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2006年06月29日

「なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか」藤沢久美(著)


なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか 顧客が自然に集まる10の発想転換
「なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか」藤沢久美(著)

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【はじめに】

◆おはようございます。

今日は朝から打ち合わせがあるsmoothデス(汗)。

というわけでさっそく(笑)。


◆今日お届けするのは、発売時にご紹介しそこなった隠れた名著。

そのまま埋もれさせておくにはもったいないと、後日携帯メルマガまでわざわざ作ったのに、今ではそっちが埋もれているアリサマですが(汗)。


【目次】

第1の発想転換 「売りに行く」から「聞きに行く」へ
第2の発想転換 「商品の専門家」から「顧客の専門家」へ
第3の発想転換 「商品を売る」から「自分を売る」へ
第4の発想転換 「クレーム対策」から「クレーム歓迎」へ
第5の発想転換 「モノづくり」から「場づくり」へ
第6の発想転換 「一人勝ち」から「みんな勝ち」へ
第7の発想転換 「モノを売る」から「シーンを売る」へ
第8の発想転換 「まず日本」から「まず世界」へ
第9の発想転換 「顧客の声を聞く」から「従業員の声を聞く」へ
第10の発想転換 「職場づくり」から「晴れ舞台づくり」へ


【気になった点など】

◆実は本書は非常に多くの気になる事例が収録されています。

ただ、その題材自体、著者がキャスターを務めた「21世紀ビジネス塾」というNHK教育テレビの取材によって得たものであるのが理由なのか、会社名等が一切明記されていません。

わかる方にはわかるのかもしれませんが、とりあえず会社名は置いといて事例だけでも・・・。


★御用聞きの復活

◆東京町田にある、大手電機メーカー系列のとある電気店のお話。

このお店、1店舗150坪で、年間の売上高は何と12億円!

その秘密は、お客さんとの密接な関係―「呼ばれればちょっとしたことでもスグ飛んでいく」―にありました。


◆それによって出来るのは、お客さんとの「信頼関係の構築」だけではありません。

お客さんの商品の購買履歴を把握することにより、適切なタイミングで適切な商品の提案ができることも非常に大事なのです。

・・・そういえば、お客さんの家のクローゼットのアイテムを全部チェックさせてもらって、商品を提案する話がこんな本にありましたね。

94%の顧客が「大満足」と言ってくれる私の究極のサービス
94%の顧客が「大満足」と言ってくれる私の究極のサービス

お客さんの自宅での雑談―これこそが、この店における貴重なマーケティングなのです。


◆実はこの「雑談」

意外と難しい技術みたいです。

あるリサーチ会社の社長さんによると、
「3分以上雑談できる人は意外に少ない」
「雑談が上手な人は、共感力がある人」
「ただ、これは子供のころの環境に依存するので、後から身につかない」
「よって当社では共感力のない人物は採用しない」

のだとか(汗)。


★物語とブランド

◆とある革製品の問屋さんは、自社ブランドの商品だけで、6億7千万もの売上を上げています。

かつては海外ブランド商品を卸すことがメインだったのが、海外ブランドに対抗すべく、自社ブランドを立ち上げられたとか。


◆問屋勤務の経験を活かし、優秀な職人さんにパートナーになってもらったものの、品質が良いだけでは商品は売れません。

そこで取った方法が、売り場の販売員の人たちに、モノ作りの現場を視察してもらうこと。

実際に作業を体験して、感動する販売員たち。

彼らは商品に対する知識を身につけるだけでなく、その感動を販売の現場でお客さんに伝えることによって、売上を伸ばしていきました。

ただの、名前だけのブランドではなく、確かな品質に納得して購入するお客さん。

販売員たちは、お客さんを教育することにより、新たな質の高いニーズを生み出したのです。



★コンセプトが大事

◆愛知県今治市のとあるタオルメーカーの2代目社長のお話。

その方が会社を継いだ頃のタオル業界は、ちょうど中国に生産を奪われつつあるときだったので、この社長さんは「中国に生産を奪われないタオルを作ろう」と決心します。

目指したのは「人にも環境にも優しいタオル」

本書ではその社長さんのすさまじい努力が書かれているのですが、ここでは省略(スミマセン)。

出来上がったのは、「エコテックス100」という「幼児が口に含んでも安全」な品質を達成しただけでなく、製造工程の全ての加工業者に、排水を浄化する最新設備の導入を依頼したという、まさに「人と環境に優しいタオル」

当然、値段は高くなりました。


◆これだけ優れた商品でも、さすがに高くてはなかなか売れません。

そこで社長は日本をあきらめ、アメリカに進出。

ニューヨークの展示会では1000社中5社が得られた優秀賞に選ばれました。

そしてアメリカでは30を超える専門店で販売され、ウワサをききつけた日本でも、大手百貨店や、通信販売で販売されるようになったとか。

その社長曰く「やっぱり、コンセプトが大事だね」

なるほど・・・。


【読後の感想など】

◆ホントは2回にわけてでも、もっと事例をご紹介したいと思ってました。

いや、マジで勉強になるんですって(汗)。

例えば私でもどの会社かわかった例ですと・・・。

某寒天メーカーさん

いい会社をつくりましょう。
いい会社をつくりましょう。


★最近ケチ付いちゃいましたが、学ぶ点は多い某ホテルチェーンさん

東横インの経営術―女性のセンスを生かして日本一のホテルチェーンを創る
東横インの経営術―女性のセンスを生かして日本一のホテルチェーンを創る


某老舗のバッグメーカー

「中国に真似できないバッグ・・・墨黒カラーのバッグ」

マスコミ関係者曰く

このバッグメーカーの商品には『物語』があるんですよ。しかも、その物語も一つどころじゃなく、たくさんあるんです。(後略)

多分コレかと。



ECナビより)

と言った感じで、かなり手広く面白い例が満載です。


◆ホント惜しむらくは、会社名を全く明記してくれてないところ。

この本で興味をもっても、それ以上詳しく追っていけないケースがあるのがツライ・・・。


◆ちなみに本書は、田坂広志先生のこの本でも引用されていますが、著者の藤沢さんが、田坂先生が代表を努められるシンクタンク「ソフィアバンク」の副代表なんだそうで(汗)。

使える 弁証法
使える 弁証法

田坂先生のこの本を読んでよかった方は、併せてお読み頂きたく。


◆そして実は、なんで今さら、ちょっと前(2005年8月)の本をご紹介したかといいますと・・・。

1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方 儲けのネタが今すぐ見つかるネットマーケティング手法
1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方 儲けのネタが今すぐ見つかるネットマーケティング手法

滝井さんのこの本の出版記念セミナーのCDがやっと最近届きまして、そこで土井英司さんのスピーチの中で、御用聞きビジネスと藤沢さんのこの本のことに触れられていたからなんですよね(知ってる人は知ってる(笑))。

あの土井さんがわざわざ取り上げた以上、読んで損はないかと(汗)!

なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか 顧客が自然に集まる10の発想転換
なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか 顧客が自然に集まる10の発想転換


【編集後記】

◆一昨日は、ヨメが研修のため、私がムスメを迎えに行きました。

いつもはヨメが電動自転車でスイスイ運ぶところを、ムスメと一緒にひたすら徒歩

立ち止まったり、歌ったり、店に入ろうとしたり、自動販売機でジュース飲もうとしたり・・・。

フツウに歩いて10分かからない距離を、30分近くかけて帰りました(笑)。

まぁ、たまにはいいかな、と(笑)。


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こんにちは!今日も宜しくお願いします。 中田ヒデ選手、急な引退発表でした。 多くの人と同様、私も、残念な気持ちで一杯です。 ただ、彼の真摯な姿勢を見ると、中途半端な気持ちでできる生活では、 決して無いのだとも思います。  「長い間、サッカーフ....
なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか 藤沢 久美【教えて会計 (30代のニタが送る経理の島】at 2006年07月04日 10:00
                               
この記事へのコメント
               
ご用聞きという表現、面白いですね。
確かに、お客さんも情報を持ってますもんね〜。

車、乗っていかれちゃったのですか?(^_^;)


Posted by 齊藤 正明 at 2006年06月29日 08:20
               
smoothさん、こんにちは!

同じく、CDを聞いて、本屋でこの本を探していました(笑)。
東横インの西田社長は、商売道徳上の問題は置いておいて、経営手法については、非常に優れていると思います。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2006年06月29日 08:26
               
smoothさんこんにちは!ダボハゼがやってまいりましたよ!うまそう〜。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2006年06月29日 10:18
               
藤沢さんの講演を聞きに行ったことがあります。
穏やかで柔らかい話しぶりと、飾らない人柄にすぐファンになってしまいました。
こういう本を出されていたんですね。
やはり時代は「感性」や「人間力」がテーマなんだなと改めて実感。。。
Posted by ビルダーナース at 2006年06月29日 10:49
               
こんにちは。

>「3分以上雑談できる人は意外に少ない」

これはあるでしょうね。

相手が興味のある話を引き出すのがむずかしいというか。
勝手に話すなら、できるのでしょうけど。
Posted by こばやし at 2006年06月29日 11:13
               
smoothさん、おはようございます。
藤沢久美さん、個人的に大フアンです。ルックスも。(笑)こちらで時々セミナーを聞いて勉強させてもらっています。
http://www.sophiabank.co.jp/
御用聞きビジネスは田坂さんも多くのご著書で紹介されていますね。
Posted by マチスケ at 2006年06月29日 12:10
               
雑談って奥深いですよね^^

ほんとなかなか話し続けられないものですよねぇ^^;ぽちっ
Posted by 笑顔整体の院長 at 2006年06月29日 12:32
               
この藤沢久美さんの本以前に
読んだのですが、すっかり内容を
忘れていました。

smoothさんの書評で思い出しました。
Posted by 栗原敏彰 at 2006年06月29日 17:22
               
「94%の〜」は読みました。

最初は、原書で読もうと思ったのですが、
なか見検索でちょっと見た瞬間、
速攻で訳本をオーダーしました。(T T)

Posted by Yoshizawa Accounting Office at 2006年06月29日 17:28
               
smoothさんこんばんは!
御用聞きって、コンシェルジュと同義・・・じゃないですよね??
いえ、ちょっと思っただけです。汗
色んな事例が載っているのっていいですね。
この間読んだ、ザ・プロフィットも色々あって面白かったです。
Posted by koji at 2006年06月29日 19:19
               
こんにちは。

雑談は難しいです。

セミナーなどで知り合いになっても、初対面の人とは話が続かないことは多いですね。

対、お客さんもそうです。

応援クリック!
Posted by タツ at 2006年06月29日 21:29
               
>斉藤さん

「御用聞き」って前からある言葉ですよ(笑)。
さすが若者は違う(笑)。

自転車はヨメが仕事に使っております。

>ニタさん

うーん、もうちょっと早く紹介しておけば(笑)。
西田社長の本は異様にアマゾンでの評価が低いのが気になりました・・・。

>hikaruさん

hikaruさんはこの本買ってよし!
活かせる部分がありますよ!

>ビルダーナースさん

あら、ナマ藤沢さんを体験済みでしたか(汗)。
この本以外では、最近株本を古瀬元アナと出してましたね。
でも、この本が一番のオススメかと。
Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年06月29日 22:21
               
>こばやしさん

私は「勝手に話す3分」なら得意です(笑)。
あと相手と同じネタがあるとラクですよね。

>マチスケさん

ルックスもお好きでしたか(笑)。
いえ、悪くないですよ。頭良さそうですが(笑)。
ご紹介のサイト、拝見しました。
私もDLしてみようっと。

>院長サマ

院長サマは全ての人に興味がある、「健康」話ができるじゃないですか(笑)!

>栗原さん

お!さすが栗原さん、お読みでしたか!
これで会社名が全部書いてあったら、メチャクチャプッシュしたんですけどね。

Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年06月29日 22:24
               
>吉澤さん

原書で読もうだなんて、ワタクシ生まれてこの方思ったことなぞございません(汗)。
訳本でも、なかなか良かったのではないかと。

>kojiさん

いえ、ほぼ同義語だと思いますよ。
「行くか」「待ってるか」の感覚的な違いはありますが。

それにしても「ザ・プロフィット」を面白いと言えるとは(汗)。
アレは修行ですから(汗)!

>タツさん

私も初対面の人とは続かないです(汗)。
それ以前に、名刺交換もあまりしないような・・・(汗)。

ダメじゃん、自分 _| ̄|○ ガックシ

Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年06月29日 22:27