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2022年02月04日

【読書術】『読書とは何か : 知を捕らえる15の技術』三中信宏


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読書とは何か : 知を捕らえる15の技術 (河出新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった読書術本。

基本的にはビジネス書向けの読書術ではないものの、色々と勉強になりました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
読書とはつねに「部分から全体への推論」だ――無慈悲にも一般人を拒絶する学術書から歴史的大作まで、博覧強記の進化生物学者が独自の分類法を用い、知識を自分のモノにする読書術を伝授!

中古が定価の倍値以上のお値段ですから、若干とはいえお得なKindle版がオススメです!






All The Letters I Should Have Sent by Rania Naim / Book Catalog


【ポイント】

■1.「往路」と「復路」をやりとげてこそ読書
 冒頭章から最終章まで、読書という行為の「往路」はたしかに直線的──文字通りのチェイン──に進んでいく。しかし、この読書の往路がたとえ終わっても、自分が後ろに残してきた数々の読書痕跡やノードは、その本の記憶の断片として再構築をじっと待っている。これは読書の往路に続く「復路」といえるだろう。
 私は読書の「往路」と「復路」はどちらもやり遂げて初めて一冊の本を読んだことになると考えている。これまでは紙の本に付箋を貼ったり、マルジナリアにメモ書きしたりしてきたが、近年ではツイッターに読書メモをツイートすることも少なくない。読書の犧跡瓩鮖弔杭戞垢箸靴薪慘呂寮僂濬鼎佑和佞譴覆ぁしかし、それらすべてはまだ「往路」にすぎない。ある本を読了したならば、忘れてしまわないうちに、刻みつけた記憶の痕跡を体系化しよう。ツリーやネットワークなどダイアグラムによる全体の復元は、ある本をいったん読んだ記憶を振り返りつつ体系的に刻むという点で読書の「復路」を実践する有効なツールであると私は考える。


■2.読書の際に心がけている3つのコツ
 必ずしも大著にかぎったことではないが、私が本を読むときに心掛けている日常的な爛灰牒瓩魏嫋鮟颪にしておこう。
(1) 一歩ずつ足元を見て先を進む。
(2) ときどき休んで周囲を見回す。
(3) 備忘メモをこまめに書き残す。
 第1の「一歩ずつ足元を見て先を進む」とは、言い換えれば、みだりに読み急いだり、むだに立ち止まったりせず、一定速度でさくさく読み進むことである。(中略)
 その理由は、第2の「ときどき休んで周囲を見回す」にある。まったく休憩を取らずに犲蹐蠑讚瓩鯤發回るわけにはいかない。一節なり一章なりを読み終えたらそこで一休みしよう。ただし、休んでもいいが、誰も寝てはならぬ。休憩タイムは復習タイム。歩いてきた経路を振り返り、どの地点でどんな風景が見えたか、おもしろそうな手がかりはなかったか、不注意な見落としをしたりうっかり通り過ぎてしまった場所はなかったかについて想起したり反省したりする時間だと心得よう。
 その際に役に立つのが、第3の「備忘メモをこまめに書き残す」だ。人間はどんどん物忘れをしてしまう生き物だ。興味や関心を惹くことに出会ったとしても、それをこまめに備忘メモとして書き残しておかないとすぐに忘却の彼方へと消し飛んでしまう。


■3.飛ばし読みはせずに、すべて読む
 私の狹俘亀録瓩らわかるもう1つの点は、たとえ時間的余裕がなかったとしても、いわゆる「ななめ読み」とか「飛ばし読み」はしていないことだ。必ずすべて読んでいる。書評デッドラインが設定されていて締切は動かせないにもかかわらず書評本は途方もなく厚い──狢読術瓩里茲Δ平正擦あればすがりつきたいと、せっぱつまった読者ならそう夢想するかもしれない。原理的には不可能なことではないだろう。文字空間からの情報サンプリングを効率化して、できるだけ少ないサンプルで最大の情報を得るようにすればいいわけだから。しかし、世の中はそうはうまくいかない。録画を狒甓鵑鍬瓩靴童るように、本を狢読み瓩垢覽史,たとえあったとしても、それはそもそも「本を読んだ」といえるのだろうか。
 私自身はそういう狷匹泙覆い燭瓩糧瓦影鮫瓩鬚△譴海豺佑┐襪らいなら、日々着実に読み進むことをかなり強く勧める。


■4.もう一歩だけ踏み出して未知の分野の本を読む
 ある本が読者の先入観通りに猜類瓩気譴襪箸呂ぎらない。単なる思い込みで「自分には関係のない本」だと放り投げてしまうのは、せっかくの機会をむざむざ見過ごすことになりかねない。読者にとって関係のある/ないという二択で本が分類できればこんなに楽なことはない。しかし、自分に関係があるかないかがわからない犇目瓱;,垢覆錣銑琅両瓱;,砲海衆娚阿覆もしろい本が潜んでいるかもしれないからだ。ダメもとで読んでみて思いも寄らない大当たりだとしたらそれは丸儲けだろう。(中略)
 なぜそんな危ない橋を渡ろうとするのか、もっと牋汰完多喚瓩碧榮匹澆鬚靴討い譴个いい任呂覆いという問いかけはきっとあるだろう。しかし、私に言わせれば、もう一歩だけ外側に踏み出して未知の分野の本をひもとけば、もっとおもしろいことが見つかるかもしれないのに、安全安心な読書にこだわってほんのささやかな知的冒険をためらうのは「もったいない」ではないか。


■5.読者としてアップグレードする
 なぜある本──牋ζ表餃瓩噺討鵑任靴るべきだろう──にかぎっては爛螢圈璽拭柴表餃瓩鬚垢襪里世蹐Δ。問い詰められても答えに窮してしまう。ただひとつはっきり言えることは、爛螢圈璽拭辞瓩任△襪ぎり、その本はいつまで経っても読み終わることはないという事実である。(中略)
 その一方で、よくよく謙虚に考えてみると、「獲物を獲り尽くしてしまった本」という物言いはとほうもなく傲慢である。読者はたった1回の読書でその本のすべての牾擁瓩鮗蹐蠖圓したなどと強弁できるのだろうか。もう1回読んで初めて見つかる新たな牾擁瓩あるのではないか。さらにもう1回読めばまた新たな牾擁瓩鬚箸い新発見が繰り返されるだろう。言い換えれば、読者は読むたびに賢くなっているので、今日の私は昨日の私ではない。読書を爛螢圈璽鉢瓩垢襪燭咾貌票圓話綣造豊爛▲奪廛哀譟璽畢瓩気譴討い。


【感想】

◆冒頭でも触れたように「非ビジネス書」向けの読書術の作品でした。

本文中、何冊も参考文献というか、実際に著者の三中さんが読まれた本が登場するのですが、ビジネス書や自己啓発書は一切なし。

ちなみに、三中さんの肩書を見ると「国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業環境研究部門専門員、東京農業大学客員教授。専門分野は進化生物学・生物統計学」とあります。

それがゆえか、本書で三中さんが紹介された書籍も、自然科学系の専門書(私から見たら)が多く、もちろん、1冊も読んだことがありませんでした。

最初の方から目についたものを抜き出すと、こんな感じです(第2章のはじめまで)。

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種の起源〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

4865281010
ラインズ 線の文化史

4314008504
文明のなかの博物学―西欧と日本〈上〉

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動物と人間: 関係史の生物学

……最初の『種の起源』くらい読んどけよ、って話でもあるのですが。


◆まず第1章では、こうした硬めの作品に対して、三中さんが行っている読書法についての「総論」が述べられています。

それを端的に表しているのが、上記ポイントの1番目。

ここにある「ノード」とは、いわゆる読書の「痕跡」であり、「マルジナリア」とは本の「余白」を意味しています。

読書中に行うこうした「作業」は、私たちにもおなじみのところ。

ただし、ここにもあるように三中さんは読書メモをツイートされており、これが結構な量だったりします。


ちなみにこれは、上記で書影を挙げた『動物と人間』に関するツイートなのですが、全部で40近く連なっているという(本書の第2章で列挙されてもいます)。

しかも、こうした作業もまだ「往路」であり、「復路」として体系化すべきである、とのこと。

……これは本気でやらんと立ち向かえなさそうな。


◆続く第2章以降では、本書のサブタイトルにもある「15の技術」がいよいよ登場します。

下記目次では長くなるので割愛しましたが、具体的にはアマゾンの方の目次に小見出しがすべて列挙されていますから、気になる方はそちらをご確認ください。

たとえば上記ポイントの2番目は、第2章の初っ端の「完読」からのもの。

ちなみにここで対象として紹介されているのが、これまた上記で挙げた『文明のなかの博物学』なんですよね。

上下巻合わせると750ページにもなるこの本でも、(1)にあるように、「一歩ずつ足元を見て先を進む」が大事であると三中さんは説きます。
ページ数の多い本を手にすると、早く読み終わらなければと気ばかり焦ったり、逆に細かい箇所にこだわって先に読み進めなくなったりすることがある。それは無理もないことなのだが、読むペースを早めたり遅くするとかえって息切れしてしまうのではないか。それよりも、多少のでこぼこがあったとしても足元に気をつけて踏み越え、一定のペースで先に進んだ方が結果的には望ましいのではないかと私は考える。
なるほど、確かに。


◆同じ第2章から抜き出したのが、上記ポイントの3番目です。

実はこの部分、「速読」と題された節にあるのですが、ビジネス書系読書術本でおなじみの「ななめ読み」とか「飛ばし読み」を真っ向から否定しているという……。

代わりに、上記でも触れた『動物と人間』に関する連ツイを行っており、まさに節の見出しにある「自己加圧ナッジ」のようなものだな、と。

私は基本的に「飛ばし読み」はしていません(一応全部の「字」に目を通したい派)が、「ななめ読み」ではないか、と問われたら微妙なところですね。

一方で三中さんいわく、この850ページある『動物と人間』も、15日で読み終わったので、単純に割り算すれば「毎日55〜56ページ読めば読了できたことになる」とのこと。

……私の場合毎日ブログを書く関係上、それはなかなか難しいと言いますか、そもそもページ数を見た時点で避けちゃっているんですが。


◆一方、上記ポイントの4番目は第3章からのもの。

ホント「未知の分野」の本に踏み出すことの重要性は、私自身ができていない分、「耳イタイ」ものでした。

と言いますか、今回のこの作品も、従来の読書術本と比較したら、かなり「危ない橋」な方だと思いますが。

そして、最後の第4章から抜き出したが上記ポイントの5番目。

私にとっての愛読書とは、皆さまご存じのこちらです。

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影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

読むたびに得ることがありますし、他の本を読んでいても引用されていたりしているので、その分私もアップグレードしているといいのですが。

いずれにせよ、普段ビジネス書や実用書しか読んでいない私にとっては、今後教養書を読む上で、非常に勉強になりました。


ワンランク上の読書術を学びたい方に!

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読書とは何か : 知を捕らえる15の技術 (河出新書)
プロローグ 世界は本に満ち溢れている
第1章 知のノードとネットワーク———読書は探検だ
第2章 読書術(基本篇)———大技と小技のあれこれ
第3章 読書術(応用篇)———冒険と危険は紙一重
第4章 読書術(発展篇)———読み終わらない本のためのパヴァーヌ
エピローグ 一期一会の読書人生


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【編集後記】

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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