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2022年07月28日

【偉人の裏側?】『あの偉人は、人生の壁をどう乗り越えてきたのか 視野が広がる40の考え方』真山知幸


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あの偉人は、人生の壁をどう乗り越えてきたのか 視野が広がる40の考え方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも、注目を集めていた1冊。

偉人本には定評のある真山知幸さんが、「偉人たちの知られざる一面」を明かしてくれる作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
逆境、困難、不条理。私たちの目の前には、たびたび「人生の壁」が現れる。
そんな時、ふっとこんな考えが頭をよぎる。
先人たちは、人生の苦難をどう乗り越えてきたのだろうか?
困難を乗り越えるヒント、そして勇気が欲しい――。
本書は、歴史上の人物たちが苦悩や葛藤を乗り越えてきたエピソードから、困難を打開するために必要な「視野が広がる40の考え方」を紹介。

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Stan Lee, Jim Henson & George Lucas busts / Gage Skidmore


【ポイント】

注:以下敬称略します

■1.尊敬する人に無視されたシューベルト
シューベルトは敬愛するゲーテの詩に曲をつけて、気持ちを込めた手紙とともに、「ゲーテ歌曲集」の楽譜をゲーテ本人に贈っている。
「私のようなつまらない者のこともお覚えいただけますならば、私にとって生涯で最高の出来事となることでしょう」
 だが、ゲーテからは楽譜が送り返されてきただけ。完全に無視されたのだ。
 尊敬する人にも相手にされず、就職も中途半端。何をやってもうまくいかないじゃないか。その鬱屈した思いがまたシューベルトを作曲へと駆り立てる。
 この時期にシューベルトは、最も多くの曲を作っている。それどころか、教会で演奏する機会を立て続けに得て、初めて公の場で自分の曲を演奏。作曲料を初めて手にしたのも、この不遇の時期である。


■2.仕事を任せられなかったルーカス
 それでもルーカスは文句を言わなかった。他人に任せると決めたのは自分だ。60時間にも及ぶフィルムと格闘しながら、撮影済みのシーンを組み立てる。だが、出来栄えをカーシュナーらに厳しく批判されると、ルーカスはキレる。
「あんたらが僕の映画を台無しにしているんだ! メチャクチャにしたのを僕が直してやろうとしているんじゃないか!」(中略)
 ルーカスは映画を立て直さなければ、と必死になるあまり自分を見失ってしまったと後に反省する。「僕は自分でどうにもできないことに腹を立てたんだ」。
 冷静になったルーカスは、カーシュナーに改めて意見をもらい、提案通りに映画を再編集。その結果、良い出来上がりになったという。ルーカスはカーシュナーから、撮影ペースだけが重要ではないことや、キャラクターと構成をより吟味することを学んだと振り返る。


■3.辛い過去ゆえに出世街道を走った大久保利通
 だが、大久保を待っていたのは、想像をはるかに超える困窮だった。せっかく得た役所の仕事も失うことになり、大久保家は食べることもままならない状態へと追い込まれることになる。(中略)
 3年の月日が経ち、父は島から帰ることが許される。苦境を凌いだ大久保が目にしたのは、髪は真っ白になり、やせ衰えた父の姿だった。
 大久保がなりふり構わず、出世の道をかけのぼるのは、それからしばらくしてからのことである。
 二度も島流しにされた西郷に比べて、大久保は「権力に愛されていた」というイメージが強いが、青年期に地獄を経験していた。だからこそ、二度とそんな目に 遭わないように、大久保はいつも権力の中心にい続けるべく努力したのだろう。


■4.社会不適合者だった江戸川乱歩
 乱歩は大学卒業後、大阪の貿易商社で働き始めるが、わずか1年で脱走。住み込みだったため、職場の人と絶えず顔を合わせる環境が耐えられなかった。(中略)
 次は造船所で職工に読ませる雑誌の編集を行った。最初は夢中になったが、段々と出勤が嫌になる。このときもわずか1年で退職している。(中略)
 腰が定まらず、職を転々とした乱歩。どうしても、せいぜい半年から1年で会社を辞めてしまう。理由は、妄想癖だけではない。乱歩は朝起きるのが非常に苦手だった。
 だが、27歳のとき失業中に2週間で書きあげた『二銭銅貨』という小説を雑誌に投稿すると、乱歩の人生は一変。次々と注文が舞い込むようになる。
「小説家になって、やっと朝起きなくてもよくなり、毎日きまりきった勤めをしなくてすむことになったので、やっと助かったのである」


■5.常識にとらわれなかったシャネル
 シャネルからすれば、みなが従う「常識」こそがビジネスチャンスとなった。女性はコルセットで身体を窮屈に固めるのが当たり前の時代に、シャネルはジャージー素材で動きやすい服装を提案。その後も、スカートばかりの女性の服装にパンツルックを取り入れたり、喪服や男性の色とされた「黒」を女性のドレスに使ったりと、シャネルは潜在的なニーズを掘り起こしながら、自らムーヴメントを巻き起こしたのだ。(中略)
 常識に抗い、新たなトレンドを創り続けたシャネル。針子たちのストライキに対して、あてつけのように閉店を決行。15年間も姿をくらましている。
 経営者としては失格だが、シャネルには「働けるのは素晴らしいこと」という、譲れない考えがあった。71歳でカムバックを果たすと「時代遅れだ」という批判を跳ね返すべく、ツイード素材の「シャネルスーツ」で大ヒットを飛ばす。
 再びモード界の女王の座に返り咲いたシャネルは、87歳で生涯を閉じる。亡くなる直前まで、ただただ仕事に魂を燃やした。


【感想】

◆偉人たちのエピソードが満載の作品でした。

普通、こういった卓越した人を集めた本ですと、「名言集」になることが多いのですが、本書はあくまで「その人の歩み」を追ったもの。

結果、ある程度ボリュームをもって引用せねばならず、引用できるポイントもいつもと同じ5つになってしまいました(名言集ですと7とか10にできるのですが)。

……もっともそれなりの量を抜き出しても、まだ意味や背景が分かりにくい部分もあるのですが。

また、登場する人物のジャンルもさまざまです。

政治家、実業家、作家、作曲家、また、映画監督や発明家等も登場しており、一応上記ポイントを抜き出す際には、ジャンルをばらけてみた次第。

なお、登場する40人は全員名前は知っていたものの、そのエピソードの中には初めて接するものもありました。


◆たとえば上記ポイントの1番目のシューベルトにも、ここで抜き出したように、まったく売れない時期があったとのこと。

しかし、ここで挙げた屈辱にめげず、作曲を続けていたところ、宮廷劇場の花形歌手ミヒャエル・フォーグルがシューベルトの歌曲に魅了されて、あちこちで歌うようになったのだそうです。

それを契機に、シューベルトはますます音楽活動に没頭。

31歳で腸チフスで他界するまで、600曲以上の歌曲を作曲したのでした。

ちなみに、この逸話は第1章の「逆境を跳ねのけたい人へ」からのものであり、ここでは他にもモハメド・アリや吉田松陰、同じく作曲家のモーツアルト等々も登場しています。

また「所得倍増計画」で知られる池田勇人が、「落葉状天疱瘡」という難病に苦しんでいたことは、まったくの初耳でした。


◆続く第2章の「仕事の壁に悩む人へ」からは、上記ポイントの2番目のジョージ・ルーカスのお話をセレクト。

ここで登場するカーシュナーというのは、映画監督のアーヴィン・カーシュナーで、ルーカスと編集で揉めたのは、スター・ウォーズシリーズの第2作である「帝国の逆襲」でのできごとでした。

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……すいません、スターウォーズシリーズって、全部ルーカスが監督をしているものだと思っていたのですが、そうじゃなかったんですね。

また、この章では武田信玄が登場しており、信玄が家臣思いだったとされているのも、実は家臣を恐れて気を遣っていたいたのでは、と推理されています(詳細は本書を)。

同じくイメージと違う、と感じたのが、上記ポイントの3番目の大久保利通。

盟友である西郷隆盛(彼も第4章に登場します)に比べて、スマートな印象がありますが、父親が島流しにあって激貧に苦しんだ時期があったのだそうです。

そういう目にあうと、二度と味わいたくない、と必死になるのも当然かもしれませんね。


◆一方、第5章の章題は「『ダメな自分』にヘコむ人へ」。

職業別にみると「ダメな人」だらけ(?)の「作家」から、上記ポイントの4番目で江戸川乱歩を選んでみました。

ただ確かに乱歩は、職をコロコロ変えたりして、「ダメ」な部類に入るのかもしれませんが、まだいい方な気が。

何せ同じ第5章には、2回の自殺未遂の後に愛人と心中した太宰治も収録されており、こちらの方がダメさ加減では上のような。

ただ、太宰のパートのまとめが
「99%ダメ人間でも、1%だけ真摯に向き合えば報われることもある」
というなかなか救いのないものだったので、乱歩を選んだ次第です。


◆そして最後の第6章から抜き出したのが、上記ポイントの5番目のココ・シャネル。

ファッション的な話はそれなりに知っていましたが、経営者としてはストライキをくらっていたのだとは。

というのも、アトリエで働いているお針子さんたちを労働条件お構いなしに働かせた(フランスは労働条件が厳しく制限されているのだとか)のですから、自業自得。

しかも姿をくらましていたのが「15年間」というのは、ワケが分かりません(それでも受け入れる業界もスゴイですが)。

なお、この第6章には、おなじみスティーブ・ジョブズがいるんですけど、ジョブズの専制君主ぶりは皆さんご存じでしょうから、普通に割愛させていただきました。

ぶっちゃけ、こうした偉人たちの言動がどこまで私たちの参考になるかは分かりませんが、知識として知っておくのも良いかと。


「人生の壁」を乗り越えたい方に!

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あの偉人は、人生の壁をどう乗り越えてきたのか 視野が広がる40の考え方
第1章 逆境を跳ねのけたい人へ
第2章 仕事の壁に悩む人へ
第3章 成功者が「うらやましい」と思う人へ
第4章 「不器用な生き方」しかできない人へ
第5章 「ダメな自分」にヘコむ人へ
第6章 「人と違うこと」を恐れる人へ


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