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2006年04月10日

「ターゲット・メディア主義―雑誌礼讃」 吉良俊彦


「ターゲット・メディア主義―雑誌礼讃」吉良 俊彦 (著)


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【はじめに】

◆おはようございます。

先日記事にしたように実は元マスコミ志望だったsmoothデス。

業界としては出版、特に「雑誌」志望だったわけでして、当時憧れだったマガジンハウスのPOPEYEの編集部とか狙ってたんですが、ちなみに私の卒業年には会社としても採用がなかったという(笑)。

そんなPOPEYEも今年6月で創刊30周年だそうです。


◆以前参加したセミナーで、ホリ○モンに「雑誌に未来はないでしょう」とまで言われてしまいましたが、LEONの成功を含め、まだまだ死んではいない「雑誌」

サブタイトルが「雑誌礼讃」というこの本、果たしてその中身は(汗)?


【目次】

第1章 雑誌はターゲット・メディアのトップランナー

第2章 報道0円、情報0円の時代に起きた、雑誌をめぐるバトル

第3章 雑誌創刊のカギをにぎるリーダーシップ・マーケット

第4章 連綿と受け継がれてきたDNAで見る、主要出版社の雑誌遍歴

第5章 雑誌マップで見わたす、男性誌と女性誌の根本的な違い

第6章 雑誌の歴史史上、知っておきたい流れと動き

第7章 ティーン誌から始まった、雑誌の構造改革

第8章 改革はサラリーマン社会の裏側で起こっている


【気になった点などなど】

ターゲット・メディアとは?

◆一般的に従前のメディア媒体と言えば、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌ですね。

俗にこれらはマス・メディアと呼ばれていますが、到達速度到達範囲ごとに順位をつけると、総合的に最も劣ると思われているのが雑誌。

しかし雑誌は純粋に大衆(マス)に向かっているのではなく、ターゲットを狙って発信されています。

このように、ターゲットを狙った、強いアプローチ力を持つメディア。

「それこそがターゲット・メディアである」と著者は定義しています。


★本当にテレビは面白くなくなったのか?

◆昔に比べ紅白の視聴率が下がったことを含め、「テレビが面白くない」という人は、確かに多い気がします。

ただ、コンテンツのレベル的には決して劣化しているわけではなく、送り手側としてはむしろレベルアップしています。


◆それなのに何故このような意見が出てきたのかというと、ひとつには「受け手側もレベルアップしている」ということ。

視聴者である生活者の感性のレベルが上がってきているのです。

吉良さんは問います。

マス・メディアの担い手がマス(大衆)とみなす向こう側に、”みんな”は本当に存在するのか?


★セルフペイド・メディア

◆今までのメディアの中でお金を払って入手するという意識が希薄だったのが、テレビとラジオ。

また新聞は月極めでお金を払っているので、配達された時にはその金額を考えたりは普通しません。


◆しかし雑誌は、最近まで当たり前のように「お金を払って」入手していました。

それは「お金を払ってまでも読みたい」情報がそこにあったからです。


◆ところがインターネットの普及により、情報の価値が下がり、また、ホットペッパー、さらにはR25のように、本当にタダの雑誌までが人気を博すようになりました。

一般の有料雑誌はこれらに対抗した情報価値を創り出さなければなりません。

逆にそのような情報価値を創り出せないメディアが生き延びていくのは難しいと言えるでしょう。


★リーダーシップ・ターゲット

◆団塊世代(昭和22年〜24年生まれ)こそが、今の日本の基礎を築き上げました。

仲間と思想を語らい、仲間と行動をともにするのが彼らの生き方であり、世界観。

これをキーワードで表すと「集団・同化・みんな・チームワーク」等で、まさにマス・メディアが受け手としていた集団に他なりません。


◆一方、その後に生まれた世代で、上の世代と世界観を全く異にする集団がありました。

それが昭和30年生まれを中心とするリーダーシップ・ターゲット

自分の価値観を大事にし、自分なりの生き方を求めたこの世代を対象として、「an・an」「non-no」や「POPEYE」は誕生しました。

革命的な雑誌の流れのほとんどが、この世代あってのものなのです。


【読後の感想などなど】

◆自分が雑誌に思いいれがあるものですから(笑)、ついつい没頭して読んでしまいました。

あまり雑誌に興味がない方は、真ん中あたりの出版社のDNA等々のお話は是非スルーして下さい(笑)。

特に異性の雑誌については普通、知識も興味もあまりないハズですからね。

私はゼミの卒論で、女子大生の雑誌アンケートとかやった人間なんで、色々な意味で(?)楽しめましたが・・・(汗)。


◆一方、「女性誌は月刊誌がメインなのに対し、男性誌は週刊誌がメインである理由」ですとか、、「団塊世代と団塊ジュニア世代があまり雑誌を読まない理由」(逆に「リーダーシップ・ターゲットとそのジュニア世代は積極的に雑誌を読む傾向にある」らしいです)などなど、興味深い分析があったりもします。

どちらかの「性」に絞ったり、団塊世代を対象にしてビジネスされようとしている方は必読ですね(汗)!


◆また、そこまでのリアルビジネスでなくても、例えばメルマガ(元々「メールマガジン」ですもんね(笑))について、雑誌と同じように「情報価値」が作り出せないものは、今後(既に?)淘汰されていく運命にあるのではないかと。

もちろん、コンテンツの内容もなんですけど、ターゲットとする対象を意識した紙面作りも大事なのではないでしょうか?


◆本書を読んで、雑誌の考え方というのは、インターネットのサイト作りに近い部分があるのではないか、と個人的にふと思ってもみたり。

こういったブログにしても、ある意味雑誌的ですよね?

・・・このままでいいんじゃろか、自分(笑)?


◆というワケで、つれづれと書いてまいりましたが、本気でメディアと付き合いたい方にはオススメします!


【編集後記】

◆ここのところ、発熱→腹痛→胃痛といった風邪のローテーションのせいで、あまり食事をキチンととっていなかったせいか、ちょっと体重が落ちました。

ただ、ありがちなパターンで、下腹だけはあまり変わってないような(汗)。

ベルトの穴の位置が変わってないというアリサマ(涙)。


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この記事へのコメント
               
こんにちは。

たしかに、無料のメディアが増えていますよね。

有料には、有料のよさがあるのですが、そこまで求めている人が減っているのかもしれません。
Posted by こばやし at 2006年04月10日 13:47
               
無料のものほんと多いですよねぇ^^;
どんどん増えてますね。

雑誌でなくても情報が得られる時代なんですかね。

それにしても体重減るぐらい、
食べれてないんですね^^;

でもおなか周りは(苦笑)

腹筋しましょう(笑)ぽちっ
Posted by 笑顔整体の院長 at 2006年04月10日 14:27
               
smoothさんこんにちわ。雑誌をメディアとしての見方と広告媒体としての見方がアルと思いますが、前者は私は価値があると思っています。後者は、宣伝する商品やサービスによって、価値は大きく変わりますよね。後者では一度苦い経験をしています。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2006年04月10日 14:50
               
smoothさん、こんにちは!

>POPEYE
なんですね。
私は、ホットドックプレス派です。
理由は、どうなんでしょう、
青年向けの企画とかが、あったからでしょうか(笑)。
本読み出してから、雑誌はすっかり買わなく、さらに読まなくなりました。
日経ビジネス取ってても、読んでないかも(汗)!
Posted by ニタ@教えて会計 at 2006年04月10日 16:09
               
smoothさん、最近完全に書籍化を
意識しているんじゃないですか。

あまりにも本の紹介が完璧ですよ。
土井先生の教えにピッタリな感じです。

このビジネス書が期待できる!みたいな本が出来そうですね。

私もしらない新刊ばかり書いていますもの。まったくすごい!
Posted by 栗原敏彰 at 2006年04月10日 18:06
               
>こばやしさん

有料でも買いたい人がいるような誌面をつくらないといけませんよね。

サイトでもタダだからと言って、誰もが来てくれるわけではないですし・・・。

>院長サマ

おかげさまで、食欲もやっとでてきました!
久しぶりに腹いっぱい食べました。

あら(汗)!またベルトが・・・(涙)。

>hikaruさん

私もメディアとしての価値は十分あると思いますよ!
自分のブログもそういう価値あるものにしたいですしね!

それと「苦い経験」のお話は知りませんでした(汗)。
今度教えてくださいね。
Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年04月10日 21:07
               
>ニタさん

ホットドックプレスの方が、実践的だったような気もします。
一応、この本によるとPOPEYEとの違いは「DNAのせい」ってことになりますが・・・。

雑誌は実は私も買ったきりで読んでないものが結構ありますね(汗)。

>栗原さん

お褒め頂きありがとうございます。
今日明日くらいまでは、「よそ行き」でないといけない理由(?)がありまして。

ただ、書籍化は考えておりません。

土井さんの教えに従うと、自分らしさが失われそうな・・・(笑)。

「堅い本を柔らかく紹介」がモットウでございます(笑)。
Posted by smooth@マインドマップでビジネス書評 at 2006年04月10日 21:10