物語でもなさそうとか思いませんか?)
Posted by プチファイ! at 2006年11月10日 00:36
               
smoothさん、こんばんは!
その土地土地の時間というのはありますよね。土地時間のある離れた拠点と仕事をすると毎回問題になります。どうしてこんな状況で帰れるの?という具合です。

smoothさんがコメントしてくださった内容、本当にうれしいです。私にとってsmoothさんのブログは私が普段の生活範囲からは得られない知識や考えと、ご家族への愛情を感じられる「一度で二度おいしいブログ」です。今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 手文庫 at 2006年11月10日 01:41