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2021年05月24日

【育成?】『指導力 才能を伸ばす「伝え方」「接し方」』仁志敏久


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指導力 才能を伸ばす「伝え方」「接し方」 (PHPビジネス新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、元読売ジャイアンツの内野手で、現在横浜DeNAベイスターズファーム監督である、仁志敏久さんのコーチング本。

私は知らなかったのですが、仁志さんは下記内容紹介にもあるように、最近までジュニア世代の育成にも携わってこられおり、その面での学びが多々ありました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
2019年「WBSC U-12ワールドカップ」において侍ジャパンU-12を準優勝に導き、2020年に横浜DeNAベイスターズファーム監督就任! 「教える前に、考えさせる。」子育て・若手指導にも有効な「正しい育成論」

まだ出たばかりとあって、中古価格が定価を大きく上回っていますから、「11%OFF」のKindle版がオススメです!






little Leage / cambodia4kidsorg


【ポイント】

■1.しつけや行動を厳しく指導できるのは他人
 子供の教育には、「家族だからできる教育」と「他人だからできる教育」があると思っています。他人では踏み込めないけれども家族だから言えること。逆に家族では踏み込めない部分や言い切れないことが他人には言えるということもあります。
「早くしなさい」については、家族がいくらうるさく言っても子供は慣れっこになってしまってまったく響かないことがほとんどだと思います。
 そういったしつけや行動について、ある程度の厳しさをもって効率的な指導ができるのは他人だからこそです。親子ほどは近くなく、まったく知らない人でもない。学校の先生より強く出ることもできる。家族構成や家庭の事情などもある程度理解していて客観的な答えを返すこともできる。会社の上司も同じような立場でしょう。(中略)
 家庭の中だけではやりきれないことを教育するのも、指導者の務めだと思っています。


■2.「俺の責任」発言に注意
白井一幸さん(元北海道日本ハムファイターズコーチなど) がコーチとしての考え方を話してくれたことがあります。
「よくコーチが選手に『責任はオレがもつから』って言うだろう? でもな、選手がやる前からコーチが全部責任取っちゃダメなんだよ」そう言いました。
 これはとくにランナー1塁の場面で、1塁ベースコーチが選手の耳元で「こっちが責任もつから走っていいよ」と話すケースなどがあてはまります。
 選手時代はその言葉を心強くも感じていたのですが、何がダメなのかを続けて話してくれました。
「選手がプレーをする前にコーチが責任を取ってしまったらそのプレーに対する責任がなくなってしまう。あくまでもプレーの選択は選手の責任、出た結果についてコーチが責任を取るもの。選手は自分のプレーには責任をもたないといけない」
 非常に納得しました。選手とコーチにおいての責任の所在を考えるうえで理想的だと思います。


■3.「感覚で教える」のではなく「感覚を教える」
 自分の感覚がすべてだと思い込むことは、相手にとって迷惑であり、指導者としての視野が狭いことの表れです。自信のない指導も問題ですが、自分の指導は絶対だと過信している指導はもっと問題です。経験がある人ほどそうなりがちなので、注意が必要です。
犂恭个魘気┐覘瓩鉢犂恭个廼気┐覘瓠
 言葉としては似ていても、内容はまったく違う。
 指導者が感覚を丁寧に伝えることは、選手にとって技術や考え方のヒントになることがあります。しかし、指導者がなんとなく感じたことを表面的に教えられても、これというポイントがないために話としては的を射ないケースがほとんどです。
 指導において、丁寧であるということは不可欠。自分が言っていることは、丁寧で親切かどうか、想像力を働かせて指導にあたらないといけません。


■4.怒鳴りつけたくなったら、深呼吸する
 怒鳴るというのは、自分にはもう説明できる言葉がない、理解させる能力がないということの表明でもあります。
 自分を抑制するのは簡単ではありませんが、頭にきたら、一度深呼吸をして酸素を取り入れてみてください。
 そして口調はゆっくりと。怒鳴りつけても、落ち着いて話をしても、結局は「理解して行動してもらいたい」という思いは共通してあるはず。ならば、みっともない姿をさらすより、それくらい許容だというふうに、でんと構えていたほうが断然格好いい。いまどき、どこの国でも、どんな分野でも、怒鳴っている姿が評価されることはありません。
 上の立場になると、ついつい自分だけが人を一方的に評価しているつもりになってしまいますが、じつはその逆。
 上に立つ者は、下にいる全員からの評価を受ける立場なのです。人を見る側という意識が強すぎると、いつの間にか見られていることに気が回らなくなってしまう。怒鳴った瞬間を思い返し、自分を見失っていなかったかよく考えるべきです。


■5.「少しくらいいいだろう」がチームの輪を乱す
 また、人間心理として、「少しくらいいいだろう」「自分一人くらいいいだろう」というものがあります。
 社会心理学では「みんながやっているから」というものもあり、「赤信号、みんなで渡れば」がその例でしょうが、いずれにしても、人が集まれば集団心理が働き、少しくらいなら問題ないだろうとなりがちです。
「少しくらいなら」は、どんな人にもある程度は備わっている心理ではありますが、実際にそれをやってしまうと問題は発生します。(中略)
「『少しくらいいいじゃないか』を『少しだけでもやっておこう』と、『一人くらいいいじゃないか』を『一人だけでもやっておこう』と、考えられるようになろう」
 その小さな心がけがチームのためになり、ひいては自分のためにもなるのです。


【感想】

◆多方面での学びのある作品でした。

そもそも仁志さんが始動されてきた「侍ジャパンU-12」というのは、一応その世代の「日本代表」ではありますが、早生まれの中学1年生と小学校6年生で構成されていますから、まだ「子ども」。

技術的な指導もさることながら、日常生活的な部分から、アドバイスやしつけをしていかないといけません。

さっそくその点に触れられているのが、第1章から抜き出した上記ポイントの1番目。

私もムスコの小学生時代、塾からのお迎えでムスコの友達と一緒に行動したことがありますが、親に対する言葉遣い等で、軽く注意をしたことがありました。

たとえばその場にいないとはいえ、自分のお母さんのことを「ババア」と呼ぶ等。

我が家では、そんな言い方をしたらヨメからグーパンが飛んでくるので、ムスコはしたことがありませんが、結構ムスコ友達の中では、カッコつけなのか、粗野な言葉遣いをする子がいました。

他にも電車の中で騒ぐ等は、「小学生男子あるある」なので、度が過ぎればたとえ他人の子でも戒めましたが。


◆続く第2章のテーマである「心構え」も、基本的には「指導者」が意識するものがメインです。

上記ポイントの2番目にある「責任はオレがもつから」というのは、仕事の場でもたまに聞きますけど、それがアカンとは。

確かに野球では、コーチが指示した事であっても、残るのはあくまで個人成績です。

実際仁志さんは、高校1年で甲子園に出た際に、名将として知られる木内監督のサインに対して「提案」や「アレンジ」をしたりしていますから、説得力大(詳細は本書を)。

また、「間違った指導を避ける」ことをテーマにした第3章からは、「感覚で教える」ことの問題点に触れた、上記ポイントの3番目を抜き出してみました。

「感覚で教える」というと、よく長嶋監督の「抽象的過ぎる」バッティングアドバイスが思い出されますが、今や「言語化力」は指導者として必須でしょう。

なお、同じ第3章には「ただきついだけの練習」も俎上に上がっていましたが、私も「うさぎ跳び」に効果があるとして、思いっきりやらされていた世代です(遠い目)。


◆一方第4章のテーマは「コミュニケーション」。

上記ポイントの4番目の「怒鳴りつけたくなったら、深呼吸する」というのは、まさに「アンガーマネジメント」と言えるでしょう。

よくアンガーマネジメント本では「怒りたくなったら、6秒待つ」と言われていますが、深呼吸も同じ効果があるかと。

また、「なるほど」と思ったのが、アドバイスに「感じ」というクッションを付ける、というTIPSです。
 野球の指導で言えば、「こうやってバットを振れ」ではなく、「こんな感じで振ってごらん」とか、「ライナーを打て」ではなく、「ライナーを打つような感じで」など。
こういう言い方をすることによって、「できる」「できない」の二元論にせずに、「なんとなく」から入らせるのだそうです。

もちろん、厳格な指導が必要なこともあるでしょうから、その辺はケースバイケースで。


◆なお、上記ポイントの5番目のお話は、「チームの作り方」がテーマである第5章からのもの。

こういうちょっとした「気のゆるみ」は、1人が行ってしまうと、周りに伝染してしまうでしょうから、指導する際には気をつけたいところ。

また、同じく「時間を守る」という点も、仁志さんは意識して指導されており、原則は予定時刻の「10分前集合」なのだそうです。

これはジュニアのみならず、社会人にとっても半ば常識ですよね。

そして最終章では、まとめとして「指導者として」「一人の大人として」押さえておくべきことが5点挙げられていますから、こちらもぜひご確認を。


「子育て」「若手指導」に役立つ1冊です!

4569849504
指導力 才能を伸ばす「伝え方」「接し方」 (PHPビジネス新書)
第1章 自立を促す― 侍ジャパンU-12準優勝の軌跡
第2章 覚悟を決める ― 知っておきたい心構えと基本姿勢
第3章 行動を変える―「間違った指導」を避ける方法
第4章 思いを伝える ― 100人100通りのコミュニケーション
第5章 心をまとめる ― 仁志流・強いチームの作り方
終 章 意志を貫く―どんな指導者になりたいか?


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【教え方】『どんな人にもピン!とくる教え方のコツ〜上手に伝える5つの質問とタイプ別指導法〜』佐々木 恵(2016年10月28日)


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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