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2012年05月15日

この『最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術』がすごい!!


最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術
最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、交渉術の専門家としてFBI交渉人の講師を務め、人質解放交渉をサポートしているマーク・ゴールストン氏の手による、実践的な1冊。

プライベートでも仕事でも活用できるコミュニケーションのノウハウが満載でした。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
FBIがしているようなタフな交渉だけでなくコミュニケーションはすべて交渉なのだと著者はいいます。
さらに人は自分自身とも交渉をしています。
人が生きていく限り、交渉とは無縁ではいられないのです。

タイトルや装丁はちと煽り気味ですが、かなりの良書だと思われ!!

なお、タイトルは久しぶりに「ホッテントリメーカー」のお世話になっております(微妙に地味ですがw)。


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【ポイント】

■1.心を動かす極意は"シフトダウン"だ
 車を運転して、急な坂道を上るところを想像してみてほしい。タイヤが空回りして、道路をグリップできなくなったら、あなたはどうするだろうか。
 車の運転をよくご存知の方なら、ギアを低い方へシフトする、つまリシフトダウンするはずだ。(中略)

 コミュニケーションで心を動かそうとするなら、同じことをすればいい。コミュニケーションが空回リするならば、まずはシフトダウンが必要なのだ。
 ところが「人に話を聞かせたい」「思いどおりに動かしたい」という気持ちが強くなるほど、人はアクセルを踏み込んで、どんどんシフトアップしてしまう。


■2.6つのステッブで「理解された」と思わせる
・相手の気持ちに合った感情表現の言葉を探す

・相手の感情について考えたことを伝える

・相手に考える時間を与える

・原因について質問をする

・前向きな気持ちを引き出す

・協力を申し出る


(詳細は本書を)


■3.相手をその気にさせる最強の質問
あなた:「実現は不可能だけど、もし実現できたらすばらしいと思うことはありますか?」

相手 :「それは○○○です」

あなた:「どうすればそれは実現できるでしょうか?」
 この質問の効果は、消極的で自分のことだけしか考えられない状態の人を、積極的な姿勢に変えることだ。この質問に答えようとすると、不可能な夢物語と思っていたことを、実現可能ととらえ直して、実現の方法を考える方向に進むことになる。


■4.魔法のパラドックス
「きみは『このプロジェクトは今の自分には無理だ』と不安に思っている。それに『そんな自分に、みんなが失望している』とも考えている。どうだろう」
 これが"魔法のパラドックス"だ。ここには2つのパラドックスがある。
 1つめは、相手がかくしている気持ちをあえて表に出させ「理解された!」と思わせること。それで相手を安心させ、信頼を勝ち取ってしまう。
 2つめは、消極的であることを認めさせ、積極性を引き出すことだ。


■5.共感のゆさぶり
「怒り」と「共感」は対極となる感情であり、この2つが同時に起こることはあり得ない。つまり、「共感」が起きた瞬間に「怒リ」は消えてしまうのである。

 このテクニックは、コミュニケーションが成り立たない2人の間に入って、調停するときに有効だ。どちらか片方が相手を非難ばかりしている、といった場合でもオーケーだ。
 ねらいは、対立している2人に、相手のことを考えさせ、共感を引き出すことにある。相手の悲しみ、恐怖、孤独感が理解できたなら、批判者のままではいられない。

(具体例は本書を)


■6."目線を合わせる"ための3つのポイント
●"上から目線"にならない
 相手を上の立場から説教したとしても、相手は防御を固めるだけで、まず効果は見込めない。少なくとも、本心は聞けないだろう。

●問題を指摘せず、質問する
 ケーススタデイでも父親は「友だちが問題を起こすのを止めなくちゃだめだ」などと自分の意見は言わず「問題を起こしそうなやつがいるだろ?」「もしそうなったらどうする?」と質問をしている。つまり、気持ちのうえでも、話のスタイルでも、目線を合わせる姿勢をとったのである。

●会話を続け、相手の本心を引き出す
 質問をすることで会話を続ければ、相手と共有できる情報を増やすこともできるだろう。


■7.パワー・サンキュー
 人に何かをしてもらった時に「ありがとう」と言えるのはすばらしい。それが礼儀というものだ。ただ、それだけでは、実務的コミュニケーションの域を出ない。(中略)
 受けた厚意への感謝が大きいなら「ありがとう」を超える言葉で応える必要がある。それが「パワー・サンキュー」である。パワー・サンキューはそれを受けた方にも、感謝や尊敬の気持ち、親近感がわき上がる。

<パワー・サンキュー 3つのステップ>
・感謝する
・相手の努力を認める
・変化を伝える

(詳細は本書を)


120106-D-BW835-003 / Secretary of Defense


【感想】

◆本書はまったくノーマークで、そもそも先日の気になる本の記事でも、チェック対象に入れておりませんでした。

ところが昨日書店で見かけて「あんだよ、35万部いった『心を上手に透視する方法』の2匹目のどじょうかYO!」と思いながらも手に取ったら、「あら面白い!」

ポイントの最初で挙げた「シフトダウン」のお話で「ふむふむ、なるほど」と思いつつ、続くケーススタディである「自殺志願者とFBI交渉人チームの対話」を読んで、即買いを決意しました。

ちなみにケーススタディ自体は長くなるので割愛しましたが、上記ポイントの4番目の「魔法のパラドックス」が的確に使われております。


◆第2部では、「心を動かす9つのセオリー」として、説得のロジックが。

小見出しを拾っても

『心のフィルターをリセットせよ』
『 興味をひこうとするな。興味を持て』
『 「自分には価値がある」と感じさせよ』
『 自己認識のずれを正しておけ』
『 弱みをかくすな。武器にせよ』

等々、普通だったら、これで記事が書けるような美味しいネタが揃ってるのですが、ほとんど丸ごと割愛しております。

というのも、続く第3部が、本書の一番のメインディッシュだから。


◆その第3部は「一瞬で心を動かす12のテクニック」と題して、TIPS集が展開されています。

本エントリーでは、ポイントの3以降すべてこちらから抜粋。

そもそもケーススタディ部分がないと分かりにくいものの、そこを抜きだすとかなり長くなってしまうので、引用するにしても最低限の量にしてみました。

ただ、フレーズだけ抜いても前後の会話部分がないと、やはり分かりづらいかもしれません。

この辺りは、できれば本書で直接読んで頂きたいところです(スイマセン)。


◆そして、これらを踏まえた上での実践編が第4部。

『問題児ばかりのチームをどう率いるか』
『新しい仕事で、早く認められるには』
『要望が次々に変わる顧客に対応する』
『印刷会社の新規顧客開拓』
『毎年実現しない「今年の目標」を実現させるには』etc...

といったケーススタディに対して、本書のテクニックをどう組み合わせて使うかが言及されています。

他人を説得する必要がない方でも、最後の「今年の目標」うんぬんのところは一読の価値があるかも……?


◆「交渉」や「説得」というと堅苦しくなりがちですが、本書のスキルは、私たちの生活のあちこちで使うことができそうです。

特に、夫婦や親子の関係が上手くいってない場合なら、きっと良い効果が期待できるハズ。

また、自分が問題を抱えていなくても、まさに「FBI交渉人」のように、相手をなだめたり、争っている双方を和解させたりすることも可能に感じました。

……読んで納得するのと、実際にやるのとでは、またハードルの高さが違うことは分かっておりますが。


これはオススメせざるを得まえぬ!

最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術
最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術
第1部 心を動かす2つの秘訣
第2部 心を動かす9つのセオリー
第3部 一瞬で心を動かす12のテクニック
第4部 実践編 心を動かす交渉術を磨く


【関連記事】

リア充がひた隠しにしていた『敵を味方にする19のテクニック』(2011年10月05日)

【読心術】『心を上手に透視する方法』トルステン・ハーフェナー(2011年09月05日)

アルファギークもびっくり 驚愕の「FBI式 人の心を操る技術」(2010年06月28日)

【サイン】『さりげなく「人の心をつかむ」技術!』に学ぶ8つのポイント(2010年08月02日)

【性格判断】「一瞬で相手の性格を見抜く技術」で参考になった7つのポイント(2010年07月04日)

【ウソ看破?】「相手の隠しごとを丸ハダカにする方法」デビッド・J・リーバーマン(2010年04月02日)


【編集後記】

◆この本もまったくノーマークでした。

神田昌典の英語の近道
神田昌典の英語の近道

神田さんの「失敗と成功にもとづいた最短・最速の英語学習法」ということで、これはちょっと気になりますね。


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この記事へのコメント
               
おはようございます。僕も先日、別の書籍を購入しようと思っていたところ、表紙のかっこよさに惹かれて購入しました。
僕は高齢者福祉で働いていますが、福祉の現場でも活用可能と判断しました。
本書の技術とケーススタディを読みながら今までの自分の発言や対応を振り返ることができそうですよね。
Posted by 岡本大輔 at 2012年05月16日 04:51
               
>岡本大輔さん

コメントありがとうございます。
お!私と同じくリアル書店で購入済みでしたか。
サスガです。

おっしゃる通り、福祉の現場でも実践可能だと思います。
記事には書かなかったのですが、私も子育てで実践するつもりですし。


今後とも宜しくお願いします!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年05月16日 05:10