【SNS×PR?】『お金をかけずに誰でもできる！ SNS×メディアPR100の法則』笹木郁乃:マインドマップ的読書感想文

2022年02月11日

【SNS×PR?】『お金をかけずに誰でもできる！ SNS×メディアPR100の法則』笹木郁乃

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも意外に人気の高かった1冊。

著者の笹木さんは、従来からあるPR術だけでなく、SNSを活用したPR術にも長けているゆえ、各SNSの使い分け方等、勉強になるお話が多々ありました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

本書の著者は、TVや雑誌などの既存メディアへの露出とSNSでのPRによって、まったく無名だった無水調理鍋・バーミキュラを、PRの力によって12か月待ちの超人気商品にすることに貢献されました。
本書では、これまで4000人以上の経営者や起業家、広報担当者に伝授してきた、人脈・お金・センスがなくても、誰でもできるPRのノウハウのエッセンスを学ぶことができます。

中古が定価を上回っていますから、このKindle版が800円弱お買い得です！

survey press release image / Alachua County

【ポイント】

■1.認知度と信頼度を高めるシャンパンタワーの法則

「シャンパンタワーの法則」とは、地元情報誌→地元新聞→地元テレビ・雑誌→全国テレビと、シャンパンタワーのように徐々に影響力の強いメディア掲載を獲得し、ブランドを作り上げていく流れのことです。以前は新聞やテレビなどの既存メディアだけに当てはまる考え方でしたが、今はこの中にSNSでの発信を追加することが求められるようになってきました。
　たとえば地元紙に掲載されたとしても、その事実をSNSやHPで伝えなければ、偶然その新聞を読んだ人に認知されるだけで、それ以上は広がりません。しかし、掲載実績をメルマガやSNSで伝えることで、掲載を知らなかった人にも実績が広がり、信頼度が高まります。
　また、購入実績のあるVIP顧客に掲載実績を伝えることで、「また買おうかな」と購買の後押しにもなります。このように、メディア掲載をSNSにも投稿することで、売上拡大だけでなく、SNS上での信頼度もアップしていきます。

■2.目標によってSNSの投稿内容を変える

　マナラ化粧品のアカウント目標が「マナラ化粧品を使いたい！」というメッセージの方向性なら、その分野でのお役立ち情報を伝えながら、信頼できる実績も伝えることで購入に繋げていくことができるでしょう。
　一方、例えば私のInstagramでの目標は「共感できるなあ。いつか学ぶならこの人からがいいな」と思ってもらうことです。Instagramでは、私は共感を大事にしているので、多面性やお役立ち情報をメインに投稿しています。
【実績：お役立ち情報：多面性・近況の比率】
マナラ化粧品Instagram……3：6：1
笹木郁乃Instagram　　……1：6：3
　注意する点としては、どれか1つの項目だけ10割という偏った投稿をするのではなく、2：2：6でも、3：3：4でもよいので、目標によって比率をバランスよく変え、3つの項目が入っていることがポイントです。

■3.SNSを1つ運用するならFacebook

　もしもあなたがビジネスとしてSNSを1つ運用するとしたら、Facebookに注力することをおすすめします。
　私自身、各種SNS PRを実践してきた中で、Facebookは、起業家・経営者・ビジネスマンに対する訴求力が最も高いSNSであると感じています。その理由として、
(1)登録者が多い割には、プライベート活用メインが多い
　⇒つまり、Facebookはレッドオーシャンのような激しいアピール戦がなく、実名制であるが故に投稿も信頼感があります。ビジネス投稿を意識的に行い、多くのビジネスパーソンと繋がることで、ブルーオーシャンのコミュニティーとして活用できます。
(2)経営者、ビジネスマンの人脈づくりや情報の収集・発信の場
　⇒新しい人脈作りや、自身の考え方の発信、新しい情報収集の場と考える人が多く、向上心があり勉強熱心なユーザーが多いSNSです。その方達に対し、友達申請し承認してもらうことで、確実に自身が発信したビジネス投稿が届けられます。フォローされるのを待つ他のSNSより、主体的なアプローチができることで、一層結果に繋がりやすいSNSと言えます。

■4.情報は「段階的アプローチ」で発信する

　この手法では、すでに深い信頼関係がある(1)VIP顧客と、共感してくれている(2)リスト顧客にまずは情報公開し、その後に(3)一般顧客というように、内側から外側の順で告知するのです。
　売上の約80～90％を占めるとも言われるVIP顧客とリスト顧客に最初に重要なお知らせを伝え、特別感を出す。そこで十分な売上を作ってから、「3日間で1万部予約注文された本」「発売3日で完売」という実績とともに一般顧客に告知することで、一躍話題の商品にすることができるのです。
　SNS発信をしていると、ついフォロワー数が多いSNSで優先的に告知してしまいがちです。しかし、SNSで繋がっている一般顧客は、まだ深いファンではありません。その商品がすでに「売れている」「信頼されている」という実績を作ってから告知することで、より強い関心と興味を持ってもらえるのです。

■5.プレスリリースタイトルの重要ポイント

　ブログのタイトルには、「○○の３つのポイントとは」「片付けができない人の5つの法則」など、開封してもらうために読者を引きつける言葉が並んでいます。
　しかし、プレスリリースは、タイトルを読むだけで内容まで想像できるものがベストです。本文を読まなければ分からないタイトルでは、即ゴミ箱行きになってしまいます。
重要ポイント（コツ）
・オーバーな表現はせず、堅実に淡々とした表現で
・事実（ファクト）を過不足なく伝える
・「！」「？」を使わない、専門用語を使わない
・小学6年生でも理解できる文にする
・抽象的な言葉を使わない
・固有名詞、数字を盛り込むことで具体的に書く
・形容詞（すごい、大きいなど）を極力使わない
・1文（30文字以内）で書き切る（文の途中で改行はしない）

【感想】

◆本気でご自身のビジネスや会社のPRを何とかしようとされている方には、非常にためになるであろう作品でした。

一方で私のように、自分のビジネスやブログ活動について、これといってPRする意思のない場合、オーバースペックと言えなくもなく。

もっとも私の場合、経営者でなくても経営本は読みますし、試験を受ける予定はなくとも勉強本を読みますから、純粋に「PRテクニック本」として読んでも満足感が高かったです。

特にタイトルにもあるように、プレスリリースを書くような従来からのPR法と、各種SNSを活用したPR法を組み合わせたスタイルは、私は初めてでした。

そしてその点にも触れられているのが、上記ポイントの1番目にある「シャンパンタワーの法則」です。

今やメディアに掲載されたら終わりではなく、それをさらにSNSに投稿もしますし、そもそもSNSでの人気があってこそのメディア掲載、というケースも多いでしょうし。

◆そこでSNSについて検討すると、まず同じSNSサービスであっても、目標が違えば投稿内容の傾向も異なるのは、ある意味当然でしょう。

上記ポイントの2番目はInstagramにおける項目割合ですが、アカウントによって目標が違いますから、その配分も違ってくるわけです。

ちなみに、最後の「多面性・近況」は、一番共感されたり「いいね」がつきやすいジャンルとのこと。

そういえば当ブログも、大昔は「編集後記」で子育てネタを連発していましたっけ。

かといって、今さら大学生と中学生の子どもネタを出すのも微妙ですし、昨年から飼い始めた猫の画像をアップしたくても、模様が独特ゆえ嫁バレが怖くてできないという……。

なお本書では、この「実績」「お役立ち情報」「多面性・近況」それぞれについて、メリット・デメリットや、ファンを増やすための対策がまとめられていますので、そちらもご確認ください。

◆なお本書では、Facebook、Instagram、Twitter、メルマガ、LINE公式といった各サービスについて、その運用方法やそのコツを紹介しているのですが、1つ選ぶとするなら、上記ポイントの3番目で言われているようにFacebookなのだそう。

私は正直、Facebookはまったく活用していないどころか、単にブログの更新情報を流している（数年前からブログから自動で流せなくなったので、たまに忘れて3日分まとめたり）に過ぎません。

というか私の場合、たぶん友達申請をしたりされたり、というのが苦手なのだと思います（言い訳）。

ちなみに本書によると、Facebookで友達申請をする相手とは「ビジネスに繋がるターゲット層で、アクティブにFacebookを利用している人」なのだそう。

　まず、自分と同じ系統のビジネスをしている人で、常にいいねが100以上つく人を探しましょう。
　あなたが料理教室の先生なら、同じように料理教室を運営しているAさんをターゲットに選びます。Aさんのお友達にはお料理好きな方が多く、あなたのお客様層とも嗜好が近いと考えられます。そうした方たちに友達申請をすることで、自分のビジネスに興味のある人たちと繋がることができます。

こんな感じで他のサービスについてもアドバイス満載ですので、詳しくは本書にて。

◆さらにSNSを活用してファンを集めた後でも、情報流す正しい順番がある、と指摘しているのが上記ポイントの4番目。

私はリストの類（メルマガのアドレスや、LINE公式等）を持っていないので、関係ないといえば関係ないのですが、公平性の点から、普通に「全部同時に行う」のがベストだと思ってました。

ただ確かに、(1)のVIP顧客や(2)のリスト顧客の方が反応がいいのは当然のこと。

「発売●●間で、●●件売り上げた」と期間を区切ってカウントするなら、濃い顧客から情報を流すのが正解でしょう。

しかもこうした「実績」は、メディアにもアピールできますしね。

◆一方本書で手を抜いてないのが、上記でも触れた従来からあるPR法です。

中でもその柱となるのが、いわゆるプレスリリース。

そういえば、昨日藤井風氏がMVをリリースする、ということでこんな記事が流れてきましたが、これは多分事務所の方でプレスリリースを配信したのではないか、と。

藤井風、「燃えよ」のライブ映像をプレミア公開！ – THE FIRST TIMES

本書ではそのプレスリリースの書き方を、ひな型を提示して細かく指導しており、中でもキモとなるのが上記ポイントの5番目のタイトルです。

本書によると「プレスリリースが最後まで読んでもらえるか、そして掲載に繋がるかの決め手はタイトルにある」のだとか。

確かにブログタイトルの付け方と全然異なるので、「クリックさせた者勝ち」のノリでやっていたら、掲載はほど遠いでしょうからご留意ください。

全方位でPRを極めるために読むべし！

お金をかけずに誰でもできる！ SNS×メディアPR100の法則

第1章 0円で認知度を高めるSNS×メディアPR
第2章相手の心を動かすPR設計を作る
第3章売上に繋がるSNSの作り方
第4章共感SNSでファンを作ろう
第5章各SNSの活用法
第6章メディア掲載を実現するPR塾式プレスリリース
第7章認知度が高まるメディアアプローチ
資料実例で学ぶPR成功の軌跡