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2021年07月05日

【自己啓発】『「今、ここ」にある幸福』岸見一郎


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「今、ここ」にある幸福


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも人気の1冊。

アドラー本でおなじみである、岸見一郎さんの自己啓発書なのですが、いつもに比べてすこしマイルドな印象を受けました。

アマゾンの内容紹介から。
ベストセラー『嫌われる勇気』の著者による、人生をよりよく生きぬくための36のヒントがここに。
生きる勇気と希望が湧き、あなたを真に幸せにする言葉が満載。「あなたは、あるがままの自分で『あること』で、すでに価値があり、他者に貢献している」──今、この瞬間から幸せになれる!

なお、中古が値崩れしていますが、送料を合わせるとKindle版が300円以上お得です!





Happiness / Thomas


【ポイント】

■1.ありのままの自分がそのままで価値がある
 自分に価値があると思えるために、何かができなければならないわけではありません。ありのままの自分がそのままで価値があるのであり、たとえ病気や老いのために何もできなくなったとしても、そのことで人の価値はいささかも減じるわけではないのです。
 自分に価値があると思えたら対人関係の中に入っていけ、その中で生きる喜びや幸福を感じるというのは、たしかにその通りです。しかし、実際に対人関係の中に入らなくても、いわば存在の次元で価値があるのですから、人は他者とのつながりの中で、何もしなくても、あるいは何かを経験しなくても、そのままで幸福で「ある」ことができるのです。


■2.人の課題への過干渉がトラブルを生む
 およそあらゆる対人関係のトラブルは、人の課題に土足で踏み込むこと、あるいは踏み込まれることから起こります。子どもが勉強しなければ親は心配になり、「勉強しなさい」といいたくなるでしょうが、子どもの課題なのですから、何もできないのです。進学、就職、結婚など子どもや孫が人生の岐路に立たされた時でも、静観するしかありません。
 それなのに、口を挟みたくなるとすれば、子どもや孫が自分の課題を自分では解決できないと思っているからです。自分のことをいつまでも子ども扱いする大人はうるさがられたり、敬遠されたりするでしょう。
 アドラーは、「もはや自分が必要とされてないのではないかと恐れる人は、がみがみ小言をいう批評家になる」と指摘しています。若い人の課題に口を挟むのは、せめてうるさがられたり、嫌われたりすることで、自分の存在を認めさせたいと思っているからです。中にはあわよくば、今は反対したことで嫌われても、いつか感謝されるに違いないと思っている人もいます。


■3.大人であることの2つの条件
 子どもは歳を重ねれば大人になることができると考えますが、大人になってもまだ子どものままの人もいます。実際、自分でも「まだ大人ではない」と思っている人がいます。大人になるということと年齢は関係ないのです。(中略)
 大人であることの条件には、次の2つがあると私は考えています。
 1つは、「自分が決めなければならないことを自分で決められる」ということです。(中略)
 大人であるためのもう1つの条件は、「自分の価値を自分で決められる」ということです。子どもの頃からほめられて育った人は、大人になってからも自分の価値を自分では認めることができなくなります。
 自分で自分の生き方の正しさを確信できず、誰かがそれでいいといえば喜び、批判されたら、たちまち自分の生き方を変えるようでは、大人ではないということです。現実的であれといわれて、理想を取り下げるようではいけないのです。そのように人からの評価や承認を拠り所にする人は他者に依存しているのであり、大人であるとはいえません。


■4.不完全な自分を受け入れる
 歳を重ねてから新しいことに挑戦する時に困難を感じるとすれば、語学の習得であれば記憶力が、スポーツであれば体力が減退したからではありません。これまでの人生で長く何かをやり続けてきた人は、ある領域では自分が優れていると思っていたでしょうが、新しいことをすれば、たちまち何もできない自分と向き合わないわけにはいかないからです。
 アドラーは、「不完全である勇気」という言葉を使っています。ここでいう「不完全」は、人格についてではありません。新たに手がけたことについての知識や技術についての「不完全」です。
 その不完全は、最初からできないと決めてかかって挑戦しない人には思いもよらないことでしょうが、かなりの程度、完全に近づけることができます。
 何かを習得することに限らず、自分が不完全であることを受け入れることができる人は、自分の価値を理想からの減点法ではなく、現実からの加算法で見ることができます。加齢と共にあれもこれもできなくなったとしても、そのことを嘆くこともなく、自分の価値を何かができることに見出すこともなくなります。


■5.人は誰かの心の中で「不死」でいられる
 ともあれ、父が亡くなって5年が経ちましたが、私が父の影響を受けていたことに強く思い当たります。
 人は誰も生きている間に「自分の死」を体験することはできません。しかし、今も父のことを思い出すことがあるということは、いつか私が死んだ時にも誰かが私のことを思い出すことがあると考えていいでしょう。
 人はそんな形で「不死」になれます。亡くなった人が私の心の中で生きているというのは、文字通りの意味で解することができます。
 このように考えれば、自分のことが忘れられたら不死ではなくなることになりますから、願わくばいつまでも忘れないでほしいと思いたいですが、誰かの心の中で不死でいられるかは私には決めることはできません。
 でも、私は母や父のことを忘れないでおこうと考えています。


【感想】

◆冒頭でも書いたように、岸見先生の作品にしては(?)、内容的にもかなりマイルドな印象を受けました。

ひとつには、本書は「アドラーの教えのみ」を説くものではないから。

もちろんアドラーの言葉の引用も多いのですが、他にも三木清や、森有正、西田幾多郎といった哲学者たちも登場します。

三木清 - Wikipedia

森有正 - Wikipedia

西田幾多郎 - Wikipedia

そして、可能性としてもっと高そうなのが、本書が月刊『清流』に3年に渡って連載されたエッセイをまとめたものだから。

私も知らなかったのですが、この雑誌、内容紹介の最初にあるように、「大人の女性が、より素敵に生きるためのヒントが満載」なのだそうです。

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清流327号2021年7月号

以前当ブログでもレビューした岸見先生のこの本は、「お悩み相談」の形式をとっていたのですが、
・「昔、親友に影で悪口を言われた」⇒「自分が人と関わりたくない口実」
・「転職しようか悩んでいます」⇒「決断を避けて可能性の中で生きたいだけ」
・「人に助けを求められません」⇒「自分にしか関心がないだけ」
と、身も蓋もありませんでした。

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人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学 (中公新書ラクレ)

参考記事:【コミュニケーション】『人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学』岸見一郎(2016年07月08日)

さすがに『清流』には、この路線では合わなかったのではないか、と。


◆さて、本書は下記目次のように6つの章から構成されています。

上記ポイントの1番目のお話は、第1章の初っ端からのもの。

ここでは「自己肯定」を積極的に行っていますが、本書全体を通じて、そういうポジティブな傾向があると感じました。

また、上記ポイントの2番目は、1つ飛んだ第3章から引用しています。

この第3章はコミュニケーションがテーマなのですが、このTIPSは自分のお子さんに対しての過干渉をいましめるもの。

いや、実際我が家でも、ムスコの生活態度について私は口を出し過ぎる傾向にある(ムスメは放置しています)のですが、すでにうるさがられていることかと。

ちなみに「コミュニケーション」と言いつつ、女性向けの雑誌にしては、恋愛ネタが極端に少ない(というかほぼありません)な、と思ったのですが、どうも恋愛をメインで扱う雑誌の年齢層よりも、さらに上(中高年向け)向けだからのようです。


◆一方、上記ポイントの3番目は本書の第4章からのもの。

中高年向けの雑誌でありながら、「大人であることの条件」を挙げているのですが、読者の中にも「大人になってもまだ子どものままの人」がいると踏んでいるのでしょうね。

実際、2つ目の条件である「自分の価値を自分で決められる」をクリアできていない人は多そうです。
自分で自分の生き方の正しさを確信できず、誰かがそれでいいといえば喜び、批判されたら、たちまち自分の生き方を変えるようでは、大人ではないということです。
この部分は本書の中では珍しく辛口な気が。

また、第5章から抜き出した上記ポイントの4番目は、まさに中高年に向けてのものでしょう。

実はここの具体例として、岸見先生が高齢になってから韓国語の勉強を始めたことや、64歳になってから中国語を学び始めて通訳の資格を取った70代の方の話が出てくるのですが、このような挑戦をするためには、まさにアドラーがいうところの「不完全である勇気」が必要ですよね。


◆そして最後の第6章では、元となる雑誌、さらには本書のテーマとして避けられない「死」を扱っています。

もちろん本書を通じて、話の流れ的に「生」と「死」には何度か触れてはいたのですが、ここでは一気に掘り下げた感じ。

上記ポイントの5番目の「誰かの心の中では『不死』でいられる」という指摘は、漠然と死を意識し始めた人にとっても、励ましになるのだと思います。

また、この章の最後では「延命治療」というデリケートなテーマも扱っており、私自身もどうすべきか考えさせられました。

岸見先生も、若くしてお母さんを亡くされたり、認知症をわずらったお父さんの世話をしたり、ご自身も心筋梗塞で倒れられた経験もあるので、「死」や「健康」については人一倍考えることがおありなのではないか、と。

……もっとも、こういったご自身の過去のお話が繰り返し出てくるのは、皆が通して読んでいるワケではない月刊誌ゆえのことなので、あらかじめご了承ください。


これからの人生を幸福に生きるためのヒントがここに!

B08JYCSV3J
「今、ここ」にある幸福
第1章 今、この瞬間から幸せになれる
第2章 今日一日のためだけに生きる
第3章 生きる喜びは人との関わりの中で生まれる
第4章 希望が人生を拓き、人生を変える
第5章 生きているだけで価値がある
第6章 死を受け止める勇気をもつ


【関連記事】

【アドラー流?】『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』岸見一郎(2017年02月22日)

【コミュニケーション】『人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学』岸見一郎(2016年07月08日)

【コミュニケーション】『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』戸田久実(著),岩井俊憲(監修)(2015年03月06日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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ADHDの人の「やる気」マネジメント 「先延ばしグセ」を「すぐやる」にかえる! (健康ライブラリー)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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