2006年10月16日
「若者はなぜ3年で辞めるのか?」城 繁幸
これでいいのか(汗)?
◆さて。
今日お届けするのは、ずい分前の日経新聞の広告で気になっていて、発作的に(笑)地元の本屋さんで買ってしまった一冊。
ていうか、トラバしようとして気が付いたんですが、手文庫さんのところでコメントまでしてるじゃないですか(笑)。
おぢさん健忘症だよ(涙)。
というわけで、若者じゃないですが読んでよかとですか(汗)?
【目次】
はじめに 「閉塞感の正体」を見きわめる
第1章 若者はなぜ3年で辞めるのか?
第2章 やる気を失った30代社員たち
第3章 若者にツケを回す国
第4章 年功序列の光と影
第5章 日本人はなぜ年功序列を好むのか?
第6章 「働く理由」を取り戻す
【気になった点など】
◆今回は引用中心で参ります(あしからず)
■サラリーマンとビジネスマンの違い
「日本企業でのキャリアなんて、われわれはまったく評価しない。あれは本質的にはマックのバイトと同じだから。そういう仕事を自分の意志で何十年も続けてきた人間は、同情はしても評価はできない」(ある大手外資系コンサルタントの発言)
■技術者たちはなぜ裁判を起こすのか?
要するに、彼らは皆、空手形をつかまされた被害者なのだ。
本来であれば、多大な貢献をした技術者は、役員や研究所長として安定した地位を手にするはずだった。
ところが、いつのまにかレールは途切れていたのだ。
■派遣社員ほど使える存在はない
(フリーターや派遣社員などの)これら非正規労働者に共通するのは、彼らには年功序列というレールは最初から存在しないという点だ。(中略)
企業にとって、彼らは実に便利な存在だ。彼ら非正規労働者には、賞与も社会保険の企業負担分も、退職金の積み立ても必要ない。(中略)
だが、なんといっても経営者を魅了してやまないメリットは、その多くが組合すら加盟していない彼ら非正規労働者は、不要になったらいつでも切れるという点にある。
■年功序列は「ねずみ講」
ならば、年功序列の本質とはなんだろう。
ちょっと言葉は悪いが、それはひと言でいうなら”ねずみ講”だ。(中略)
いま、組織内でそれなりの序列に上がった中高年たちは、なんとかして自分たちの取り分を守ろうと躍起になっている。
「若いうちは我慢して働け」と言う上司は、いわば若者をそそのかして人生を出資させているようなものだ。
■「格差社会」の原因は「成果主義」か?
企業が成果主義を入れざるを得なかったのは、年功序列システムが崩壊したためであり、そのフォローのためだ。原因というよりは結果である。
給料にせよ序列にせよ「上がったもん勝ち」の年功序列企業において、総人件費を下げるには若手から中堅の昇給、昇格を抑えるしかない。そのためのツールが成果主義であり、目標管理だったというだけの話だ。
【読後の感想などなど】
◆かなり重いテーマでした(汗)。
ある意味年金問題と同じで、既得権者が力を握っている以上、なかなかどうにもしがたい部分があると言いますか(汗)。
それ以前に、この手の本を私が紹介すると違和感アリアリ(汗)。
もっともそれ故、本からの引用を多用したというのもあるんですけどね(笑)。←言い訳
◆本書の「はじめに」の部分でこういう一節があります(またも引用です(汗))。
上昇し続ける新卒離職率、ニートやフリーターの急増、そして一向に改善しない年金未納率などは、これら若者の閉塞感が具体化したものだ。(中略)
本書の目的は、彼らに「閉塞感の正体」を指し示すことだ。
本当はそれの退治までやってしまえればよいのだが、残念ながらそれは個人でどうこうできる次元の問題ではない。
◆いっそのこと、こういうババつかまされた若者世代が中心となって、政党を作ってみるのもいいかも(無責任(汗)?)。
間に挟まれた40代(かつ、自営業(汗))としては、そっと若者を応援したいのですが・・・。
◆なお、著者の城繁幸さんは、「成果主義」を取り扱ったベストセラーであるこの本の著者でもあります。
内側から見た富士通「成果主義」の崩壊
・・・ちなみにこの本、悪名高き(笑)「光文社ペーパーバックス」なので、速読したい方は要注意(汗)。
(詳しくは、この記事で)
日本の構造的問題がここに!
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
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【編集後記】
◆土曜日に休日出勤した際に、某大手文房具店でナイショで撮ったショット。
ほとんどワンフロア占領しているのは来年の手帳デス(汗)。
いやー、もう商戦たけなわなんですね。
ご声援ありがとうございました!
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この辺は、非常に興味深いテーマです。
私自身、上場企業に勤務していた頃は、マック以下の自分の時給に疑問を感じ、また、「窓際族」なるおじさんには、憤りを持っていました。
けれども、マネジメント側の立場になると、天外伺朗さんの著書にもありましたが、欧米型成果主義にもよって日本経済の崩壊がもたらされた側面もあり、年功序列の善さというのもあるんですよ。それをまた、社員に理解してもらうのは、至難の技で・・・。
いろいろ悩ましい時期なので(笑)
ところで、来年の手帳、私はすでに買いました〜(イノベーターの黄色いの)
昨年週ごとのタイプを買ってはみたものの、使いこなせず(汗)、元通り、1ヶ月ごとのタイプにしました^^;
近年は、景気が良いからか、新卒の正規採用が増えてますね。
その影響(というか結果というか)がこれから、どう出てくるのかも、気になります。
成果主義も内部でライバルが出来て残念な感もあります。
そして年功序列は100%良いともおもえません。
別のところに測りを置くことが長い目で見るといいんだろうな。って思いますが余裕というものが必要になるんだろうな。とも思います。
いろいろ考えてしまいました(^-^;)
私も3年で辞めて独立しちゃいました。
どこも採用して
くれなかったんですよ(≧▽≦)
面白かったですね。光文社の本は、工夫がスゴイですね・・・。
今回の本も挑戦的ですね〜。
私のセミナーのターゲット像を具現化するのに役立ちそうです。
多分私も手文庫さんのブログでコメントしているはず。
私は健忘症です・・・
っておい!
文房具やでスパイですかwww
うちもダイアリー・カレンダー三昧です
年功序列に限らず、未来が明るく感じられないという若者は多いでしょうね。
年賀状の販売やら手帳が溢れるようになってくるこの季節、毎年もう今年も終わりなんだーとちょっと物悲しい季節です・・・。
ご紹介の本、気になっていた本ですが、なかなかよさそうですね。
週末に本屋に行って、気になっていたので、とてもタイムリーでした。
たしかに重そうな内容ですね。
話は変わりますが、最近、毎週末は本屋に行って、本を購入しています。
学生時代は本嫌いだったのに、30代になって急に本好きになってしまいました。
自分でも不思議に思っています。。。
ほんと気がはやすぎな感じしますよね。ぽちっ
ほんと気がはやすぎな感じしますよね。ぽちっ
私は「要するに、彼らは皆、空手形をつかまされた被害者なのだ。」というところに頷いてしまいます。ギャップに納得できないんですよね、きっと。
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確かに思いテーマですね。
自分の子供たちも、いやおうなく、そういう環境に立ち向かわされるわけで。