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2021年11月01日

【実践的?】『書く仕事がしたい』佐藤友美


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書く仕事がしたい


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、人気が高かった1冊。

文章術本かと思いきや、ほぼ全面的に「書くことを仕事にするためのノウハウ」が展開されている作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
書き続けて生きていくには、「よく考えること」が何よりも強い戦略になります。一生を懸けるに不足ない、途方もなく魅力的な「書く仕事」について、みなさんと一緒に考えていきたい――雑誌やウェブメディアの「ライター」として、あるいは、これまで50冊以上の本の執筆・構成を手掛けてきた「書籍ライター」として、また専門分野の書籍の「著者」として、そして月7本の連載を持つ「コラムニスト/エッセイスト」として。ライフステージごとに「よく考え」、書く場を増やし、仕事を続けてきた著者が、自身の経験を余すことなくお伝えします。

中古が定価の倍値以上しますから、「20%OFF」のKindle版がオススメです!






Writer / eelke dekker


【ポイント】

■1.「書く」を仕事にするということ
 私は、文章を書くことが好きな人が、プロのライターとして書き続けることができるかどうかは、「書き終わる」ことができるかどうかだと思っています。
 私たちライターがアーティストでない以上、そして「依頼」を受けて仕事をしている以上、納品日までに成果物を納品しなければ、それは、ライターの仕事ではありません。(中略)
 これは、ぜひ知っておいてほしいのですが、完璧な原稿なんて、絶対に一生書けません。だから、書き始めた原稿は、どこかで手放さなきゃいけない。「文字数は足りているし今の自分にはこれが限界だけれど、完璧とは到底言えない原稿」をやむなく納品しなくてはならないときもあります。「いい原稿が書けたから読んでください」なんて仕事は、ライターにはないのです。(中略)
 つまり、ダサくてもひどくてもとにかく書き続け、現状におけるベストで書き終えて納品し、晒されてdisられても言い訳せず、反省し反省はするが折れず凹んでも戻ってくる。そして懲りずに次の原稿を納品する。いつかはもっと上手に書けるはずと信じて書く。「書く」を続ける。
 これが、「狃颪瓩鮖纏にする」ことだと私は思っています。


■2.「自分」ではなく「企画」を売り込む
 営業や売り込みには、ポイントがひとつあります。
 それは、「自分を売り込むのではなく、企画を売り込む」こと。
 編集者には、企画出しのノルマがあります。雑誌であれウェブであれ書籍であれ、編集者は、いつも企画になりそうなネタを探しています。
 媒体にもよりますが、雑誌やウェブの編集部であれば、月間20本から30本も企画を出さなくてはいけなくて、それを誰かがやってくれることはとてもありがたいこと。ですから、自分を売り込むのではなく、企画を売り込むと喜ばれます。
 とくにウェブメディアでは、四六時中企画を探しているので、「そういうネタがあるなら書いてほしい」と言われるケースも、よくあります。


■3.読者を知る。すなわち「相場感」を持つ
 書き手として長く生き残っていくためには、「相場感」を持つことが大事です。でもこの「相場感」って、わかるようでわからない日本語ですよね。「相場感を知っている」とは、いったいどんな状態を指すのでしょうか。
 私の講座にゲスト出演してくださったある媒体の編集長の言葉がわかりやすかったので、その言葉を借りて説明します。
 その編集長は
「たとえば、ユニクロを紹介するときに、リーズナブルと書いていいかどうか」
 これが、相場感だと言っていました。
 彼女が以前担当していたファッション誌Aでは、ユニクロは確実にリーズナブルブランドで、「安くてもいいものを作る」という文脈で紹介するブランドだった。
 けれども、現在担当しているママ向けのウェブメディアBでは、ユニクロはデイリー使いするブランドではあるけれど、決してリーズナブル(=安いと感じる)ブランドではない。このメディアで安いと書いて良いのは、GUやしまむら、ワークマンなどだというお話でした。


■4.原稿に小骨は残っていないか
 原稿を推敲する際に主に確認するのは、誤字脱字、文章のリズムや言い回しのわかりやすさなのですが、それ以前に大前提として「この文章を読んでいて、(意図せず)不快になる人はいないだろうか?」は、かなり意識して読み直します。
 前出の鉋をかけるライターの友人は、そのことを「文章からピンセットで小骨を抜くような作業」という言い方をしていて、オリジナルは「ほぼ日」の奥野武範さんの言葉のようです。
 もちろん、トゲのない文章が必ずしもいいとは思いません。が、書き手の意図しないトゲは抜いていくべきで、そのためには最低限、
●取材相手の不利益になる表現はないか
●取材相手の関係者を傷つける表現はないか
●読者が読んで不快になる表現はないか
●コンプライアンス的に問題になる表現はないか
 をチェックする必要があります。


■5.1本仕事が終われば、2本企画を置いてくる
 仕事を増やすために、私はこれまで、「1本仕事が終わったら(もしくはその仕事の最中に)、2本企画を置いてくる」ことを意識してきました。
 たとえば、ヘアページを担当していたときには、4月号の仕事をしながら、5月号の企画を2本置いてくるようにしていました。
 この企画は、ヘアメイクさんや美容師さんと、4月号の打ち合わせをしているときに集めたネタで作ります。わざわざ企画書を書くというよりは「そういえば、最近こんな髪型が流行っているそうなんです。次回の企画にどうでしょう」というくらいのテンションで口頭でお伝えします。(中略)
 この「1本仕事が終わったら、2本企画を置いてくる」は、ライター講座でも、講座生によく伝えるのですが、「レギュラーが獲得できました」とか「リピート率が格段に上がりました」といった報告を受けています。


【感想】

◆非常に実践的と言いますか、ライター志望、もしくはゆくゆくは著者やコラムニストになりたい方にとっては、非常にリアルな内容でした。

ただし、冒頭でも触れたように、いわゆる「文章術」的な部分はごくわずかなのでご注意を。

むしろ、ライターとして身を立てるには、そういったテクニック的なお話よりも、心構え的な要素が大きいと実感させられました。

たとえば本書のプロローグでは著者の佐藤さんが、最初に出会った編集者にこのように言われます。
「正直なところ、原稿は編集者でも修正することができる。でも、締め切りに遅れられると、こちらにできることはないんだよね。だから私は、原稿が上手くて締め切りに1日遅れるライターさんより、原稿はそこそこでも必ず締め切りを守るライターさんに頼む
本書はこのような「書き手として重宝される条件」を指南してくれる作品なわけです。


◆まず第1章では、具体的に「ライターとはどんな人か」「ライターに向いているのはどんな人か」等々についてのお話が登場。

佐藤さんの定義するライターの仕事とは、「(1)依頼を受ける」「(2)取材する」「(3)原稿を作る」「(4)納品する」の4点セットなのだそうです。

本書ではそれぞれについて解説がされていますが、(1)〜(3)までは分かるとしても、(4)の「納品する」というのは今1つピンとこないかも。

そこでそれについて掘り下げている、上記ポイントの1番目を引用させてもらいました。

ここの最後の「つまり」以降の部分が実践できるか否かが、「プロのライターになれるかどうかの境目」なのだとか。

なお、この章では「ライターに求められる文章力」についても触れられているのですが、オススメは、当ブログでもご紹介済みのこの本とのことです。

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「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

参考記事:【文章術】『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』藤吉 豊,小川真理子(2021年01月06日)


◆続く第2章は、より具体的なライターへの道についてのお話が。

たとえば上記ポイントの2番目は、まさに「売り込み」についてですが、「『自分』ではなく『企画』を売り込む」というのは、私には「目からウロコ」でした。

実際、最近では、いろんな編集部の編集者が集まり、ライターが企画をプレゼンピッチするのを聞いて仕事を依頼する、ミートアップのような会も催されているのだとか。

そして佐藤さんの知り合いのライターさんたちも、そこでプレゼンをして企画を通して、媒体デビューを続々と果たしているのだそうです。

なお、ライター未経験ならば、とりあえず書いたものがあると良いそうで、公けになっていなくとも「誰かに取材して書いた」ものがあれば、noteやブログでもよいとのこと。


◆さて、第3章からはいよいよ原稿を書いていくのですが、まず大事なのが、以下の3つ。
(1)読者を知ること
(2)編集者を知ること
(3)取材対象を知ること
そして、上記ポイントの3番目は、このうちの「(1)読者を知ること」から抜き出したものです。

ここでの「相場観」はお値段の話ですが、こうした金銭感覚以外でも、たとえば星野源さんについて「どの情報がメジャーで、どの情報がマイナーか」なんてものも同様なのだとか。

……私自身、『逃げ恥』くらいは知っていた一方、「16歳から『大人計画』に所属していた」ことは知りませんでした。

なるほど、書く媒体の読者にとってある情報が、「ご存知のように」なのか「意外なことに」なのかは、大きく違いますよね。

また、同じ第3章から抜き出したのが、推敲のお話である上記ポイントの4番目。

私はこのブログを書くのに時間がなくて、あまり推敲はしていませんが、こうした「人を傷つけない」表現には気を遣っているつもりです(炎上予防でもありますが)。


◆一方、第4章では実際にライターになってからの注意点等が触れられていました。

上記ポイントの5番目はこの章からであり、確かにこうした心構えがあってこそ、ライターとして生きていけるというもの。

佐藤さんも言われているのですが、現在連載中の仕事以外は、すべて打ち切られたり、媒体がなくなったりしているのですから、上記ポイントの2番目同様、売り込みは大事でしょう。

また、同じく仕事が終わったときに「どこが良くなかったか」を編集さんに聞いているのだとか。

これはダメだった前提で質問するのがミソで、「別に言うほどでもない」ちょっとした違和感を確認することができるのだそう。

……さすが売れっ子さんは違いますわ。

また、最後の第5章では、著者としてのデビューや、コラムや、エッセイといった、ライター以外のお仕事についても述べられているので、そちらもお見逃しなく。


書く仕事に就きたい方なら、必読の1冊!

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書く仕事がしたい
CHAPTER1 書く仕事を知りたい
CHAPTER2 デビューするまでのこと
CHAPTER3 書く仕事に必要な技術
CHAPTER4 書く仕事に必要なマインド
CHAPTER5 とどまらずに伸びていくこと


【関連記事】

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【ライティング】「書いて稼ぐ技術」永江 朗(2009年11月20日)


【編集後記】

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参考記事:【アイデア】『一生仕事で困らない企画のメモ技(テク)』高橋晋平(2018年10月04日)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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