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2006年05月07日

「ヤバい経済学 」スティーヴン・レヴィット&スティーヴン・ダブナー (著)


「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」
「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」スティーヴン・レヴィット&スティーヴン・ダブナー (著)


【はじめに】

◆おはようございます、smoothデス。

今日ご紹介するのは、一部では、原書の時点で話題になっていた(ラシイ(汗))名著、「ヤバい経済学」

「Freakonomics」(原書のタイトル)って何ですか???


【目次】

序章 あらゆるものの裏側
第1章 学校の先生と相撲の力士、どこがおんなじ?
第2章 ク・クラックス・クランと不動産屋さん、どこがおんなじ?
第3章 ヤクの売人はどうしてママと住んでるの?
第4章 犯罪者はみんなどこへ消えた?
第5章 完璧な子育てとは?
第6章 完璧な子育て、その2


【気になった点など】

◆今回、珍しく(笑)他の方のブログを覗いてみたところ、ネタバレに注意なさっている方がちらほらいらっしゃいました。

いやー、今まで私がこのブログでご紹介した中には、ネタばらしまくり(汗)の記事もあったのですが(汗)。

確かに、この「ヤバい経済学」の中には、結論を知って「え?マジ(汗)?」というものもあるので、かなりボカしてみますね。


★インセンティブ色々

「インセンティブ」については、こちら(はてな)をご覧下さい)


◆たとえば「嫌煙運動」について考えてみた場合。

○経済的インセンティブ

⇒1箱3ドルの「罪悪税」は、タバコの購入意欲をくじく強い「経済的インセンティブ」


○社会的インセンティブ

⇒レストランやバーでの喫煙が禁止されていることは、強力な「社会的インセンティブ」

○道徳的インセンティブ

⇒アメリカ政府が、テロリストはヤミでタバコを売って資金を調達していると主張するときは、耳の痛い「道徳的インセンティブ」

このようにインセンティブは「人にもっとよいことをさせ」「もっと悪いことをさせない」ための仕組みなのです。


◆ところで。

イスラエルの保育園では、「親が保育園に子供を迎えに来るのが遅れる」という問題がおきました。

導入されたのが、罰金制度です。

「迎えに来るのが10分以上遅れると、毎回3ドル」

さて、結果はどうなったでしょうか?

・・・って聞いてる時点で「効果が無かった」のは明らかのような(笑)。

世の中には「経済的インセンティブ」だけでは解決できない(「社会的インセンティブ」「道徳的インセンティブ」についてもあわせて考えなければならない)問題があるんですね・・・。


★黒人ギャング組織に関する一考察

◆アメリカにはクラックコカインと呼ばれる麻薬を販売(もちろんイリーガルです(汗))することにより主に生計を立てている、黒人ギャング組織が数多く存在します。

その組織構造は、実はほとんどのアメリカ企業と変わらないものだそう(汗)。

大金持ちが一人いれば、他に地べたを這いずり回っている構成員が何百人といるのです。

彼らの時給は、法による最低賃金以下(汗)。

しかも調査対象となったギャング組織では、4年間の間に4人に1人の末端構成員が殺されています(汗)。

何で彼らはそんな状況に甘んじていたのでしょうか・・・?

そうです。

ここにもインセンティブの存在があったのです(汗)。


★危険と恐れ

◆例えば、「死ぬ」ということ例に考えてみます。

▼子供が「家のプールでおぼれて死ぬ割合」は、プール11,000個あたり一人。

▼一方、「家にあった銃が原因で死ぬ割合」は、銃100万丁強あたり一人。

「プールで死ぬ割合」の方が約100倍も高いのです。

でもフツウに考えても、プールは怖くなくて、銃は怖いですよね(笑)。


◆専門家はこの恐れに頼って仕事をします。

自分が役人で、テロ攻撃と心臓病のどちらか一つを担当して予算を取り付けてこなければならないとしたら、議員さんたちが金庫を開けやすいのはどちらか考えてみましょう。


★完璧な子育て?

◆1990年代後半に、アメリカ教育省は「初等教育の縦断的研究(ECLS)」というものを行い、2万人以上の子供の、幼稚園から5年生までにわたる勉強の進み具合を計測しました。

このデータに基づき、「子供の試験の結果」に関係あるものと無いものが明らかになりました。

以下、どちらが関係あるのか考えてみてください(片方が「関係ある」ものです)。

○「親の教育水準が高い」&「家族関係が保たれている」

○「母親は最初の子供を生んだとき30歳以上だった」&「その子が生まれてから幼稚園に入園するまで母親は仕事に就かなかった」

○「家に本がたくさんある」&「ほとんど毎日親が本を読んでくれる」


この辺はモロにネタバレなので、詳しくは本書をお読み下さい(笑)。


【読後の感想など】

◆久々に知的好奇心存分に満たす一冊でした。

本当は上でご紹介した以外に、もっと激ヤバ(汗)な項目もあるんですよね。

「日本の国技の八○長疑惑」ですとか、「90年代のアメリカで犯罪が激減した原因は○○」ですとか(汗)。


◆前者については、何となく(笑)みんなそう感じているところに、かなり具体的な数字が突きつけられて、「ああ、やっぱり(涙)」というカンジです。

実はそういう何らかの勝ち星操作(?)があった後の、「最初の両者の対戦結果」の数値も出ていて、さらにダメを押されてみたり(涙)。

さらに後者については、あらゆる方面から非難ごうごうだったようです(ある意味アタリマエ)。


◆この本の終わりには、訳者(望月衛さん)のあとがきに代えて『「ヤバい経済学」のなにがどうヤバいのか」が収録されていて、これがまた著者の裏話やこぼれ話が満載で面白くって。

ビン・ラディン一派を捕まえるべく、「アルゴリズムを用いた銀行口座からの犯人割り出し法」をCIAに持ちかけた著者のレヴィットが、それが採用されずCIAを後にする際に、危うく何者か(笑)に拉致(?)されかかった話。

そして、急におまるを使わなくなった2歳の娘に、「経済的インセンティブ」を与える(おまるを使ったら、チョコレートをあげる)ことによって、一旦は成功したレヴィットが、4日にして娘に出し抜かれる話(笑)。

いや、ホントに笑えましたよ。


◆私は今までインセンティブとは「経済的合理性」のみを指すのだと思っていましたが、「社会的」「道徳的」にもインセンティブが存在していることを知った(気づかされた)のが大きな収穫でした。

純粋に金儲けにはつながらないかもしれませんが、知っておいたほうがいい考え方物の見方に溢れています。

というワケで、ハゲシクオススメ(汗)!

(参考:著者のサイト"Freakonomics"


【編集後記】

◆最近ムスメがヤダヤダ星人になってきますた(汗)。

子育ての先輩のみなさんから話には聞いていましたが、いったん気に入らないことがあると、何でもヤダヤダ(涙)。

6月にひそかに(笑)家族で海外旅行(グアム)に行こうと思っているのに、不安です(汗)。

この本に書いてあるインセンティブを上手く使えばいいのかなー。

でも著者のレヴィットもムスメさんに出し抜かれてるしなー(爆)。

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する


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ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する/スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー(訳) 望月 衛(訳) 望月 衛【書評ぽーたる】at 2006年12月31日 15:25
               
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この記事へのコメント
               
はげしくオススメなんですね^^

ものの見方かんがえ方ってそれぞれですしねぇ。

面白いものですね。ぽちっ
Posted by 笑顔整体の院長 at 2006年05月07日 11:01
               
こんにちは。

わたしも、手元にはあります。

ビジネスに、直結ではないですが、
おもしろそうですね。
Posted by こばやし at 2006年05月07日 11:21
               
smoothさんこんにちわ。
先日の東京出張時に是非お会いしたかったのですが、先方が旅費やらお食事代やらを負担していただいておりました手前、フルに打ち合わせに時間を割いておりました。
おかげでくたくたになってしまいました。
家具のネット販売プロジェクトをまかされることになり、かなり冷や汗状態です(滝汗

次回は是非お会いしたいですm(__)m

Posted by 週末起業サラリーマン・・・hikaru at 2006年05月07日 17:18
               
smoothさん、こんばんは

私もこれ半分くらい読みました。
ホントお勧め。

あまりに面白かったので、嫁に話したのですが、この本の良さは分かってもらえず。

私の説明力もまだまだです(笑)

ちなみに、ご存知かと思いますが、お子さんが初めての飛行機の場合、耳抜き用の耳栓を買っておいた方がいいです。(あと、グミとか飴も大量に)幼児は耳抜きできないですからね。
うちは出発と着陸の際、耳栓しても大泣きでかわいそうなことしました。
Posted by ten@10倍ブログ at 2006年05月07日 20:28
               
>院長サマ

とりあえず「面白い」本です。
何か目的があって本を読まれる方には、勧めにくいんですが(笑)。

>こばやしさん

>手元にはあります
ってことは積んであるだけってことですか(汗)?
騙されたと思って読んでみてください(笑)!


Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年05月08日 06:20
               
>hikaruさん

出張お疲れ様でした(笑)。
でも、すごいじゃないですか!
プロジェクト任されるなんて。

これでhikaruさんもいよいよ独立ですか(笑)?

>tenさん

他の方のブログにもあったように「みんなの意見は〜」とか「第1感」とかが面白い人はハマるみたいですね(どっちも買いました)。

ネタ隠しながら書いたら不完全燃焼だったんで、tenさんの記事に期待してます!

あと、耳栓の件ですが、ウチのムスメは結構飲み食いがハゲシイので、離陸時に飲み物を飲ませれば大丈夫かと思ってました。
でも大泣きされちゃうくらいだったら、言う事聞いて飲んでくれるか微妙ですね(汗)。
Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年05月08日 06:26
               
はじめまして。
以前から拝見してましたがコメントさせて戴くのは初めてデス。
まずはお詫び申し上げます。
hikaruさんの記事「ダイニングテーブルセット…」のアンケートの回答を、私は携帯電話からなのでコメント欄に書いたのですが、「苦労話などの物語は購入の…」という項目に「アマゾンアタッカーであり本のコンシェルジュでいらっしゃるsmoothさんがご紹介下さった『物語力』…」という風に勝手にお名前を出させて戴きました。
ごめんなさい<(_ _)>
あの、『ヤダヤダ星人』への対処法ですが秋野ようこ(←変換不可能デシタ)さんは「そういう時は私も子供みたいに【そんな事言っちゃヤダヤダ】って同じゼスチャーしてました。そしたら娘はなだめてくれる側になり、やめてくれたんです。」と言ってました。…もしよかったらお試し下さいませ。お嬢様に効果なかったらごめんなさい(>_<)
Posted by 「スーパーであったか接客レジ係めざして〜時給700エンのプロ意識� at 2006年05月27日 00:24
               
>瑠璃さん

お!こちらにもコメント頂いてましたか。
hikaruさんの記事で引用(?)されてらっしゃったのは存じてました。

イキナリ乱入するのもいかがなものかと(汗)思い、こちらでも自重していました。
実践的なブログで素晴らしいと思いますよー。
私なんか自分の仕事の話は「完全スルー」なんで(汗)。

ご紹介頂いた秋野暢子さんのやり方、以前所ジョージさんも似たような方法をされている事をテレビで知りました。
子供が泣き出したら、もっと大声で泣くのだそうです。
そりゃー子供はビビりますよねー(笑)。
Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年05月27日 11:59
               
こんにちはm(__)m
今回は掲載でなく、自分で記事を書いたのでただのトラックバックです。
当ブログには、恩もあり無言でトラックバックするのも悪いと思われたので、コメントさせていただきます。
ただの独り言ですから、別にお気になさらないで下さい。
Posted by 涼微 at 2006年12月31日 15:31
               
コメント、TBありがとうございました。
別ブログから流れてきたり、検索から訪問して下さる方が多いのは知っているのですが、コメントを下さる方はめったにないので、嬉しい驚きでした。

しかし、思いっきりネタバレしていて素晴らしいです。自分では忘れていたことをこちらで読んで思い出しました。

追伸:TB送りました(全く反映されていないようではありますが)
Posted by ふる at 2007年01月28日 12:05