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2006年08月07日

「臆病者の経営学―小さな会社を繁盛させるヒント」木越和夫(著)


臆病者の経営学―小さな会社を繁盛させるヒント
「臆病者の経営学―小さな会社を繁盛させるヒント」木越和夫(著)

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【はじめに】

◆おはようございます。

無事帰ってきたsmoothデス。

さすがに昨夜はバタンキュウ(死語)でしたが(汗)。


◆本日ご紹介するのはニタさん@「教えて会計」ご推薦の一冊。

商売繁盛の小ネタが満載です!


【目次】

他人と競争しない経営
伝統にとらわれない経営
お客様を呼び込む経営
お客様の五感を刺激する経営
商売の常識を破る経営
商売は演出、小売りは祭りの経営
ゲーム感覚の経営
ミツバチ商法の経営
連想ゲームの経営
社員をスターにする経営
愛の経営
六角形の経営
恋の経営
臆病者の経営
身分相応の経営
弱者の立場に立った経営
指導される能力を身につける経営


【気になった点など】

★アイデア商品のいくつか

◆著者の木越さんは、箸匠せいわの創業者で、数々のお箸のアイデア商品を世に出してらっしゃいます。

例を挙げてみましょう。

・合わせるとデザインになる箸(箸を2本あわせると、蝶になったり市松模様になる)

・六角知能ばし(鉛筆と同じ六角形でもちやすく、年齢ごとに4サイズがある)

・当選箸(五角形の箸で2本で「トウカク」、箸1本ごとに紅白の5本線を入れて一膳で十線(「トウセン」)

・ダイエット箸(一膳の箸をヒモで止め、食べにくくした)


◆これらはまだ形状的な特質がありますが、「合格祈願箸」「宝くじ当選はし」「安産ばし」「幸福のかけはし」「商売繁盛箸」といった箸については、木越さん曰く「箸自体はほとんど同じもの」

つまりネーミングと包装紙、そして説明書きの内容を変えるだけで、別の商品に転用できるわけです。

アイデアの勝利ですね(笑)。


★五感を心地よく刺激する

◆大規模な店舗を建設し、勝負に出た木越さんは、売行き不振に悩み、「日本一の和菓子屋さん」として名高い「寿長生の郷(すないのさと)」を視察に訪れます。

そこで木越さんは「お香のかおり」「薄暗くて長い通路」「上品な女性の掛け声」「香ばしいにおい」といったキーワードに気がつきます。

これらは、いずれも木越さんのお店に欠けていたものでした。


◆そして木越さんが出した結論は「商品の出し惜しみと、商品を出すまでの過程で、いかにお客様の五感を心地よく刺激するか」

系列店と間違えられるほどマネをした結果、売上は大幅に伸びたそうです。

・・・これはいわゆるTTP(徹底的にパクる)ってヤツですか(笑)?


★「ありがとうございます」をいわない運動

◆これは木越さんが美容師さんの団体の懇親会で得た気づきです。

木越さんが美容室のオーナーの1人に言われたのが、そのお店では『「ありがとうございました」というフレーズを禁止している』ということ。

「ありがとう」というのはある意味とても便利なフレーズで、この一言で済ませられることが多いが、それではお客様にこちらの気持ちが伝わりにくいから、というのがその理由でした。

例えば、「ありがとうございました」の代わりに「その髪型、とてもお似合いですよ」という風にするわけですね。


◆つまり「ありがとうございます」を言わない運動とは、その商品の付加価値を買っていただいたお礼の言葉を一言加える運動なのです。

・・・ここは私も考えさせられました。


★経営方針

◆木越さんの会社の経営方針の中からいくつか。

■躾三原則が身についている

「時を守る」「礼儀をつくす」「後始末」の3つを社員に求めます。


■6マメの実践

「筆マメ」「口マメ」「足マメ」「手マメ」(メモする)「耳マメ」「頭マメ」(知恵、工夫を考える)


■女性客を意識

1.「アラ、マー、ヘー、で女性の心にソフトタッチ」

⇒「アラ、変わっている。マーステキ。へーこんなことができるの」


2.「ワァカワイイ」「キャーカワイイ」で女性を乙女の世界へ

⇒小さくてかわいい演出でよい(例:「おしぼりの上に花を一輪そえておく」)


【読後の感想など】

◆最初に書いたように、本当に「小ネタが満載」です。

しかもそれは「ビジネス」というよりは、「商い」という方がピンとくるような、ちょっとしたものが多いです。

アイデアというと、つい大げさに考えがちですが、上記の例であげた「ネーミングと包装紙、そして説明書きの内容を変えるだけで、別の商品に転用できる」というのは、結局「アイデア勝負」であって、設備投資も研究開発費もいらないわけですから(笑)。


◆ニタさんも書かれているように、お箸なんて家庭でそんなに量がいるものでもない上に、単価も安いものです。

ですから買ってもらうためには、相手にとっての「買う理由作り」が必要なんですよね。

ちなみに木越さんは、ご自身と奥様の恋愛物語をベースに『若狭虹のかけ箸物語』という伝説(?)をつくられています。

この物語の最後には「若狭小浜では、愛する人やお世話になった人への恩返しに心の架け橋として箸を贈るならわしが伝わっているのです」となっているとか(汗)。

そんな手があったとは(汗)!


◆また知能箸を、地元だけではなく、全国の保育園、幼稚園に売り込むなど、マーケット戦略にも長けてらっしゃいます。

色々ビジネス書を読んで、それをビジネスにどう生かすか悩んでいる方にとっては、使える考え方が満載ではないかと。


◆なお、「店作り」という点で、テイスト的にはこの本にも近いものを個人的に感じました。

これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。
これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。


【編集後記】

◆ヨメの祖母のおうちの窓から見た景色。

6e39aed1.jpg







窓のすぐ外から延々とこういう風景が広がっていました。

「田んぼがすぐそばにある」というより「田んぼの中に家がある」感じ。

ボーっと外を見ていると癒された気分・・・。


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この記事へのコメント
               
smoothさんこんにちは。この本私的にはツボです。集客にお金はかからないのですに近いとなれば…
Posted by 週末起業サラリーマン at 2006年08月07日 08:08
               
smoothさん、おはようございます。
「ありがとうございました」を禁止している話しは面白かったです。これで思い出しましたがディズニーランドでもサービス業では一般的な「いらっしゃいませ」という接客用語を使っていませんね。顧客側が返答する言葉がないというのがその理由です。言葉のキャッチボールは大切ですね。
Posted by マチスケ at 2006年08月07日 08:51
               
いい本ですね。
早速、今日買って読みましょう。

こういう、ある種「チマチマ」した工夫の集積なんですよね?経営って。

教えていただいて感謝!!
Posted by キキダス・マーケティング:中山マコト at 2006年08月07日 09:22
               
お箸から、多くのアイデア。
すごい勉強になりました。

別のジャンルの良いところをTTP(笑)して自分の商いへと結びつけるところもいいですね。

ありがとうを言わない。
なるほど!って思いました。

一言で終わらせてはいけない。
とてもよく分かりました。

木越さんのファンになりそう(笑)
Posted by たなか@心レベル at 2006年08月07日 09:28
               
こんにちは。

無事帰還ということで、良かったです。

この本、アイデアが多そうですね。

>ボーっと外を見ていると癒された気分・・・。

これは、確かに癒されそうですね。

Posted by こばやし at 2006年08月07日 10:22
               
臆病者の経営学って、実践会的で
いい本ですね。

さっそく読んでみます。
Posted by 栗原敏彰 at 2006年08月07日 10:41
               
smoothさん、こんにちは!

ご紹介ありがとうございます。

すっかり、勉強になりました(笑)。

小ネタの一個でも、身にしないと。

また、ニッチの本を探してきます!

Posted by ニタ@教えて会計 at 2006年08月07日 11:08
               
ありがとうございますを言わないのは、素晴らしい発想ですね!

確かに安易に使ってます。私。

でも、バタンキュウは・・・

>見事な2段オチですね(笑)!
>感服いたしました。

 ありがとうございます。
 ブログ始めて、8ヶ月、始めて使ったワザです。

 これからもsmoothさんに負けないお笑いブログにして参ります。
Posted by 齊籐 正明 at 2006年08月07日 12:38
               
TTP。。。いいですねぇ。「ありがとうを言わない運動」。個人的に実行してみようかな。面白いアイデアですね。キレモノですね。この方は。リアル商売の私には、ぐいぐい迫る物がありました。あんまり本を買うと破産しますよ。ぼくが。もっと駄本を紹介してください。(笑)
Posted by ぼうや at 2006年08月07日 12:44
               
smoothさん、こんにちは&お疲れさまです。


「ありがとうを言わない」っていうのは、
なかなか考えさせられますね。

ありがとうの一言だけなら、
機械に言わせることもできるわけだし。


こういうところに人間の暖かみが出るんでしょうね^^
Posted by Ater at 2006年08月07日 12:52
               
バタンキュウwww

久々に聞いた(見た)かもwww



変なところに反応してすみませんm(._.)m
Posted by 初心者アフィリエイトブログ管理人h-58 at 2006年08月07日 14:48
               
smoothさん、こんばんは!

”臆病者の経営学”は面白い本のようですね。
アイデア満載という感じがします。

’TTP’から始めて成功することもひとつの方法だと思いますし、タイトルの”臆病者”はどういう意味か気になりました。
(単なる謙遜かもしれませんが・・・。)

今日も素敵な記事を楽しませていただきました♪
Posted by エムストーン at 2006年08月07日 23:49