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2021年09月22日

【外資系コンサル流】『コンサルタント的 省力説明術。』小早川鳳明


B08YHTVQXP
コンサルタント的 省力説明術。 (日経文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「趣味・実用書キャンペーン」からのビジネススキル本。

タイトルにもあるように、コンサルタント的な思考法や資料作成術を、新書形式でコンパクトにまとめた作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書では、多くのビジネスパーソンがつまずきやすい、あるいはどう身に付ければいいのか分からないビジネススキルの習得方法を、外資系コンサルティング会社での経験を持つ筆者が分かりやすく解説する。
OJTによる経験に頼ったスキルアップには限界がある。コロナ禍で将来に不安を感じるビジネスパーソンが増える中で、明日を生き抜くための実践的スキル獲得が求められている。グローバルな知見が集まる外資系コンサルティング会社での経験から筆者だから書ける、誰にでも身に付けることのできるスキルアップのノウハウがここにある。

中古に送料を加算すると定価並みとなりますから、こちらのKindle版が400円以上お買い得となります!







swot_img / jean-louis zimmermann


【ポイント】

■1.「SWOT」×「分析の軸」で、細部に目を向ける
 SWOT分析をする際にまず気をつけるべきは、分析の観点がぶれたり漏れたりしないようにすることです。そのために「分析の軸」(縦軸)を設定するのがよいでしょう。図1−8をご覧ください。
 マーケティング戦略のフレームワークとして知られる「4P」を分析の軸として設定しています。4Pを構成する、Product(商品)、Price(価格)、Promotion(プロモーション)、Place(流通)が縦軸として並んでいます。
 ここでは、説明をシンプルにするためにSWOTのうちのS(強み)とW(弱み)だけを横軸に設定しています。以降もこの2つをベースに説明しますが、O(機会)とT(脅威)も同じ考え方を当てはめることができます。
 重要なのは、最初に分析の軸(縦軸)を設定することです。縦軸を初期に設定することで、図1−8の通り、重要な観点を漏らすことなく強みや弱みを洗い出せるようになります。


■2.プレゼンの「鉄板の構成」とは?
 この章の1では、プレゼンを成功させる5つの仕掛けを説明しました。ここでは、この5つの仕掛けを踏まえたプレゼンの「鉄板の構成」を紹介します。プレゼン構成で困ったときにそのまままねして使えますので、ぜひ覚えておいてください。
1)プレゼンの目的・背景
2)全体の中での、今回のプレゼンテーマ(プレゼン対象)の位置づけ
3)今回のプレゼンテーマ(プレゼン対象)によって実現できること
4)具体的な説明内容
5)今後のスケジュール
6)今後の取り組み予定
7)聞き手への依頼や相談事項
(詳細は本書を)


■3.資料の構成に迷ったら、思いつくままにすべて書き出す
 まずは、スライド資料上で伝えたいこと・伝えた方がよいかもしれないことを、箇条書きですべて書き出します。当たり前に思われるかもしれませんが、実際には多くの人が、このプロセスを無意識のうちに飛ばしています。その結果、資料作りが非効率になります。
 重要な事項を漏らしてしまい、途中で重要な事項を思い出して手戻りする人は、このプロセスがきちんとできていません。気づかぬうちに自分の主観で資料に書くべき事項を取捨選択し、後から上司から「この観点はどうなってるの?」「これについても資料に入れて」と指摘をされてしまいます。
 このような手戻りや重要事項の漏れを防ぐため、まずは「資料に盛り込んだほうがいい」「資料を通して伝えた方がよい」と思ったことを書き出してみるというプロセスを筆者はとても重視しています。


■4.スライドの2種類のメッセージを意識する
A 動的なメッセージ
結果を踏まえ、自分の主張を展開
(AだからBをすべき)
 ⇒スライド内に流れを作る必要がある
B 静的なメッセージ
1つのメッセージのみを伝える
(Aである/Aであることが判明した)
 ⇒スライド内に流れは不要
A、Bどちらに該当するかを明確にすれば、各スライドのレイアウトに迷わなくなる


■5.当たりをつけてから情報収集を開始する
 説明力が高い人は、相手が欲しがっている情報が何か、常に推測しています。説明の内容を強化してくれる調査手法とその調査結果がどのようなものになるか当たりをつけたうえで、情報収集作業を開始します。要するに、ゴールに向けて情報収集の範囲を絞ってから作業を始めるのです。だから、短時間で説得力が高い情報を効果的に収集することができるのです。(中略)
 情報収集とはすなわち、「メッセージに説得力を持たせるための根拠の収集」、ないしは、「スライドに書こうとしているメッセージが本当に正しいかの確認」をするための作業です。まずは各スライドのメッセージを決め、その後、メッセージの根拠づけのために情報収集をするということを意識しましょう。
 くれぐれも、各スライドのメッセージをゼロから考えるために情報収集をするのではないことを忘れないでください。


【感想】

◆この手のジャンルはそれなりに読んだツモリでいましたが、新たな発見がいくつもあった作品でした。

ただし改めて思ったのが、図表の画像が使えないと、この記事としての分かりやすさも半減してしまうということ。

固定レイアウト式ではないゆえ、画像が控えめかも、と予想していたのですが、見事にハズレました。

もちろん、図表はないよりあった方が分かりやすいので、私の予想がハズレても読者の皆さんにとっては結果オーライなのですが、たとえば第1章から抜き出した上記ポイントの1番目などは、文章だけでどこまで伝わるのやら。

通常、SWOT分析は、本記事のサムネイル画像のように2軸4象限でまとめるものですが、著者の小早川さんいわく、これでは説得力のある分析になりにくいのだそうです。

代わりにここで図表入りで解説されているのが、横2(S&W)×縦4(4P)の8象限の表。

つまり4Pの各項目(商品、価格、プロモーション、流通)ごとに「強み」と「弱み」を見ていくものであり、なるほどこちらの方が、より深掘りできそうです(詳細は本書を)。


◆続く第2章の[プレゼン編]からは、上記ポイントの2番目として、プレゼンにおける汎用性の高い「鉄板の構成」をご紹介してみました。

これはあくまでも「基本形」であって、本書では事例に応じて作られた応用形も収録されていますから、そちらもご参考まで。

なお、ポイントの冒頭に「プレゼンを成功させる5つの仕掛け」とありましたが、これはその前段で説明された以下のものを指しています。
(1)出席者の興味やニーズを事前に知る仕掛け
(2)ミーティングの目線(目的やゴール)を共有する仕掛け
(3)出席者の狎こΥ儉瓩亡鵑蠹困仕掛け
(4)出席者に「心の準備」をさせる仕掛け
(5)ミーティング終了後も興味を持たせ続ける
それぞれの「仕掛け」についての詳細な説明を読むと、上記の「鉄板の構成」のロジックにも納得できるのではないか、と。

ちなみにこの章の最後で、結論を最初に言うべきか、最後に言うべきかの検討がなされているのですが、結構、杓子定規的に「結論ファースト」と考えていた私には「目からウロコ」でした。


◆一方、第3章は[資料作成編]ということで、本書において最もページを割いている部分です。

いきなりパワポを持ち出したりせずに、まずは手書きで、というお話は類書でもよく見かけるので割愛しました。

そこでまず行うべきが、上記ポイントの3番目の「思いつくままにすべて書き出す」。

なお、書き出す際にはじっくりと考える必要はなく、「伝える必要があるか迷うような内容は、すべて書き出す」のがミソです。

そして書き出した後は、それらをグループ化し、トピックごとにメッセージを付けていくのですが、その際に気を付けるのが、上記ポイントの4番目のお話。

今まで読んだ本では、この「2種類のメッセージ」について指摘されていたことは確かなかったので、非常に興味深かったです。

実際、スライドでは、動的なメッセージの場合は、矢印等を活用したコマ割りであり、静的なメッセージだと「大きな絵」だけで「目線の流れや論理展開の流れは存在しない」のだとか。


◆また最後のポイントは、1つ飛んだ第5章の[情報入手編]からのもの。

ここでは、おなじみ「仮説思考」を用いて「当たりをつける」ことを主張しています。

要は「プレゼンに必要な情報収集をするのであれば、構成や、各スライドのメッセージを決めてからにせよ」ということ。

最後の
 くれぐれも、各スライドのメッセージをゼロから考えるために情報収集をするのではないことを忘れないでください。
という部分は、ご留意いただきたい次第です。

なお、繰り返しになりますが、本書は「図表あってこそ」の内容なので、本エントリーよりもはるかに分かりやすいハズ。

ザックリ数えても50以上図表がありましたから、ぜひとも本書にて実際にご確認いただきたいところです。


ビジネススキルが高まる1冊!

B08YHTVQXP
コンサルタント的 省力説明術。 (日経文庫)
第1章 クリエーティブに考えない[思考法・分析編]
第2章 ゼロから作らない。プレゼンは“構成”がすべて[プレゼン編]
第3章 難しいテクニックは使わない。“化粧”で乗り切る[資料作成編]
第4章 オリジナリティーある資料は作らない[定型化編]
第5章 情報収集の網は広げない[情報入手編]


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B08M3JC1Q1
自動翻訳大全 終わらない英語の仕事が5分で片づく超英語術

私自身、Google翻訳や、DeepL翻訳はちょくちょく使っていますが、より便利な使い方やコツが学べるなら読んでみたいかも。

「73%OFF」の「499円」という激安設定ゆえ、このKindle版が1100円弱お買い得です。


【編集後記2】

◆昨日ご報告し損ねたので、19日に投稿した「趣味・実用書キャンペーン」の記事で人気の高かった作品をこちらに(順不同)。

B08Y8NWFZ4
鼻専門医が教える 「熟睡」を手にする最高の方法 (日本経済新聞出版)

B08YHTVQXP
コンサルタント的 省力説明術。 (日経文庫)

B08VDRK22H
整える習慣 (日経ビジネス人文庫)

B08PBML4QP
10の「感染症」からよむ世界史 (日経ビジネス人文庫)

日経BPさんだらけになってしまいましたが、ご参考まで。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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