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2020年11月13日

【図解思考】『武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン』平井孝志


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武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「東洋経済新報社125周年セール」でも人気の思考術本。

7月の未読本記事で取り上げたままだったのですが、今般晴れて読むことができました。

アマゾンの内容紹介から。
なぜ頭のいい人は図を描いて考えるのか?
MBA/Ph.D×外資系コンサル×大学教授として
ビジネスの最前線で30年考え続けてきた著者が
誰でもできる「深く考える」メソッドを体系化!

中古価格が定価を上回っていますから、このKindle版が900円弱、お買い得です!






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【ポイント】

■1.パワーポイントがダメな理由
 実はパワーポイントには思考の流れを阻害する要因が潜んでいるんです。
 パワポは、意識するしないにかかわらず、資料を完成させるための「作業」に焦点があたってしまいます。パワポ資料作りのためのパワポ作業になってしまう。あるいは、作ったパワポに縛られて思考が先に進まなくなってしまうことも間々あります。そうやって思考停止に陥っている人をこれまでたくさん見てきました。
 本来、図を描く作業は、手で考える作業であり、自分自身との対話です。そして、考えを深め、整理するプロセスです。目の前の紙から意識がそれるのはダメで、図と思考をシームレスに、かつ瞬時に切り替えられる利便性があるべきです。
 しかしながらパワポの場合、画面の上の様々なコマンドボタンと図の往復作業で思考が寸断され、図形やフォントの選択で迷い、思考が途切れがちになります。そして、資料を作ることについつい意識がいってしまう……。
 結果的に、「考えること」と「作業すること」の逆転現象が起こり、本末転倒が生まれてしまうのです。


■2.基本図形は四角と丸
 まず図を描く際の基本図形ですが、四角と丸で十分です。
 システムのフローチャートを描く際には、データは四角、データベースは円柱、意思決定はひし形……と分けて描きますが、「図で考える」ためには、そんなにたくさんの分類は必要ないと思います。
 まず、その分類をいちいち考えながら図を描くのは面倒。そんなことに意識を払っていると、せっかくの思考の流れが分断されてしまいます。だから四角と丸で十分なのです。また、四角と丸は描きやすいですし。
 では、四角と丸はどう使い分ければいいのでしょうか。実は私自身あまり厳密に区分はしていません。その時の気分で四角の枠を描いたり、丸を描いたりします。
 でも大まかに言うと、四角は事実(ファクト)などのしっかりと分かっている事柄などを書く時に使い、丸は、どちらかというと、概念やキーワードを書く際に使っています。


■3.ピラミッドはまず「箱」を3つ描いてみる
 では、このようなピラミッドを使って深く考えるためにはどうすれば良いのでしょうか。
 答えは至ってシンプルです。まず紙の上に、ピラミッドの「箱」を描いてみることです。一番上に1個、そしてその下に3から5個程度の四角い箱を描くのです。
 一番上の箱の中には、今考えなければいけないテーマを書きます。そして、下の箱にはそのテーマに関する大事な要素を書き出します。最初に箱を描いてしまうのがここでのミソです。なぜなら箱を描くことで、それを埋めなければならず、思考が強制的に多面的になるからです。当然同じことを別の箱に繰り返し書くことはできません。これは明らかにMECE違反(ダブり)。それ故、思考が多面的になるというわけです。


■4.対立する2つの項目を軸にする
 たとえば、「学力アップ」のための勉強の「量×質」。あるいは、「就活」で内定獲得に向けた「受験社数×合格率」などは分かりやすい例ではないでしょうか。この「量と質」や「絶対値と比率」は、厳密ではないものの、相反する2つの視点になっています。
 相反する2つの項目は掛け算にもなります。学力アップにおける「量×質」は、学力そのものになりますし、偏差値にもつながります。就活の「受験社数×合格率」は内定獲得数になります。
 裏を返せば、「掛け算にできる2つの要素は何だろうか?」と考えるのも、良い軸を思いつくための1つの視点です。


■5.1次元の矢バネを2次元で考える
 たとえば、ある商品が購入されるまでには幾つかの段階があります。まずその商品を「知らない」と決して購入されることはありません。ただ、知っていても、「良い商品だな〜」と興味を持ってもらわなければなりません。さらに、通常は他の商品とも比較します。その中で、少なくともその商品を「買いたい」と思ってもらわないと購入されません。そして最終的には、実際に買うという「行為」をしてもらわなければなりません。
 文章で書くと長ったらしいのですが、図にすると図90のようにシンプルに表現できます。これはマーケティングのAIDAというとても有名なフレームワークで、顧客の消費行動を捉える際に活用されるものです。(中略)
 先ほどのAIDAの場合は、たとえば、タテ軸にお客さんの数を取り、市場にいる人の数から、買ってもらえる人の数までのウォーターフォール(滝)のような図を描くと、どこでお客さんを取り逃がしているかがハッキリと分かります(これはモレ分析と呼ばれます)。このように矢バネともう1つの軸を組み合わせると、いろいろな発想が可能になってくるのです。


【感想】

◆思っていた以上に当ブログでレビューするのが難しい作品でした。

当たり前ですが、内容の多くが図に関することであり、それらを図を使わずにご紹介するのは、かなり無理があった模様。

しかも本書の図は、全部で135個も(!?)あります(最後の図の番号から判明)。

ひと昔前なら本書の画像を写メって、画像を記事内で使っていたのでしょうが、今なら著作権法違反(昔からです!)。

そこでハイライトを引いた中でも、図がなくとも分かるものを抜き出したのが上記のポイント群です。

たとえば上記ポイントの1番目の、思考する時点でパワポがダメな理由は類書でも見たことはありましたが、ここまでキチンと説明されていたのは、個人的には初めてでした。


◆さて本書によると、図とは「概念図」「構成図」「分析図」の3つに分けられるのだそう。

このうち「分析図」は本書では取り扱わず、それ以外の2つについて掘り下げています。

なお「概念図」とは
まだ頭がモヤモヤしている時、新しい着想を得たり、問題の構造を見つけるため、試行錯誤しつつ描く自由演技の図
とのこと。

その際用いる図形は、上記ポイントの2番目にあるように、四角や丸で問題ありません。

私自身もテキトウに描いていましたが、四角を事実(ファクト)に、丸を概念やキーワードに、と使い分けるやり方は、今後真似してみようかと。


◆また、「構成図」とは、いわゆる定型図であり、本書では「ピラミッド」「田の字」「矢バネ」「ループ」の4つを用いています。

このうち「ピラミッド」と「矢バネ」は、アマゾンのページに収録されていたのでご紹介(上下の余白が大きくて恐縮です)。

また、「田の字」とは、いわゆる2軸4象限のマトリクス図のことであり、「ループ」とは、下記の記事の中でも登場する、ジェフ・ベゾスが描いた「アマゾンのビジネスサイクル図」のようなものを指します。

ビジネスの秘密は紙ナプキンの裏に - ITmedia エンタープライズ

そして本書の第3章以降では、それぞれの図の特徴や使い方等について指南。

たとえば上記ポイントの3番目は「ピラミッド」に関するものですし、4番目と5番目は、それぞれ「田の字」と「矢バネ」に関するものです。

……ってやはり図がないと、今ひとつ分かりにくいですよね。


◆となると、本書に対する興味も薄れかねないのですが、力説しておきたいのが、類書ではあまり見たことのないような図の展開がなされていること。

たとえば「田の字」の行と列の数が3や4に増えるくらいなら、別に何とも思わないのですが、「斜めの補助線を引く」というのは初めて見ました。

……おそらくここでテキストで説明しても、かえって混乱してしまうと思いますので、詳細は本書にてご確認を。

さらに「矢バネ」に関しても、本来左から右への一次元なのですが、それに縦軸を組み合わせて二次元にする、というのは目からウロコ。

この場合の縦軸は、ウォーターフォール図ではよく見かけるのですが、横軸が「矢バネ」な分、長さがまちまちになっているワケです……というのも、図があれば一発で分かるのですが(涙目)。

さらに、「矢バネ」を交差させたり、丸くしたりと、こちらもぜひ本書でご覧いただきたいと、切に思うワタクシ。

本来図が定型な分、当てはめて考えるのが便利なところ、その「一歩先」を行く実例に接して、自分の発想が豊かになれる気がしました(個人の感想です)。


これはオススメせざるを得ません!

B08BL3BQGR
武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン
PART1 基礎編
第1章 なぜ図を使うと考えが深まるのか
第2章 「概念図」を描いて考えてみよう

PART2 実践編
第3章 使える型.團薀潺奪
第4章 使える型田の字
第5章 使える型L陬丱
第6章 使える型ぅ襦璽
第7章 図で考える達人になる


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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