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2020年11月19日

【生産性向上】『業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ』沢渡あまね,元山文菜


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業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも注目を集めていた仕事術本。

当ブログでも過去何冊か「生産性向上」をテーマにした作品をご紹介している沢渡あまねさんが、「業務改善、IT化支援、RPA導入を推進してきた」元山文菜さんとタッグを組んだ1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
「改善しなければ」とただ騒いでいるだけ。体制も組織されなければ、予算も時間も与えられない。当然、評価もされない。古いやり方に固執していつまでたってもアップデートされない組織、どう変えていけばイイんですか?!

中古が若干値下がりしてきたので、お得なKindle版がオススメです!






KPT / june29


【ポイント】

■1.「意識合わせ」よりも「景色合わせ」をする
 私は、改革や改善の初期においては「意識合わせより、景色合わせを!」と伝えています。立場が違う相手同士、問題意識はなかなか合わないものですが、景色を合わせることはできます。
 景色合わせの第一歩。それは「書き出す」。
 部署別、チーム別、職種別、あるいは層別(役員のみ、管理職のみ、中堅社員のみ)など、リアルを洗い出したい単位でグループを組んで、
・問題だと思っていること
・生産性を下げていると思うもの
 などテーマを決め、その原因や事象と思われるものを付箋に書き出し、模造紙やホワイトボードに貼りましょう。
「課長の問題意識はこれなんだ」
「なるほど、現場の若手はこういう情報がなくてモヤモヤしていたのか」
 など、景色の違いが明確になります。


■2.チームミーティングに「KPT」を取り入れてみる
「KPT」とは、英単語3文字の頭文字をとったふりかえりの手法です。
K:Keep=よかったこと(今後も続けること)
P:Problem=問題だと思うこと(今後はやめること、あるいは新たな改善課題)
T:Try=試してみたいこと/チャレンジすること
 用意するものは、ホワイトボード、付箋、そしてペンです。
 メンバーは、自分の意見や気づきを付箋を書き、ホワイトボードの「K」「P」「T」それぞれの領域に貼り出して、ディスカッションをします。
 書き出す⇒貼り出すのプロセスがミソ。書き出すことにより、意見や気づきを風化させずに残しておける効果があります(確実に受け止めてもらえる安心感)。また、他人の書いた情報を見ることで、
「こんなことでもいいの? だったら、私はこんなアイディアが……」
「その視点はなかった」
「そういえば、それに関連して、こんな問題もあったぞ」
 など新たな学びや気づきを得たり、言語化のヒントを得ることができます。


■3.ECRSで業務を整理整頓する
●E:廃止(Eliminate)〜仕事自体をなくせないのか?
 まず考えるのは、その仕事や作業自体を廃止できないかどうか。
●C:結合(Combine)〜作業を同時にできないか?
 仕事が廃止できない場合は、
「仕事を同時にできないか?」
「ばらばらに管理しているデータや仕事はないか?」
と考えます。
●R:入れ替えと代替(Rearrange)〜手順や担当を替えられないか?
 仕事を結合できないのかを考えつつも、
・ABCという順序で実施していたプロセスを、CBAに変更する
・担当者(担当A 担当B)や、部署(部署A 部署B)を変更する
 ことで効率化できないかを検討します。
●S:単純化(Simplify)〜もっとかんたんにできないか?
 さぁ、最後の仕上げです。業務をよりシンプルに簡素化できないかを考えます。ここではじめて、システム化や自動化などのソリューションを検討します。
(詳細は本書を)


■4.業務改善の行く道を阻む「モンスター」5つのタイプ
●「ネゴシエーション」モンスター
「先ほどは言えなかったけれど、やはり反対です」
●「ネガティブキャンペーン」モンスター
「あんなのはどうせ失敗するよ……関わると本業の仕事が終わらなくなるぞ」
●「評論家きどり」モンスター
「あぁー、その案は〇〇のリスクがあるため、難しいですね」
●「当事者意識ゼロ」モンスター
「自分たちで出したアイデアだろ!? ボトムアップ活動なんだから、現場主体でやってくれよ」
●「腹落ちしてない」モンスター
「業務改善を開始して半年経っているのに、生産性が上がってないじゃないか……」
(詳細は本書を)


■5.まずは日々の仕事から1日12分を確保する
 週に1回の改善ミーティングを実施している職場で、「忙しすぎて、1時間もミーテイングに関わっている暇なんてないよ!」と言われることはよくあります。ただ、よく考えてみてください。週に1時間は、日々の業務に置き換えると、たった12分です。日々の業務から12分の仕事を捨てれば、緊急中毒症から抜けだせるのです(業務改善活動としてメンバーで取り組む場合には、4丁目でご紹介したECRSもあわせて活用してください)。業務改善活動の立ち上げ当初は1時間くらいかかるミーティングも、チームメンバーが自律的に考え意思決定するようになってくると30分、または朝会の15分だけというふうになっていきます。
 まずは、日々の業務を整理して12分を確保することから始めてみてください。それにより、必要のない仕事だったり、やり方を簡素化できる仕事が見えてきます。あわせて、長期的に重要な仕事を先にこなしていくゆとりも生まれていきます。


【感想】

◆引用部分がちょっとボリューミーになってしまいましたがお許しを。

ただ、著者のお2人がおっしゃってることはもっともで、ハイライトを引きまくりました。

まず第1章(下記目次や上記ポイントの5番目にあるように、本書では「章」の代わりに「丁目」という呼び方をしていますが)では、社内の関係者(社長、部長、課長、現場の担当者等)の思惑の違いとそのすり合わせ方に言及。

ちょうどアマゾンの画像に図解したものがありましたので、下記に貼っておきますが(リンクなのでクリックするとアマゾンの本書のページに飛びます)。

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要は皆、考えることがバラバラということ。

そこでまずは、上記ポイントの1番目にあるように、「意識合わせ」よりも「景色合わせ」するのが良いワケです。

ちなみに本書では、この「書き出し」をうまく機能させるための「7つのポイント」なるものが掲載されていますので、ぜひご確認ください。


◆続く第2章では、こうした「働き方改革」をスタートさせても、空回りしてしまう要因を分析。

章の初っ端に「現場が『改善提案しない』『本音を言わない』背景9つ」が挙げられているのですが、まさに「あるある」の嵐でした。

そして、それらの問題に対する改善策の中から抜き出したのが、上記ポイントの2番目の「KPT」です。

ちなみにこの「KPT」ですが、用語自体当ブログでは初登場のようで、ブログ内検索をかけてでてきたのは、Kindleセール時にご紹介したこちらだけでした。

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これだけ! KPT

まずは本書の該当部分ををお読みいただき、より深く掘り下げたい方は、上記作品もご検討いただければ、と。

なお、このような組織改革は、すぐには成果が出るとは限らないため、「成果よりも変化を追うべし」という指摘もありました。

これに関して著者の沢渡さんは、生産性や働き方やコミュニケーションがテーマの講演で、次のように言われているのだそうです。
成果は、数値化によって評価してください
変化は、言語化によって評価してください
つまり、組織風土や文化の変化は、なかなか数字で評価できるものではないですから、変化を言語化し、正しく光が当たるようにすべきなんですね。


◆では業務改善をするには、具体的にどうすればいいのかに関して述べられているのが、1つ飛んだ第4章です。

「RPA」のようなソリューションを導入する以前に、まずしなければならないのが、現状の業務の洗い出し。

まずは「業務棚卸表」を作って全体像を確認し、いらないものを処分し整頓していきます。

そこで活用すべきなのが、上記ポイントの3番目の「ECRS」。

類書でも過去何度か目にしたことはありましたが、本書ではかなり詳しく触れられていますので、ご存知ない方はぜひご一読ください。

また、実際にソリューションを導入後は、「定量的」「定性的」に評価をすべし!

特に前者については、「QCD」(Quality:品質,Cost:コスと,Delivery:納期)の観点から評価するようにしてください。


◆さて、こうした業務改善を行うに際して障壁となるのが、社内の抵抗勢力です。

本書の第5章では、これらを「モンスター」と呼び、上記ポイントの4番目にあるように整理。

上記ポイントでは、彼らモンスターの発言のみ抜き出してしまいましたが、具体的な特徴等については本書にてご覧ください。

もちろん本書ではその対策についても列挙されており、中でも触れておきたいのが、MITの「組織の成功循環モデル」なるもの。
,互いに尊重し、いっしょに考える (関係の質)
気づきが生まれる (思考の質)
自分で考え、自発的に行動する (行動の質)
だ果が得られる (結果の質)
タ頼関係が高まる (関係の質)
という好循環を作り出せれば、組織も変わっていくはずです。

なお本書では、このモデルを業務改善に当てはめて解説しており、納得感大でした。

ちなみに、抵抗勢力自体に関しては、当ブログではこのような本もレビューしていますから、こちらもご参考まで(今月の「日経BP月間セール」の対象作品ゆえ、Kindle版がお買い得です)。

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抵抗勢力との向き合い方

参考記事:【仕事術】『抵抗勢力との向き合い方』榊巻亮(2017年12月14日)


◆さらに最後の第6章では、業務改善の継続方法についての指南が。

まず挙げておきたいのが、上記ポイントの5番目の「1日12分の確保」です。

もちろん他にも、業務改善の体勢図を作って、役割分担や責任を明確にしたり、業務改善活動の内容を毎回記録に残す、といった事等も大事かと。

今までもこうした業務改善をテーマにした作品はありましたが、本書はかなり具体的に踏み込んでおり、かつ、再現性も高そうに感じました。

なお、ちょうど本日、著者お2人による無料のオンラインイベントもあるようなので、興味のある方はぜひご検討ください。

【オンライン】ここから変える、業務改善の景色とミライの働き方 - connpass


今度こそ業務改善を成功させるために読むべし!

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業務改善の問題地図 ~「で、どこから変える?」~進まない、続かない、だれトク改善ごっこ
はじめに 「先生、ウチの組織ではなぜ業務改善がうまくいかないんですか? 」
1丁目 問題意識がバラバラ
2丁目 無力感
3丁目 中間管理職ブロック
4丁目 ソリューションありき
5丁目 抵抗勢力
6丁目 三日坊主で続かない
おわりに 「かくあるべき」にとらわれずに、新しい働き方へ


【関連記事】

【生産性向上】『職場の科学 日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」』沢渡あまね(2020年09月04日)

【生産性向上?】『チームの生産性をあげる。―――業務改善士が教える68の具体策』沢渡あまね(2017年07月20日)

【生産性?】『なぜ日本の会社は生産性が低いのか?』熊野英生(2019年01月21日)

【仕事術】『仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣』吉田幸弘(2019年10月04日)

【仕事術】『抵抗勢力との向き合い方』榊巻亮(2017年12月14日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B079KV7GBS
絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)

いかにもHONZさんが好きそうな科学ネタ本は、中古が値崩れしていますが、送料を足せばKindle版がお買い得。

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ぼくが見つけた いじめを克服する方法〜日本の空気、体質を変える〜 (光文社新書)

かつてご自身もいじめられっ子だったという岩田先生の新書は、Kindle版が300円強、お得な計算です!


【編集後記2】

◆一昨日の「ぴっかぴか小デジ!感謝祭 2020年冬」の記事で人気があったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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「過干渉」をやめたら子どもは伸びる(小学館新書)

B009YES5KA
勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)

B00BHTPNFK
秘訣は官民一体 ひと皿200円の町おこし 〜宇都宮餃子はなぜ日本一になったか〜(小学館101新書)

B00DGL6PG8
食べても痩せるアーモンドのダイエット力(小学館101新書)

当ブログ的には、結構異色なラインナップですが、ご参考まで!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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