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2022年05月23日

【マインド?】『勉強が面白くなる瞬間――読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』パク・ソンヒョク


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勉強が面白くなる瞬間――読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも一番注目を浴びていた勉強本。

すでに土井英司さんがメルマガでレビューしていますから、お読みの方も多いかもしれません。

アマゾンの内容紹介から。
受験大国・韓国で40万人が熱狂した秘伝の書。中高生の98.4%が「勉強したくなった」と証言! 刊行から7年、ついに日本上陸! テクニックにいっさい頼らない、これまでの常識を覆す勉強の本質がわかる!

中古価格の定価の2倍以上しますから、「10%OFF」のKindle版がオススメです!






study hard! / ▓▒░ TORLEY ░▒▓


【ポイント】

■1.「慎独(しんどく)」を実践する
「慎独」とは、周囲に誰もおらず一人でいるときも、人前にいるときと同様に気持ちを引き締めないといけないという、昔の人の教えです。一人でいるときこそ、その人の本当の姿が現れるものです。一言で言うと、自分自身を 騙さない「正直さ」と「自制力」を持つべきだという意味です。勉強する人こそ、この慎独の精神を備えなくてはなりません。勉強は徹底して「一人」で行う作業です。勉強しろと言って誰かを無理やり座らせることはできても、座って「何を」「どれだけ」やるかは、その人の心にかかっていますから。
 正直に努力を積み重ねさえすれば、必ずうまくいきます。「今回こそは本物だ!」と言えるほど自信に満ちた決心があれば、あなたは必ずうまくいきます。後悔しない決心、「未来の自分」に対して胸を張れるような決心さえあれば、あなたは必ずうまくいきます。
 私は信じています。あなたは間違いなく「根の深い決心をする人」になるでしょう。


■2.「いま、ここ」に没頭する
 勉強のマスターたちは、こぞって「没頭のマスター」でもあります。勉強するときは、「いま、ここ」に没頭するのです。勉強に集中するには、「いま、ここ」のことだけ考えなくてはなりません。過去や未来のことを考え、あちこち気が散っているようでは、絶対に勉強に集中できません。雑念にとらわれている状態で、どうして一つのことに没頭できるでしょうか。「いま、ここ」のことだけを考えてこそ、「没頭の瞬間」が訪れるのです。
 人間の体は過去や未来に行こうと思っても行くことはできません。「いま、ここ」にだけ存在します。しかし、心は違います。少しでも他のことに気を取られれば、心は素早く逃げてしまいます。「いま」に留まらず、過去に後戻りしたり、未来に飛んで行ってしまいます。「ここ」に留まらず、わけも分からない場所をさまようことになります。そうやって心を手放してしまうと、没頭とか集中どころではなくなってしまいます。恐ろしいほどの集中力は、勝手に湧き出てくるものではありません。「いま、ここ」にしっかり心を向けて、雑念をきれいさっぱり取り払ったとき、初めて没頭が可能になるのです。


■3.背筋を伸ばして座る
 勉強する気がある子は、座る姿勢からして違います。定規で測ったように背筋をピンと伸ばし、微動だにせず集中していました。はたから見る者も感心するほどでした。自習室の中は緊張感で張り詰め、冷ややかささえ感じられました。いまでも忘れられない子どもが何人かいるほどです。
 逆に、やる気のない子は姿勢が崩れていました。(中略)
 慶熙(キョンヒ)大学医学部の研究で、姿勢が悪いと勉強ができないことが科学的にも証明されました。悪い姿勢で座っている人の血液を調べると、乳酸などの疲労物質が大量に分泌されているというのです。
 つまり、姿勢が悪いと長時間じっと座っていることができないというわけです。姿勢の悪さは脳波にも悪影響を与えます。ある論文によると、姿勢が歪んでいると脳への酸素供給が滞り、集中力をつかさどる脳波の「アルファ波」と「シータ波」が表れなくなり、作業効率が悪くなるといいます。勉強しようと椅子に座ると頭がぼうっとする現象は、コンディションではなく「姿勢」が犯人だったのです。


■4.おすすめの3つのルーティン
●スケジューラー
 朝起きて机に向かったら、まずはスケジューラーを使います。今日1日で何を勉強するのか計画を立てるのです。計画を1行に一つずつ、分量も同時に書き記すようにします。
●タイムシート
 スケジューラーが勉強「する」予定のリストだとしたら、タイムシートは勉強「した」結果のリストです。タイムシートは勉強の合間に書く時間記録表です。こまめに書いておくと、時間の質が上がります。
●ストップウォッチ
 本当に勉強に集中している時間を、ストップウォッチで計ってください。一瞬でも勉強と関係ないことを考えたり、トイレに行ったり、お尻を椅子から離して「他のこと」をしに行くときは、ストップウォッチを止めてください。そして勉強を再開するときに再スタートします。


■5.成績不振を先生のせいにしない
「物理の先生が嫌いだから、物理の成績は最悪だ」というのも、あまりに無責任な話です。人生の主人公が誰なのか忘れてしまったのでしょうか。これは「私は勉強する気がありません!」というセリフを言い換えただけです。物理の先生と物理の科目は別のものだし、あなたの物理の点数はあなたのものであって、物理の先生のものではありません。さらに言えば、同じ先生に習っていても100点を取っている人はいます。いっそのこと正直に「勉強したくない」と言えば、心を引き締める工夫くらいはできるのに、先生を言い訳にしてしまうと解決策がなくなります。責任を他人に転嫁してしまうからです。こんなことでは、自分を成長させることはできません。
 成績表をもらったら、まず自分を振り返りましょう。先生のせいにして自分の欠点を隠してはいけません。


【感想】

◆今まで当ブログでご紹介してきた勉強本とは、ちょっとテイストが違う作品でした。

1つには、韓国でベストセラーであるということで、あちらの勉強並びに受験事情を反映しているのかもしれませんが、冒頭の内容紹介にもあるように、テクニック的なお話が極めて少ないということ。

これが韓国の勉強本として、王道なのか異質なのか分からないものの、たとえば上記ポイントの1番目にあるように、メンタルというか、マインド重視な感じです。

もっともこれも、いわゆる「グリット」だと考えれば、その先に「成功」がある、というのは当然なのかもしれません。

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やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

参考記事:【グリット?】『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース(2016年09月12日)


◆もう1点感じたのが、そこはかとなく「目上の人を立てる」傾向があること。

たとえば今回は割愛していますが、両親それぞれに対する感謝の念を持つよう促している描写がありました。

もちろん、勉強することができる環境にいるのは、多くの読者の場合、両親のおかげであることが大きいですから、当然と言えば当然なのですけど、それって勉強法以前のもっと根本的なお話であり、そこから指南していくのか、と。

さらには、上記ポイントの5番目のように、「先生」をも「聖域」にしています。

確かに「他責」の傾向がある人は、成績が伸びないというのはよく言われていることとはいえ、塾や家庭教師のように変える事が可能であれば、そうした方がいいこともあるような?

実際、うちのムスコも小学生時代の塾で、上位クラスに入れるとお気に入りの某先生(ムスコいわく教え方が上手い)に教えてもらえるので、それを目標に頑張るということもありましたし。

この辺は韓国の儒教文化の絡みもあるのかもしれません。


◆一方、「目からウロコだったのが、上記ポイントの2番目の「いま、ここ」。

これって、思いっきり「マインドフルネス」の考え方ですよね?

本書では特にそういう指摘はないものの、私が知っている限り、勉強本でマインドフルネスに言及した作品はなかった気がします。

なお、それなりのボリュームで抜き出していますが、本書ではこうした「没頭の仕方」について、もうちょっと詳しく書かれていますから、そちらもぜひご覧ください。

特に「脳を小川で洗うところを想像する」とか「腹の上に地球が乗っているのを想像する」といった辺りは、中途半端に抜き出しても分かりにくかったので割愛しております。


◆ちなみに、テクニック的な話がまったくないかというと、そうでもなくて、上記の「没頭の仕方」や、上記ポイントの4番目のルーティンのお話は、当ブログ向きではないか、と。

たとえばスケジューラーと言いますか、勉強の予定を組むのは、類書でもおなじみでしょう。

ただ、タイムシートは、仕事術本では見かけるものの、勉強本では「何分間、何をやった」まで書かせる本は記憶にありません。

しかも、その勉強時間をストップウォッチでタイトに測るというのは、かなり本格的です。

でもこうやってきちんと測ると、「実際の勉強時間はとんでもなく少ない」という指摘も当然かも。

とはいえ、こうした無駄な時間を意識するようになると「いつのまにかストップウォッチに表示される数字はびっくりするほど増える」そうですから、やってみる価値は大きいと思います。


◆なお、上記ポイントの3番目の姿勢のお話は、「勉強の意欲を生む7つの習慣」からのもの。

そのトップがこの「姿勢」なんですけど、類書でもおなじみですよね。

もっとも後半部分の「科学的に証明された」お話は初めて知りましたので、姿勢の悪いムスコにも音読させたいところ。

同じく「7つの習慣」の1つである「ながら習慣をやめる」の中に、「音楽を聴きながら」も含まれていましたので、ヘッドフォンしながら勉強しているムスコにもここは読ませなければ。

他にも「ノートの取り方」や「机やカバンの状態」の話も、まさにムスコに向けたもののようで、結局、暗記法とか記憶術以前に、こうした「勉強のインフラ」が整っていないことが、成績不振者の問題なのだと痛感した次第です。

正直、勉強する態度や習慣に何ら問題ない方には、「今さら」な話なのかもしれませんが、「うちの子は全然勉強しなくて……」というご家庭には、最初の1冊として良い作品だと感じました。


「勉強マインド」を整えるために読むべし!

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勉強が面白くなる瞬間――読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法
PART1 勉強に手遅れなんて、ない
01 もう手遅れだ。いや、まだ遅くない!

PART2 苦しくても頑張ろうと決めた瞬間、全てが変わる
02 自分の人生はたった一度だから
03 決心にも「実行できる決心」と「口先だけの決心」がある
04 勉強はあなたの魂を鍛え上げる
05 苦しくても頑張ろうと決めた瞬間、全てが変わる

PART3 誰でも勉強に没頭できる「21日の法則」
06 他人ではなく、過去の自分と競争しよう
07 魔法の集中力を作るキーワード「いま、ここ」
08 勉強の意欲を生む7つの習慣
09 今日の1日はあなたの人生を作る貴重な材料だ

PART4 人生で最高に勉強に適した日は今日である
10 「うまくいかない理由」を並べずに、「うまくいく方法」を探そう
11 学ぶ意欲がなければ、いくら教え上手な先生でも役立たずだ
12 誰でも勉強できるわけではなかった
13 あなた以上にあなたの人生を愛してくれる人


【関連記事】

【グリット?】『やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース(2016年09月12日)

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【勉強法】『合格に導く最強の戦略を身につける! 一生の武器になる勉強法』葉一(2020年06月16日)

【集中力】『机に向かってすぐに集中する技術』森健次朗(2016年02月27日)


【編集後記】

◆一昨日の「Kindle本ポイントキャンペーン」のSBクリエイティブさんの記事で、人気があったのはこの辺の作品でした(順不同)。

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早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚!」読書法

参考記事:【読書】『早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚! 」読書法』浅田すぐる(2021年12月23日)

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一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【宗教編】 公立高校教師YouTuberが書いた

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観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか (SB新書)

参考記事:【考え方】『観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか』佐渡島庸平(2021年09月09日)

B09KMTKGP7
自由に生きるための 地味な投資で2000万円

よろしければ、ご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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