2006年07月07日
「Web2.0 BOOK」小川 浩・後藤 康成 (著)

「Web2.0 BOOK」

【はじめに】
◆おはようございます。
朝から鬱なsmoothデス(汗)。
実は一昨日の記事の中で、大量にリンク漏れがあったことを昨日発見。
参考記事のリンクのうち5つも「不明」になってました(現在は修整済み)。
せっかく大量の訪問客さんがおみえになったのに、何やってんだか・・・。
◆気を取り直して。
本日ご紹介するのは、得意の(?)ネット関係であるにも関わらず今まで逃げまくっていた一冊。
ところが読んでみたら意外に読みやすかったですよ(笑)!
【目次】
1 Web2.0とは何か
Web2.0の波
Web2.0とXMLの関係 ほか
2 Web2.0をとりまくテクノロジー
Web2.0的エンジニアリング
Web2.0的サービスモデル
3 Web2.0的サービス
iTMSで音楽配信ビジネスを変えたApple
Web2.0の旗手Google ほか
4 Web2.0近未来予測
Web2.0時代におけるユーザー
インターネットとブロードキャスト(放送)の融合
5 Web2.0ベンチャー最前線レポート
Syndicateカンファレンスレポート
Feed Business Syndicationの活動 ほか
【気になった点など】
★「Web2.0的企業」の特長
◆「Web2.0」の名付け親と言われる、米国のIT系出版社オライリー社によると、次のように定義されています。
1.サービス提供者である(パッケージソフトではない)
2.データベースをコントロールできる
3.ユーザーの無意識な参加を促す
4.集合知を利用する
5.ロングテールを理解する
6.プラットフォームを選ばない
7.リッチで軽い
・・・詳細については、本書をご参照ください(笑)。
◆なお重要なのは、「これら7つすべてを網羅していることよりも、垂直的にどれか1つでも飛びぬけてコミットしている企業の方がWeb2.0的」(オライリー社)ということだとか。
ご留意下さい(汗)!
★Web2.0サービスとしてのiTMS
iTMSで購入した曲は、たとえアルバムとして購入したとしても、iTunesでダウンロードした瞬間にアルバムというパッケージから切り離され、むしろHIP HOPとかロックといったジャンル(「タグ」に近い)によってほかの楽曲との関係を深めていくのです。
(中略)
iTunesやiTMSは、CDアルバムというレイアウトされデザインされたパッケージ、そして計算し尽くされた限られた数の曲を選択し、順序を決定した"編集"努力を完全に否定します。そして特定の曲という情報=コンテンツのみを切り離してしまうのです。
★はてなの開発体制の特徴
◆はてなが自社サイトで公開している「技術勉強会」の発表資料「はてなの開発裏側見せますパート3」によると次の通り。
さすがはてな(汗)。・ベータリリースによるユーザーフィードバックを得る
・朝から立ってミーティング
・ソースが仕様書
・ペアプログラミング
―しんどい所はペア、楽しいところはソロ
・朝に仕様決定、夕方リリース、夜に広報
この本でもその一面が伺えましたが・・・。

「へんな会社」のつくり方NT2X
(参考記事:★『「へんな会社」の作り方』 近藤淳也 (著))
★「Web2.0ベンチャー対談」より
◆本書には、現在Enterprise Watch連載中の「web2.0的キーマンに聞く」から収録されたインタビューが掲載されています。
その中から気になった発言を・・・。
■GMO VP取締役、村松竜氏
日本だとあまりWeb2.0的といわれないYahoo!ですが、ヤフオクは参加型のアーキテクチャとして、非常にWeb2.0的と思ってます。
またeBayも同じ意味で注目しています。eBayのモデル自体が参加型アーキテクチャでありながら、同時に小口決済として米国ではスタンダードになっているPayPalを傘下に置いていたり、Skypeのようなコミュニケーション手段に対しても投資しています。ネットワーク外部性というか、スケーラブルなサービスを造っていくことにちゃんと着目しているんです。非常に優れたモデルであると思っています。投資はさせてくれないでしょうが(笑)。
■GMOアドネットワークス社長井上詳士朗氏
特に重要なのはGoogleを広告ビジネス屋さんとして見るのかどうか、ということです。GoogleはWeb2.0の代表企業として見られているし、同時にそのビジネスモデルは無料サービスプラス広告収益、とだけしか語られることがないですよね。でもほんとは、Web上へのPOS(Point Of Sales)システムだと思うんですよ。
(中略)
要するに、顧客の行動履歴をひたすら取って、マーケティングに生かしていくわけです。
(中略)
Google Mapsをはじめ、さまざまなメディア的サービスを多角化して提供しだしたことは必然でしょう。検索とデータベースのひもづけでマーケティングをやろうという意図の表れです。いまは広告収入が大きいのでわかりやすいだけで、今後はマーケティング情報の販売などが強化されていくと思います。
【読後の感想など】
◆最初に書きましたように、意外に読みやすかったです。
一つには、この本が出た頃(2006年3月)よりは、直接&間接的にWeb2.0について、情報を得ていたので、理解しやすくなっていたというのはあります。
◆あともう一つ。
書店で手に取った時に気になっていた、各ページに細かくつけられた注釈(リンク先を次ページに進んで下さい)が、実は同じ言葉について何度でも付けられていたのでした。
「あー、いちいちページめくって注を確認するのめんどくさいなー」と思っていたものが、実はしつこいくらい何度も説明してくれるアリガタイものだったとは。
ただ、RSSとか、mixiでお馴染みのSNSとか、同じ注が何度も出てきちゃってますけどね(笑)。
◆もちろん、上で挙げた以外にもWeb2.0的サービスの解説も豊富ですし、テクノロジー、サービスの両面ともカバーした、良い本だと思います。
・・・正直テクノロジーの部分については、読み込んでもよくわからない点はありますが(汗)。
ただ、こちらの本にもあったように、Web2.0については、「まずサービスを使ってみる」ことが大事ではないかと。

Web2.0でビジネスが変わるソフトバンク新書
(参考記事:「Web2.0でビジネスが変わる」神田敏晶(著))
私のように関連書籍を読み漁るだけではいけませんよ(笑)!
◆後は、Googleやamazonというのは、マーケティング会社であるということが、再認識できました。
Googleは行動履歴(検索履歴)、amazonは購買履歴。
どちらもマーケティングにとって大事な情報です。
「サービス提供と引き換えに消費者の情報を集める」
これからのWeb2.0的と言われるビジネスモデルにおいては、ごく自然に、利用者の気が付かないところで行われる行為なのでしょうね・・・。
◆というわけで、復習として、今までこのブログで取り扱った「Web2.0的な本」を再度ご紹介。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるちくま新書
(参考記事:★「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」 梅田望夫 (著))

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
(参考記事:「グーグル―既存のビジネスを破壊する」佐々木 俊尚 (著))
(参考記事:【補足】「グーグル―既存のビジネスを破壊する」佐々木 俊尚 (著))

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた
(参考記事:「ザ・サーチ」 ジョン・バッテル (著) 【マインドマップ付き】)
(参考記事:「ザ・サーチ」 ジョン・バッテル (著) ・・・続き)

Web2.0への道Impress Mook
(参考記事:「Web2.0への道」)

「みんなの意見」は案外正しい
(参考記事:★『「みんなの意見」は案外正しい』 ジェームズ・スロウィッキー (著))

80対20の法則を覆す ロングテールの法則
(参考記事:★「80対20の法則を覆す ロングテールの法則」 菅谷義博 (著))

RSSマーケティング・ガイド 動き始めたWeb2.0ビジネス
(参考記事:★「RSSマーケティング・ガイド 動き始めたWeb2.0ビジネス」)
我ながらよく読んだものだ(笑)。
【編集後記】
◆昨日はヨメの仕事の関係で、私がムスメを保育園に連れて行きました。
いや、もうこれが一苦労でして(汗)。
家を出るまでは「パパと行く〜」と言っていたのが、マンションの階段でイキナリ「ママじゃなきゃ、いや〜(涙)」に変わって後は大泣き(汗)。
んなこと言われても、ヨメはもういないしどうしょうもないし・・・で、結局タクシーに乗せて無理やり登園。
◆今度は、お気に入りの先生がいないことに気づき、「パパ、抱っこ〜(涙)」と抱きついて離れず(汗)。
「あの〜。ワタクシ、今日打ち合わせあるんですが(汗)」
と言ってもわかるわけないので、ひたすらなだめ続けていると・・・。
「あ、センセイ!」
お気に入りの先生を見つけると、ムスメはさっさと走り去って行ったのでした・・・。
カンベンしてけろ(涙)

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マーケティング会社って
言うのはたしかにですね^^
いろんなデータがとれるでしょうしねぇ。
いろんな面でいきてきますよね。ぽち
なんか毎日この手の本を読んでいてワクワクします。
smoothさんが新しい本を紹介してくれるのでたいへん助かっております。
なんかsmoothさんが、2.0の専門家になりそうですね。いやかな。(笑)
WEB2.0ですね。
どうやって活かすかが大切かなと思います。
けっこう、読んでますね(笑)。
もしかすると1冊くらいしか読んでないです。持っているだけは、もう少しありますが・・。
でも、わたしも、もうすぐ、送迎をしなくちゃいけない状況になるんですが、
心配ですよ(本気で)。
この本、途中まで読んで放置してました^^;
来週あたりちゃんと読もうかな〜と思っていた矢先・・
心読まれましたか?(笑
まあ、冗談はさておき。
Web2.0を扱ってる本、多くなってきましたよね。
ちょっと不安なのは、
言葉だけが一人歩きしたり、
猫も杓子もWeb2.0になって破綻したり…
ってことは起きないで欲しいな〜と。
…そういう本人も、気をつけないと危ないんですが(苦笑
web2.0、さっぱり分かりません・・・。
ま、まずいかな〜〜。
リンク切れサーバー不調かと思ってましたよ。先日の出張の移動でweb2.0関係本結構読みあさりました。それから私は平積みの本あんまり買っていないということにコメントで気づきました。(笑)
smoothさんにオススメ頂いた
エリエスの「出版マーケティング〜」
セミナーCDを早速購入しました。
ただ、これを聞く以前に、
ちゃんとゲラのチェックを
しなくちゃいけないのですが(^^;
私の友人で、ハイテク、ハードで起業をもくろむ人が居ます。
その人が、VCに説明に回ると、「今はWeb2.0じゃないと」なんていうそうです。
なんだか浅はかな気がするのは私だけ?
応援!
今のところ、日本ではこの2社が有名ですよね。
実際、ホントにマーケティング会社の本領発揮するのはもうちょっと先でしょうが。
>栗原さん
私はWeb2.0は「現象」としてもですけど、ビジネスのネタとして見ております(汗)。
専門家というのは、もうちょっとビジネス寄りの人を言うかと。
>こばやしさん
そうそう、テクノロジーはあくまでツールですからね。
高城さんが言われるように、まず「スタイル」ありきでないと。
ある時期集中して読んでいたもので。
自分でも結構びっくりですが(笑)。
ウチは今が一番「やだやだ星人」だと思われ。
ガンガレ、ニタさん!
>Aterさん
私の場合、書店で3回手にとってそのたびスルーしてましたよ(笑)。
Web2.0については、むしろユーザーが気がついていないサービスが結構あると思いますし、それが、これからはさらに増えるのではないかと。
>hikaruさん
hikaruさんの場合は、「その先」を読む目が必要ですから、一応読むだけ読んでおいたほうがいいかと思いますね。
近藤さんの本は、私にとっては「発想本」でした(笑)。
>斉藤さん
コーチの仕事にはとりあえず必要ない知識ではないでしょうか(笑)?
お恥ずかしながらリンク切れです(汗)。
かなりの機会損失、というか信用損失(涙)。
平積みは私は好きで買ってるというより、検索されるものを先読みしているカンジです。
>吉澤さん
おぉ!なんとすばやい行動。
実はご本人から「私はこうしてベストセラーを仕掛けてきた」 と「PRのための出版戦略術」を推薦受けたんですけど、もう買われていたとは(汗)。
>タツさん
「いつ」と「どこまで」についてを除けば、大筋ではその方向に向かうのだとは私も思ってますけど(笑)。
さすがに「じゃないと」とまでは言いませんが(笑)。
少なくとも「楽天」のビジネスモデルが崩壊するのは時間の問題でしょう。