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2021年04月15日

【会話術】『瞬時に切り返す会話術』赤羽雄二


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瞬時に切り返す会話術 (MdN新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番お求めいただいている作品。

当ブログでもおなじみである赤羽雄二さんが、質問等に対してよどみなく応える会話術を指南してくださっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
上司に突っ込まれた時、会議で発言を迫られた時、焦れば焦るほど言葉が浮かばず、頭が真っ白になった経験は誰にでもあるはず。
ところが一方で、どんな状況でも言葉が詰まらずに話せる人が、あなたの周りにもいませんか? いったい、その差は何なのか?
マッキンゼーで14年間活躍し、ベストセラー『ゼロ秒思考』の著者が解説する、瞬時に切り返すための「正しく考える習慣」の身につけ方。

中古が定価の倍近くしていますから、値引きなくてもKindle版もアリだと思います!






Humanoids Arguing / hang_in_there


【ポイント】

■1.頭が真っ白にならないための3つの準備
(1)普段からの情報収集などを、自分なりにいろいろ工夫をする
「普段から情報収集をする」、「人に会って話を聞く」、「朝少し早く起きて朝活に参加する」、「人に会ったらこまめにお礼メールを出す」、そういった工夫を普段からしていくことです。
(2)普段から深く考える癖をつけておく
 そういう癖をつけておけば、かなり落ち着いた気持ちで臨むことができるので、どういう突っ込みを受けてもそれなりに切り返せるようになります。
(3)相手がどういう状況で何を考えて質問しているのかをいつも考えるようにしておく
 こういう習慣ができていると、不意を突かれた質問をされることが減り、相手の次の行動がだいたい想像できるようになっていきます。実戦の場での相手の行動がある程度見えるので、落ち着いて対処することができるようになっていくのです。


■2.時間をかけずに自分の意見を持つ
 情報不足だから態度を保留する、議論を尽くしていないから答えを保留する、というのは一見もっともそうな判断に思えますが、実際のところは、「単なる先送り」でしかありません。
 誰かに何か約束するわけでもなく、契約書で縛られる話でもないので、リスクがないにもかかわらず単に自分のなかで少ない情報での判断を避けようとしているだけです。
 そういう姿勢が、「慎重だ」ということで評価される場合も希にありますが、多くの場合は、スピードがなく、成果を出さず、成長も遅れる大きな要因になります。
 時間をかけなくても自分の意見を持つようにするということに関しては、常に意識していないとできるようになりません。
 いろいろな工夫をすることも大事ですが、実際に意識してやってみると、それほど大きな時間を犠牲にすることなく、かなり広範囲に自分の意見を持つことができます。


■3.「発言予定メモ」を事前に書く
 ここまで、発言する前の考え方の問題、心の持ちようについて述べてきましたが、具体的な発言を助ける有効な方法に「発言予定メモ」があります。
 会議・ミーティングで効果的に発言するためには、何を言うべきか、どういうことを聞かれる可能性があって、その場合どう答えるべきか、「発言予定メモ」にさっと書きとめておくと安心できます。
 その内容は、あれこれ悩まず、頭に浮かぶことをさっと書くだけで大丈夫です。たったそれだけで心の余裕ができ、頭が真っ白になることがかなり減ります。
 私自身も、今でもほとんどの場合、この「発言予定メモ」を用意します。頭が真っ白になることはもうありませんが、「発言予定メモ」を書くことで、このミーティングで何を達成すべきかを明確にすることができますし、何よりも自分自身が安心できます。


■4.会議を効果的に行うための8つのポイント
1.会議の主催者を明確に決める
2.その会議で何を達成するか、目的を明確にする
3.その会議で発言し、決定に参加する人数を絞る
4.その会議での議題を事前に通知し、資料も前日までに送付しておく
5.その資料が議論に足るものかどうか、主催者が事前にチェックし、フィードバックし、完成しておく
6.主催者は、手際よく議論をリードし、結論を出す
7.可能な限りホワイトボードを活用、主催者が自ら書いてリードする
8.ベストプラクティス事例、失敗事例を共有する以外の情報共有のための会議は資料送付で済ます

(詳細は本書を)


■5.即答するかどうかは単なる習慣
 即答すると間違えてしまうかも知れないと心配になる人もいると思います。ところが実際は、そんなことはありません。準備さえしておけばさっと答えるのも、ゆっくり答えるのも、それほど無理せずにできるようになります。
 これは、質問に対してすぐ答える習慣があるか、だらだら答える癖になっているか、というだけの差だと思います。(中略)
 また即答するとそれだけで安心感につながるので、会議全体が「追及モード」から、「確認モード」へ、もっといくと、「承認モード」へ変わっていくという利点があります。最初に質問された部分以外に対する追及が顕著にやさしくなります。
 要は、「この人が言うんだったらまあそうなんだろう」と思ってもらえる、ということです。
 加えて即答が大切である理由が、もう1つあります。
 準備していたことだけでも即答すると、自信が感じられ「仕事ができる」人だと思われます。


【感想】

◆なかなか広範囲な会話術の作品でした。

基本的には、話している最中に突っ込まれたり、それによって頭が真っ白にならないための方策があれこれ。

たとえば本書のプロローグでは、上記ポイントの1番目にあるような3つの準備を推奨しています。

結局のところ、考えや準備もなしに話さないのがミソということでしょうか。

確かにキチンと考えておくと、「周りから突っ込まれても動じずに答える」ことができますし、「一度ビシッと答えると、追加の質問が出にくくなる」というのは言えるかと。


◆そしてここの2番目の「普段から深く考える癖をつけておく」を受けたといえるのが、本書の第1章です。

ちなみにそのTIPSの1つとして、「ゼロ秒思考」用のA4メモをとることも挙げられていました。

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ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

参考記事:【思考術】『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽雄二(2013年12月27日)

続く第2章では、考えるだけではなく、それを発言につなげるための方策が載せられており、上記ポイントの2番目もここからのもの。

自分の意見を持つ上での「態度の保留」は、「単なる先送り」とバッサリです。

また、この章では「場数を踏むこと」の重要性にも言及。
 小さなミーティングでも大きな会議でも、何度か発言したり、質疑応答を繰り返すことで心の持ちようがまったく違ってきます。慣れてくれば、あがることも頭が真っ白になることもなくなります。
実際、場数を踏むことで、発言をすること自体、特別なものではなくなっていき、平常心で発言できるので実力がフルに発揮されるのだそうです。


◆さらに個人的に「目からウロコ」だったのが、第3章のテーマでもある上記ポイントの3番目の「発言予定メモ」。

さすがにプレゼンや講演会等で何を話すかをまとめることはあっても、会議やミーティングレベルで発言予定の内容をメモする、というのは考えたことがありませんでした。

とはいえ、それで書くのは原稿ではなく、あくまでもメモ。

上記のA4メモの形式と同じで、3点程度にまとめるのですが、本書ではそのメモの画像も掲載されていますから、ぜひご確認ください。

さらにこのメモは、会議等の進行に合わせて書き直していくとのこと。
 ほんのちょっとしたことですが、効果はかなりあります。こういう「発言予定メモ」を書き、状況に応じて修正しておくと、だんだん発言したくなってきます。
……これはぜひ試してみなくては。


◆一方、上記ポイントの4番目は、第4章から抜き出したもの。

章題とはちょっと離れているの(むしろ「会議術」ですよね)ですが、汎用性が高そうなのでセレクトしてみました。

もちろん各ポイントについて、本書ではそれぞれ解説されていますから、ご安心を。

そして第5章では、やや上級向けな内容にも踏み込んでいます。

たとえば、こちらには落ち度がないのに、揚げ足取りをしたり、攻撃的な発言をしてくる人等の対処法など。

また第7章では、怒鳴り散らされた場合の対応が触れられているのですが、さすがにこれはレアケースだと思います。


◆そんな中、意識しておきたいのが、上記ポイントの5番目の「即答」。

これは第6章の「質問にはできるだけ即答する」からのものなのですが、「即答するかどうかは単なる習慣」と言われて目が覚めました。

確かに、ある程度自信があっていずれ発言することならば、即答した方が相手に対する印象は良さそうです。

また最後の第8章では、そもそも「質問」や「ツッコミ」を受けないような発言を目指すべく、「問題把握・解決力を鍛えておく」ためのTIPSが登場。

アマゾンの詳細な内容解説にある、
マッキンゼー流、「仮説思考」「ゼロベース思考」
というのは、この章からになりますから、気になる方はご確認を。


会議等で「頭が真っ白」にならないために読むべし!

4295201235
瞬時に切り返す会話術 (MdN新書)
第1章 普段から考える癖をつける
第2章 自分の意見を持ち、発言することで対応力がつく
第3章 「発言予定メモ」を書き、「予行練習」をしておく
第4章 論理的かどうかは気にしなくてよい
第5章 突っ込まれても、余裕を持って立て直す
第6章 質問にはできるだけ即答する
第7章 相手の話をしっかり聞く
第8章 問題把握・解決力を鍛えておく


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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