2006年07月27日
「SNSビジネス・ガイド」

SNSビジネス・ガイド Web2.0で変わる顧客マーケティングのルール

【はじめに】
◆おはようございます。
一昨日の会食の疲れがまだ取れないsmoothデス(汗)。
そもそも6時スタートで終了9時45分、って何なんですか(涙)?
まあ、コレも仕事なんでしょうがないんですけど・・・。
◆さて。
本日ご紹介するのは、SNS関係のビジネス本としては、「出色の出来」の一冊。
mixiすら使いこなせてないワタクシでも納得するくらいの(?)良本です!
【目次】
1 変質を続けるウェブコミュニティ
増え続けるSNSユーザー
SNSの特徴と普及の背景
SNSの今後の方向性 ほか
2 SNSがビジネスを変える
ビジネス活用できるSNS
SNS導入の指針
SNSのリスクマネジメント
3 ビジネスのためのSNSコミュニティ
SNSコミュニティのアーキテクト
見えざる仕掛けを・・・「仕掛けの内側」
囲い込みマーケティングよ、さらば! ほか
4 マーケティングツールとしての特化型SNS
特化型SNSとは何なのか
特化型SNSを使った企業マーケティング
ソーシャルショッピングサービス ほか
5 SNSを使った企業マネジメント
SNSは企業運営をどう変えるのか
コミュニケーションの変革
情報共有の変革 ほか
6 モバイルSNSビジネス・ガイド
モバイルコミュニティとSNSの現在
モバイルSNSの特徴
SNSはモバイルビジネスに活用できるのか ほか
7 Web2.0時代のソーシャルメディア
SNSはWeb2.0的サービスなのか
「My]から「Our]へ ソーシャルメディアとしてのSNS
SNSがGoogleに並ぶとき
【気になった点など】
★ビジネスシーンでSNSが果たす役割
◆「お遊び」ではなく、「ビジネス」として考えた場合の、SNSの果たす役割について、本書で列挙されてた内容は次の通りです。
「一般論」的ですけど、一応確認のため・・・。
・CGM(Consumer Generated Media)としてのSNS
⇒CGMとは、「ユーザー発信型のメディア」「消費者が作成するメディア」を言います
・ビジネスマッチングツールとしてのSNS
⇒ビジネスパートナーを見つけるだけでなく、「場」を提供する側も課金できます
・オンラインコミュニティツールとしてのSNS
⇒顧客囲い込みとファンの醸成に効果あり
・イントラツールとしてのSNS
⇒企業の社員間やコミュニティの構成員間の意思の疎通を図ることができます
・ナレッジツールとしてのSNS
⇒「暗黙知」(ノウハウや経験といった、言語化が難しい知識のこと)獲得のためのツールとして効果大
★mixiコミュニティで仕掛ける
◆本書で例に取り上げられたのが、ギャラリーカフェバー「縁縁」。
2003年にオープンしたこのお店は、2004年4月にmixiでコミュニティを開設しました。
常連にもmixiユーザーが多いため、コミュニティや各人の日記に、同店で出来事や、満足した様子などが書き込まれているそうです。
◆さらに「縁縁」のコミュニティでは、活発なユーザー有志による分科会(コミュニティ)が10個も立ち上がっており、その内容も「スノーボード」やら「俳句」「野球」など、店側から出るハズのない(笑)自発的なもの。
このようにして、ユーザーから発信された情報によりコミュニケーションが活発になり、結果的に来客数の増員に貢献しているとか。
★運営者に望まれる能力
◆SNSマーケティングにおいて、もっとも大事なのは運営者の対応かもしれません。
例えば、運営コミュニティでハプニングが起きた場合。
これは想定内のハプニングであれば、それほどの問題ではありません。
・・・って、結構「職人芸」が求められているような気も(汗)。それより考えなくてはいけないのは、「予想もできないところに反応したユーザー」や、そのユーザーに反応した人々の「想定外の流れ」に対してどう反応するかである。
(中略)
そこで試されるのは、運営側の「反射神経」と「忍耐」である。当意即妙に反応するか、沈黙を守ってコミュニティの自浄作用や、プラスに持っていくユーザーの出現を待つか。この相反する要素を、両方とも持ち合わせて使い分ける必要がある。
ハプニングが起きたとき、ユーザーは運営側の反応を実によく観察しているものだ。われわれが思っている以上に、ユーザーは敏感であることを忘れてはいけない。
また、それが喧嘩や意見の食い違いであれ、ヒヤヒヤするようなその場を収めた登場人物には、無意識の共感が寄せられる。この共感のタイミングを運営側は逃してはいけないのである。
★コミュニティ「ケータイと恋愛の法則」の場合
◆2006年2月14日から5月15日までmixi内で運営されていた、「ケータイと恋愛の法則」は、ご存知の方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
これはボーダフォン株式会社が仕掛けたコミュニティであり、SNSをビジネスに導入した例として非常に面白いので、その裏側を少々・・・。
■通常mixi内のバナー広告は、自社サイトに誘導するものが多い中、URLをmixiのコミュニティに設定
■さらに、バナーもmixiの背景に溶け込みやすいオレンジを主とし、公認コミュニティであることを強調
⇒4週にわたる掲載バナーのクリックレートの週平均が0.04%〜0.06%で推移(一般的なバナーのクリックレートは0.02%)
◆しかも、デザインもコミュニティの成長過程に合わせてアレンジを繰り返したそうです。
■トピックの書き込み制限をコントロールすることにより、コミュニティの更新情報を常にバラエティに富んだものにした
⇒更新情報の上位にひとつのコミュニティの複数トピックが同時に出現しすぎると、ユーザーが特定コミュニティに画面を占領されているような錯覚に陥る可能性があるため、ひとつのコミュニティにつき、1〜2トピックに抑えた。
⇒具体的な方法については、本書をご参照のこと。
■コミュニティアイコンにはGIF形式でアニメーションを使い、飽きのこないシンプルなものにした
■mixiでアイコンが最も美しく見える正方形を選び、角を丸くすることで柔らかい印象を与えた
⇒広告スペースではないが、実質的には広告だと思って、綿密に設計。
・・・アイコンにまで神経を使っているとは知りませんでしたねー(汗)。
★暗黙知を共有するには?
◆SNSの効果のひとつとして、「暗黙知を共有する」というものがあります。
実際、イントラ向けにブログ・SNSを提供している企業の中には、「SNSの導入により、暗黙知が表出化する」と公言しているところもあるそうです。
しかし、経験のある人から徹底的にヒアリングしたり、本人に文書化させたとしても、そう簡単に暗黙知は社員で共有できるものでもありません。
◆本書では、ビジネスノウハウ本を例に上げ、こう言います
・・・と、ここで、発想の転換を。これらの本を読んだからといって、すぐに優れた企画が出せるようになれるわけではなく、まして誰もがトップ営業マンになれるわけではない。
むしろ、本のとおりに行動して本のとおりの成果を出せる人のほうが稀である。
このことからもわかるように、優れた暗黙知を表出化できたとしても、きちんと活用することのほうが難しいのだ。
表出化できなくても、活用できればいいじゃないか、と。
暗黙知を表出化して文章に落とし込むというプロセスではなく、暗黙知を作り上げた人をあぶり出し、その人に対して、状況に応じたノウハウを出してもらう方法こそ、最も効率のいい手段ではなかろうか。
◆この点については、本書の後半で再度触れられています。
Googleのような「形式知」を補完するための「暗黙知」の活用、「人間マッチングサービス」です。
人間マッチングサービスとは、必要な情報を持っている人間そのものを検索し、さらに検索した人間をランキング表示してくれる近未来サービスである。
残念ながら、今のところこのようなサービスは、筆者の知るかぎり存在しない。
しかし、SNSを導入したコミュニティの数がもっと増え、それぞれが横串で連携されたとき、人間マッチングサービスは可能になる。そして、初めからある目的のために集まっている人間の集団であるSNSだからこそ、それが可能になる。
【読後の感想など】
◆今までSNS関係の本も、私なりには読んでまいりましたが、この本が今のところ、SNS関係のビジネス本として最も有用だと思います。
カバーする範囲の「広さ」も、それぞれの項目における「深さ」も頭一つ抜け出ている感じでした。
◆ただ、ブログの記事としての量の関係上、ここで言及できるポイントが限られているため、内容について偏った印象をもたれるのが、ちょっと心配・・・。
目次を見ていただくとおわかりのように、「モバイルSNS」についても論じられているんですよね(汗)。
自分が全くやっておらず、よくわからないので、今回はスルーしちゃっていますが。
上記の目次はぜひともご確認下さい(笑)。
◆私は今まで、もし社内に導入するのであれば、SNSよりブログ(もちろんクローズドで)の方が、キチンとカテゴリー分けもできますし、情報活用の面からも有効だと思っていました。
ただ、その「活用できる情報」とは、あくまで上記でも触れた「形式知」の部分であって、テキストベースで書き出せない部分、つまり「暗黙知」の部分については、むしろSNSに分がある、という説には納得。
SNSの場合まず「人(とコミュニティ)ありき」なんですよね。
◆また「企業風土」といったような、言語化しにくい部分についても、SNSのもつゆるやかな繋がりというものは、無視できないかと。
もともと、「検索かけて情報集めてどうこうする」といったものでもありませんし(笑)。
◆数年前、まだワタクシが夜遊びをしていた頃、身内(遊び仲間)が、お店やイベントの集客に苦労していたことがありました。
当時SNSのようなものがあれば、と思うことしきり・・・。
実際、「SNS(特にmixi)で何か仕掛けたい」という方なら、本書はきっと役に立つかと。
単なる「お友達増やし」だけでなく、ビジネスでSNSを活用したい方にオススメ!

SNSビジネス・ガイド Web2.0で変わる顧客マーケティングのルール
【編集後記】
◆今日の「何じゃ、こりゃー(汗)!」

自由が丘で発見した床屋さん「BARBER KING」。
思わず _| ̄|○ ガックシ

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最近もドコモのブログが炎上したとか。
なかなかビジネスの窓口として広まらないのは職人芸的司会者が必要からなんでしょうか?
応援!
やはり、私も、豪勢な食事はツライです。
最近気づいたのですが、高タンパク質の食事後は、大量に水分が必要のようです。
何かの本で、ステーキを食べて、炭水化物を食べないダイエットは、単に身体の水分がなくなっていくだけと、書いてありましたが、実感します。
SNSについて、幅広く取り扱ってますよね。
mixiも500万人突破ということですから、今年は、SNSの年なのかなと思います。
SNS本気でやればいろいろ可能性があるんでしょうね。先日、ナマコン社長さんにも薦められましたが、私はいまのところその時間が持てないですね(笑)。
SNSはちょっと敬遠してたところもあるんですが、
「暗黙知の共有」って所に惹かれ気味です(笑
また興味が広がっていく…^^;
微妙な時間ですねぇ。
MIXIまたユーザー数伸ばしたみたいですね。
ログイン率も7割超えてるみたいですしねぇ。ぽちっ
もうちょっとで違うお店ですね。
SNSの可能性、拓けるかもしれませんね!!
( ゚д゚)ポカーンという絵文字、今日のブログから使わせて頂いてます m(_ _)m
ナイスな床屋さんですね!!
SNSの可能性は、まだまだ広がりそうですね。
私も来年の戦略の1つにSNSの開設を考えています。
さて本日は東京です。
模擬セミナーを栗原さんや齊藤さん達に評価
いただくためなのです。
また、smoothさんにもお会いしたいものです。
SNSってお遊びで使うものだと
思って、
見向きもしなかったのですが
ビジネスでの使い道も
相当あるのですね。
私自身の事業に役立つかは
分かりませんが、
「マーケティングモルモット」
として、チャレンジしてみよう
かと思います。
グループウェアとは一風変わった感じで。
いつも良い本の紹介ありがとうございます。(^-^)
私もここのところmixiは放置されております。
ビジネスとプライベートでの使い分けについて検討中であります。汗
この本色々と刺激がありそうなので読んでみますね。
床屋さんの看板は、、、
看板を取り替える費用が足らずに前のお店のものを自店の名前に使った、
というのはどうでしょうか。
飲食業界ではよくあります。笑
(ただ床屋さんでそれはどうかと思いますが。汗)
SNSは’人(とコミュニティ)ありき’なんですね〜。
’「暗黙知」の活用、「人間マッチングサービス」’は感心しました。
ネットについても、もっと学習しようと感じました♪
いつも私が読みたいなあと思っている本が登場するので、楽しみに拝見しています。
SNS、私は実践していませんが、チャレンジしてみます。
新たな発見がありそうです。
凄いなぁ・・・
そうそう、身体の疲れは内臓の疲れ。
食べ過ぎたら一、二食抜くと回復しますよ^^