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2006年03月15日

「ゲームシナリオのドラマ作法」川邊(川辺)一外


ゲームシナリオのドラマ作法


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【はじめに】

◆今日お届けするのは、ゲーム、ドラマ等のシナリオライターであり、多くの学校や専門学校で講師を勤められている川邊一外(アマゾンの前著だと「川辺一外」となっていますが(汗))さんの最新作。

昨今、「物語力」の重要性がうたわれているだけに、見逃せない一冊です!


【目次】
第1部 基礎編
基礎1 ゲーム性とドラマ性―勝負と人間
基礎2 人間の構造―創作の根底
基礎3 ストーリーの作り方―環境と主人公
基礎4 ドラマとは何か?―行動の弁証法

第2部 実践編
実践1 発想の基本技術―発散と集中
実践2 トレーニング・ゲーム―頭脳のストレッチ
実践3 10本企画―自分は何を作りたいのか?
実践4 準備と執筆―ドラマ・ファクトリーを使う

第3部 理論編
理論1 「面白さ」の秘密―ゲームドラマの未来
理論2 悪とは何か?―生存と反生存のテーマ
理論3 台詞について―言葉と行動
理論4 自由と選択―インタラクティブ・ムービーへの展望

第4部 研究編
研究1 ドラゴンクエスト7―集大成の大作
研究2 ドラクエ8の構成―インタラクティブ・アニメの夜明け ほか

創作支援プログラム(ドラマ・ファクトリー創作秘伝ゲーム)

エンターテインメント映像の未来をみつめて―CEDEC2004ワークショップ・プログラム



【気になった点を要約】

★主人公の動機づけ

◆ドラマの主人公が投げ込まれた「環境」には、何か重大な「欠陥」があります。

「愛するものが不当に奪われ、殺された時」→「正義」

「独裁者に征服される」→「自由」


◆環境に何らかの「欠落」がある時、人間の自由な意志は、それを埋め合わせるための、懸命の補償行動を開始します。

ここに「主人公」が生まれ、ドラマが発生するのです。


★行動の弁証法

◆弁証法とは

決して矛盾があってはならないとする従来一般の「形式論理」に対し、世界の運動の原理として、矛盾を積極的にとりいれた論理の一形式で、古代のギリシャ哲学の「対話術」に端を発し、カントの「二律背反」を経て、19世紀のヘーゲルによって一応の完成を見たといわれています。

「環境」と「主人公」は「正」「反」の関係ではありますが、実は両者は別々には存在できず、お互いに依存しあっています。

いずれにせよ両者は真っ向から激突して、その間から突如として両者のどちらでもない「合」の結果を生み出します。

一本の映画ドラマはこの弁証法の構造を持っており、2時間前後の映画ドラマのほとんどが、7つのシークエンスで組み立てられています。

★「創造的な仕事」と「お役所仕事」の違い

◆お役所仕事は「過去に定められた法律や制度」を、そのまま現在に適用し、維持していく、つまり「未来は一種の過去」として予定され、指定されています。

しかし「創造的な仕事をする人」の時間はこれとは異なります。

未来に身を投げ、過去には無かった何か新しいものを現在に打ち立てるのです。

この場合、時間は未来から現在、過去に向かって逆方向に流れるのです。

・・・この辺は、神田昌典さんがよく言う「タイムマシンに乗って未来から眺める」というのに近いのかも。


【読後の感想などなど】

◆念のために申し上げておきますが、この本の後半は全部、特定のゲーム(RPG)の分析です。

ドラクエ7,8とファイナルファンタジーの9、10。それに「侍」「グランド・セフト・オート」「弟切草」「彼岸花」・・・って一つもやったことない自分(涙)。


◆しかも「弁証法」については、近所の本屋に4冊もあるという(笑)、「使える弁証法」の評判が私の周りではかなりいいんですよね(まだ読んでない(汗))。

値段も結構高いですし、ちょっと「素人(何の(笑)?)にはオススメできないな」、と(汗)。


◆ただ、個人的には前半部分だけでも、かなり勉強になりました。

実際、これからは「物語」ですとか「シナリオ」の考え方というのは、重要になってくると思います。

他人の共感を呼ぶのにも効果がありますし。

やはり、最後は感動ですよ。

・・・一人でうなづいてみました(汗)。


◆なお、著者が製作した創作支援プログラム「ドラマファクトリー」と「創作秘伝ゲーム」というネタ出しツール的なもの(PDFファイル)がネットでダウンロードできますが、そこまでここで晒してしまっては申し訳ないんで(笑)、興味のある方は本屋さんで確認してみてください(笑)。

コレを使うとフォーマットにのっとってシナリオが書けます。


【編集後記】

◆いやー、さすがにこの時期は忙しかったです。

「おじさん_| ̄|○ ガックシ」(汗)。


◆でも今まで全部断ってきた(単に先延ばし)仕事が明日から続々といらっしゃいます(涙)。

今度は逃げられません(笑)。


◆今日は久しぶりに夜、ムスメに会えそうなヨカン(笑)。

え?「だから記事を手抜きしたのか」ですって(汗)???

そ、そんなわけでは・・・(苦笑)。


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この記事へのコメント
               
このピンク本すごいですね!

>やはり、最後は感動ですよ

ごもっともですよね^^
感動を与えられる人になりたいです(汗

7つのシーケンスがめっちゃ気になります!

>コレを使うとフォーマットにのっとってシナリオが書けます(マジ)。

これアル意味やばいツールになります???

立ち読みしよっ!(立ち読みかよっ
Posted by 週末起業サラリーマン・・・hikaru at 2006年03月15日 20:41
               
smoothさん、こんばんは!

ちょうど、神田さんのライティングセミナーのDVDを、見ています。
やっぱ、面白いですね。もうちょっと、ライティング関係の本を読もうかな、って相変わらずインプットばっかりですが(笑)。

Posted by ニタ@教えて会計 at 2006年03月15日 21:34
               
7つのシーケンス。
ぼくも気になります。

いろんな国の古代の神話もある共通のシナリオがあるとかないとか聞いたことがあります。

多くの物語も分析すればパターンがよみとれるんですね。すごいですね。

>おじさん_| ̄|○ ガックシ

これでも十分面白いです^^
Posted by 2000の単語を超速で暗記する!ブログ 雄宇 at 2006年03月15日 23:54
               
7つのシーケンス。
ぼくも気になります。

いろんな国の古代の神話もある共通のシナリオがあるとかないとか聞いたことがあります。

多くの物語も分析すればパターンがよみとれるんですね。すごいですね。

>おじさん_| ̄|○ ガックシ

これでも十分面白いです^^
Posted by 2000の単語を超速で暗記する!ブログ 雄宇 at 2006年03月15日 23:55
               
娘さんに会えない日が続いてるんですか^^;

家族サービスもしてくださいね♪

編集後記いがい好きですね^^ぽちっ
Posted by 笑顔整体の院長 at 2006年03月16日 01:52
               
こんにちは。

お仕事お疲れ様です。

これからが、さらに大変なんでしょうが、
ブログもそこそこ(?)に。

シナリオと物語は、同じなんでしょうね。
ドラマや小説から学ぶことは多いですね。
Posted by こばやし at 2006年03月16日 11:21
               
smoothさん、ようやく個人の確定申告が
終わりましてたね。
でもまだまだ忙しそうですね。

毎回知らない本ばかり助かります。
ここまでくるとsmoothさんの領域ですね。
Posted by 栗原敏彰 at 2006年03月16日 11:48
               
smoothさん、お疲れ様です。
お忙しいのに、内容の濃い記事のアップ、
尊敬しています。
7つのシークエンスは、面白いですね。
ドラマや映画を観終えて、何となく、
大体同じ気分がするのは、
そういった所以からでしょうか?
最愛の娘さんと、一緒に過ごす時間が出来ますように!
Posted by Kao〜ゆりのたね〜 at 2006年03月16日 14:33
               
やっぱり最後は”感動”ですね!
・・・思いっきり納得です。

どうやって感動を創っていけるか
興味深い領域ですね。


Posted by YOSHI at 2006年03月16日 14:54
               
こんにちは。

>環境に何らかの「欠落」がある時、人間の自由な意志は、それを埋め合わせるための、懸命の補償行動を開始します。

もの凄く納得です。
たしかにそうですね。

>「使える弁証法」の評判が私の周りではかなりいいんですよね(まだ読んでない(汗))。

私も手元に置いてあるのですが、まだ読めて
ないです・・・。
Posted by LifeTrackBack at 2006年03月18日 15:32