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2022年01月24日

【思考術】『知の巨人たちの「考え方」を一冊で、一度に、一気に学びきる グレートメンタルモデル』シェーン・パリッシュ,リアノン・ボービアン


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知の巨人たちの「考え方」を一冊で、一度に、一気に学びきる グレートメンタルモデル


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて大人気だった思考術本。

セール記事が続いて後回しになってしまいましたが、遅ればせながらレビューすることができました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「メンタルモデル」(Mental model)とは……思考の型。思考の癖。認知様式のこと。
優れた「メンタルモデル」を身につけ思考の死角をなくすことができれば、どんな状況でも正しく深く考え抜ける。
本書は、古今東西・分野を問わず人類を代表する知者たちのメンタルモデルを紹介し、優れた「考え方」を身につける一冊。

中古価格が定価を大きく上回りますから、「10%OFF」のKindle版がオススメです!





What are mental models? / visualpun.ch


【ポイント】

■1.門外漢でも成功するための3つの要素
(1)自分がエキスパートではなく門外漢だと自覚し、自分の活動領域について少なくとも基本的なことを学ぶようにしよう。ただし、基本的な情報は理解しやすいから、それですべてをわかったつもりにならないように注意が必要だ。
(2)その分野で優れた「能力の輪」を持つ人から話を聞こう。上手な意思決定をするのに役立てられるよう、少なくともどんな質問をしてどんな情報を聞き出す必要があるか、時間をかけてある程度調べるべきだ。(中略)
(3)世界を理解するための基本的なメンタルモデルの数々を幅広く理解して身につけ、自分にとって不得意分野の限られた知識を補おう。自分が置かれた状況に対処するための指針にできる。


■2.第一原理を見つけ出す「ソクラテス式問答法」
(1)考えを整理し、「発想のもと」になっていることが何かを問いかける(なぜ自分はこれについて考えているのか? 自分の考えはどういったものか?)
(2)考えが「正しいか」検証する(これが真実だとどうやってわかる? 反対のことを考えたらどうなるだろう?)
(3)「エビデンス」を見つける(どうやったら裏づけられる? その材料は何か?)
(4)「違う視点」から検討する(他人はどう考えるだろうか? どうすれば自分が正しいとわかるだろう?)
(5)「結果」や「影響」について考えてみる(間違ったらどうなるだろう? その場合、どんな影響があるだろうか?)
(6)もともとの疑問を「再度」検討する(なぜそう考えたのか? 自分は正しかっただろうか? 推論のプロセスからどんな結論が得られるだろう?)


■3.ある行動がもたらす長期的な影響も考慮する
「二次的思考」とは、ずっと先のことを考え、かつものごとを全体的な視点から考えることだ。そのためには、自分の行動とその直後の結果だけでなく、「その行動がもたらす長期的な影響」も考慮する必要がある。
 二次的、三次的な影響を見通しながら行動しないと、失敗する可能性が高まるのだ。
「二次的思考」が行われなかった、つまり人々がある行動による影響のさらにその影響まで考えなかった例を探すのは簡単だ。
 何かよいことをしようとしたり、あるいは良かれと思ってしたりしたことが、かえって悪い結果になった場合、そうしたネガティブな結果が起こることは当初の考えに織り込まれていなかったと考えてよいだろう。
 ある行為の結果からその第二段階として発生する影響は、手遅れになるまで考慮されないことが非常に多いのだ。
 そのため、これは「意図しない結果の法則」とも呼ばれている。


■4.「楽観的な推定」は大体外れる
 あなたが「定刻どおり」に出発して予定より20%早く到着することはどれくらいあるだろう? ほぼ皆無だろうか?
 逆に、「定刻どおり」に出発して予定より20%遅く到着する頻度はどれくらいだろう? 毎回だろうか?
 そのとおりだ。あなたの推定の誤差は非対称で、一方向に偏っている。
 これは、確率的な意思決定でよく見られることだ。
 確率の推定値は、「楽観的な」場合のほうが「楽観的でない」場合よりも間違っていることがはるかに多い。
 年間の利益率25%を目標にしていた投資家が長期間にわたって40%の利益を上げたという記事を読むことはまずない。「ウォール・ストリート・ジャーナル」の紙面にダーツを投げれば、投資案件ごとに年間の利益率25%を目指し、結果は10%くらいに落ち着いた投資家の名前にたくさん当たる。


■5.脳は「感情」で機能不全になる
 何か不愉快なことが起こり、それが不当に思えるとき、私たちはそこになんらかの意図があると考える。だが、それはまったく意図的でない可能性のほうが高い。(中略)
 好ましくない状況の原因を考えるとき、強い感情的な反応に伴って脳は機能不全を起こす。それを修正する重要なツールとして、ハンロンのかみそりが必要なのだ。
 悪意よりも単なる愚かさで説明できると考えなければ、相手を必要以上に疑ってしまう。常に他者の悪意を想定することは、すべての人が生きる世界の中心に自分がいると考えるのと同じだ。
 なんと自己中心的な生き方だろう。現実には、悪意を感じるような行動のほぼすべてに、はるかに多くの無知や愚かさ、怠惰が関係しているのだ。


【感想】

◆冒頭の内容紹介にもあるように、タイトルの「メンタルモデル」とは、思考の型、フレームワークのこと。

本書では、その中でも特に重要なものを9つ選んで紹介しており、具体的には下記の目次にある第1章以降の各章の章題どおりです。

たとえば上記ポイントの1番目のお話は、第2章の「能力の輪」からのもの。

この「能力の輪」とは、自分の得意分野で、すべてを把握し、失敗も経験したことのある、というものなのですが、本書では具体例の1つとして、エベレストの登頂をガイドするシェルパを挙げています。

基本的に可能な限りは、この「能力の輪」から出ないことが、成功への秘訣ということ。

一方、上記ポイントの1番目では、逆にその「能力の輪」の外にいる場合における対処法を列挙してみました。

といいますか、現実世界においては、このような状況の方がむしろ多かったりしますしね。


◆また、第3章の「第一原理思考」から抜き出したのが、上記ポイントの2番目。

この「第一原理思考」の目的とは、「ある状況におけるもっとも本質的な要素を特定すること」であり、本書では
 たとえば、冷蔵庫のエネルギー効率を改善する方法を検討している場合には熱力学の法則を「第一原理」と見なすことができる。
と述べています。

そして、その「第一原理」を掘り下げて見つけ出すツールの1つが、この「ソクラテス式問答法」。

なんでもこの「ソクラテス式問答法」で考えるようにすると、勘に頼ることがなくなり、感情に流されにくくなるのだそうです。

ちなみにもう1つのツールとは、「なぜ」「どうして」をひたすら掘り下げていく「5Why分析」なるものですから、こちらは私たちにもおなじみかと。


◆一方、ポイントの3番目は、引用部分の初っ端に登場するように第5章の「二次的思考」から抜き出したもの。

ここではまず「『二次的思考』とはなんぞや」について語られており、理解しやすいと思います。

そしてこの「二次的思考」が欠如した例として挙げられていたのが、イギリス政府に支配されていた当時のインドにおける「コブラ対策」。

当時、デリーでは猛毒のコブラが増えていたため、死んだ蛇を当局に持ち込むと、報奨金を与えるようにしたのだそうです。

するとインドの人々はせっせと蛇を飼育して殺し、役所に持ち込んだのだとか。
イギリス政府高官に「二次的思考」の能力が欠けていたために、毒蛇問題は報奨制度によって悪化してしまったのだ。
他にも「家畜に抗生物質を与え続けた結果、耐性を持つバクテリアを生み出してしまった」例のように、現時点で現在進行形で起こりうるケースもありますから、決して笑い事ではありません。


◆続く第6章の「確率思考」に関しては、以前こちらの作品をご紹介したことがありました。

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確率思考 不確かな未来から利益を生みだす

参考記事:【意思決定】『確率思考 不確かな未来から利益を生みだす』アニー・デューク(2019年11月07日)

……中古がほとんど値下がりしていませんから、普通に「良書」と評価されている模様。

ただし、この章から引用した上記ポイントの4番目は、こちらの作品でも触れられていなかったお話です。

なるほど、「確率の推定値は、『楽観的な』場合のほうが『楽観的でない』場合よりも間違っていることがはるかに多い」と、あらかじめ意識しておけば、間違う可能性も低く抑えられるでしょう。


◆なお最後のポイントの5番目は、引用文の中でも触れられているように、第9章の「ハンロンのかみそり」から抜き出したものです。

第8章の「オッカムのかみそり」は聞いたことがありましたが、「ハンロンのかみそり」の方は、私は初耳でした。

ハンロンの剃刀 - Wikipedia

これは、上記Wikipediaにあるように「無能で十分説明されることに悪意を見出すな」というもの。

同じくここの例が分かりやすくて、
例えば、ある製品に欠陥が見つかった場合、(大抵の場合、一般論としては)それは製造した企業が無能であるか愚かであるということを示しているのであって、消費者を困らせるために企業が悪意を持って欠陥を忍ばせたわけではない、という考え方
と知って、深く納得しました。

ただし、上記ポイントでも触れているように「感情」が絡むと、つい「悪意」を意識してしまいがちですから、あらかじめご留意を。

以上、飛び飛びになってしまいましたが、こうした思考のフレームワークを理解し、うまく活用して問題に対処したいものです。


優れた「考え方」を身につけるために読むべし!

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知の巨人たちの「考え方」を一冊で、一度に、一気に学びきる グレートメンタルモデル
CHAPTER0 General Thinking Concepts
CHAPTER1 メンタルモデル1 地図理論
CHAPTER2 メンタルモデル2 能力の輪
CHAPTER3 メンタルモデル3 第一原理思考
CHAPTER4 メンタルモデル4 思考実験
CHAPTER5 メンタルモデル5 二次的思考
CHAPTER6 メンタルモデル6 確率思考
CHAPTER7 メンタルモデル7 反転思考
CHAPTER8 メンタルモデル8 オッカムのかみそり
CHAPTER9 メンタルモデル9 ハンロンのかみそり


【関連記事】

【意思決定】『確率思考 不確かな未来から利益を生みだす』アニー・デューク(2019年11月07日)

【認知バイアス】『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』池谷裕二(2016年01月26日)

【バイアス?】『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』情報文化研究所(著),高橋昌一郎(監修)(2021年07月24日)

【メンタル】『堂々と逃げる技術』中島 輝(2017年05月07日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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できる上司は会話が9割―――「困った部下」が戦力に変わる、コーチングのスゴ技

パッと見、会話本かと思いきや、実はコーチング本、という本書は、Kindle版が800円以上お得。

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amazonの絶対思考 常に、「普通という基準」を作り変える (扶桑社BOOKS)

当ブログでもレビュー済みのAmazon本は、Kindle版が500円強お買い得。

参考記事:【Amazon流?】『amazonの絶対思考 常に、「普通という基準」を作り変える』星 健一(2020年09月06日)

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認知バイアス 心に潜むふしぎな働き (ブルーバックス)

まさに今日ご紹介した作品とも関係する認知バイアス本は、Kindle版が500円弱お得な計算です!


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本ビジネス書キャンペーン」のパンローリングさんの記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣

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戦略経営論 〈第3版〉 競争力とグローバリゼーション

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初心にかえる入門書 ──年齢や経験で何事も面倒になった人へ

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マンガでわかる1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣

ちょっと高い本が混じっててビビりましたが、よろしければご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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