2006年04月11日
『MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術』 くらたまなぶ (著)
しかもライブドアブログさんから、コメントの通知も来なくなっている(汗)ので、レス返し忘れたらスイマセン(汗)。
◆今日お届けするのは、昨日の記事との雑誌繋がり、というワケではございませんが、リクルートで「創刊男」との異名を取った、くらたまなぶさんのこの1冊。
ちょっと前の本ですが、アマゾンでも大好評!
実際、かなりの名作ですよ(汗)。
【目次】
【気になった点など】
★マーケティングとは?
◆中途入社でリクルートに入ったくらたさんは、マーケティングを全く知らず、上司からマーケティングの本を読むよう言われます。
しかし読んではみたものの具体的に何をすべきかはよくわからず・・・。
その後、雑誌の創刊をいくつか体験したくらたさんは、マーケティングを翻訳する(具体的な作業ベースに落とし込める日本語にする)と「人の気持ちを知ること」ではないか、と気づきます。
これをさらに4つの作業に分解するとこうなります。
1. 人の気持ちを知ること
2. それを言葉にすること
3. 言葉をカタチにすること
4. できたカタチを、ふたたび言葉で人の気持ちに訴えること
ちなみにそれぞれビジネス用語に言い換えると「ヒアリング」「市場の課題抽出」「商品への反映」「営業・流通・宣伝・広報」になります。
◆ただしこの中でもっとも大切なことは、1番最初の「人の気持ちを知ること」。
これをきちんと把握しないまま残りの作業を進めてしまうと、すべてが不完全になってしまいます。
★「市場調査」と「マーケティング」の違い
◆くらたさん曰く「『市場調査』は算数、『マーケティング』は国語」。
もうちょっとわかりやすく言い換えてもらうとこうです。
◆ただし、市場調査が必要ないわけではないです。
市場調査によって「仮説」ができ、それを検証し未来を予測するために、マーケティングの最重要点、すなわち「人の気持ちを知る」ことに労力を傾けないといけないのです。
★ブレストの4つの目的
◆ブレスト(ブレーン・ストーミング)をくらたさんは多用されています。
しかしその目的があやふやだと、効果がありません。
ブレストの目的とは、次の4つ。
ヒアリングとブレストを交互に行い、「夢」⇒「誰」⇒「何」と、まるで螺旋階段のように上へ上へと上がっていくのです。
★属性のワナ
◆「フロム・エー」の成功は、「職業」や「年齢」といった属性に囚われることなく、「夢」を聞き続けた結果だと言います。
創刊直前まで実は「職種別」だったのに、ギリギリになってから「興味別分類」に変えた結果は「表」と出ました。
◆ただし、属性の中で2つだけ気になるものがあるとか。
それは「家族兄弟構成」と、「小中学校時代の状況」(笑)。
詳しくは本書で(笑)。
★「感動ソフト」と「行動ソフト」
◆くらたさん曰く、「どんなメディアも盛り込まれるソフトは次の2つに集約できる」そうです。
◎「感動ソフト(エンターティメント)」
⇒メディアに接したユーザーは心を動かす
⇒新聞、雑誌、放送、映画、コンサートホール
⇒泣く、笑う、聴く、ジーンとなる・・・
◎「行動ソフト(アクション)」
⇒メディアに接したユーザーは体を動かす
⇒情報メディア、地図、電話帳、カタログ
⇒問い合わせ、予約、申し込み、買う、住む、食べる・・・
◆一方、収入源は「販売収入(ユーザー課金)」と「広告収入(IP課金)」の2つに集約できるので、メディア・ビジネスとは、実はこれらの組み合わせの計4種類に大別できることになります。
そして一般に「コンテンツ」と言う場合、「感動ソフト」ばかりが取り上げられてしまっている、とくらたさんは指摘します。
【読後の感想などなど】
◆正直かなり濃い本です。
伊達にリクルートで20年も修羅場くぐってらっしゃいません(汗)。
◆本当は講談社のKさんに勧められてずいぶん前に読んだのですが、内容が良かったため「いつかはマインドマップに(涙)!」と先送りして(逃げて(笑)?)いました。
ただ、あまりに濃すぎてキチンとマインドマップ化する自信もなく、それよりはまだお読みでない方にご紹介した方がよいのではないかと思ったわけでして・・・(汗)。
◆以前の記事にも書いたように、企業のトップになる人は「0を1にする人」と「1を10にする人」の2種類があると思います。
このくらたまなぶさんは圧倒的に前者です。
しかもその「0を1にする」方法論を、この本ではかなり詳しく述べられています。
◆割愛しましたが、「ヒアリング」と「ブレスト」の手法については、実際に業務で行われている人でも、是非一度目を通していただきたいです。
自分も大企業のサラリーマン時代「KJ法」とかやったことありましたが、形式的に「どのようにやるか」を気にしただけで、後は「思いつき次第」だったブレストが恥ずかしい(遠い目)。
◆なお、雑誌創刊に限らない、「誰でもできる起業マニュアル(小さな企画立案から新会社創業まで)」が、189ページ辺りに載っていますので、企画を仕事とされる方や「いつかは俺も!」と言う方は、ゼヒ買って下さい(マジ)。
もちろん、立ち読みしてからでも可(笑)。
◆それにしても、くらたさんの言葉に落とし込む技術はスゴイです。
「難しいことを難しく表現」する人は結構いますが、「難しいことをわかりやすく表現」する人には、純粋に憧れます。
読まれている方も多いと思います(今さらスイマセン)が、まだの方は是非(汗)!
【編集後記】
◆週末にヨメと自由が丘に買い物に出かけたムスメ。
お約束どおり(?)全く知らないお店のおばあちゃんと仲良くなってしまいました。
一生懸命お話しようとするムスメが気に入ったのか、おばあちゃんは試供品や小さなかわいい紙袋をたくさんくれたそうです(笑)。
将来が楽しみと言うか不安と言うか・・・(汗)。
クリックに感謝です!
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◆今日お届けするのは、昨日の記事との雑誌繋がり、というワケではございませんが、リクルートで「創刊男」との異名を取った、くらたまなぶさんのこの1冊。
ちょっと前の本ですが、アマゾンでも大好評!
実際、かなりの名作ですよ(汗)。
【目次】
1章 ちゃんとふつうに生活すること
2章 「人の気持ち」を聞いて、聞いて、聞きまくる
3章 「不」のつく日本語を求めて
4章 ひたすらブレストをくり返す
5章 不平不満をやさしい言葉でまとめる
6章 まとめた言葉をカタチにする
7章 プレゼンテーション―市場への第一歩
8章 「起業」―夢を見すえて変化に即応する
【気になった点など】
★マーケティングとは?
◆中途入社でリクルートに入ったくらたさんは、マーケティングを全く知らず、上司からマーケティングの本を読むよう言われます。
しかし読んではみたものの具体的に何をすべきかはよくわからず・・・。
その後、雑誌の創刊をいくつか体験したくらたさんは、マーケティングを翻訳する(具体的な作業ベースに落とし込める日本語にする)と「人の気持ちを知ること」ではないか、と気づきます。
これをさらに4つの作業に分解するとこうなります。
1. 人の気持ちを知ること
2. それを言葉にすること
3. 言葉をカタチにすること
4. できたカタチを、ふたたび言葉で人の気持ちに訴えること
ちなみにそれぞれビジネス用語に言い換えると「ヒアリング」「市場の課題抽出」「商品への反映」「営業・流通・宣伝・広報」になります。
◆ただしこの中でもっとも大切なことは、1番最初の「人の気持ちを知ること」。
これをきちんと把握しないまま残りの作業を進めてしまうと、すべてが不完全になってしまいます。
★「市場調査」と「マーケティング」の違い
◆くらたさん曰く「『市場調査』は算数、『マーケティング』は国語」。
もうちょっとわかりやすく言い換えてもらうとこうです。
なんとなく似ているようで、実は全然違うものなんですね。◎市場調査 ⇒ きのうまでの「人の行動」を数字で知ること
◎マーケティング調査 ⇒ 明日からの「人の気持ち」を言葉で知ること
◆ただし、市場調査が必要ないわけではないです。
市場調査によって「仮説」ができ、それを検証し未来を予測するために、マーケティングの最重要点、すなわち「人の気持ちを知る」ことに労力を傾けないといけないのです。
★ブレストの4つの目的
◆ブレスト(ブレーン・ストーミング)をくらたさんは多用されています。
しかしその目的があやふやだと、効果がありません。
ブレストの目的とは、次の4つ。
◆特に最初の3つを固めないと、「カタチ=商品」にはたどり着けません。1.「どんな夢を実現するのか」⇒「夢は?」
2.「誰に提供するのか」⇒「誰に?」
3.「何を提供するのか」⇒「何を?」
4.「どんなカタチにするのか」⇒「カタチは?」
ヒアリングとブレストを交互に行い、「夢」⇒「誰」⇒「何」と、まるで螺旋階段のように上へ上へと上がっていくのです。
★属性のワナ
◆「フロム・エー」の成功は、「職業」や「年齢」といった属性に囚われることなく、「夢」を聞き続けた結果だと言います。
創刊直前まで実は「職種別」だったのに、ギリギリになってから「興味別分類」に変えた結果は「表」と出ました。
◆ただし、属性の中で2つだけ気になるものがあるとか。
それは「家族兄弟構成」と、「小中学校時代の状況」(笑)。
詳しくは本書で(笑)。
★「感動ソフト」と「行動ソフト」
◆くらたさん曰く、「どんなメディアも盛り込まれるソフトは次の2つに集約できる」そうです。
◎「感動ソフト(エンターティメント)」
⇒メディアに接したユーザーは心を動かす
⇒新聞、雑誌、放送、映画、コンサートホール
⇒泣く、笑う、聴く、ジーンとなる・・・
◎「行動ソフト(アクション)」
⇒メディアに接したユーザーは体を動かす
⇒情報メディア、地図、電話帳、カタログ
⇒問い合わせ、予約、申し込み、買う、住む、食べる・・・
◆一方、収入源は「販売収入(ユーザー課金)」と「広告収入(IP課金)」の2つに集約できるので、メディア・ビジネスとは、実はこれらの組み合わせの計4種類に大別できることになります。
そして一般に「コンテンツ」と言う場合、「感動ソフト」ばかりが取り上げられてしまっている、とくらたさんは指摘します。
どの本を見ても「感動ソフト」のことしか書いていない。書いたご本人も、地図や電話帳やカラオケ目録を使っているはずなのに。
【読後の感想などなど】
◆正直かなり濃い本です。
伊達にリクルートで20年も修羅場くぐってらっしゃいません(汗)。
◆本当は講談社のKさんに勧められてずいぶん前に読んだのですが、内容が良かったため「いつかはマインドマップに(涙)!」と先送りして(逃げて(笑)?)いました。
ただ、あまりに濃すぎてキチンとマインドマップ化する自信もなく、それよりはまだお読みでない方にご紹介した方がよいのではないかと思ったわけでして・・・(汗)。
◆以前の記事にも書いたように、企業のトップになる人は「0を1にする人」と「1を10にする人」の2種類があると思います。
このくらたまなぶさんは圧倒的に前者です。
しかもその「0を1にする」方法論を、この本ではかなり詳しく述べられています。
◆割愛しましたが、「ヒアリング」と「ブレスト」の手法については、実際に業務で行われている人でも、是非一度目を通していただきたいです。
自分も大企業のサラリーマン時代「KJ法」とかやったことありましたが、形式的に「どのようにやるか」を気にしただけで、後は「思いつき次第」だったブレストが恥ずかしい(遠い目)。
◆なお、雑誌創刊に限らない、「誰でもできる起業マニュアル(小さな企画立案から新会社創業まで)」が、189ページ辺りに載っていますので、企画を仕事とされる方や「いつかは俺も!」と言う方は、ゼヒ買って下さい(マジ)。
もちろん、立ち読みしてからでも可(笑)。
◆それにしても、くらたさんの言葉に落とし込む技術はスゴイです。
「難しいことを難しく表現」する人は結構いますが、「難しいことをわかりやすく表現」する人には、純粋に憧れます。
読まれている方も多いと思います(今さらスイマセン)が、まだの方は是非(汗)!
【編集後記】
◆週末にヨメと自由が丘に買い物に出かけたムスメ。
お約束どおり(?)全く知らないお店のおばあちゃんと仲良くなってしまいました。
一生懸命お話しようとするムスメが気に入ったのか、おばあちゃんは試供品や小さなかわいい紙袋をたくさんくれたそうです(笑)。
将来が楽しみと言うか不安と言うか・・・(汗)。

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こんにちは!今週も元気良く頑張りたいと思います。宜しくお願いします。
最近、読んだ、Web進化論より、触発されまして、
グーグル・アドセンスを先週よりスタートしました。
予想以上の成果にびっくりしました。
一応、私の仕事上の問題もありますので、
...
MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術 くらたまなぶ【教えて会計 (30代のニタが送る経理の島】at 2006年04月13日 17:17
この記事へのコメント
smoothさん、こんにちは!
そう言えば、お客さんから、
「自由が丘 オフィシャルガイドブック」をもらったままにしていました(汗)、早く紹介せねば。
これは、傑作の分類ですね。
起業めざすひとは、絶対、読むべきでしょう。なんちゃって(笑)。
そう言えば、お客さんから、
「自由が丘 オフィシャルガイドブック」をもらったままにしていました(汗)、早く紹介せねば。
これは、傑作の分類ですね。
起業めざすひとは、絶対、読むべきでしょう。なんちゃって(笑)。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2006年04月11日 07:57
最近ライブドア安定しないですね^^;
予約投稿しても、
アップされてなかったりしますし(汗
この本は面白そうですね^^
ほしい本はかなりたまってるから、
読んでいきたいですねぇ^^;ぽちっ
予約投稿しても、
アップされてなかったりしますし(汗
この本は面白そうですね^^
ほしい本はかなりたまってるから、
読んでいきたいですねぇ^^;ぽちっ
Posted by 笑顔整体の院長 at 2006年04月11日 09:07
こんにちは。
この本は、良いですよね。
属性の罠は、あるなと思います。
属性ではなく、一人ひとりのことを思うと、良いように思いますね。
この本は、良いですよね。
属性の罠は、あるなと思います。
属性ではなく、一人ひとりのことを思うと、良いように思いますね。
Posted by こばやし at 2006年04月11日 10:13
ご無沙汰です。
このところ元リクルートの起業家の方々
とお会いすることが多いです。
リクルートノウハウを学べる
きっかけになるテキストとして
も一読してみたいと思っています。
ではまた。
このところ元リクルートの起業家の方々
とお会いすることが多いです。
リクルートノウハウを学べる
きっかけになるテキストとして
も一読してみたいと思っています。
ではまた。
Posted by YOSHI at 2006年04月11日 10:30
smoothさんこんにちわ。この本絶賛ですね。速攻買います。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2006年04月11日 17:12
>ニタさん
同感です。「起業」考えている人は必読ですね!
自由が丘ガイドは紹介しても誰が読むのか(涙)。
>院長サマ
そうなんです、実はこの記事も予約配信のハズだったんですが、見事に失敗(涙)。
大丈夫ですかね、ライブドア・・・。
>こばやしさん
やはりお読みでしたか(笑)。
属性については、ありとあらゆる(笑)セミナー等で問題視されてました。
それからさらに2つ付け加えたくらたさんは只者ではないですね(汗)。
同感です。「起業」考えている人は必読ですね!
自由が丘ガイドは紹介しても誰が読むのか(涙)。
>院長サマ
そうなんです、実はこの記事も予約配信のハズだったんですが、見事に失敗(涙)。
大丈夫ですかね、ライブドア・・・。
>こばやしさん
やはりお読みでしたか(笑)。
属性については、ありとあらゆる(笑)セミナー等で問題視されてました。
それからさらに2つ付け加えたくらたさんは只者ではないですね(汗)。
Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年04月11日 18:31
>YOSHIさん
もし読んでなかったら是非!
個人的には、リクルート関係者の本の中では一番好きです。
>hikaruさん
速攻でなくても結構ですから、hikaruさんは読まれたほうが良いと思います。
面白いですよ!
もし読んでなかったら是非!
個人的には、リクルート関係者の本の中では一番好きです。
>hikaruさん
速攻でなくても結構ですから、hikaruさんは読まれたほうが良いと思います。
面白いですよ!
Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年04月11日 18:33
こんばんは!
ムスメさんと一緒に、
買い物に行ってみたいです。
そんなよこしまな理由じゃ、ダメですか?
将来は、大物になりますよ♪
ムスメさんと一緒に、
買い物に行ってみたいです。
そんなよこしまな理由じゃ、ダメですか?
将来は、大物になりますよ♪
Posted by Kao〜ゆりのたね〜 at 2006年04月11日 23:30
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