2006年11月08日
「そんなマーケティングなら、やめてしまえ!」セルジオ・ジーマン
そんなマーケティングなら、やめてしまえ!―マーケターが忘れたいちばん大切なこと
いつも応援ありがとうございます!
【はじめに】
◆おはようございます。
昨日は雑務でテンテコマイだったsmoothデス(汗)。
もちろん、メールボックスにもメルマガやメールがドカスカ(涙)。
この時期、下手に平日に休むとかなりタイヘンなことがわかりました。
でも、休暇取ったのって、たった1日なんですが(汗)。
◆ところで。
今日お届けするのは、そもそもは土井英司さんの「ビジネス・ブック・マラソン」で見て、(*´Д`)ハァハァ していたもの。
その後、tenさんの記事で再度見て、気になっていたところ、たまたま近所で右脳パワーでゲットした(?)といういわくつきの一冊です(笑)。
骨太な部分もありますが、マーケティング好きにはゼヒ、読んでいただきたいところデス!
【目次】
第1部 マーケティングは、ミステリーなんかじゃない
ブラックボックスをぶち壊せ
なぜ、マーケティングが必要なのか?もちろん、利益を出すためである
戦略なしには、どこにも行けやしない ほか
第2部 いかにしてより多く販売し、儲けるか
ポジショニングは、双方向のものだ
クリントンとダイアナ妃とラマダンと、物を売ることの関連とは?
ジェリー・セインフェルドが、マーケティングについて教えてくれたこと ほか
第3部 誰が実行するのか
人数が問題なのではない。結果が重要なのだ
私は、広告代理店のことを嫌ってはいない。彼らの中には、私のことを好ましく思う人さえいる
これまでの伝統的なマーケティングは、死にかけているのではない。とっくに死んでいるのだ
【気になった点など】
◆今回もあまりに骨太なので、引用中心で参ります(汗)。
★「マーケティングとは科学である」
私がこの本の中で訴えたいのは、「マーケティングは科学である」ということだ。つまりマーケティングによる支出とは、回収できる投資であるということである。科学であるマーケティングは測定されなければならない。(中略)
この本を書く私の目的は、彼らマーケティング担当とその上司たちに、マーケティングが何をすべきか、そしてそれをどうやって実現するか、具体的に示すことにある。
★イメージ広告の否定
◆NFL(全米フットボールリーグ)の有名プレーヤー、ミーン・ジョー・グリーンを出演させたコークのコマーシャルは、全米のみならず、全世界でで評判になり、世界中のコカ・コーラ販売会社が自国語に翻訳したがりました。
普通なら、この好評のコマーシャルを長く続けると思うところですが、ジーマンは違います。
何百万ドルもかけて製作したこのコマーシャルを中止し、新しいキャンペーンを開始したのです。
◆何故なら、このコマーシャルがコカ・コーラ製品の販売促進につながらなかったから。
多くのひとは、せっかくお金をかけたコマーシャルなのに、そんなに早く打ち切ってしまうなんてもったいないと考えた。しかし、私は戦略的ゴール達成のためにこの決断を下した。すなわち、お客に1本でもコークを買わせるという、このゴールを達成しないコマーシャルのために高価なCM時間枠を買い続けることのほうが、はるかに大きな無駄なのである。」
★戦略的な優位性を比較せよ
ペプシはコークを競合商品と呼んだが、比較マーケティングにおいては、競合商品を名指しすることは重要ではない。重要なことは、判断の基準を明確にし、自社商品がその基準を満たしている、あるいは基準より優れていることを明確に示すことである。消費者がその基準を認めると、自ら比較するようになる。仮に、私の航空会社は多くのフルタイムの整備士を抱え、全機を対象に数え切れない数多くの点検を毎日行っているのでとても安全だと訴えたとする。すると、あなたは、では他の会社はどうなっているのだろうかと思うだろう。他社の名前など言う必要はない。競合企業の名前を言わずに、自分のやっていることを述べることで差別化をすれば、あとは顧客がやってくれるのだ。
★消費者について、知りすぎるということはない
◆この点については、実際に、ジーマンが飛行機の使用権をタイムシェアで購入するエピソードが挙げられています。マーケティングの中心、そしてビジネスの中心にあるのは実際にお金を出してあなたの商品を購入する人々なのである。この人々のことを常に考え、学び、あなたがとる行動のすべてを消費者に基づいて決定すべきである。私はこの点を特に強調したいので、もう一度繰り返して言おう。消費者に起こっていることのすべて、そして消費者がとる行動のすべてが、あなたのマーケティングに関する決定に影響を与える。もし、わずかでも消費者に関する有用な情報を見落としているとしたら、金をドブに捨てているようなものだ。
ジーマンは使用権を購入する際に、「どのようなベネフィットがあるか」を知りたがっていたのに、企業側が説明していたのは、着陸システムなどの飛行機が持つ機能について。
つまり、これらの企業のマーケターが犯した過ちは、彼ら自身と自社商品のことしか考えておらず、ジーマンという顧客について考えていなかったということなのです。
★消費者に買ってもらえるよう訴える
◆マーケティングの最終的なゴールは(繰り返しますが)、「自社商品を買ってもらうこと」です。
そのための最良の方法とは、彼らに買う理由を与えること。
そして最後には消費者に買ってくれるようお願いするのです。
◆そこでジェリー・セインフェルドの「ジョークのつくり方」に習う、ジーマン式マーケティング。
セットアップ(商品そのものの特性)
デリバリー(商品を買う理由)
パンチライン(どうぞ買ってください!)
これらを兼ね備えていることが大事なのだとか。
★ディメンジョナライズ(多次元化)
◆ディメンジョナライズとは、従来の販売提案を超えた消費者の心のイメージにディメンジョンを付加すること(多次元化すること)。
つまり、人々により多くの買う理由を与えることです。
◆実際、"Always Coca-Cola"キャンペーンの際には、最終的に消費者にコークを買うように納得させる35の理由が出てきたとか。
これに基づき、35種類の異なるテレビコマーシャルを制作し、5年間で売上が50%も増加したそうです(汗)。
自分のサービスについても、ゼヒ検討してみたいところ。
【読後の感想など】
◆いやはや、なんとも面白い本でした(笑)。
書かれているのが2000年とちょっと古い(原本はもっと古い?)のですが、マーケティングに関わる人全てに読んで頂きたいと言いますか。
・・・って私は単に趣味で読んでいるんですケド(汗)。
◆話が長くなる(って十分記事が長いですが(涙))のと、全部を読まないと誤解を受けそうなので、あえて書きませんでしたが、このセルジオ・ジーマンは、あの有名な失敗作である「ニュー・コーク」のマーケティング責任者です。
しかしジーマン自身は本書の中で「アレは失敗ではなかった」と断言(汗)。
その理由も「なるほどねー」と思わせられるものなのですが、一応詳細は本書で(笑)。
事実、ニューコーク騒動の後、一旦会社を辞めてから(周囲からは責任をとらされてクビになった思われていたそう)、再度マーケティング責任者としてコークに戻っていることからも、彼の能力の高さが伺われます。
◆事例も豊富ですし、内容も堅苦しくない割には実践的と私好み(笑)。
マーケットプレイスでも結構ですから、是非ご一読のほどを・・・。
ワタクシ的には「ニューコーク」と「クラッシックコーク」の話だけでも(まさにその当事者の語る話ですから)、十分元はとれました(笑)。
そんなマーケティングなら、やめてしまえ!―マーケターが忘れたいちばん大切なこと
【編集後記】
◆引き続き、ディズニーランドネタを。
お泊りした、アンバサダーホテルの洗面所でのスナップ。
いやー、こういう小ネタっぽいのが、ファンの心をくすぐるんでしょうね(笑)。
ムスメも「あ!ミッキーだ!」と喜んでましたし・・・。
ご声援ありがとうございました!
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夜もおそくから、朝もはやいですね!
この本私も読みました。
私はこの著者が「大金かけたCMを捨てる」許可を得たことのほうがすごいと思いましたね。
アンバサダーホテルですか、さすがですね。
それは、有休(?)とってでも、行く価値ありますね。
ワタシも、一年以内に実行しようと心に決めました。
単に、ムスメの喜ぶ顔が見たい、バカ親です(笑)。
でもある意味長い記事のほうがいいのでしょうね。機械と人間にバランスよくアプローチできるのが理想ですよね。私の記事はおわってますが(汗
最近、この手の本を、いろいろ読み返しています。
だいたい、言わんとしているところは、似ていますね。
個人的に、この手の本は、おもしろいので好きですね。
今度、smoothさんにマーケティング教わります m(_ _)m
>最近齊籐さんには「笑い」でリードを許している予感(汗)。
この分野だけは、なんとしても勝ちたい!(何か間違えてる)
>ところでコメントに記入してくださるURLが以前のものなのは、何か意図が・・・?
大変しつれーしました。
そこまで気を配ってませんでした。
教えて頂いてありがとうございます。
smoothさんが初めて教えてくれました。m(_ _)m
今度は是非ミラコスタにも。
朝ならばなくても一番に
ダッシュできますから。
それとミッキーのデザインを
考えた人は天才じゃないかと。
あれだけシンプルでいくらでも
活用できるのにちゃんとミッキーだって
わかりますからね。
>彼らに買う理由を与えること
ここにつきるように思います。
ジャケットの印象ではパスですが、事例が満載とあれば目を通しておかなければなりませんね。
私は友人の結婚式がアンバサダーであったのでそのままそこに泊まりました。すごかったぁ。