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2020年12月21日

【質問?】『「問う力」が最強の思考ツールである』井澤友郭,吉岡太郎(監修)


B08FM8RX55
「問う力」が最強の思考ツールである


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本 年末年始キャンペーン」でも人気の1冊。

私たちビジネスパーソンにとって、非常に重要なスキルである「問う力」を向上させてくれる、パワフルな作品です。

アマゾンの内容紹介から。
“正解のない問題”を解決するのに必要なのは「答え」ではなく「問い」である。ワークショップ、授業、会議、プレゼン、セールス、商談、ミーティングetc.最強ファシリテーターが教える「機能する問い」のつくり方。

中古に送料を加算すると定価を上回りますから、このKindle版が1200円弱、お得な計算です!





question mark / BAMCorp


【ポイント】

■1.「よい問い」ではなく「機能する問い」を求める
 筋トレであれば、狙った筋肉を使えているか、バスケットボールのドリブルなら、低い位置でドリブルできているかなどです。練習は量も大切ですが、その効果を考えると、ポイントを意識し、それが狙い通りできているかを確認することが重要なのです。
 問いの練習も同様です。2年も待たないとその効果が確認ができないのでは、上達も危ういものになってしまいます。
 ですから、よいか/悪いかを基準にするのではなく、狙い通りうまくいっているか、つまり犁’修靴討い襪を常に考えていきたいと思います。よい問いを求めるのはいったん脇に置き、「機能する問い」を求めていくことにしましょう。


■2."主語や主体"を明示することで思考の領域を明確にする
 たとえば、「何ができるか? 日本の教育」という問いは、テレビ討論のキャッチフレーズとしては、十分にあり得そうですし、このくらいあいまいなほうがいろいろな意見が出そうです。しかし、これが思考を進めるための問いだったらどうでしょう?
犢颪箸靴騰何ができるのか?」ということを考えるのと、「犇軌藜圓廊何ができるのか?」ということを考えるのと、「犹笋廊何ができるのか?」と考えるのとでは、その思考のプロセスも、そこから導き出される答えもかなり異なるものになるでしょう。最悪なのは、思考の途中で主語や主体がズレていってしまう場合です。
「もっと教育に国家予算を割くべきだ!」という思考と「まずは自分が声をあげていこう」という思考が行ったり来たりしてしまっては、有益な答えは導き出せそうもありませんね。
 これは逆にいえば、なんとなくつくられたあいまいな問いも、主語や主体を明示することで、より思考の領域を明確にすることができるということです。


■3.「なぜ」を封印することで、より事実や価値観に目を向けさせる
「なぜ」という問いは、人々の感じ方や価値観を探ったり、原因分析によって効果的な改善策を見つけたりする場面では、非常に有効です。しかし、問われた側がまだ明確に言語化できていなかったり、その答えに当たる情報を正確に持っていなかったりする情況では、うまく機能するとは限りません。こんなときに、When、Where、Who、Whatで問いを投げかけるアプローチを思い出してみましょう。(中略)
「なんでまた忘れ物したの?」や「なんでできないの?」というWhyの問いかけも、「その理由がわかっていたら、もっと早く改善できているよ」というのが本音でしょう。このような場面で「なぜ」を繰り返しても、その問いは機能しそうもありません。
 忘れ物なら「どんなときに忘れ物をするのか」「忘れないときはないのか」「何を忘れやすいのか」「その違いは何か」などを問えば、もしかすると具体的な解決策につながる原因に迫れるかもしれません。


■4.「ORID」で対立を解消する
 チームやクラスを運営していると、その中のメンバー同士のいざこざや感情的なぶつかり合いに遭遇することがあります。そんなとき、チームやクラスでミーティングや学級会を開くという、本書でいう3人称的なアプローチも考えられます。ここでは「ORID」というさまざまな紛争を解決に導くフレームを使って、2人称の問いで解決を図るアプローチで考えてみましょう。
 ORIDは「Objective Question」「Reflective Question」「Interpretative Question」「Decisional Question」の頭文字をとった名です。
 ORIDは次の問いで構成されます。
 まず「O:事実を確認する問い」、そして「R:そのことでどのような感情になったかを知るための問い」、さらに「I:それらの事実や感情を振り返ったうえで、解釈や考えをうながす問い」、最後に「D:それらを次の行動に結びつける問い」から構成されます。


■5.会議のテーマは問いで提示する
「書くことは考えることだ」という主張で始まる山田ズーニーさんの名著『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』では、会議のテーマや議題を問いで表現することを推奨しています。
 同書は文章の書き方を指南する本なので、問いで表現されるのは議事録の中なのですが、会議が終わってから問いで書かれるより、そもそも最初から提示されていれば、会議中に、犢佑┐襪戮こと瓩筬猩辰傾腓ι要のあること瓠△修靴騰犒誅世鼎韻燭い海鉢瓩砲弔い董¬造Δ海箸呂覆なるでしょう。
 たとえば、「イベントの集客状況について」をその目的や目標を意識して、問いの形に変換すると「イベントに人を集めるために今からできることは何か?」などとなります。また、「新入社員採用について」という会議も「新卒採用の内定辞退率が高い原因は何か?」と、問いの形でテーマや議題が提示されていれば、情報や意見を出す領域を定めやすくなります。


【感想】

◆「問い」や「質問」をテーマにした作品を、過去何冊か当ブログでもご紹介してきましたが、それらと比べても本書は濃い内容でした。

ただし「よい問い」とは何ぞや、と考えても「そのときどきの価値基準や、判断のタイミングによって、いかようにも変化」してしまいます。
 たとえば、あるワークショップで出た問いが、参加者にとってわかりにくく、その場ではまったく思考や対話が深まらなかったとします。ところが、この問いを持ち帰った1人が、2年間それを探求しつづけ、これまでの限界を突破できる技術的ブレークスルーをもたらしたとしたらどうでしょう?
そこで本書で提案されているのが、上記ポイントの1番目にあるように、「よい問い」ではなく「機能する問い」を求める、というもの。

ちなみに、ある問いの狙いが「相手から1つの明確な答えを得ること」だとした場合、相手から明確な答えが出れば「機能した」と判断して良いのですが、その場で機能しなかったものの、数年後にその問いがきっかけで人生が変わったとしても、それは「機能した」とは呼びません。

これは本書の序章で述べられていることなのですが、目的もなく漠然と「よい問い」を求めていた自分にとっては、結構「目からウロコ」でした。


◆なお、本書においては、問いを3つに分類しており、それは自分に問う「1人称」、相手に問う「2人称」、複数の相手に同時に問う「3人称」というものです。

……どうも本書で言うところの「3人称」という概念に当初慣れなくて、俗に言う「2人称複数」としか思えなかったのですが、その複数の相手同士で話し合うこともありうるので、そうなると確かに「3人称」と呼んでもいいのかも。

そして第1章では「1人称」がテーマであり、この「1人称の問い」こそがすべての思考の基礎になるとのこと。

実は本書ではシンプルな「問い」(「ポストはなぜ赤いのですか?」等)に対して、「5W1H」(Whyを除く)を使って変えてみたり、問いを修飾(「『日本の』ポストはなぜ〜」等)したりと、さまざまな「練習」が展開されるのですが、この辺は本書にてご確認を。

ちなみに上記ポイントの2番目の「"主語や主体"を明示する」というのもそのバリエーションの1つなのですが、逆にそのことによって「思考の領域が明確にすることができる」というのは、なるほど、と納得した次第です。


◆一方第2章は、相手に問う「2人称の問い」がテーマ。

上記ポイントの3番目は、ここからのものなのですが、「問い」といえば、もっとも多用されるのが「なぜ」なだけに、それを封印する、というTIPSは意外でした。

とはいえ、そのことによって、かえって違う視点から物事を見ることもできるわけで、これは意識しておきたいところ

また、同じく第2章から抜き出した、上記ポイントの4番目の「ORID」という概念は、私は初めて知りました。

ここでは個々の要素の説明で終わってしまいましたが、本書では具体例に沿った問いの例や、そのヒントが挙げられていますから、ぜひお目通しください。


◆なお、第3章の「3人称の問い」は、私自身がひと前で発表したり、スピーチする機会がないので、今ひとつ活かせなさそうだったのですが、個人的にピンときたのが、上記ポイントの5番目の「会議のテーマは問いで提示する」。

逆に会議のテーマが「問い」の形になっていたことなど記憶にないものの、これは実際に行ってみたら効果がありそうです。
 問いには狹え瓩鬚Δ覆す力があります。議題が問いの形で示されたほうが、参加者が「なぜなのか?」と考え、その問いに答えようという気持ちになりやすくなるのです。
確かにこれは、脳の仕組みから言っても自然かと。

ただし、問いの形で会議のテーマや議題を提示するのに抵抗があるようなら、会議の冒頭に口頭で伝える(「今日は、『新卒採用の内定辞退率が高い原因は何か?』について考えていきます」等)だけでも、大きな違いを生むであろう、と本書では言われています。

これはぜひ、取り入れなければ!

さらに最後の第4章では「ワークショップにおける問いの実践」がテーマなのですが、それこそキモとなるのが著者(と監修者)お2人の事前打ち合わせや、実践後の振り返りの様子なので、本書にてご確認ください。


「問い」を極めたい方なら読むべし!

B08FM8RX55
「問う力」が最強の思考ツールである
はじめに ――正解の見えにくい時代を生き抜くための「問う力」
序章 「問う力」が最強の思考ツールである
第1章 1人称の問い ――自分の思考を整理する
第2章 2人称の問い ――相手の思考を引き出す
第3章 3人称の問い ――複数人の思考をまとめる
第4章 ワークショップにおける問いの実践
おわりに ――問いを生きる時代


【関連記事】

【5つの質問】『Wait, What?(ウェイト、ホワット?) ハーバード発、成功を導く「5つの質問」』ジェイムズ・E・ライアン(2020年07月01日)

【考えるということ】『問い続ける力』石川善樹(2019年04月29日)

【問い】『Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法』ウォーレン・バーガー(2016年06月30日)

『パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術』アンドリュー・ソーベル,ジェロルド・パナス(2013年03月25日)

【これは使える!】「キラークエスチョン」山田玲司(2009年08月19日)


【編集後記】

◆一昨日の「Kindle本 年末年始キャンペーン」の記事で人気だったのは、この辺の作品でした(順不同)。

B08JG488PB
無駄な仕事が全部消える超効率ハック

参考記事:【生産性向上】『無駄な仕事が全部消える超効率ハック――最小限の力で最大の成果を生み出す57のスイッチ』羽田康祐 k_bird(2020年09月24日)

B08FM8RX55
「問う力」が最強の思考ツールである

B083LPXTG8
問題解決力を高める「推論」の技術

参考記事:【思考術】『問題解決力を高める「推論」の技術』羽田康祐 k_bird(2020年01月10日)

B08HD6MZNL
藤田田から教わったお金と時間の不変のルール

参考記事:【藤田田流?】『藤田田から教わったお金と時間の不変のルール』ジーン・中園(2020年09月11日)

レビュー済みの作品ばかりですが、よろしければご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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