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2021年08月09日

【理想の上司?】『チームが自ずと動き出す 内村光良式リーダー論』畑中翔太


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チームが自ずと動き出す 内村光良式リーダー論 (朝日新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本夏のキャンペーン」でも注目を集めている1冊。

おなじみ「ウッチャン」こと内村光良氏のリーダーシップ術を明かした作品です。

アマゾンの内容紹介から。
5年連続「理想の上司」1位の内村氏。常に偉ぶることなく、コントから司会まで幅広く活躍する。業界内で信頼が厚い理由の一つは、現場を結束させる力。芸人や俳優、テレビ関係者らの証言から、その稀有なリーダーシップの秘密を紐解く。

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Management versus Leadership / philozopher


【ポイント】

■1.誰よりも一番「汗」をかく
 内村の従兄であり、内村が高校卒業後に熊本から上京した際に生活をともにしていた、放送作家の内村宏幸氏はこう言う。
「彼の場合、楽なポジションにつこうと思えばつける立場ではあるんですけど、絶対にそんなことはしない。むしろ自分でやって見せることでチームを引っ張っていくというか。 事実、『イッテQ』なんかでも自分が一番汗をかいているわけですよね。だからこそ、周りも『あの人がやっているなら自分もやらなきゃ』みたいなことになって、全体の士気が高まっていくんだと思います。どこの組織でも上の人が汗かいて頑張っている姿を見せられたら、やっぱりついて行くというか、この人のためなら頑張ろうと思うのは当然でしょう。まぁ、彼はそんなこと、まるで意識してないでしょうけど(笑)」
 内村さんが一番頑張っている姿を見せられたら、こっちはもう頑張るしかないじゃないですか。
 これは、内村と舞台で共演する芸人や番組ディレクターなど、各所の関係者が口を揃えて言うセリフだ。


■2.「最後」は背負う
 前項で述べたように内村は、現場が目指すべき「旗」を立てつつ、チームを自由に「放牧」する。そのおかげで番組や舞台をともにする後輩芸人や出演者はのびのびとパフォーマンスすることができる。(中略)
 この放牧型のアプローチで、それぞれの番組がしっかり成り立っている背景には、たとえ現場でどんなことが起きても、最終的にリーダーである内村が「背負ってくれる」ということが大きく寄与している。
 前出・古立氏は内村を「最後は落とせる人」だと表現する。
「なんで内村さんがそんなに若手を自由にさせられるかというと、内村さん自身で最後は猴遒箸擦覘瓩らなんです。その場でどんなことが起きても、変な空気になっても自分がボールをもらったら、ゴールを決める……すなわち100%落とせるんです。パスしてくれれば俺はいくらでも、この現場を終わらせられるからっていうね。そこは後輩芸人にとっても安心できるし、演出サイドとしても安心して見ていられますよね」


■3.誰かを「傷つけること」に敏感になる
『イッテQ!』総合演出・古立氏が、「内村から唯一叱られた」のは、大学生だったか卒業後すぐか、いずれにしてもまだ駆け出しのイモトアヤコ氏が、初めて「バンジージャンプ10本勝負」のような海外ロケに挑んだときだという。
「結果的にイモトの出世作になったロケでもあったんですが、内村さんから『イモトはまだテレビに出たてで、周りのディレクターやスタッフから猗瑤扠瓩噺世錣譴燭蕁∪簑丱痢爾噺世┐覆ぁそういう絶対ノーって言えない人間を飛ばせるのはダメだよね』と、かなり強く言われました。要するにノーって言える自由度がある人が、自分の意思で頑張ってバンジージャンプをするのは笑えるけど、自由意志がない人間が、もう飛ぶしかないと追い詰められた状況で飛ぶのは違う、と」
「体を張ること」は芸人にとっての一つの芸であるが、それを自由意志でやっているか、強制的にやらされているか、その違いを総合演出は分かっていなければならない、と内村は古立氏に暗に伝えたのだ。


■4.「俺は」でなく「俺も」思考
 嫉妬しない内村マインドの根底にあるのが、「俺は」という利己思考ではなく、「俺も」という「利他+利己」の思考。
 様々な大ヒットバラエティ番組を35年以上にわたり手掛ける番組制作会社ケイマックスの飯山氏は、お笑い芸人の世界も弱肉強食であり、どうしても「アイツより売れたい」とか「周りになりふり構わずに売れてやりたい」と思ってしまう時期がある、としたうえで、内村のその特異性は、妬みや嫉みという感情がもっとも色濃いはずのデビュー当初から、利他+利己のマインドを持っていた点だと語る。
内村さんは昔から終始変わらず『俺も売れたい』という発想の人です。誰が売れていようが、それはすごく良いことだねって素直に心から思っていて、『じゃあ俺も売れよう!』と考える。逆に言うと、ずーっと焦っているんじゃないでしょうか。周りのみんなのおもしろさを感じるたびに、常に『俺も頑張らなければ!』と奮起している」


■5.「尊敬」されなくていい
 私たちビジネスパーソンは通常、組織の中で、「リーダーとして尊敬されるにはどうすればいいか」を考えてしまいがちだ。なぜなら、「尊敬」という感情こそがチームがリーダーのために動いてくれる原動力だと考えるから。
 しかし極端なことを言えば、「好き」になってさえもらえれば、「尊敬」などされなくていい。そしてこれこそが、本書の最後に掲げたいキーワードになる。
 内村のことを周囲の関係者が語るとき、あまりにためらいなく、「好き」という言葉が出てくることに驚愕した。30歳以上の年齢差がある俳優・中川大志氏も、大先輩である内村のことを目をキラキラさせながら「すごい好きです」と語った一人。
「なんて言うんですかね、人柄が本当に優しいんです。そういう偉ぶってないところが本当にすごいなと思います。だから、もう、本当に……大好きなんです!   みんなが大好きになる座長なんです!」


【感想】

◆上記ポイントをお読みいただくと何となくお分かりのように、本書は主人公である内村さんからは、直接話を聞いていません。

単にその部分を引用しなかったのではなくて、実際に本書では内村さんのインタビュー的なものは一切ナシ(ただし著者の畑中さんは、内村さんと広告の仕事で一緒になったことはあるとのこと)。

以前ご紹介した、こちらの本の手法のように、雑誌やテレビ等での内村さんの発言もありません。

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タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?

参考記事:【タモリの真実?】『タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?』戸部田誠(てれびのスキマ)(2017年06月06日)

代わりに内村さんの人となりを語ってくれているのが、内村さんの芸人仲間や共演者、さらには番組関係者や親せき等々、総勢24名の方々。

もちろん、章や項によって話す内容は異なるものの、面白いくらい皆さんの語る「内村光良」という人物像にはブレがありませんでした。

これはある意味、内村さんに表裏がなかったり、人によって態度を変えたりしない証左だと思います。


◆たとえば第1章から抜き出した、上記ポイントの1番目の「『汗』をかく」というお話は、私たちがかねてからテレビで観てきた内村さんそのものでしょう。

昔の内村さんの番組では、よく芸事なり目標なりに挑戦するものが多かったと思うのですが、その舞台裏の練習風景やトレーニング等も「必死」でした。

当時はまだ若手の部類でしたが、大御所となった今になっても同じように「もがいている」のであれば、それは周りも頑張らざるを得ません。

たとえばNHKのコント番組で共演している後輩芸人の塚地武雅さんの言葉から。
「内村さんが誰よりもストイックにコントに取り組んでいるので、その姿を見て『怠けようかな』と考える人は一人もいない。自分も内村さんと同じくらい努力しないと、プロとしてやっていけない、という気持ちになりますよね」
それは番組のクオリティも高くなります罠。


◆また、内村さんは基本的に共演者にのびのびと演じさせる一方、最後はキチンと整えてくれます。

それに関して触れているのが、第2章から抜き出した上記ポイントの2番目。

これも懐が深いと言うか、確実に「回収」する技量と心意気がないとできないことだと思うのですが、内村さんはそれをやってのけてくれています。

私にとっては内村さんとの共演が思い出深い、ウド鈴木さんも
「チャンスを与えてくれるけど、やらせっ放しにはしない。最後は確実に引き受けてくれる人」
と感謝しているとのこと。

これなどは、たとえ失敗しても「その結果ごと背負う」覚悟あってのものなのでしょうね。


◆一方、上記ポイントの3番目は、本書の第3章からのもの。

確かにイモトさんと言えば、「バンジージャンプ」が有名ですし、こんなこともなさってます。

<イモトアヤコ>“結婚報告”のバンジージャンプSHOTに祝福コメント殺到「結婚おめでとう!」「末永くお幸せに」 | WEBザテレビジョン

確かに新人だったりすると、怖くても断れないでしょうから、こういう上司がいてくれたら、部下も安心できますよね。
 さらに内村はイモト氏に直接「今後、本当に嫌なときは断ってもいい。自分で断れなかったら、俺から話すから俺に電話しろ」と連絡したそうだ。古立氏は「以後、仕事をしていくうえで、自分の中ですごく大きい出来事だった」と振り返る。
ひと昔のテレビ業界的には、「面白くする」ために、むしろ強要してそうで怖いのですが……。


◆そして内村さんらしいな、と思ったのが、第4章から引用した上記ポイントの4番目。

いかにも嫉妬しなさそうで、実際にしない人柄の秘密は、「利他+利己」の思考にあったんですね。

ただし、同じく第4章から抜き出した上記ポイントの5番目の「好かれる」というTIPSは、なかなか難しいかな、と。

発言を引用した中川さんだけでなく、関係者からことごとく「好き」と言われるのは、並大抵のことではありません。

著者の畑中さんは、「 この『好き』という感情は、本書が目指すべきリーダー像としてのいわば犁羔紡劉瓩任呂覆ろうか」と言われているのですが、これはあくまで「理想」であって、ちとハードルが高すぎる気がします。

……もちろん、目指したいところではあるんですけど、まずは上記ポイントの4番目までをクリアできてからな、と。


「理想の上司」を目指したい方なら要チェックの1冊です!

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チームが自ずと動き出す 内村光良式リーダー論 (朝日新書)
第1章 リーダーシップ
第2章 チームマネジメント
第3章 コーチング/育成
第4章 自己マインド/パーソナリティ


【関連記事】

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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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LIMITLESS 超加速学習―人生を変える「学び方」の授業

下記未読本記事でも取り上げた学習本は、東洋経済さんの作品なのに「74%OFF」という超激安設定のおかげで、Kindle版が900円以上お買い得。

参考記事:【全20冊】未読本・気になる本(2021年01月19日)(2021年01月19日)

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誰も教えてくれないお金と経済のしくみ

評価平均「4.4」と意外と人気のお金本は、Kindle版が1000円弱、お得な計算です!


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本夏のキャンペーン」の朝日新聞出版さんの記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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すぐ動けない人のための時間割仕事術

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どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない 一流のメンタル 100の習慣

参考記事:【コミュニケーション】『どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない 一流のメンタル 100の習慣』山本洋子(2021年06月01日)

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チームが自ずと動き出す 内村光良式リーダー論 (朝日新書)

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鴻上尚史のますますほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋 鴻上尚史のほがらか人生相談

参考記事:【濃厚!】『鴻上尚史のますますほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』鴻上尚史(2021年04月28日)

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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