2006年04月22日
「USEN宇野康秀の挑戦!カリスマはいらない。」和田勉(著)
【はじめに】
◆今日のUSENの宇野社長の本も、実は龍司さん、jetblueさんそしてニタさんがご紹介済み。
遅くなりましたが、私も参戦します(汗)!
見た目はイケメンですが、中身もイケてますよ(汗)!
【目次】
第1章 ネットテレビ「GyaO」への挑戦
ブロードバンド放送、出発前夜
正月のホテル役員会
「なんでもないけど、いいアイディア」 ほか
第2章 高くて遅い日本のインターネットを変えるGyaOへの道I
光で日本を救え
出遅れてしまった日本
「お前はクレイジーだ」 ほか
第3章 コンテンツへの傾斜GyaOへの道II
『オペラ座の怪人』も倖田來未も
エイベックスのバランサー
GAGAの改革は「俺がやる」 ほか
第4章 大阪有線からUSENへの革新
起業家の夢を追う
リクルートコスモスで学ぶ
インテリジェンスを起業する ほか
第5章 イケメン社長のアンバランス経営
真っ当さとベンチャー精神
カリスマではないリーダー
一つのボールを全員で追いかける「子供のサッカー」経営 ほか
【気になった点などなど】
今回はちょっと趣向を変えてみます。
題して・・・。
【登場人物の気になるフレーズ等】
★「なんでもないけど、いいアイデアです」(立ち上げ前に、「GyaO」についてサイバーエージェントの藤田晋さんが、宇野さんとの夕食の際に言った言葉)
◆誰でも「ブロードバンド」も「CMによる無料放送」も、アイデアだけなら誰でも考え付くものの、「宇野さんが本気でやるなら面白いと思う」と藤田さんは語っています。
★「インフラとコンテンツは、理論的なビジネスと感情的なビジネスという気がしますね」(「光ファイバーのブロードバンドサービス」とコンテンツサービスである「GyaO」について宇野さんが語った言葉)
◆インフラ系のビジネスは、ロジカルに計算できるものの、コンテンツ、例えば「この映画が当たるか」というようなものについて、宇野さんは「感情で判断していく」と言ってます。
★「僕は巻き込まれたかな、と思う部分もある。あの人は、人たらしだし、なおかつ謙虚、かつ冷静。自分一人ではできないと思っている。だから一緒にやる仲間が必要だと」(宇野さんの大学時代からの友人で、ともに「インテリジェンス」を立ち上げた、鎌田和彦さんが宇野さんを評した言葉)
◆この鎌田さんをはじめ、自称「コンテンツ屋」の高垣佳典さん、財務の専門家の佐藤英志さん、マッキンゼー出身のコンサルタントの加茂正治さんなども、みな宇野さんが、スカウト(?)して社内や子会社に配置し、必要に応じて相談しています。
★「それが大事なんです。経営者の勘というのは、普通の人より鋭いことがあって、どっちかわからないときは、勘に頼った方がいいんだ」(上記加茂さんが宇野さんに語った言葉。あることについて判断した宇野さんが加茂さんからその理由を問われ、「勘としか言いようがないけど」と答えた時のこと)
◆宇野さんはこのことについてさらにこう言ってます。
勘と言ってるのは、実は情報量なんだ。過去の経験則によるデータベースに基づいて言ってるだけのものだから、経験則以上のことは当てることができないんだと。
ビジネスの判断というのは、そういうことかなと思います。この事業はいけそうだとか、こうすればいいんじゃないかとか、それは勘で決めてるんですけど、それは経験則による勘です。
★「センスがよい人はいないかもしれないけど、でもセンスが悪い人はいるかもしれない」(経営センスについて宇野さんが語った言葉)
◆著者の和田さん曰く
さらに、リクルートの常務執行役員で、大学時代からの友人である峰岸真澄さんは宇野のアナロジーだと、経営でも、成功するために押さえるべきポイントは誰でも共通してある。そのポイントをつかめる人と、つかめない人がいる、ということになる。つかめる人のうち一生懸命に努力する人はある程度成功する、と宇野は考えているようだ。
と宇野氏を手放しで褒めています。「ゼロから人を集めて、売上高数十億円規模の会社を作り、株式上場するところまでは、できる人が多い。実際に、昔の仲間で何人かいる。宇野さんは、さらに、すでに何十年もある会社に単身乗り込んで、数年間で改革をやりきった。これには驚きました」
【読後の感想など】
◆不思議な読後感というか、この宇野さん自体が、今までに無いタイプ(?)の経営者なんだと思います。
大学時代の(当時流行りだった(笑))「プロデュース研究会」当時から起業は意識していたはずですし、実際にインテリジェンスという会社をその大学時代の仲間達と立ち上げ、さらには病気で倒れたお父さんの会社であるUSEN(旧大阪有線放送)を継いで、対外的にも社内的にも改革を推進した、と言う意味ではもちろん立派な経営者なんですが、どうもつかみどころが無いといいますか。
◆そのUSENの建て直しの部分だけ抵抗勢力というか、お役所にいじめられたり、社内的に理解されなかったりする部分があるものの、ほとんど敵を作ってないんですよ、この方・・・(汗)。
実際、先日のライブドアの件でも、ヒルズに乗り込んで行って、ライブドア社内で演説かました(?)ところ、大喝采を受けたというか、一発で社員の心を掴んだといった記事をどこかで読んだような(記事が見当たらないので違ってたらごめんなさい)。
◆当初、今回の記事はガチガチにビジネスモデル関係の話で固めるつもりで、途中まで書き上げていました。
また、経営論・組織論的な話も面白い部分(「会議が異様に長い」とか「時間に厳しい」とか新しい事業を全員で進める、通称「子供のサッカー」とか)があって、これらも織り込むと収集がつかないと言うか、1冊の本で2回に分けてばかりもいられないので、思い切って、個人的に「ふ、深い(汗)!」と思った部分のみをコメント中心で切り出してみました(笑)。
参考になりましたでしょうか???
◆ちなみに、宇野さんと私は思いっきり同世代でして(笑)、通称ヒルズ族より上の世代に位置するこの世代の経営者としては、他に楽天の三木谷さんや、グッドウィルグループの折口さんがいます。
「“教祖”降臨―楽天・三木谷浩史の真実」児玉 博 (著)
『「プロ経営者」の条件』 折口 雅博 (著)
三木谷さんの本はご本人じゃないですが、折口さんの本は、なかなかに骨太の一冊です。
これまた宇野さんとは全くタイプの異なる経営者なんですよ(笑)。
超正統派とでもいいますか・・・。
【編集後記】
◆実は昨日お話したヨメ&ムスメの事務所訪問にはも一つオモロイ話がありまして(笑)。
以前の記事で書いたように(確か)、ムスメはエラクお年寄り(特におじいちゃん)が好きなんですよ。
◆隣の事務所の女性職員が4,5人カワイイ〜とか言って寄ってきても全く無視。
ヨメの後ろに隠れてたんですよね。
ところがその事務所のおじいちゃん所長サンが来たらもうご機嫌(笑)。
ヨメが「じいじのところ行ってごらん」と言うと、テケテケ寄って行って、そのまま抱っこされてしまうというアリサマ(汗)。
・・・ちなみにその方とは初対面なんですが(汗)。
ご声援ありがとうございました!
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タイトルとその人のイメージがちょっと違う気がしますが、すごい経営者の方であることは、間違いないですね。
宇野さんは御曹司ですよね?
私とは世界の違う方のような気がしますが、
ライブドアに単身乗り込んで、
気持ちを掌握するあたり大変興味があります。
買いですか?
風邪のぶり返しは大丈夫ですか?
娘さん、カワイイですね〜。
おじさま(おじいさま?)好みですか。笑。
先日はアタックいただきまして恐縮です(笑
)ありがとうございます
そして、早速の記事
とても興味深く読ませていただきました
smoothさんが注目された部分をチェックしながら再度本を読み返しました(^^)
さすがsmoothさん、鋭いですね!
私から見た宇野さんの優れたところは
「人を背負ってあげる感覚」だと思います
明学のプロデュース研究会の頃に
培われたものだと思いますが
クライアントの要望を理解してあげて
望みを最大限に叶えようと必死に動く。。。
この感覚は、最近騒がれ始めたIT社長などには欠けているものだと思います
ライブドアを訪問してお話をした時も
自らUSENを引き継いだ時の苦労話も交えながら
当時の宇野さん自身と今のライブドアとを
重ね合わせて、頑張りましょう!と激励したそうで、この辺りの付き合い方もうまいなあと思います。
私の友人にUSENに勤務している方がいらっしゃって社長の話を聞かせていただいたことがあります。宇野さん、今後の動きが気になる方ですね。
たまに見ます。
いろいろなジャンルがありますからね。
Gyao で宇野社長の対談を見ていると、人の良さが分かりますね。決して自分の自慢話はせず、あくまで相手を立てる姿勢は見習うところが多いです(インタビュアーだからというだけではないと思います)
ちなみに、著者の名前を見て、元NHKのプロデューサで、駄洒落が多かった、和田ベンさんを思い出しました。(って、知らない人も多いのでしょうが(笑)
読めば読むほど(?)奥が深い方のようですよね、宇野さん(汗)。
正直、まねしたくても出来ないというか。
>hikaruさん
たとえ御曹司でなくても、USENとは関係なく、最初に起業した会社でそこそこ有名にはなれたと思います(マジ)。
>Kaoさん
今日もオジサマ好きが炸裂したんですが、その辺のことはまた別途記事にします(笑)。
完全にネタ提供者として扱ってますが(汗)。
お忙しい中、長文のコメントありがとうございます。
>「人を背負ってあげる感覚」
確かにそういう部分は強く感じますねー。
新入社員に宣言した手前、USENの正常化を約束期限までに果たしたとか、結構「誰かのため」的なモチベーションを感じました。
それと、「付き合い方」といえば、svexの依田さんと松浦さんの両方とも仲良くやっているというのは、ある意味すごいかと(汗)。
>マチスケさん
宇野さん、他のヒルズ族に比べると遅れて有名になった感じもしますが、ある意味本当の意味での「キーパーソン」だと思います。
今後も要注目です!
実は私は、GyaOを観たことないまま今回の記事を書いたので、ビジネスモデル論から逃げたというウワサも(汗)。
>tenさん
いやー、この本でも宇野さん「言葉を選んで」話すことが多くて(笑)。
一度GyaOも観ないといけませんね(汗)。
>「和田ベンさん」
確かに私も著者プロフ最初にチェックしましたよ(笑)。
しかも二人ともワセダという(汗)。
TBありがとうございます。
宇野社長の経営者としての哲学というか、行動、姿勢、全部、すばらしく、経営戦略を共に学んだ同志に、こんな人がいる〜とメールを打っておりました。
この本は何度読み返しても、いい感じです。
そして、折口さんの本も、読みました。少し前に。こちらの本も、熱くすばらしい哲学に貫かれた経営者を知ることができ、感動しておりました。
どんな時代でも、経営者は、経営哲学をもっていると思いますが、普遍的なものとして、社会への使命感、があるかと思います。
その使命感が、とても、透明感があるのが、宇野社長ですね。
物静かそうで、でも、熱い。
雰囲気が今まで前に出てきてた社長とはまた違ったオーラまとってますね。
それにしても娘さんは年取った人フェチですか^^;ぽちっ
お返事遅くなりました(汗)。
ブログ拝見して、とてもクオリティが高い文章を書かれていて感心しました(偉そう(笑))。
私はあまり「経営哲学」について論じられるほどお勉強はしてませんが、宇野さんのやり方は非常に参考になりました。
まねしたくても難しそうですが(汗)。
また機会がありましたらお立ち寄りくださいませ。
>院長サマ
あれ(汗)?
なんでこんな昔の記事に今さら(大汗)?
もしや全部の記事にコメントを???