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2021年03月19日

【作家作法?】『小説家になって億を稼ごう』松岡圭祐


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小説家になって億を稼ごう (新潮新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、個人的にどうしても読んでみたかった作品。

「本を出そう」どころか「億を稼ごう」という景気の良いお話ですから、これは当ブログの読者さんの中にも、そそられた方はいらっしゃるのではないでしょうか?

アマゾンの内容紹介から一部引用。
いま稼げる仕事はユーチューバー? 投資家? いや「小説家」をお忘れでは? ミリオンセラー・シリーズを多数持つ「年収億超え」作家が、デビュー作の売り込み方法から高額印税収入を得る秘訣まで奥の手を本気で公開。私小説でもライトノベルでも、全ジャンルに適用可能な、「富豪専業作家になれる方程式」とは? ここまで書いていいのか心配になるほどノウハウ満載、前代未聞、業界震撼、同業者驚愕の指南書!

いきなり新書版の方は在庫切れで「1〜3週間以内に発送」になっていますから、無難にKindle版でお読みください!






BIG DATA IN PRACTICE BY BERNARD MARR [PREDICT AT THE RDS OCTOBER 2016]-121663 / infomatique


【ポイント】

■1.顔写真入り登場人物「7人と5人」
 貴方の好きな俳優を7人選び、顔写真をネットからダウンロードしましょう。男女比は4対3としますが、男女のどちらをひとり多くするかは貴方の自由です。主人公の性別も同様です。これら俳優たちは、貴方の脳内で登場人物を演じるメインキャストになります。
 7人の顔写真それぞれに、貴方が考えた名前をつけましょう。電話帳など名簿から苗字と名を拾い、自由に組み合わせます。ただし登場人物同士の漢字は重ならないようにしてください。小説は氏名で登場人物を区別しますから、一見して分かるようにしておくべきです。
 全員を名付け終えたら、Wordの文書に画像を貼りつけ、その下に登場人物名を大書します。さらに身長や体重、年齢、出身地、職業など、プロフィールを設定していきます。(中略)
 メインの7人が貼りだされたら、さらに5人、サブの登場人物を作りだします。メインほど華やかではないものの、ひと癖もふた癖もある脇役を揃えましょう。これらサブキャラクターを、メインの7人の下に並べて貼ります。


■2.「40字×3行」で物語を表現する
 あらすじを書く段階では、すでに原稿の下地になることを意識しておかねばなりません。頭から書くよりは、貴方の中に『想造』した物語があるのですから、まずそれを3行にまとめます。
 ひとつの行は40字以内、どれも「5W1H」で書くようにしてください。すなわち「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」だけは、一行ごとにきちんと踏まえて書くようにします。(中略)
 それら3行を読み返しましょう。『想造』した物語全体が、3行で端的に表されているでしょうか。1行目と2行目で状況は大きく変化していますか。変化に乏しかったら、2行目に書いてあるのは本来、1行目に含むべき要素です。2行を1行にまとめ、3行目を2行に分解しましょう。2行目と3行目の内容の変化は、より大きくなっているのを確認してください。各行の要素は重複していたり、また逆に何か重要なことが抜け落ちたりしていませんか。


■3.効果的な推敲の仕方
 物語の流れの矛盾点を探すのと、文章表現を改めること、誤字脱字の発見はそれぞれ趣旨の異なる推敲になります。脳の働く部位も微妙に違ってきます。しかしそれらもすべて「推敲」でひと括りになってしまうので、冒頭から原稿を読み返しながら、何もかも見つけだそうとすると、当然ながら見落としが発生します。
 よって「物語の流れの矛盾点を探す」ためには最初から読むのですが、「文章表現を改める」ための推敲は、最終章から逆に遡って読んでいくのをお薦めします。こうすれば物語を追うのは気にならなくなり、言いまわしのおかしな点のみを発見し、よりよい表現に改善することに集中できます。
「誤字脱字の発見」のためには、各章の最後の行から前へと目を移していってください。「物語の流れ」と「文章表現」に気を取られることなく、誤字脱字にのみ注意を向けられます。


■4.他社からの誘いの対応の仕方
 貴方の処女作が大して売れず、世間にも知れ渡っていないのなら、他社からの誘いは貴重です。新たな編集者とよく話し合い、依頼について検討しましょう。
 しかし貴方が新人賞受賞作でデビューした場合や、1作目がベストセラーになった場合は、他社からの「2作目はうちで書きませんか」という依頼について、よく考える必要があります。その他社が最初の版元より、はるかに大きな会社でもない限り、依頼は断りましょう。
 なぜならその他社なり編集者なりは、本を売る力がないからです。自社で新人作家を育て、売りだすことができないため、別の版元から彗星のごとく現れた貴方にさっそく声をかけたのです。その会社はあまり宣伝費をかけたがっていないか、営業面が弱いと考えられます。悪意があって貴方に連絡したのではありません。版元の苦しい経営状態を改善するため、他で当たった著者の力を必要としているのです。


■5.ネットレビューの真実を知る
 アニメやゲームに近い題材を扱った小説、SFやファンタジー小説は、発行部数が少なくてもレビューが増えます。倍の部数が刊行された歴史小説に対し、ファンタジー物のレビュー数は6倍に達していたりします。レビューサイトのユーザーの多くがスマホ世代だったり、パソコンの愛用者でアニメやゲーム好きだったりすることが影響しているようです。ライトノベルは全般的にレビュー数が伸びる傾向があります。
 5つ星の採点機能についても、たくさんの高評価に恵まれている場合、実は発行部数が少なかったりします。文庫で3万部あたりを基準にして、それ以下なら同好の士ばかりが集合し、誰もが賞賛するという現象が起きますが、3万部より上であれば多様な読者が入ってくるため、低評価も交ざってきます。初版10万部の本は、レビュー上ではあまり高評価を得られませんが、売れ行きは好調ですぐに増刷がかかったりします。


【感想】

◆非常に濃厚な作品ゆえ、ハイライトを引きまくりました。

下記目次にもあるように、本書は大きく2つに分かれ、まず第I部の「小説家になろう」では小説の書き方を、第II部の「億を稼ごう」では、小説を書き上げた後の売り方を指南。

それぞれどちらも類書では見かけない内容ゆえ、上記のポイントの5つだけでは、全然カバーしきれませんでした。

特に前半部分は、まさに著者の松岡さん独自のメソッドゆえ、部分部分で読んでも全体像は分かりにくいかと。

中でも特徴的なのが、上記ポイントの2番目でチラッと出てくる、脳内で物語を作りだす「想造」という手法です。


◆これはまず、上記ポイントの1番目にあるように、登場人物を「5人+7人」の計12人設定。

ここでは割愛していますが、さらに舞台として3か所設定し、その風景写真を12名の登場人物の下に貼りつけます。

そしてこの写真らとともに寝起きし、登場人物が「動き出す」のを待ち、いっさいメモも取りません。

一応、推理小説等で、どうしても解決できない山場が出てきた場合に限り、「逆打ちプロット」なる方法でメモを取るものの、基本は物語の最後まで脳内で完結させてしまいます。

……とここで数行でまとめてしまっても、何が何だか分からないと思いますので、詳細はやはり本書をお読みいただくしかないような。


◆さらに驚くのが、物語を最後まで考えてしまってから、初めてあらすじを書くということ。

上記ポイントの2番目にあるように、「40字×3行」でストーリーをまとめていきます。
 3行はいずれも3幕の見出しです。行間をそれぞれ開けます。1行目と2行目の間は10行、2行目と3行目の間は20行にします。
 これは第2幕が第1幕の倍の長さになるからです。3行目から下はまた第1幕と同じ長さ、10行だと思ってください。第1幕が25%、第2幕が50%、第3幕が25%ぐらいの長さと考えます。
 さて、こうしてあらすじができたら、いよいよ執筆作業に入ります。

ここでも色々なアドバイスがあるのですが、なるほど、と思ったのが、上記ポイントの3番目の「推敲」の方法。

プリントアウトしたり、声に出して読んだり、といった方法は類書にもありましたが、遡って読むというのは知りませんでした。

これなら小説に限らず、ノンフィクションやビジネス文書でも応用できるのではないでしょうか?


◆さて、その「小説以外に応用できる」とも言えるのが、本書の第II部です。

ここでは作品を書き上げた前提で、作家の作法とも言えるべき立ち振る舞い(?)あれこれを指南。

なんたって、初っ端が「印鑑を作る」で、その次が「開業届を税務署に出す」という、それこそ「専業作家」に必要な作業を順に追っていってくれています。

さらに1冊目が出版された後の2冊目をどうするかは、上記ポイントの4番目のように、そもそも出版社をどうするかから考えねばなりません。

作品が当たった場合に、他の出版社からお声がかかるのは、まぁ出版業界のお約束とも言えますが、確かに知名度がすでに上がっている著者ならば、その分宣伝も必要ないですから、売れやすいのは当然ですよね。

また、直接の担当となる編集者との付き合い方についても、本書では色々と学ぶところが多いので、その辺は小説の作家志望者のみならず、ビジネス書を書きたい方や、逆に編集者の皆さんにとっても、一読の価値はあるでしょう。


◆一方、私たち読者にとっても関係があるのが、上記ポイントの5番目のネットレビューです。

確かにあまり売れてない作品が、おしなべて高評価(身内の評価?)だったりするのに対して、ヒットしている作品は評価が別れたりしているもの。

ちなみにアマゾンでは最近、レビューなしで評価できるようになったため、その妥当性が判断しにくくなっているのですが、評価の平均点は上昇する傾向が見られるのだそうです。

なお、この第II部は後半になるにつれ、どんどん話が大きくなり、「文学賞候補になった場合の心得」「映像化の依頼を受けたら」なんて夢のようなアドバイスが登場。

ただ、ここまでくると正直な話、現実感が乏しいというか、参考にできる人はほんのわずかだと思います。

……まぁデビュー作である『催眠』が、いきなり100万部超えした松岡さんにとっては、あくまでありえない話ではないのでしょうけどね。


売れっ子作家になりたい方なら読むべし!

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小説家になって億を稼ごう (新潮新書)
はじめに――小説家が儲からないというのは嘘

I部 小説家になろう
第1章 売れるための大原則「現代小説とはなにか」
第2章 人々に愛される物語の『想造』とは
第3章 魅力的なあらすじ
第4章 おもてなしの精神に満ちた執筆方法
第5章 貴方の小説をリリースする方法
第6章 失敗しないゲラ校閲作業のコツ
第7章 プロが儲からない理由は出版契約書

II部 億を稼ごう
第1章 デビュー直後にすべきこと
第2章 編集者との付き合い方
第3章 デビュー作がヒットした時、しなかった時
第4章 映画化やドラマ化への対応
第5章 ベストセラー作家になってから気をつけること


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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今あるもので「あか抜けた」部屋になる。

我が家にも使えそうな部屋づくり本がこちら。

意外と中古が高くて、Kindle版が500円以上お得な計算です!


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本 新生活キャンペーン」の第3回分の記事で人気が高かったのは、こちらの作品でした(順不同)。

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瞑想を始める人の小さな本

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いちばんおいしい家カレーをつくる

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HEART THINKING――困難をチャンスに変えるメンタル〜7つのメソッド〜

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危険人物をリーダーに選ばないためにできること――ナルシストとソシオパスの見分け方

宜しければ、ご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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