スポンサーリンク

2020年10月08日

【オススメ!】『1キロ100万円の塩をつくる: 常識を超えて「おいしい」を生み出す10人』川内イオ



4591167941
1キロ100万円の塩をつくる: 常識を超えて「おいしい」を生み出す10人 (ポプラ新書 か 11-1)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日発売された注目の新書。

帯で成毛眞さんが推薦されている、「グルメ×ビジネス」をテーマにした1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
独自のアイデアで市場を切り開き、自分の暮らしも大切にしながら、国内外で活躍の場を広げている10名の食のイノベーターを取材。彼ら、彼女らの取り組みはどれも前例がなく、未知数。強烈な「想い」を胸に抱えて突き進む姿は、これからの働き方、生き方のヒントになります。

中古が倍値近くしますから、若干お得なKindle版がオススメです!






Cheese / rjhuttondfw


【ポイント】

■1.あえて味を固定しない
「ワインも日本酒も同じ醸造酒ですよね。欧米の人は毎年、ブドウの出来が違ってワインの味がブレることを開き直って、『何年につくった』ということを特徴にするじゃないですか。日本人は、自分のところの味を裏切らないように、いつもと違う状態の米が来ても、いつもと同じ味に仕上げようと 血反吐 を吐く思いで努力していました。それはそれで技術の修練としては美しいんやけど、米とかブドウの味が毎年違うのは当たり前やし、欧米人は売り方がうまいなと思ったんですよね」(中略)
 そう考えた野村さんは、仙霊茶を品評会には出さないことに決めた。そして、無農薬、無肥料の自然栽培の価値を伝えるために、新茶の茶葉を摘んだ日付別にパッケージし、日々成長する味わいのグラデーションをアピールすることにした。ワインと同じように、あえて味のブレを楽しんでもらおうというアイデアだ。


■2.自分でも「むっちゃおいしい」おはぎだけ出す
例えば、夏に登場する「焼きとうもろこしもち」は、その厳しい審査をくぐり抜けてきたものだ。
 最初はもち米をあんこで包む形で、外側のあんこにとうもろこしを混ぜた。でも、「なんぼやってもおいしくならへんわ」と数年間、眠ったままだった。ところがある日、あんこをもち米で包む形に変えて、もち米にとうもろこしを混ぜてみようと閃き、試してみたら「あれ、めっちゃおいしいんですけど!」。さらに遊び心を加えて、夏祭りのように醬油を塗って軽く焼いてみたら、びっくり仰天の味に。これをお店で売り始めると、とうもろこし? と半信半疑でひとつ買った人のなかには、次に来た時に「衝撃やったで!」と10個買って帰った人もいたという。


■3.コーラづくりに祖父のやり方を活かす
 自宅に戻ると、すぐにキッチンに向かった。実家で聞いた良太郎さんの話をヒントに、それまでのやり方を変えた。
「企業秘密になっちゃうので詳しくは言えないんですけど、いろいろな材料をいっぺんに煮込むと、ベタッとした感じになるんです。スパイスに火を入れる工程と煮込む順番をどう工夫するかっていうところですね」
 できあがったのは、過去2年間つくっていたものとはまったく別物のシロップ。炭酸水を入れて飲むと、風味豊かでコクのあるコーラに仕上がった。これは……と思い、翌日、会社に持参して、仲のいい同僚に声をかけた。これまで試作品を何度か飲んでもらっていた同僚は、新しいコーラを一口飲んだ瞬間、驚きの声を上げた。
「めちゃくちゃおいしい! これ、普通にお金払っても飲みたい!」


■4.「乳酸菌と酵母」の組み合わせを追求したチーズ
 周囲の冷たい視線をよそに、微生物研究所の仕事で生活費を稼ぎながら、平日は朝と晩に1日3時間、加えて週末は丸一日、ひたすらチーズの開発に打ち込んだ。試行錯誤のなか、ようやく納得できる作品として完成したのが、7種類の乳酸菌と酵母を0.01グラム単位で調合し、表面に竹炭をまぶしたチーズ「竹炭」。
 柴田さんは、この「竹炭」を濃厚熟成させたチーズで、2017年に開催された「第11回ALL JAPANナチュラルチーズコンテスト」にエントリーした。
 迎えた11月1日の最終審査会。国内のチーズ生産者73社から161作品の応募があったこのコンテストで、最高賞にあたる農林水産大臣賞の受賞者として名前を呼ばれたのは、柴田さんだった。


■5.「1キロ100万円の塩」とは?
 塩の甘みは100段階あり、結晶の大きさは0.1ミリ単位から調整できる。これまでつくった最大の塩は30センチの結晶で、これは「海水を点滴みたいにぽたぽた垂らしながら」つくったそうだ。
 甘みと結晶の大きさに加えて、風味も大きな特徴である。佐藤さんが塩をつくるビニールハウスをのぞかせてもらうと、そこはまるで実験室のようだった。(中略)
 これまでの最高価格、1キロ100万円の塩は、どのように生まれたのだろうか?
「フランスのお高いレストランからの依頼でしたね。1年間、トリュフを海水につけて、トリュフの出汁をとるんです。海水は蒸発していくんで、つぎ足し、つぎ足しで。その出汁で塩をつくりました。塩全体がトリュフの味になるということではなくて、塩の結晶のなかにトリュフの風味を取り込むんです」


【感想】

◆そもそも本書は、前回の未読本記事を書く際にタイトルは目にしていたものの、「塩の話」かと思ってスルーしていたワタクシ。

「新書あるある」ではないですが、本書は塩の話だけでなく、突出して「おいしい」食材(含む飲み物)を生み出した方が、10人登場されています。

パン、日本茶、おはぎ、ラム酒、コーラ、ピーナッツバター、ワイン、チーズ、ジェラート、そして塩。

それぞれ、製品を生み出すまでのドラマがあり、それこそ情熱大陸に登場されていてもおかしくないくらいです。

……と、読み始めて思ったのですが、実際にチーズの柴田千代さんは昨年出演されてた模様。

柴田千代(チーズ職人) | 情熱大陸


◆また、皆さん揃って、家業や小さい頃からの環境とはほぼ関係なく、大人になってたまたま(?)出会った対象にハマっていくのがユニークです。

たとえば上記ポイントの1番目の、日本茶に賭けた野村俊介さんは、医療機器メーカーからの脱サラ組。

それもごまと生姜の自然栽培をしていたのが、たまたま友人に付き添って出会った茶園に感動し、新規就農に尻込みする友人に代わって引き受けることを決意します。

そして「日本では数%しか栽培されていない」という「無農薬のお茶」を武器に、旅館や商業施設に営業をかける一方、月1000円で年に2回お茶が届く茶畑オーナー制度を始めたのだとか。

仙霊茶園 オーナー制度(年会費) – 株式会社仙霊 Senrei.Inc


◆上記ポイントの2番目にある、創作おはぎの森百合子さんも、大阪芸大を出て寝具メーカーに就職。

結婚を機に退職し、アルバイトをしていたものの、手持無沙汰気味だったところに「パティシエにでもなったら」というご主人のアドバイスを受け、雑穀を使ったおはぎをつくることを思いつきます。
 2009年12月、初めてのイベント。自分で食べても「おいしい」と自信を持って提供できるおはぎを用意した。定番のあんこと黄な粉に加えて、みたらし、くるみ、ほうじ茶など新作を加えた計8種類。どれもひとつ百数十円。雑穀を使い、甘さは控えめにして、彩りを鮮やかに。女性でも食べやすいようにと、赤ちゃんのこぶしほどの大きさにまとめた。
するとこれが見事に完売。

最終的には店を2つ構え、今ではスタッフも20人まで増えたのだそうです。

それでも変わらないのが「自分が食べておいしい」という絶対的な基準で、上記の「焼きとうもろこしもち」は、それをクリアした数少ない新作とのこと。

昨今流行りの、やたらと華やかな見栄えや、珍しい素材をウリにした「創作おはぎ」とは一線を画し、「東京の人には安すぎると言われることもある」というお手頃価格で、堅実に経営されているようです。


◆一方、上記ポイントの3番目の「伊良コーラ」の小林隆英さんは、アサツーディ・ケイ在職中にネットサーフィンをしていて、コカ・コーラのレシピ(真偽不明w)に遭遇。

自分で作ってみるものの、あれこれ工夫しても美味しくなりませんでした。

ところが実家に帰り、漢方調合の職人だったお爺さんの簡単な手伝いをしていた、自分の幼い頃を思い出します。
「このやり方をコーラづくりに活かせるかもしれない!」
結果的にこれがブレイクスルーポイントとなり、小林さんはその1か月後にはキッチンカーを出動させて、青山ファーマーズマーケットに初めて出店。

その後「平日は会社員、週末は出店」という生活を続け、結局5か月後には退職し、会社を設立したそうです。

伊良コーラ IYOSHI COLA | クラフトコーラ専門店


◆上記ポイント4番目の柴田さんは、先ほどの「情熱大陸」の方を見て頂くとして(他力本願)、本書のタイトルにもなっているのが、上記ポイントの5番目の「田野屋塩二郎」の佐藤京二郎さん。

実は何となく聞き覚えがあるな、と思っていたら、帯で推薦していた成毛さんが以前、Facebookに投稿していたのを読んでいたのでした。

成毛さんいわく
ボクはゲラを読んでから推薦するかどうか決めるので、ダメ本は途中でお断りすることになる。で、この本は推薦に価する。
ということで、本書を買った私もひと安心(違。
登場する塩作りの若者がとんでもないのだ。その人の塩はネットでは買えない。四国まで行かないと売ってくれない。意識高いプロ用、料理用に相談しながら作り込むからだという。塩だよ!塩!でも読むと納得する。
実際、「1キロ100万円」というお値段の塩もさることながら、相手の料理人からカウンセリングのように聞き出す、というスタイルに驚かされます。
「なんの肉か、肉のどの部位か、産地はどこか、食べるのは子どもか大人か、どういう風に調理するのか、調理してから何分でお客さんに出すのか、塩を振るのはシェフなのかアルバイトなのかまで聞きます。それによって、塩の溶けやすさ、いつ香りを立たせるかとか調整が必要ですから。それで、サンプルを出してオッケーならそれを定期的に卸します。文句を言われたことはありません」
まさに「プロの中のプロ」とでも言いましょうか……。



というわけで、本書は今回ご紹介した倍の方々が紹介されているのですから、当然「買い」でしょう。


これはオススメせざるを得ません!

4591167941
1キロ100万円の塩をつくる: 常識を超えて「おいしい」を生み出す10人 (ポプラ新書 か 11-1)
1章 小さな経済圏から広げていく
・通販専門で3年待ち。全国から食材が集まり、小さな経済圏を築くパン職人
・300年の茶園を継いだ元サラリーマンの『フィールド・オブ・ドリームス』
・元デザイナーが生み出した創作おはぎ。1日に3000個のおはぎが売れる店

2章 世界で唯一のものをつくる
・元OLと泡盛レジェンドが生んだ、世界唯一のラム酒
・新開発の瓶入りコーラに予約2万本 たったひとりで始めたコーラ革命
・ヒマラヤの麓でつくるピーナッツバターの滋味

3章 日本一、そして世界を目指す
・「神様」を唸らせた醸造家。世界のVIPをもてなすワイン誕生の舞台裏
・月イチ営業で研究開発。前代未聞のオリジナルチーズが開く未知の扉
・キャリア3年で日本一に。全国展開も見据える鳴子発の野菜ジェラート
・最高価格1キロ100万円。常識を覆す塩づくりで挑む世界への道


【関連記事】

【絶品!?】『1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ』氏家健治(2014年01月17日)

【オススメ!】「外食の天才が教える発想の魔術」フィル・ロマーノ(2008年03月20日)

【グルメ?】『食品50社に聞いたイチオシ! の食べ方』マル秘情報取材班(2014年02月12日)

【確かにスゴ本】『ローマ法王に米を食べさせた男』高野誠鮮(2012年07月06日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B07SCWLQR7
感動させて→行動させる エモいプレゼン

当ブログでもご紹介済みのプレゼン本は、Kindle版が800円以上お得。

参考記事:【プレゼン】『感動させて→行動させる エモいプレゼン』松永俊彦(2019年12月07日)

B078TMV3HY
これはしない、あれはする

当ブログとしてはやや異質な自己啓発書は、中古が値崩れしていますが、送料を踏まえるとKindle版に軍配が上がります。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ブランディング」へ

この記事のカテゴリー:「マーケティング」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:00
ブランディングこのエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録

スポンサーリンク